1976

HIROSHI NAGAI × BEAMS
やっぱり、あの「⻘」なんだ。
永井博⽒との ノベルティ制作の舞台裏。

PRODUCT

text: Ryo Sudo(Jeep Creative Department)

どうやら、ただのノベルティじゃないらしい。イラストレーターの永井博さんとBEAMS の関係といえば、カリフォルニアの⾵景の中に架空のBEAMSのショップが描かれた、あの「企業広告」。その関係を遡ってみると、ビジネスというより「なんか面白いことやろうよ」みたいな「ノリ」からスタートしたらしい。気づけばそれはずっと続いていて、「BEAMSといえば、あの青空」みたいな、特別なビジュアルに。50 周年のタイミングに⽤意された今回の特別なノベルティもまた、その関係性の延⻑線上から⽣まれた。今回覗き見するのは、制作を担当したデザインチーム田久保と竹村、それとアーキビスト長友のハナシ。

–  永井博さんとBEAMS の関係って?

BEAMS の広告を長年手がけていただいているアートディレクターの五⼗嵐たかしさんとのご縁がきっかけです。五⼗嵐さんは80 年代初頭頃からBEAMS の広告をデザインしてくださっていて、私も入社してからずっとやり取りをさせていただいていたんです。その五十嵐さんと永井さんは70 年代、五⼗嵐さんが高校生くらいの頃からの遊び仲間だったと聞いています。永井さんの作品をジャケットに使用した大滝詠一さんの『A LONG VACATION』がヒットする以前からのつながりで、まるで弟子のような関係だったそうです。その関係性の流れの中で、BEAMS と永井さんと自然とつながっていった、という感じです。(長友)

– あの企業広告のはじまりは?

どちらかというとノリに近いですね(笑)。永井さんや五十嵐さんとDJ イベントなんかにご⼀緒させていただく機会があって、そのコミュニティの中でゆるやかに関係が深まっていきました。永井さんのご自宅はものすごいレコードの数で、まるで書庫みたいになっているんです。五十嵐さんもまたソウルミュージックがすごくお好きな⽅で、BEAMS はもちろん音楽が⼤好き。そんな共通のバックグラウンドを持っていたこともあり、「⼀緒になにか面白いことをやろうよ」という流れでスタートしたんです。

ノリってやっぱり大切!!

–  最初のアイデアはどんなものだったの?

当時、BEAMS はいわゆる企業広告というクリエイティブストックを持っていなかったんです。シーズンごとの広告は制作していましたが、ブランド全体のフィロソフィーを伝えるものがなかった。そこで、まずは永井さんたちとその広告ビジュアルを作ろうじゃないかと。それも永井さんに描き下ろしてもらおうという話になりました。その中で、架空の場所にある、架空のBEAMS のショップを永井さんらしい世界観で、というアイデアが生まれました。(長友)

–  永井さんの描く「⾵景」って、BEAMS っぽさ全開ですよね。

そうなんです。永井さんが描くカリフォルニアの開放的な風景は、BEAMS が創業当初から憧れてきたアメリカのイメージとすごく重なるんです。あの抜けのある⻘空やクリアな光の感じ。それは単なる場所性じゃなくて、アートから伝わる「空気感」そのものが、BEAMS が大切にしてきた感覚と驚くほど近いんです。だから自分たちもびっくりするほど自然にフィットしていきましたね。(長友)

 – 今回のノベルティについて教えて!

50 周年を記念して、お客さまに感謝をカタチにして伝えたい。その方法を模索する中で、これまで永井さんに描いていただいた企業広告のアーカイブズを活かしたトートバッグを作るのはどうか、というアイデアが生まれました。新しく生み出したものを伝えるよりも、これまで私たちが積み重ねてきた感性を、今の感覚で解釈してお届けする、という考え方です。制作にあたっては、BEAMS らしさや楽しさはもちろん、50 周年というタイミングならではの「驚き」をどう表現するかを考えました。バッグとして使えるだけでなく、ポーチの状態でも持ち運べて、開く前と後で印象が変わるところも含めて、この企画に合っていると感じてパッカブルトートを選択しました。(田久保)

 – アートワークはどうやって選んだの?

設楽社⻑を含め、制作チーム全員で⼊念に選びました。アーカイブズの中からどの作品を起用するは正直かなり悩みましたが、BEAMS らしさがしっかり感じられて、これまで私たちが⼤切にしてきた世界観がストレートに伝わる3 つに絞りました。設楽社⻑も「このアートだけは譲れん!」という感じで、めちゃくちゃ本気でしたね(笑)。(田久保・竹村)

– ⼿にしてみないとどのアートだかわからないのが⾯⽩い(笑)。

そうなんです! パッカブルポーチなので見た目は全部BEAMSのコーポレートカラーであるオレンジで、広げてみるまでどのアートが⼊っているかわからない。お客さまが⼿に取った瞬間からワクワクできる仕掛けってなんだろう、と考えて、ポーチの状態から広げるプロセスを含めて楽しめるようにしました。アートワークにシワがつきにくい素材を選んだのもポイント。自分でもその体験を想像するだけでちょっとワクワクしますし、普通にこれ、⼀番欲しい(笑)。(竹村)

なにがでるかな、どれがでるかな ♪

–  どんなお客さまに届けたい?

特定の世代だけじゃなく、できるだけいろいろなお客さまに手に取ってもらえたらうれしいです。永井さんやBEAMSを昔から知っている⽅にも、これをきっかけに知る方にも、それぞれの解釈で自由にBEAMS の世界観を楽しんでもらえたらいいなと思っています。そしてなにより、コレクションとしてだけではなく、できるだけ日常の中で楽しみながら使ってもらえたら最⾼ですね。(田久保)

–  ところで、Happyってやっぱりいい⾔葉ですよね?

BEAMS として「Happy」というキーワードは創業以来ずっと⼤切にしてきましたが、永井さんのアートと⼀緒になることで、力みすぎていない、肩の力の抜けた感じがすごく表現できたと思っています。永井さんのアートは、BEAMS の想いや熱量を視覚化してくれる大切な存在。あの青空だけが持つ特別な空気感は、BEAMS が大切にしてきた「Happy」という感覚そのものなんです(長友)

やっぱり
合言葉は”Happy”!

–  最後に、これからの話を少し。

こうしたアーティストとのコラボレーションアーカイブズは、「保管する」だけじゃなくて、新しいお客さまとの出会いのきっかけにしていきたいと考えています。過去のものをただ残すのではなく、現代に合う形で再編集してあらためてクリエイティブとしてお届けすることで、新たにBEAMS を知っていただく入口にもなる。今回のノベルティが、そんな広がりを生み出すきっかけになったらいいなと思っています。(長友)

Sneak Peek Notes.

戦略を持って世界を広げていく、というより、真剣に遊び、真剣にものづくりをする。そんなユルくて真剣な「ノリ」を積み重ねてきた先に、いまのBEAMS がある。永井博さんのアートだって、そのひとつだと思う。青空とか、光とか、見たことがありそうで見たことのない風景。⼿に届かない憧れのようでいながら、ちゃんとリアリティがある。それは、本気で自分たちが面白がって作っているから。今回のノベルティも、たぶん同じ。コレクタブルで特別なアイテムというよりも、毎日使い倒して、気づいたらその世界を好きになっている。そういうノリって、やっぱり最高だ。

INFORMATION

【配布詳細】

配布開始日:2026 年4 月24 日(金)
対象:店頭にて15,000 円(税込)以上お買い上げのBEAMS CLUB 会員様(当日入会のお客様も対象となります)
配布店舗:全国のビームス各店

 

※なくなり次第終了となります。あらかじめご了承ください。
※期間中のレシート合算は不可となります。
※公式オンラインショップでのご購入は対象外です。

 

配布に関連するBEAMS公式サイトニュース
https://www.beams.co.jp/news/4833/

PROFILE

永井博

永井博(1947 年生まれ)は、1980 年代に⼀世を⾵靡した日本の「シティポップ」カルチャーにおいて、そのヴィジュアル・イメージを決定づけたグラフィックデザイナー、およびイラストレーターです。透き通るような光に満ちた空、トロピカルな建造物、そしてあえて⼈物を描かないその構図は、フォトリアリスティックな精密さと、ポップアートの影響を受けた明快な美しさを兼ね備えています。ミッドセンチュリーのアメリカン・デザインや自身の海外経験からインスピレーションを得た永井氏の作品群は、ノスタルジックでありながら普遍的、そして現代の生活における「停⽌した理想の風景」を呼び起こします。

...Sneak

「ルーツ」も「いま」も「あした」のことも。
知れば知るほど、⾯⽩い。
少し未来の「ビームス」のハナシ、
覗き⾒します。

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