ロサンゼルスを皮切りにBEAMS が今、急ピッチで海外への出店計画を進めている。「きっかけは 50 周年?」と言いたくなるところだけど、どうやらそれだけじゃないらしい。台湾をはじめ、BEAMS はすでに海外での評価を確かなものにしてきたけれど、今回はただの『海外進出』という言葉では収まりきらない熱量高めの未来戦略。なぜいまアメリカなのか。そもそも BEAMS らしいグローバル戦略って一体なんなのか。今回覗き見したのは、株式会社ビームス 専務取締役・池内のハナシ。
– BEAMS がロサンゼルスに。夢みたいですね?
はい、正直かなり夢のあるプロジェクトですね。やっぱりロサンゼルスへの出店は、BEAMS にとって特別な意味を持っています。コロナ以降の流れのなかで「これからはより主体的に、BEAMS の意思でグローバル展開を組み立てていこう」と考えたとき、「じゃあ最初の一歩となるブランド DNA といちばん自然につながる場所ってどこだろう?」と いう問いへの答えがロサンゼルスだったんです。もともと『アメリカン ライフ ショップ』としてスタートした BEAMS は、そのルーツを辿っていくと自然とアメリカ、しかも西海岸のカルチャーへとつながっていくんですよね。

ロサンゼルス・ドリーミン♪
–北米やヨーロッパ以外への展開も?
そうですね、これまでBEAMSが本格的に向き合ってこなかった地域への出店も、さまざまな角度から検討中です。文化も気候もライフスタイルも大きく異なるマーケットで、BEAMSらしい価値や楽しさをどう成立させるか。そこに向き合うプロジェクトには、特別な意味があります。ただ、国内のビジネスモデルをそのまま持っていくという発想はありません。いちばん重要なのはローカライズですから「新しいマーケットで成功する」というより、「異なる文化や価値観の中で、 BEAMS というカルチャーをどう翻訳するか」という本質と向き合うのが本質だと捉えています。
–ウワサによると『温暖化』も関係してるとか?
それもひとつの視点ですね(笑)。気候や生活環境が世界規模で変わっていくなかで、「その土地ごとの快適さや楽しさとは何か」を考えることは、ファッションやライフスタイルを扱う私たちにとって避けて通れないテーマです。例えば暑い地域、湿度の高い場所。そうした地域で、人々はどんな快適さを求め、どんなムードを楽しむのだろう。そういうリアリティからこそ、これまでは見えてこなかった、新しい BEAMS のヒントがあるんじゃないかと感じています。そういうプロジェクトは、単なるビジネス拡大のための出店というだけではなく、グローバルな視点で『これからのファッションとライフスタイル』を考えるための実験に近い感覚かも。

– 世界を相⼿にするということは?
まず、絶対に計画通りに進まない(笑)。商習慣、文化、価値観、スピード感、どれも日本とは違いますし、こちらの常識が通用しない場面も少なくありません。でもそのギャップを乗り越えていくプロセスそのものが刺激的でもあります。難しさと面白さは常にセットなんですね。あとは『BEAMS らしさ』という感覚的な価値や感性を異なる文化の中でどう翻訳するか。それがグローバル展開におけるいちばん難しいテーマかもしれないですね。
世界でも『ちゃんとBEAMS』!
– BEAMS らしい海外戦略って?
根っこにあるのは「いい商品があって、気持ちいい空間があって、面白い人がいる」という3つの価値が⼀体となってはじめてBEAMS らしい体験になる」という考え方。そこは海外の店舗でも変わることはありません。ただアイテムを並べるだけじゃなく、『どんな編集をして、どんな世界観の中で、どんなスタッフがその面白さを伝えるのか』、それが何よりも大切だと思っています。自分たちの意思で選んだエリアだからこそ、自分たちの『意思』や『価値観』を大切にしながら、その地域にローカライズされた『BEAMS らしさ』を発見することが大切だと思っています。
– ズバリ、10 年後のビームスは?
まずは成功事例と言える台湾事業とブランド卸事業をさらに進化させ、その経験をインストールしながら、LA の拠点をしっかりと安定させること。そのうえで、そこから派生する新しいビジネスや表現の可能性を広げていきたい。たとえば、ヨーロッパでの常設出店などにもチャレンジしていきたいです。BEAMS がこの先どんなグローバルブランドへ進化していくのか。そのプロセス自体を自分自身が楽しみながらつねに挑戦し続けていきたいですね。

世界のさまざまな場所で、BEAMSの挑戦がスタートしています。
いちばんワクワクしてるの、きっと本⼈。
Sneak Peek Notes.

世界中にブランドを広げる、というよりも、世界のさまざまな場所と『BEAMS らしいつながりかた』を編集している 感覚。モノだけじゃなくて、感性やムードごと届ける。ショップでもありブランドでもあるけれど、そんな感じで世界中で『半歩先のカルチャーの案内役』であり続けようとすること。その熱量が、BEAMS のグローバル戦略をちょっと面白くしている。なにより、関わる本人たちがいちばんワクワクしているあの感じ。それが一番 BEAMS らしいのです。
PROFILE

池内 光
株式会社ビームス 専務取締役
1971年生まれ。大学卒業後、株式会社電通に入社。23年間の在籍期間、キャリアの前半は営業職、後半はクリエイティブ部署においてプロジェクトプロデューサーとして大小さまざまな企画を手がける。2018年4月株式会社ビームス入社。2020年株式会社ビームスクリエイティブ 代表取締役社長、2024年株式会社ビームス 専務取締役に就任。




