カルチャーは現象。誰かと何かが出合って、
気づいたらいつもそこにあった。
世界各地で生まれる新たな息吹を、
BEAMS的な視点で捉えて、育みたい。
きっと、そこにまた新たなカルチャーが
生まれるから。

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音の地平線を目指す、Rainbow Disco Clubの現在地。

来る10月29日(土)、「Rainbow Disco Club(以下、RDC)」のスピンオフイベント『RDC “Sound Horizon”』が川崎のちどり公園で開催されます。それに先駆け、〈BEAMS RECORDS(ビームス レコーズ)〉では、10月8日に1DAYイベントを開催。テラスにDJブースをセッティングし、良質な音楽がとんちゃん通りに響き渡り、多くの人が心地よく身体を揺らせる時間が広がりました。ここでは、「RDC」の成り立ちを踏まえ、今回の『RDC “Sound Horizon”』テーマや内容、イベントでも披露されたプロダクトのデザインについて、主催の「RDC」チームにお話を伺いました。

profile

右:Masahiro Tsuchiya

2010年にスタートしたダンスミュージック・フェスティバル、「Rainbow Disco Club」主催、オーガナイザー。イベントを通じて、音楽作品やマーチャンダイズのリリースも行う。
@masahirot

中:Knock

2015年にチームに加わり、Masahiro Tsuchiyaと共に「Rainbow Disco Club」を主催。アーティストブッキングやマーチャンダイズ、グッズ制作の指揮等を併せて担当。
@knock_sov

左:Kikiorix

DJ、プロデューサー、デザイナーとして活動。「Rainbow Disco Club」のレジデントDJ、アートディレクションを担当する。今回、ポップアップで展開したマーチャンダイズのデザインも手掛けた。
@kikigraphix

“苦しいときこそ笑って乗り越える”が「RDC」の理念。

まず、「RDC」がどのようにスタートしていったのか、その始まりを振り返っていただけますか?

Tsuchiya:「RDC」を始める以前、僕はプロモーターとして「RAFT TOKYO」というイベントをやっていたんです。同時期に「REDBOX PROJECT」というパーティもあって、その主催者がカルロス(Carlos Gibbs、RDC黎明期のアートワークやデコレーションを担当した)とローラン(Laurent Novatin、RDC黎明期のブッキングやマーケティングを担当した)の2人。彼らが僕のイベントに遊びに来るようになり、交流が始まったことで「RDC」の構想が固まっていきました。その後、ベストな会場として晴海埠頭(晴海客船ターミナル)が見つかって、2010年の春に第1回目を開催し、スタートしたんです。今では、カルロスとローランはもう日本を出て、残った僕が続けている状況になります。

14時からスタートした1DAYイベント。トップバッターはCYKのNari。準備中、徐々に人が集まって来た。

そこから順調に、2022年の現在にいたるんですね。

Tsuchiya そうでもないんですよ。2011年は東日本大震災で、2012年は悪天候の関係で開催を断念した歴史があります。その後もコロナ禍で配信に切り替えたりと、長く続けているわりに開催できてない年も多いんです(笑)。

東日本大震災やコロナ禍関連での中止・変更は止むを得ない事情もあったと思うのですが、2012年の天候が原因だった際は振替公演などは行わなかったんですか?

Tsuchiya 2012年は当日の朝に中止を決定したので、アーティストやスタッフのみんながいるのに何もできなくて、どうしようかな…という状況だったんですよね。そうしたら、都内のクラブのみなさんが立ち上がってくれて、営業終了後のクラブをもう1度開けていろんなハコで振替公演をやらせてくれたんですよ。そのときに助けてくれた人への感謝は今も忘れていません。だから、「RDC」では“苦しいときこそ笑う”ってことを大切にしているんです。あまりシリアスになり過ぎず、みんなで楽しみながら頑張っていこうという思いを常に大切にしています。

会場の準備も大変そうですね。

Tsuchiya 「RDC」は晴海埠頭を経て、東伊豆で開催しているんですが、だいたい1週間ほどかけて設営してますね。できる限り自分たちで準備しているので、年々できることが増えてきました。

2番手はVinyl Youthのふたり。

今回は『RDC “Sound Horizon”』というタイトルが付けられ、川崎のちどり公園で開催となります。昨年は『RDC “Back To The Real”』でしたが、今年の“Sound Horizon”というテーマの意味を教えてください。

Tsuchiya これは、先ほどお話したカルロスと決めたんですよ。今年の「RDC」はイベントとしてさらに広がりを持たせることが、今後を見据えたときの第一歩だと考えていて、それが地平線まで広がっていくように、という思いを込めました。和訳すると“音の地平線”ですが、まさに言葉通りの意味合いがあります。なので、初出演のアーティストが多かったり、例年と少し違いを持たせていますね。

今後を見据えてというのは?

Knock 実は海外からのニーズが高いんですよ。 来年の3月にもパリで「RDC」の予定が決まったり。コロナ禍以前は、日本での開催も全体の来場者の約30%ぐらいが外国の方々だったんです。

Tsuchiya もう少ししたら『ADE(アムステルダム・ダンス・イベント)』というダンス・ミュージックイベントに公式プログラムで参加します。

Knock 今回は2000人ぐらい入れる会場で。「RDC」として『ADE』に参加するのは2回目で、アムステルダムでは過去に何回も開催していますが、今回が一番大きい会場です。もうチケットも売り切れているから、あとは楽しむだけですね。

これまでにない新鮮なラインナップは、そんなところからなんですね。

Tsuchiya あと、やはり東伊豆の会場だと、距離的な問題もあって呼びたくても呼べなかったアーティストがたくさんいたんですよ。その点、川崎のちどり公園は都心からもアクセスしやすいので、声を掛けやすくなったというのがあります。それは、お客さんにも同様に言えること。「RDC」のことを知ってはいるけど東伊豆で開催されているから行けない、という理由を抱えている人も多かったと思うんですよね。

それこそ、川崎で開催すると若い人も遊びに来やすいですよね。

Tsuchiya それもあって、僕らがずっと出て欲しいと考えていた若手アーティストを呼ぶことにもしたんです。常連のお客さんにも新しい世代がやっていることを見ていただきたいという気持ちもありますしね。それと、今回の『RDC “Sound Horizon”』は「RDC」にとって初のオールナイト開催となるので、出演者やお客さんと一緒に、「RDC」の新たな形を切り拓いていきたいという思いもあります。

3番手はCYKのDNG。

初出演の若手アーティストの中で、注目の1組をピックアップするとしたらどなたですか?

Tsuchiya もちろん全アーティストおすすめなんですが、トロント出身のPeachは初来日ということもあって、発表時の反響がすごかったんですよ。僕らも驚くほど日本でファンを獲得しているアーティストなんでしょうし、期待値も高いと思うので、非常に楽しみにしています。

そこには、若いアーティストにフォーカスすることで、ユースカルチャー自体を盛り上げていきたいという思いもあるんでしょうね。

Tsuchiya そうですね。今の若い人たちはみんなカッコいいので、そういうアーティストが集まったときに、「RDC」において何が生まれるかっていうのを見てみたい思いがあります。世代がミックスされることで、きっと新しいものが現場に生み出されるでしょうし。その光景を早く目の当たりにしたいですね。

ネガティヴな出来事をクリエイティブに昇華したHEATWAVE。

では、ここからは〈BEAMS RECORDS〉でのインストアイベントについても伺いたいです。まず、出演者はどのように決めましたか?

Knock 今年の4月にも開催させてもらったのですが、よりよいイベントにしたいと考えて、前回に引き続きKikiorixくんには出てもらいつつ、若手枠からはCYKのDNGとNari、あとVinyl YouthにDJとして参加してもらいました。

14時から19時の間、〈BEAMS RECORDS〉のテラスにDJセットを組んでの開催となりましたが、季節的にも屋外にいて気持ちがいいですし、ちょっとお祭り感のあるブロックパーティ的な空間がつくられていましたね!

Knock そうですね。コロナ禍の状況も最近では大分変化したこともあって、お酒も提供されて、よりパーティの雰囲気を味わえる時間になったのかなと思います。

1DAYイベントで発売を開始したアパレルコレクション。

イベントでお披露目されたアパレルコレクションのデザインは、どのようなものですか?

Kikiorix 『RDC “Sound Horizon”』のキービジュアルをもとにしたデザインと、“ヒートウェーブ(HEATWAVE)”と名付けたアイテムの2パターンを展開しました。

ヒートウェーブというキーワードはどこから着想を得たんですか?

Kikiorix これは先日、フランスで開催予定だった『ボルドーオープンエア(Bordeaux Open Air 2022)』に「RDC」として参加するために渡仏したんですけど、熱波の影響から開催当日、急遽中止になって出演できなかったことがあって。それをネタにした“熱波プロダクト”になっています。到着した時点で、僕らのテンションは上がっていたんですけど何もできないという状況だったので、そのボルテージをデザインに向けたものですね。残念な出来事でしたけど、結果としてクリエイティブに昇華できてよかったと考えています。

4番手に登場したKikiorix。

ユーモアを感じさせるデザインですね。「RDC」では他にもそういうユニークなアイテムがあったりするんですか?

Knock 販売しているものではないんですけど、スタッフ用のリストバンドに「EAT WELL SLEEP WELL(よく食べてよく寝る)」とか「おつかれさま!」って書いていたりとか。

Kikiorix スタッフ間で使うものは結構変わったデザインを入れることがありますね。フードチケットに細工したりだとか。

Knock そんな裏方向けのギミックにも遊び心を利かせて、自分たちで楽しんだりしていますね。

面白いです! ちなみに『RDC “Sound Horizon”』のキービジュアルに描かれているのは、ジャンベやコンガなど身体を使って鳴らすものが多いですね。どういうイメージでデザインされたのか教えてもらえますか?

Kikiorix テーマにある“Sound Horizon”=音の地平線、そのままの印象を表現しています。楽器のチョイスは、僕の中で一番カッコいいのがアナログシンセイザーで二番目が打楽器系の楽器だ、という個人的な思いからきていますね。

RDCの音楽で時空を超える空気感をデザインに。

Kikiorixさんは、この2種以外にも「RDC」のアートワークを手掛けられていますが、何か統一したコンセプトなどはあるんですか?

Kikiorix 当初、ファウンダーだったカルロスがクリエイティブディレクター的な立ち位置にいたんですが、彼が「RDC」をスタートさせるときに、あえて“モノクロの世界観”を大事にしようということを念頭に置いていたんですよ。ここで虹色を使っていたら、ちょっと単純過ぎるからという理由で。それを踏襲している部分はありますね。あと、自分のサブテーマとして“Beyond Space And Time”を掲げています。「RDC」ではさまざまな国から生まれたいろんな年代の音楽が流れていて、音楽で時空を超えてるような感じがあるので、“時空を超えて”という考えからデザインのモチーフや要素を考えたりしています。

Knock この2種のプロダクトは〈BEAMS RECORDS〉での1DAYイベントでのお披露目を経て、「RDC」とビームス公式オンラインショップ、そして〈BEAMS RECORDS〉の店頭で販売します。在庫の状況を見ながら、『RDC “Sound Horizon”』でも展開予定なので、イベントに来れなかった人は、そちらもチェックしていただきたいです。

ありがとうございます。『RDC “Sound Horizon”』の開催も楽しみにしています!

Tsuchiya 今回の「RDC」もこれまでにない広がりを持たせたラインナップや展開になっているので、来られる方は楽しみにしていてください。あとは天候次第ですね! 中止にならないように祈りつつ、楽しみながら準備を進めていきます。

INFORMATION

RDC "Sound Horizon”

– 日時

2023年10月29日(土)14:00(開場)、15:00(開演)~10月30日(日)9:00


– 場所

神奈川県川崎市「ちどり公園」


– 出演

Benny Salvador × Sam Fitzgerald、CYK(3-hour opening set)、Floating Points、HAAi、Hodge、Kabuto、Kikiorix、Lil Mofo、Mayurashka、Peach、Romy Mats、Sisi、Stones Taro、Vinyl Youth、Wata Igarashi × Haruka、Yamarchy、YOSA、食品まつり a.k.a foodman (live)、VISUAL:、REALROCKDESIGN、VJ Manami、LASER & LIGHTING:、YAMACHANG


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