京都市京セラ美術館 オリジナルロゴグッズ監修
京都市京セラ美術館 オリジナルロゴグッズ監修
大規模なリノベーションを経て、2020年にオープンした京都市京セラ美術館。そこに併設されるミュージアムショップで販売するオリジナルロゴグッズの製作を担当。新たに美術館館長に就任した建築家・青木淳氏が手がけた美術館の意匠と、生まれ変わった美術館の新しいロゴに呼応した白と濃いグレーを基調とした繊細なデザインを生み出しました。ヤッケやてぬぐいといった旅行中にも重宝しそうなものから、京都の御菓子司「亀屋則克」とコラボレーションした干菓子までバリエーション豊富に用意。ちょっと気の利いたアイテムを豊富に取り揃えました。
京セラ美術館の伝統にモダンさを掛け合わせたオリジナルロゴグッズを監修。デザインだけではなく「京セラ美術館のグッズのあり⽅」そのものから提案した。
単なる⼟産とは違う実際に「使いたくなるグッズ」を⽬指した。デザインのアイデアを得るため、京セラ美術館の歴史や京都市岡崎地域の背景を⼊念にリサーチした。
美術館を改修した⻘⽊淳⽒による設計や意匠からインスピレーションを受け、グッズには細いグレーのロゴを採⽤。T シャツやトートバッグ、サコッシュなどは、ロゴが⽬⽴ち過ぎず実際に使える「気の利いたアイテム」を実現。
プロジェクトがスタートすると、まずは京セラ美術館のある岡崎地域の歴史や美術館の背景を詳しく調べることから始め、地域の⼈々と勉強会も実施しました。ディレクションする私⾃⾝がこの場所のストーリーを正しく理解することが⼤切だと思ったからです。そうした流れの中で、美術館を改修した⻘⽊淳⽒の設計からインスピレーションを受けグレーの華奢なロゴをデザインするなど、京セラ美術館のコンテクストに紐づいたデザインのアイデアが多数⽣まれました。さらに各地の美術館のグッズには素晴らしいデザインのものもたくさんありますが、あくまでも「お⼟産品」「記念品」としてデザインされていて、実際使い勝⼿がよくないこともよくあります。そこで私たちは、⾃分たちが共有した京セラ美術館のコンテクストを⼤事にしながら、スタイリッシュで気の利いたプロダクト開発を⽬指しました。ロゴをただ⼤きく配置するのではなく裾の部分に⼩さくデザインした T シャツや、磨りガラスのような質感で紙を挟んだ時だけロゴが⾒えるクリアファイルなど、ビームスが得意とするアパレルや⽇⽤品などの定番アイテムについてはどれも、実際に⽇常⽣活の中で使ってみたいと思える「気の利いたデザイン」を施しています。もうひとつ深掘りしてみると、ミュージアムグッズは「買いやすさ」が⼤切なファクターのひとつであるそうで、意外ですが⾷品がかなり売れるとのことでした。そこで京都で「塩」を⽣産している知⼈に依頼し、京セラ美術館オリジナル「京の素」という塩を制作したり、それまでの常識にはない新しい試みにもチャレンジしました。これまで ビームス が培ってきたあらゆるジャンルのディープな⼈脈を今回のような意外な場⾯でアサインできることは、ディレクターズバンクの強みの⼀つかもしれません。最終的には⼲菓⼦や茶筒などの京都らしいアイテムまでバラエティに富んだラインナップが加わり、「ミュージアムグッズ」というカテゴリの基本的なニーズに応えつつも、京セラ美術館らしさを備えた、スタイリッシュなグッズが完成しました。