90年代NYの熱狂が蘇る:アンジェラ・ヒル『X-girl』ゲリラファッションショー写真集
イギリス人写真家であり、ロンドンを拠点とする出版社兼書店「IDEA」の創設者の一人であるアンジェラ・ヒルの作品集。
「SONIC YOUTH」のメンバーであったキム・ゴードンと、その友人でもありロサンゼルス発のストリートブランド「XLARGE」のショップスタッフでもあったデイジー・ヴォン・ファースが、自らの着たい服を打ち出し、共に立ち上げたブランド「X-girl」。
1997年夏にスタートした本ブランドは、同年ロサンゼルスに第1号店を開店。さらにニューヨークのソーホーで、ストリートで見つけた女性をハントしてモデルとしてランウェイを歩かせるといった、今となっては悪名高い歴史の一つとなった同ブランドにとって初のゲリラストリートファッションショーを敢行した。
本書は、プロデューサーにソフィア・コッポラやスパイク・ジョーンズを迎え、キム・ゴードンとデイジー・ヴォン・ファースが展開したこのショーの瞬間を作者が撮影した記録である。
作者はショーを撮影するために呼ばれたわけではなく、ただ撮影しただけだった。プリントとして残さず、その日のネガは引越しのたびにアパートや家を転々としたため、もし誰かが探したとしても無くしたと思われていただろう。2024年、そのネガは発見された。ネガは入ってた袋に貼り付き、傷み、色は少し褪せていた。作者は写真のことは忘れていたかもしれないが、ニューヨークに居た時のことはよく覚えていた。
当時「X-girl」の顧客でもあった女優でファッションデザイナー、モデルのクロエ・セヴィニーや、アーティストでありサーファー、また同ブランドのシンボルとも言えるフェイスロゴのモデルとなったミッシェル・ロックウッドもモデルとして参加した。本書の序文は、クロエ・セヴィニーが寄せており、この企画の精神を完璧に捉えている。
「春のはずなのに、凍てつくような寒さだった。ロマンスとハチャメチャなことへの愛で生まれた「X-girl」が見せた反体制的なファッションショーは、ストリートで、まさにその場で起きたのです。
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ショーは数ブロック離れたマーサー・ストリートの歩道を少し高くした場所で行われた。「Marc Jacobs」による最新コレクションのショーを終えて、リンダ・エヴァンジェリスタ、カイル・マクラクラン、ビル・カニンガム、プレスなどが出てくるタイミングに合わせて始まった。私たちはとっても高まったし、目が眩むようだった。アンジェラの写真に写し出された高揚感は、滅多に起こらないようなことに参加できたことで生まれたものが合わさっている。私たちは許可も認可も受けないで『ファッション』のルールも街のルールも破り、そしてお尻をカッチコチに凍らせたの。」
クロエ・セヴィニー
【仕様・詳細】
・出版社:IDEA(2025)
・頁数:80ページ
・サイズ:215×265mm
・ハードカバー" ※本書は印刷や製本、紙の性質上、折れや汚れがある場合がございます。不良品ではございませんので、あらかじめご了承ください。
BEAMSの原点となる“BASIC & EXCITING”をプロダクトの視点で提案するレーベル。世界中から集めた多種多彩なアイテムを紹介しています。
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商品番号:33-81-0113-082