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やっと冬の寒さから解放されそうな陽気になってきました。
横井と申します。
音楽や読みたい本とかなんとなく気分が変わってきますよね。
春になったらPOPな音楽や抑揚のない本が聴きたくなったり読みたくなるなって感じしますね。
さてそんな中ですが、冬の終わり際にシューゲイズバンドを3バンド観れたのでレポートします。
先ずは「Whirr」
カリフォルニア出身のシューゲイズバンド。2010年から活動しており今回が初来日。シューゲイズファンならかなり待望ではなかったんでしょうか?
slowdiveやMBVの影響下にはあるもののハードコアなどの要素も織り交ぜた、所謂ヘヴィゲイズと呼ばれる音楽性が特徴です。とはいっても1stEPの「Distressor」から最新アルバム「Raw Blue」に至るまでも耽美な世界観や映画のように大きな世界観を思わせる幻想的な雰囲気や重厚さとシューゲイズ特有の儚さとクリーンさの狭間を揺れ動く音楽性は唯一無二。とある事件をきっかけに長らく音源制作と発表のみでしたが悲願の来日公演。休止期間中も多くのリスナーが聴き続け、ライブ再開に踏み切ったのは覚悟の表れとも思いました。聴いていて思ったのは、どんなバンドよりも青が似合うバンドでした。その青も深い紺色に限りなく近い青から澄み切ったライトブルーまで様々な青が彼らが纏っているような、そんなステージでした。
場所は代官山UNIT、ちょうど真ん中あたりで鑑賞しておりました。シューゲイズだとMBVが来日していたこともあり、轟音系のイメージがありましたが、確かに音は大きく他のライブに比べるとでかいなと思いつつも、音のバランスは完璧でつんざくような不快感は一切ありませんでした。むしろシューゲイズのサウンドにドリームポップ的な聴き心地の良さはさすがだな。と感心するショーケースでした。
次は「Nothing」フィラデルフィア発の四人組バンド。フロントマンのDominic Palermoが織りなす歌詞がシューゲイズサウンドと大きく対比されており、幻想的なサウンドの裏に内省的な歌詞があることによって、ヘヴィーゲイズやヘヴィードリームポップともいわれることが伺えます。またポストハードコアやハードコアのようなバンドを前身としてきたメンバーが多いことからも、よりその事実や音楽性に説得力を与えているような気がしています。
またDinosaur Jr.、Jane’s Addiction、Basement、DIIVなどからメタルやハードコアの数多くのバンドとツアーを行っている実力派であり様々なメディアからも絶賛を受けています。
今回は新しいアルバム「A Short History of Decay」のリリースを目前とした来日という事もあり、何曲か演奏しましたが過去曲もバランスが良い配分で披露してくれたので、かなり良いセットリストでした。
先ほどのWhirrが寡黙で幻想的な世界観の中MCなどなしに淡々と進めるのに対し、Nothingは酔っぱらっているのか、笑いのあるMCを挟みつつオーディエンスとの距離を縮めながら進めていて、ここも良い対比になっていました。とはいえ演奏はヘヴィ且つ、オルタナティブで体が動いてしまうような演奏やサウンドに夢中になってしまいました。
特に新曲の「toothless coal」に関してはシューゲイズサウンドをベースとして、イントロや合間合間に挟まるサウンドが重厚且つオルタナティブな要素を増しており、今までの作風とは違った一面を見せており、シューゲイズライブには珍しいモッシュピットの発生がありました。
今回は「Slide away」というニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスにて行われているシューゲイズ・ドリームポップのフェスが日本初上陸という事もあり、フォロワーたちにはとても大きな意味合いがある来日公演であったとも感じます。
ラストは「Parannoul」
韓国で匿名で活動するソロプロジェクト。DTMによる楽曲制作が特徴。弱冠25歳にして現代の音楽シーンにてPitchforkやRate Your Musicにて高く評価され、若い層を中心に熱狂的な支持を得ている。SlowdiveやTurnstileとの共演もあり、若い世代代表というにふさわしいアーティストの一人と言えるでしょう。
このParannoulの来日には、かなり驚かされました。というのも、2024年から今回の来日に至るまでライブ活動はしないとの声明が出ました。それまでのライブも5回ほどで多くはありませんでしたが、これからを期待していたファンたちにはあまりあるものだったと思います。自分もそうでした。
日本の音楽シーンや文化から大きな影響を受けており、1STから分かるのは岩井俊二監督の代表作、「リリイシュシュのすべて」やライブでも語っていましたが思い出は億千万やエアーマンが倒せないなど、日本のインターネットカルチャーからも影響や着想を得ているそうです。
ライブ行く前にリリイシュシュを見直しましたが、10代に戻った気持ちと大人になってから観た時の感想が全く違っていて、この機会に観る事ができて良かったなと思いました。
ライブは最高の一言です。一曲目は1STの1曲目の「Beautiful World」がしっかり電車の音から始まり、「何聴いてるの?」「…リリイシュシュ」が流れた瞬間はこみ上げる何かが抑えきれませんでした。
Google読み上げ機能で進行するMC。淡々と続く無機質に感じられつつもなんとなくparannoul本人のたどたどしくも吐露される気持ちなどは本当に実在したんだ。と、今まで感じていた非現実性をひっくり返されたような気持ちになりました。
一番好きな「Analog Sentimentalism」もそうですし別名義の「Mydreamfever」の曲も披露し、新曲もやってあっという間のセットでした。
今後また日本で演奏してくれることを心待ちにしています。
今回はこの辺にて。
次回もよろしくお願いします。
TOKYO CULTUART by BEAMS・B GALLERY (ビームス ジャパン)
1998年生まれ。読んだ本や聴いた音楽、遊びに行った所や出来事を書きます。健康的で文化的な少しだけナードな生活を心掛けています。何卒。
カルチャーは現象。誰かと何かが出合って、
気づいたらいつもそこにあった。
世界各地で生まれる新たな息吹を、
BEAMS的な視点で捉えて、育みたい。
きっと、そこにまた新たなカルチャーが
生まれるから。