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“男の子が着る服を着こなしたい”と原宿で生まれたのが 〈ビームス ボーイ〉。
ワークやミリタリーといった機能面から生まれたメンズウェアや、 アイビー、時にはプレッピーをベースに独自の価値を築いてきました。
自分たちのスタイルを構築する上で大事にしてきたのが、映画。今回は1980年代の青春映画やキッズ映画を中心とした、
〈ビームス ボーイ〉のオールタイムフェイバリットフィルムの中から、ベーシックアイテムをどう着こなすか?の
アイデアを教えてくれる作品を選び、スタイリング例を並べてみました。

Welcome to the world of BOY’S FILM

Michael J. Fox as Marty McFly

親友の科学者ドク博士が開発したタイムマシン、デロリアンに乗って
1985年から55年にタイムスリップしてしまった主人公マーティ。
再び元の時代に戻るべく、若き日のドク博士の力を借りることに。
せっかくの50年代を満喫しようとしたマーティだが、
両親の出会いを妨害したことで未来が変わり始めてしまう……。
パート3までヒットした大人気タイムトラベルムービー。

大きめのダウンベストにデニムのセットアップ、そしてチェックシャツ。映画を象徴する主人公マーティのアメカジ王道スタイル。本家からアレンジしたのは、グリーンのベストと〈タイメックス〉の腕時計。あえて変えたくなってしまうのも私たちの性分なのです。

1985年から55年にタイムスリップする本作。50年代にダウンベストを着ていたら救命胴衣と言われてしまった(かも)。そんな時代毎の特徴が表れたファッション観の差が見所。ダウンベストとツイードのセットアップの合わせは、本作へのオマージュです。

BACK TO THE FUTURE

数あるタイムトラベル映画の中でも、最高傑作といえるのがこの映画。全世界で大ヒットを飛ばし、その後、未来へと向かうパート2、西部時代へと飛ばされるパート3まで作られましたが、なんといっても面白いのがオリジナルのパート1。偶然1950年代へとタイムスリップし、ティーンの両親たちと対峙しながら未来が変わらないように奮闘する主人公マーティは、80年代の申し子。ロックが生まれる直前の、まさにリアルアイビー一色の50年代の世界で、80年代に流行したダウンベスト姿を見られて「救命胴衣を着ているの?」と聞かれたり、〈カルバン・クライン〉の下着を見られて、名前がカルバンと勘違いされたりするところに、アメリカンファッションといえど時代によって随分と違いがあることを気づかされます。
どちらの年代もBOYのルーツといえますが、70年代にアウトドアカルチャーが盛り上がる中で生まれたダウンベストがBOYの定番となったのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の影響が大きいのは確かです。マーティがチェックシャツをデニムパンツにタックインしてダウンベストを合わせるスタイルを見ると、同じコーディネートをしたいと思わずにはいられません。

DOWN VEST

寒くなったら着膨れするほど重ね着をする私たち。そんな着膨れスタイルに欠かせないアイテムがダウンベストです。世の中的には脇役感の強いアイテムかもしれませんが、そんなことはありません。疑問に感じる人は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観ましょう。今でこそファッションアイテムとして認知されているダウンベストですが、主人公マーティがタイムスリップした1950年代ではまったく理解されません。あまりに浮いた格好に見えるため、マーティが自分の職業を“沿岸警備隊”と偽り、なんとか切り抜けていくエピソードは、年代感のギャップを映すとともにファッションの進化をユニークに切り取っています。数ある映画の中でここまでダウンベストをフィーチャーした作品はおそらく他にないでしょう。ロバート・ゼメキス監督、ありがとう!
改めて、胸を張って言いますが、ダウンベストは重ね着における主役アイテムです。そして私たちが作るダウンベストは、映画と同じ80年代のクラシックなモデルが元ネタ。実は2020年秋冬から毎年アップデートを重ねて継続している人気アイテムです。去年のモデルから襟の形を角丸に変更し、端までダウンが入ることでよりふっくら見えるように改良。アームホールを通常よりも大きくしたため、今までよりもアウターの上にレイヤードしやすくなりました。素材はナイロンタフタからナイロンリップストップに。クラシックアウトドアを彷彿とさせるレトロスポーティなカラーリングを採用したリバーシブル仕様。今冬、最高の着膨れをこのダウンベストでお楽しみください。

DOWN JACKET

DOWN JACKET

誤解を恐れずに言うと、私たちはダウンジャケットよりもダウンベスト派です。防寒性の観点でいえば、圧倒的にダウンジャケットの方が優れていることは承知していますが、何しろ着膨れが好きなもので。私たちは重ね着をしたいので、ダウンジャケットの袖が自由に取り外せたらいいのに、と思ってしまうのです。
そんなわがままなリクエストに、50年以上愛され続けるアメリカの老舗アウトドアブランド〈シエラデザインズ〉が応えてくれました。これまで何度も別注してきましたが、ジップで簡単に袖が脱着できる2Wayのダウンジャケットは初の試み。しかも、シルエットはBOYのために1から型を作ったスペシャル仕様です。新しいアイデアを形にしたダウンジャケットとはいえ、作りはもちろんアウトドア仕込み。風の侵入を防ぐメインファスナーの比翼、頑丈なファスナーとドットボタンの二重仕立てなど、クラシックなディテールを踏襲した〈シエラデザインズ〉らしい仕上がりに。
カラーリングはクラシックアウトドアなグリーンとベージュの2色展開。これさえあれば色々な着回しができちゃう!

ダウンジャケットがダウンベストになる。私たちにとってはとても嬉しい仕様なのです。着膨れスタイルを楽しむときは、やっぱりダウンベストが一番ですから。念のためお伝えしておきますが、私たちはダウンジャケットのことも大好きです。

リクエストに応えてくれたブランドへの敬意を込め、フロントファスナーのカラーリングは〈シエラデザインズ〉らしいグレーをそのまま踏襲しました。袖のコイルジップも同様です。形は新しいけれど、見た目はアメカジのど真ん中。とてもいいバランスだと思いませんか?

取り外した袖ってどうするの? と思った皆さん、スペシャルな別注ロゴを配した収納袋を付属で用意していますのでご心配なく。これでいつでも安心して袖を外せるし、持ち運びもしやすくなります。収納袋は元々筒状の形だったものを、よりバッグ見えするように巾着型に変更。実際に持ち運ぶことをイメージしながら、紐の太さや長さにもこだわりました。細かすぎて伝わらないかもしれませんが、この本を読んでくれているあなたなら、きっとわかってくれるはず。

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Justin Henry as Billy Kramer

ある日、仕事が生き甲斐の主人公テッドが帰宅すると、
妻ジョアンナは別れを告げて出て行ってしまう。
突然息子ビリーと二人きりになったテッドは、大事な仕事を抱えながら
妻に任せきりだった家事・育児をこなすことに。
父子での生活にも慣れたある日、別れた妻が現れ、裁判でビリーの親権を争うことに……。
主人公テッドはダスティン・ホフマン、ジョアンナはメリル・ストリープが演じた。

主人公の息子ビリーが別居中の母と再会する、映画のハイライト。そのとき彼が着ていたダッフルコートに、マルチボーダーのカットソーや父テッドが着ていたようなシャンブレーシャツを掛け合わせて映画のムードを演出。クロッグでは走れないけれど。

本作を観た後、ぜひ参考にしたいのがビリーの冬小物の使い方。特にミリタリーウェアとの合わせは、大人には中々出せない可愛らしさ。そんな夢のキッズ感を叶えてくれるオーバーサイズの『B-15D』に、BOYの冬に欠かせないフェアアイル柄を添えて。

KRAMER VS. KRAMER

離婚した父親と息子の交流を描く『クレイマー、クレイマー』は、アメリカ家庭のリアルを描くヒューマンドラマとして登場し、ここ日本でも大きな影響を与えた名優ダスティン・ホフマンの代表作の一つ。子育てに無頓着だった父親が、やがて息子との暮らしの中で変わっていく様は涙なしには観られない感動作なのですが、ストーリー以上に服に見入ってしまうのが私たちBOY。仕事第一のお父さんであるテッドが最初はスーツ姿だったのが、子育てを通して息子との絆が深まるにつれて変化していく。ミリタリーの代表的アイテムの一つである『M-65』を着るなど、どんどんとカジュアルになる姿は、アメリカの中流階級における真のダッズファッションとしてとても興味深い。
しかし、ここでも私たちが注目したいのは主人公の1人である息子のビリー。作中に登場するマルチボーダーのアイテムや、彼の着るミリタリーウェアと冬の小物の組み合わせはとても可愛く、まさにBOYのツボ。古着屋のレジ中に飾ってあるキッズサイズのレアヴィンテージをイメージしてアイテムを作ることも多いBOYにとって、アメリカ映画に登場するキッズのスタイルから目が離せません。

DUFFLE COAT

子どもながら、様々なミリタリーウェアを着こなす少年ビリー。映画のストーリーと同様に私たちの胸を打ちます。特に離れて暮らす母親と再会するセントラルパークの感動的なシーンは、自然と涙が頬を伝います。たとえ目に涙が溢れていてもダッフルコートは見逃しません。私たちもダッフルコートを着て、セントラルパークを走りたい! とはさすがに思いませんが、真冬のニューヨークでダッフルコートを着たくなったのは事実です。
アメリカに思い焦がれてスタンバイしている私たちのダッフルコートは、2019年秋冬から毎年登場している冬の定番。今年はネイビー、ブラウン、グリーンの3色をラインナップしました。基本的なデザインは好評だった昨年のモデルを踏襲。雨の染み込みを防ぐ大きめのストームパッチ、小さめの木製トグルを高めの位置に4つ配置、フラップポケットではなくパッチポケット、大きめのフードにはサイズを調整するスナップボタンが付いています。変更点は毛玉のできにくい素材に改善し、生地の厚みが増した分サイジングを微調整しました。え、そもそもダッフルコートってミリタリーウェアなの? と思った人は、『BOY’S RULE Nº2』を読み返してください。イギリス海軍の制服に採用された歴としたミリタリーウェアですし、元々はベルギー生まれの漁師の作業着です。そして1940年代にコロンビア大学周辺に集っていたビートニクたちにも愛されたダッフルコート。私たちは見た目と同じ重厚なルーツを持つこのコートが大好きです。

WATCH CAP, KNIT SCARF & KNIT GLOVES

『クレイマー、クレイマー』を観て、私たちが気になるのは、ミリタリーアイテムと冬小物の関係性です。ビリーのスタイルは本当に可愛らしくて見習うべき点が沢山ありますが、私たちも立派な大人ですから、自分らしくその関係性を追求していきましょう。たとえばワッチキャップ、マフラー、グローブを同じシリーズで揃えてみる。冬小物はセットで揃えたくなるのがBOYの基本です。とはいえ、セットになっていなくても欲しいものはありますよね。たまには色味を抑えたり、思いっきりカラフルに楽しんだり。同じウェアでもこんなに印象が変わります。

クラシックなアーガイルチェックのグローブは、カバーを外すと指を出すことができる実用的なデザインに。サムホールの周りに施した手編み風の縁取りもポイントです。

アーガイルチェックを細かく配してポップに仕上げたマフラー。余談ですが、元々家紋のような扱いだったスコットランドの伝統的なアーガイル柄が世に広まったのは、〈ブルックス ブラザーズ〉のおかげだとか。アメカジと相性のよい理由に納得。

1845年に創業した、スコットランドのニットメーカー〈ロバートマッキー〉に別注したフェアアイルシリーズ。2020年秋冬から色の組み合わせを変えながら展開しているワッチキャップは、BOYだけの特別仕様。生地を二重にしているので温かく、ボリュームのあるシルエットがキュート。

アームウォーマーとしても使えるロングタイプのグローブ。私たちは無類のフィンガーレス好きのため、そこに注目して欲しくて指のカラーを切り替えました。遊び心を取り入れたBOYらしい仕上がりです。

私たちの冬にフェアアイル柄は欠かせません。フェアアイルとは、スコットランドのシェットランド諸島にあるフェア島で生まれた伝統的なパターンを指します。カラフルな柄・色の組み合わせが特徴です。今年もいい出来。

フェアアイルの総柄にしたワッチキャップとマフラーに対し、グローブはあえて柄を一部に留めました。理由は3つセットでコーディネートしたときにくどくなり過ぎないようにするためです。盛り過ぎちゃう私たちですが、ときには引き算もします。

薄手のリブワッチキャップは、冬本番を待たずともコーディネートに取り入れることができます。グローブ、マフラーと同様に、カラフルとモノトーンのクレイジー配色を用意していますが、明るい色が苦手な方には後者をオススメ。でもたまには冒険しましょうね。

揃いのフィンガーレスグローブが寒いと感じたら、このマフラーのポケットを活用してください。色々と詰め込みたくなる私たちも安心できるボタン付きです。

野球の内野手という意味をブランド名に付けた〈インフィールダー デザイン〉。作るアイテムは当然野球絡みということで、MLBチームの刺繍を施したグローブを別注しました。今年はドジャースがめちゃくちゃ強いし、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手がホームランを打ちまくっているし、ワールドシリーズに期待!

野球の内野手という意味をブランド名に付けた〈インフィールダー デザイン〉。作るアイテムは当然野球絡みということで、MLBチームの刺繍を施したグローブを別注しました。今年はドジャースがめちゃくちゃ強いし、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手がホームランを打ちまくっているし、ワールドシリーズに期待!

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Cindy Williams as Laurie

1962年夏、カリフォルニア州モデストの高校を卒業した
カートとスティーブは、大学進学を翌日に控え、
最後の夜を満喫するためにいつものドライブインに集まる。
大学進学をためらうカートと、一刻も早く田舎町を抜け出したいスティーブは
思い思いの夜を過ごそうとするが……。
ジョージ・ルーカス監督の最初のヒット作にして、
古き良きアメリカを描いた青春作品。

主人公カートの妹ローリーは、作品の舞台である1960年代初頭のアメリカの女の子らしい、とってもキュートなスタイル。レタードカーディガンとチェックのスカートが印象的。あえてシャンブレーシャツを合わせて、BOY流の古き良きアメカジスタイルにアレンジ。

本作には登場しない1950〜60年代の古着の代名詞、雪柄スウェットシャツ。ローリーが着ていたことを妄想して、映画の年代に合わせてデニムとコーディネート。レタードの特徴であるシニールワッペンを付けたマフラーを巻けば、年代縛りもバッチリです!

AMERICAN GRAFFITI

『スター・ウォーズ』で全世界にその名を轟かせたジョージ・ルーカス監督が、最初にその存在を知らしめた青春映画の金字塔、『アメリカン・グラフィティ』。舞台を1962年のカリフォルニアの田舎町に設定し、高校を卒業したキッズたちが大学進学前に一緒に過ごす最後の夜を描いたこの作品は、ベトナム戦争が始まり、公民権運動やヒッピームーブメントで激動する前の、「アメリカといえばこうなはず」という私たちの大好物が詰まったもの。
溜まり場は、ローラースケートを履いたウェイターが注文を取りに来るドライブインレストランだったり、そこに集まるキッズたちの格好が白Tシャツにデニムパンツ、ボーリングシャツで、女子はシニールのカーディガンにプリーツスカートだったり。50年代のスタイルがまだ色濃く残る若者のスタイルは本当に格好いい。レストランのウェイトレスたちが白シャツにサイドラインのパンツを穿いてローラースケートを履いているのも、アメリカらしくて魅力的。
とはいえ、やはりこの映画で一番印象に残るのは白Tシャツにデニムパンツの着こなしです。アメリカンカジュアルの真の王道として、ここは避けては通れない。ホットロッドを乗り回すミルナーが、タイトに着た白Tシャツの袖をまくりあげ、そこにタバコを挟むスタイルを参考にして、袖にスナックを忍ばせてみたり。ちょっと真似をしたくなるアメリカンな着こなしです。

LETTERED CARDIGAN
& LETTERED SCARF

1962年のアメリカ・カリフォルニア州モデストを舞台にした『アメリカン・グラフィティ』。登場人物たちのコーディネートを見てみると、まだ50年代のスタイルが色濃く残っています。主人公カートの妹ローリーのスタイルも例外なく、彼女が着ていたのは、50〜60年代のアメリカの学生たちが着ていたレタードカーディガンでした。彼女のものか両親のものかはわからないけれど、フォード・モーター社の58年式エドセルを乗り回す姿は、当時のトムボーイ感があって可愛らしいです。
今シーズンのBOYでは、映画の時代感とマッチするレタードカーディガンを〈ホワイツビル〉に別注しています。ウール100%のしっかりと編み込まれた素材感、シニールワッペン、左袖のラインやフロントポケットなど、ヴィンテージのアイテムを忠実に再現。別注ポイントはカラーリングとBOYに関係するワッペンと刺繍。ワッペンも一からデザインしました。そしてカーディガンと同じカラー、ディテールを採用したマフラーも作っていただきました。アイテムによってワッペンのサイズを変えていたり、さりげない部分にもこだわっています。

SWEAT SHIRT

『アメリカン・グラフィティ』の舞台となった1950〜60年代のアメリカのファッションは、私たちの大好物。BOYでは、時代の特徴が反映された古着を元ネタにアイテムを企画することも少なくありません。映画は62年の夏のある1日(しかもほぼ夜)を描いたストーリーのため、秋冬らしい洋服といえばローリーが着ていたレタードカーディガンくらいです。しかし、仮に映画の中の季節が冬だった場合、ひょっとしたら誰かが着ていたかもしれないアイテムが、この雪柄スウェットシャツです。レタードカーディガン同様、〈ホワイツビル〉に別注をオファーしました。ご紹介が遅くなりましたが、〈ホワイツビル〉は東洋エンタープライズ社が実名復刻した、古着マニアに人気のある伝説のブランド。優秀なアスレチックウェアメーカーとして名を馳せたブランドの特性をしっかりと継承し、当時のカレッジやスポーツアイテムを甦らせています。
そんな同ブランドが手がける雪柄スウェットは、幾何学柄を染み込みプリントした生地を胸部分で切り替えているのが特徴で、程よい厚みの生地感もヴィンテージを元に再現。私たちのリクエストは、 古着にありそうでないカラーリングと今着たいサイジング。ローリーがこれを着てアメ車を乗り回していたら可愛いだろうなぁ、なんて妄想も膨らんでくる自信作です。

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Anthony Michael Hall as Brian Johnson
Emilio Estevez as Andrew Clark

普段まったく接点のないタイプの高校生、
“スポーツマン”アンドリュー、“勉強家”ブライアン、
“お嬢様”クレア、“ミステリアス”アリソン、“不良少年”ジョン。
それぞれ問題を起こした罰として土曜日の学校に呼び出された彼らは、
「自分とは何か?」というテーマの作文を書かされることに……。
10代が抱える悩み、葛藤、不満をぶつけながら互いの心を通わせていく青春映画。

物理学部に所属する“勉強家”のブライアンは、スウェットシャツにチノパンを合わせたシンプルなスタイルかと思いきや、チラリと見えるラインソックスがテレコ履きに。それが彼のこだわりか偶然なのかはわからないけれど、私たちはこだわりとして採用。

作品の舞台である1980年代のアメリカの体育会系学生の鉄板アウターといえばヴァーシティジャケット。作中ではレスリング部に所属するアンドリューも当然着用。ポイントは普段着らしく、シンプルさを心掛けること。そしてインナーのサーマルも忘れずに。

THE BREAKFAST CLUB

1985年に公開され、リアルなティーンの心情を描く青春映画として大ヒットしたのが『ブレックファスト・クラブ』。補習を受けるために朝から学校に呼び出されたのは、普段の学校生活では決して交わることのないスクールカーストが違う5人の生徒。ヴァーシティジャケットを着たスポーツ万能のジョックスから、コートの着こなしがクールな不良、女の子らしい着こなしの甘やかされたお嬢様、ミステリアスなスタイルから変身を遂げる少女、そしてニットにチノパン姿の秀才。そんな彼らが補習クラスをブレックファスト・クラブと呼び、互いのことを知るなかでそれぞれが持つ悩みや問題を知り、打ち解けていく素晴らしい映画。「自分とは何か?」を問いかけられることで自分たちを見つめ直し始める彼らの姿は、いつ観返しても新鮮です。
ファッション的にも1980年代のアメリカンカジュアルをすべて網羅していると言える、私たちの教科書のような作品です。BOY的にとくに注目したいのが秀才のブライアン。最もシンプルなスタイルですが、よく見ると左右色違いでソックスを履いていたり、足元に〈ナイキ〉のレトロランニングシューズをさりげなく合わせていたり。スウェットシャツとチノパンという私たちの定番のスタイルでどう遊ぶか、大きなヒントを与えてくれます。

VARSITY JACKET, COACH JACKET
& LINE SOCKS

『ブレックファスト・クラブ』に登場する“スポーツマン”アンドリュー、“勉強家”ブライアン、“お嬢様”クレア、“ミステリアス”アリソン、“不良少年”ジョンの個性的な生徒たちは、問題を起した罰として土曜日に学校に呼ばれ、「自分とは何か?」という作文を書くことを命じられます。そんな作品を観て、改めて私たちも自分のことを見つめ直してみたら、“アメカジ好き”、“アイビー好き”、“古着好き”……。すべて『BOY’S RULE』に書いてありますね。やっぱり、私たちは〈ビームス ボーイ〉が好きってことで!

1990年にアメリカ・オレゴン州ポートランドで創業以来、30年以上に渡って高品質のヴァーシティジャケットを作り続けている〈セトルマイヤーズ〉は、地域密着型のブランドで地元の学生や、スポーツチームに愛されています。しかも、今や貴重な完全メイドインUSA!
そんな〈セトルマイヤーズ〉に別注したジャケットは、素材・色・パーツ・サイズなど、すべてBOYで一から選んだスペシャルモデル。80年代のカレッジムードを感じさせる、どこか懐かしいカラーリングがお気に入りです。古着のワッペンなどをつけて、自分らしくカスタマイズするのもいいですよ。

〈チャンピオン〉に別注した新型のビッグコーチジャケットは、たっぷりとした身幅が特徴で、シルエットはAラインに見えるように調整。オーバーサイジングを強調したかったので、右袖のBBロゴも同色刺繍に変更し、他のディテールは極力シンプルに仕上げました。

アメリカのメジャースポーツにおいて、多くのチームで採用されているソックスメーカー〈TCK〉。2022年春夏に続き、BOYでラインソックスを別注しました。今回の新色は秋冬らしい渋めの3色。“勉強家”ブライアンを真似して、左右色違いで履くのもオススメです。

SWEAT SHIRT

私たちが憧れるアイビーリーグのブックショップ(日本でいうところの大学生協)で売られているカレッジスウェットシャツ。その多くを手がけているのが〈チャンピオン〉です。その歴史は古く、第二次世界大戦中には、リバースウィーブⓇのスウェットを大学に提供していたとか。多くのアイビーリーガーに愛され、今もアメリカの学生が当たり前のように着ているアイテムですが、私たちのようなアイビー好きにとって〈チャンピオン〉は特別ですから、常にブランドに対するリスペクトを抱いて別注しています。
今回作ったリバースウィーブⓇのクルーネックスウェットシャツは、今シーズンのテーマであるスポーツに関連するワードをプリント。80年代のカレッジムードを感じさせるロゴパターン、某アイビーリーグのカラーリングを採用するなど、私たちのアイビー愛をさりげなく反映させています。伝わってくれたら嬉しいな。グレーとネイビーは同色でスウェットパンツも作っているので、セットアップでも着用できます。

FLOCK PRINT SWEAT SHIRT

古着でたまに見かける何版もプリントされてしまったスウェットシャツやTシャツ。こういうイレギュラーな古着に目がない私たちは、新品でもそれが実現できないものかと考えました。もしかしたら、私たちと一緒に数多くの古着を忠実に再現するアイテムを作ってきた〈ウェアハウス〉なら叶えてくれるかも! とお願いして生まれたのがこのフロッキープリントのスウェットシャツです。
今回のテーマは“試刷り”。プリントの着色前後を表現するために白フロッキーとカラーフロッキーの2パターンを施して、イレギュラーな古着にありそうなストーリーを込めてみました。プリントのボディは、古着でも希少とされているブラックでしょう! ということでボディのカラーはストイックにブラックのみで、プリントを2パターン用意しました。よりヴィンテージ感を演出するため、ボディも丸胴に。1点ずつエアブラシで着色しているため、個体差がありますが、それもこのアイテム独自の大切な味なのです。

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Ke Huy Quan as Richard “Data” Wang
Sean Astin as Michael “Mikey” Walsh

主人公マイキーの父親の借金を返すため、
大海賊・片目のウィリーが遺した財宝を探す冒険に出たグーニーズたち。
財宝の地図に記されていた場所は、悪名高いフラッテリー一家の隠れ家。
海賊が仕掛けた罠を潜り抜け、追ってくる敵を振り切り、
グーニーズは無事に財宝を手に入れることができるのか……? 
アメリカが誇る少年冒険映画の最高傑作!

グーニーズのキッズたちの中で最も個性的な発明好きのデータ。そんな彼のトレンチコートの着こなしを再現しました。こだわり派の私たちは、ワッペンでカスタマイズして完コピ! 冒険に欠かせないバックパックは正しい位置で背負いましょう。

デニムのセットアップは色々な映画で見ることができますが、主人公マイキーのスタイルはBOYの理想像にピタリとハマります。私たちの必須アイテムである杢グレーのスウェットシャツには、首がしっかり詰まった白Tシャツを。たまには裾を出すのもアリ。

THE GOONIES

個性豊かな仲間たちと、海賊の残した財宝の伝説を信じて旅に出る。小さい頃に誰もが一度は夢見たことのあるような話をそのまま映像化したのが1980年代の傑作冒険映画『グーニーズ』。仲間と旅に出るというと『スタンド・バイ・ミー』と共通する部分もありますが、『グーニーズ』はとにかく賑やかで楽しい。自分の子供時代にこんな思い出があったなら、と思わずにいられませんが、その愉快な話と同じくらい惹きつけられるのが、『グーニーズ』のキッズたちが身に纏う80年代のファッション。トレンチコートやヴァーシティジャケットをさらりと着ていたり、カットオフの半袖スウェットシャツに合わせるデニムパンツは〈ナイキ〉のハイカットスニーカーとの丈感が絶妙で、1つ1つのシーンを食い入るように見てしまうのです。
男の子たちの着こなしだけじゃなく、女の子もシニールカーディガンにVネックのニットを重ね着していたりとかなりお洒落。80年代の映画に出てくるキッズたちの着こなしは、アイテムの合わせ方やサイズ感も含め参考になることが多いので私たちは常にディテールまでチェックしています。

TRENCH COAT

個性的なキャラクターが揃うグーニーズの中でも、際立つ存在感を放つ発明好きのデータことリッチー・ワン。作中においてもデータの発明品が重要な役割を果たしているのですが、私たちが気になってしまうのは彼が着ていたトレンチコート。ちょっとサイズが合っていないオーバーサイズ感と、ワッペンのカスタマイズに釘付けです。
アメリカ軍の放出品にしては小さすぎるし、民生品の線が堅いかな……と色々頭を巡らせても答えは出ませんが、いずれにせよ冒頭の登場シーンやこだわりが強そうなカスタム具合を見ても、かなりお気に入りの一着であることが窺えますよね。私たちもデータのようにトレンチコートを着こなしたい! そのイメージを〈バズリクソンズ〉に別注してみました。ワッペンは付属していませんので悪しからず。

トレンチコートといえば、第一次世界大戦時にイギリス軍に採用されたミリタリーウェア。トレンチは“塹壕”を意味し、塹壕戦の兵士のために考案されたコートです。その完成度の高いデザインは、ほぼ形を変えることなくアメリカにも伝わり、 陸・海軍で採用されました。
そして今回の元ネタとなったのは1940年代のアメリカ海軍のトレンチコートです。丈夫でしなやかなツイル生地を使用し、大きなバルカラーや二重の袖ディテールなど、ヴィンテージの仕様を忠実に再現。サイジングはデータが着ていたように大きめに仕上げています。それが今、私たちが着たいバランスなのです。

裏地をなくし、従来のトレンチコートのイメージを覆す軽やかな着心地。丁寧なパイピングの仕様は、さすが〈バズリクソンズ〉。

ウエストのベルト位置を高くし、女性が着てバランスがよく見えるように微調整しました。

GREGORY × BEAMS BOY

財宝の在処を印した地図を手に入れ、大海賊ウィリーが遺した宝物探しの冒険に出るグーニーズ一行。バックパックを背負っていたのは、我らがデータくん。胸元のストラップがないのか、ベルトは締めていないけれど、きちんと正しい位置で背負っているからOKとしましょう。
もし私たちが今、彼らのように冒険に出るとしたら、〈グレゴリー〉に別注したバッグコレクションの新作を連れて行きたい。やっぱりバックパックかな? でも他のアイテムも捨てがたい。今回はシーズンテーマのスポーツを軸に作っているため、ブラウンのボディにオレンジとホワイトのカラーを利かせ、アメリカ4大スポーツのチームを彷彿とさせるカラーリングに。手前味噌ですが、これは名作の仲間入りでは? BOYエクスクルーシブの『NICE DAY』と、『DAY PACK』『QUICK POCKET』は、ライニングにネームカラーと同じオレンジを使用し、視認性を良くしているのもポイントです。

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Katharine Hepburn as Ethel

邦題は『黄昏』。美しい湖畔の別荘で過ごす老夫婦ノーマンとエセル。
ノーマンと確執を抱える娘チェルシーは、
父の80歳の誕生日会に結婚相手と連れ子のビリーを連れていく。
そして、老夫婦はしばらくビリーを預かることになって……。
1981年度のアカデミー賞では、ノーマン役のヘンリー・フォンダが
主演男優賞、エセル役のキャサリン・ヘップバーンが4度目の主演女優賞に輝いた。

憧れのキャサリン・ヘップバーンが愛したスーチングスタイルに敬意を込めて。シャツの襟は無造作に立て、カーディガンはラフに肩掛け。真面目になりすぎず、自分らしい遊びを加えるのが彼女の流儀。少しでもそのスタイルに近づけるように日々精進。

『黄昏』でキャサリンが演じたエセルは、インナーにタートルネック、そしてシャツの襟を立たせるスタイルが特徴です。もし彼女がアランニットカーディガンを着たらこんな感じかな? と妄想。映画を観たら、こんなおばあちゃんになりたい! と思うはず。

ON GOLDEN POND

ハリウッド俳優としての固定概念に捉われることなく、その長いキャリアの中で独自のスタイルを貫いたキャサリン・ヘップバーン。フェミニンなスタイルこそが女性らしいとされていた時代において、彼女が好んだのはパンツスタイル。プライベートでも自然体であり続け、自分が良いと思うもの、心地よいものを愛し続けた彼女は、BOYが愛してやまないミューズの1人です。何しろタートルネックを普段使いし、ミリタリーアイテムを好んでチノパンや『M-43』を着回したりしながら、赤を差し色として多用したり、〈ナイキ〉のスニーカーを合わせたりと、私たちが今すぐ取り入れることのできるコーディネートをはるか昔から実践していたのですから。
『黄昏』はそんな彼女のキャリアにおいて後期の代表作。トレードマークでもあるタートルネックを着こなす、歳を重ねてもブレないそのスタイルを実感できる素晴らしい映画です。森に囲まれた湖畔近くで老後を過ごす夫婦役で登場するキャサリンの、シンプルで品のあるアメリカンカジュアルな着こなしは、私たちが歳を重ねたときにどのように服で遊ぶか、その方法を教えてくれる、指針だと思っています。

DOUBLE-BREASTED JACKET & SLACKS

2021年秋冬から継続しているダブルブレステッドスーツは、アメリカを代表する名俳優、キャサリン・ヘップバーンに憧れて作ったものです。生涯を通して独自のスタイルを貫いた彼女は、女性たちに浸透する前からパンツスタイルを好み、スーチングやミリタリーアイテムなどをかっこよく着こなしていたのです。そんな彼女に少しでも近づきたい! その願い込めて私たちはスーツを身に纏います。

ジャケットはメンズの仕立てを踏襲しながら、ガチガチにならないように肩馴染みや全体の雰囲気を整え、今着たいと思える一着に仕上げました。余談ですが、ダブルブレステッドの仕様はミリタリーデザインが由来で、ピーコートと同じく左右の打合わせはどちらが前になってもOKです。
パンツは程よいブーツカットシルエット。ジャケットとセットアップで着用しても野暮ったくならないよう、少し細身に見えるようにしました。背面のウエスト部分がゴムになっているので、カチッとした見た目なのに穿き心地は快適です。ジャケット、パンツともにストレッチが効いた素材を使用していますが、 2021年秋冬モデルよりも軽い生地に変更し、起毛をかけているため温かく、より長い期間お楽しみいただけます。

裏地がない一重仕立てなので、素材の軽やかさ、着心地の良さが味わえます。

ジャケットの袖口は本切羽仕様に。BOY流スーツのこだわりです。

TAILORED JACKET & SLACKS

ハンティングジャケット用に作られたガンクラブチェックは、アイビースタイルを代表する柄のひとつです。紳士のスポーツであったハンティングに由来したパターンは、スポーツをテーマにした今シーズンのスーツを仕立てるのに、まさに打ってつけなのです。
渋いカラーリングもいいけれど、『BOY'S COLOR』を経た私たちのオススメはピンク。アイテムがベーシックなら色で遊び心を加えても楽しいし、コーディネートに使うアイテムのデザインや色を落ち着かせればしっかりとまとまることを私たちは知っています。キャサリン・ヘップバーンのようにブレない自分らしさを備えるために、日々着こなしを鍛錬していきましょう。

メンズサイズを女性が羽織っているイメージで作ったジャケット。大きめのシルエットですが、肩幅や袖はバランスよく見えるように調整しました。レザーのバスケットボタンを使用した贅沢仕様。メンズの仕立てを踏襲した袖付けで、動きやすさも重視しています。
パンツは野暮ったくなりすぎないように裾をややフレアに。素材はともにウールに見えるポリエステル素材を採用。原料の一部にソロテックスⓇを使用しているため、ウールよりも軽量でシワになりにくく発色も鮮やか。そしてチクチク感も軽減されています。

エルボーパッチはハンティングジャケットなどに用いるディテール。BOYらしさをプラスしています。

本切羽仕様の袖口。カフスにもバスケットボタンを採用。

CARDIGAN

BOYには定番で展開しているセーターがあります。何度かご紹介してきたシャギードッグセーターのクルーネックとカーディガン、そして2019年秋冬から作り続けているこちらのカーディガンです。今シーズンは秋冬のムードを高めてくれるカラーリングをラインナップ。ボタンはボディの色に合わせて染めた特注で、カジュアルになりすぎず上品な印象に仕上げています。オンオフに活躍するため、一枚持っているだけで大活躍。
この汎用性の高い便利なカーディガンを、キャサリン・ヘップバーンだったらどう使いこなすだろうか? 本人に正解を聞くことはできませんが、そのひとつになりうる答えが『黄昏』にありました。キャサリン演じるエセルが夫ノーマンと会話する夜のシーンで、ラフに着たシャツの上にカーディガンをサラッと肩掛け。何気ない無造作スタイルなのに、とてつもなくかっこいい! 完璧過ぎますよ、キャサリン師匠! 本作には他にも参考になる着こなしが目白押しなので、ぜひ観てみてください。

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Drew Barrymore as Gertie Taylor

宇宙船に乗り遅れ、地球に取り残されてしまった宇宙人E.T.は、エリオット少年と出会う。
エリオットはクローゼットにE.T.を隠し、兄マイケルと妹ガーティと協力して
母親に内緒で生活を共にする。E.T.の「家に帰りたい」という気持ちを知ったエリオットは
通信機を作り、ハロウィンの夜に作戦を決行する……。
当時の世界歴代興行収入を記録したアメリカSF映画の金字塔。

お兄ちゃんたちのおさがりかな? と妄想してしまう主人公の妹ガーティのスタイルは、“男の子のような女の子”のバランスを愛する私たちのツボ! オーバーオールに80年代ムードのポップなマルチボーダーTシャツ、仕上げはリボンでツインテール。か、完璧!

オールインワンにフリルをあしらったブラウスを合わせるなんて素晴らしい! 細部まで見逃せないガーティの着こなし術は、私たちのインスピレーションをかき立てます。襟が取り外せる『リバティ』プリントのブラウスで、BOY流のひねりを加えてアップデート。

E.T.

1980年代のアメリカ映画の代表と言えば『E.T.』。宇宙人であるE.T.と主人公の少年エリオットとの交流に全世界が涙した傑作ですが、BOYとして見逃せないのは作中に登場するキッズたちのファッションや、部屋のインテリア。無造作に置かれたアメフトのヘルメットや、クローゼットの中からチラリと覗くナンバリングTシャツなど、私たちのルーツでもある普遍的なアメリカンスタイルが詰まっていて、『ストレンジャー・シングス』のような世界観が好きな人にはマストの映画です。
エリオットが赤いジップアップのスウェットパーカにデニムパンツを合わせ、〈クワハラ〉のBMXにカゴをつけてE.T.を乗せる姿を覚えている人は多いかと思いますが、それ以外のシーンで見せる彼のスタイルもかなりお洒落。オーバーオールのインナーはサーマルだったり、プリントTにネルシャツを重ねたり。さりげなく茶タグの〈ザ・ノース・フェイス〉のバックパックを背負っていたり。もちろん映画の中で重要な役割を持つ妹のガーティも、ストライプのタートルにオーバーオールを合わせたりとBOYに通じるスタイルで80年代のアメリカンファッションの王道を表現しています。今回の扉絵ではそんなガーティがBMXに跨ったら?という作中にはなかったシーンを表現してみました。

OVERALLS

オーバーオールを愛する私たちですが、『E.T.』の主人公エリオットの家族も同じではないかと思っています。エリオット、妹ガーティ、そして母メアリーまで作中で着用しているのです。特にキッズたちが着るオーバーオールの可愛らしさときたらたまりません。わんぱく盛りですから、汚れてもいいオーバーオールを着せることは理に適っていたでしょうし、末っ子のガーティは兄2人のおさがりを着せられていたのかもしれませんが、とりあえずメアリー母さんグッジョブです! 映画を観て、オーバーオールの魅力を再確認したところで、私たちが〈オアスロウ〉に別注したアイテムをご紹介します。
今回はヴィンテージのオーバーオールからインスパイアを受け、1940年代、50年代、90年代と年代別に3型製作。それぞれの年代に合わせたディテールや生地感を落とし込みました。そして3型ともシルエットを変化させることで、よりその差を演出しているのもポイントです。見比べてみるとそれぞれの違いが表現されていて面白いのですが、どれもいい出来すぎて選ぶのに困っちゃう! 私たちのオススメは、もちろん全部!

LEFT: Overalls(1940s)
MEDIUM: Overalls(1950s)
RIGHT: Overalls(1990s)

    FRONT: 40年代のヴィンテージオーバーオールを忠実に再現。穿き込んで柔らかくなった生地感、自然に飛び散ったペンキは、まさにヴィンテージさながら。30〜40年代に見られるドーナツボタンや黒ラッカーのスナップボタンを使用しているのも、年代感を演出するポイント。胸元にポケットがないこと、女性向けに作られていたようなジャストなサイズ感は、元ネタを踏襲しました。

    BACK: 背面のないオーバーオールは40年代に多く見られる特徴。特に今回のモデルは第二次世界大戦期のデザインということもあり、簡素化されたシンプルな作りになっています。

    FRONT: 50年代のヴィンテージオーバーオールを元に製作。当時のデニムの生地感に近いものを選び、ワンウォッシュを施しました。ポケットは50年代に多く見られた2ポケット仕様で、左右違う形状になっているのもポイントです。また、強度を上げる生地裏のパイピングは珍しいディテール。シルエットは程よくルーズです。

    BACK: 50年代のオーバーオールは背面ありと背面なしが共存していたようですが、こちらは前者。オーバーオールは縫製が難しく、背面部分の縫い方で生産性が大きく変わるので、古着ではメーカーやブランドで差が出る点でもあります。

    FRONT: オーバーサイズのオーバーオールは、90年代のデッドストックでメンズの大きなサイズが元ネタ。デッドストック感を表現するため、生地はノンウォッシュのリジットを。胸元の大きなワンポケットは90年代に多く見られる仕様。オーバーサイズのシルエットに合わせて、一部のボタンを大きくしてバランスを取りました。

    BACK: 背面デザインは50年代のものから大きな変更はありませんが、素材、縫い糸などのディテールをマイナーチェンジ。

    今回のオーバーオール3型に合わせて、それぞれの年代に合わせたポケットのディテール、生地を採用したバッグを製作。それぞれ1サイズ展開です。

    L.L.Bean × BEAMS BOY

    当時の歴代最高の興行収入を記録し、世界的ヒット作となった『E.T.』が公開された1980年代。〈エルエルビーン〉が世に送り出した名作、『デラックスボート&トート』も同じ年代にアメリカで生まれました。ヴィンテージ市場でも群を抜いて希少で人気のあるこのバッグを、〈ビームス プラス〉と合同で別注。特徴的な二重ハンドルや外側ポケットのディテールはそのままに、ディープボトム仕様にアップデート。しかも1980年代に登場したレッド×ネイビー、グリーン×ネイビーの配色です。あれ? 去年の秋冬も同じものを作ってたじゃん! と思ったそこのあなた、ご安心ください。今回は前回モデルから配色を反転させているのです!
    〈ビームス ボーイ〉ではミニとスモールのトートバッグ2サイズとトート型のキーチェーンを、〈ビームス プラス〉ではミディアム、ラージ、エクストララージのトートバッグ3サイズを展開。〈エルエルビーン〉コレクター心をくすぐるスペシャルシリーズなので、お見逃しなく。

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    Alfred W. Lutter as Ogilvie

    元マイナーリーグの投手でプール清掃員のバターメイカーは、
    問題児だらけの弱小少年野球チーム、ベアーズの監督をすることに。
    当初はまったくやる気のなかったバターメイカーだが、下手ながらも勝ちたいと願う
    子どもたちの熱意に胸を打たれ、一緒に強豪チームに挑戦していく……。
    少年野球を題材にした、笑いあり涙ありの傑作スポーツコメディ。
    続編2作品と2005年にリメイク版も公開。

    チーム随一の野球オタク、オギルビーほどではないけれど、アメリカのスポーツワッペンを沢山つけたコーチジャケットが主役。ユニフォームを思わせるヘンリーネックのワンピースを合わせてBOY流ベースボールスタイルに。キャップはもちろんヤンキース!

    『がんばれ!ベアーズ』を観た後は、映画に影響されてチームカラーのイエローを積極的に取り入れたくなってしまう。そんな日は、〈ニューバランス〉にカラー別注したスニーカーの左右異なるNロゴの配色が、チームカラーと球場の芝に見えてしまうのです。

    THE BAD NEWS BEARS

    人気のあまりテレビドラマ化された、異色の野球映画『がんばれ!ベアーズ』。問題児ばかりいる弱小野球チームのコーチに、野球経験のあるバターメイカーが就任することで、ドタバタがありつつも勝ち進んでいく様子を描いたこの映画。1970年代のアメリカンカジュアルの空気感がふんだんに伝わってくるスポーツコメディです。スポーツウェアがアメリカで完全に市民権を得たのは80年代だと思いますが、まだハイテク素材などが登場する前の時代である70年代のものは、どこか日常着と近い着回しやすいアイテムが豊富にあります。映画の中では、ワッペンが山のように縫い付けられたジャケットや、ナンバリングのついたカットソー、お揃いの黄色のベースボールキャップや、ネックの詰まったTシャツにセーラーハットを合わせたスタイルが登場し、ついついそのまま古着屋さんに走っていきたくなります。
    ワークウェアやミリタリーものをブランドの根底に持つBOYですが、スポーツアイテムも私たちにとって大事な軸の一つ。着るだけでハッピーな気分にさせてくれます。今シーズンは『がんばれ!ベアーズ』の中に出てくるようなチーム感を演出するナンバリング入りのアイテムや、チームカラーに由来したカラーリングを落とし込んだものなど、スポーツをテーマにしたアイテムを沢山用意しています。

    FOOTBALL T-SHIRT
    & EASY PANTS

    『がんばれ!ベアーズ』なのに、フットボールTシャツかよ! と突っ込みを入れてくれたあなた、まぁまぁ落ち着いて。映画でもフットボールTシャツやナンバリングTシャツは出てきますし、何よりベアーズのチームカラーのイエローですから。
    今までプリントものを多くやってきた私たちですが、今回のナンバリングは貼り付けタイプにしてみました。そしてナンバリングアイテムをどうしてもセットアップで着たくて、パンツまで作ってしまいました。素材はともに古着のフットボールTシャツに見られるコットンレーヨンの生地を使用し、ボール洗いを施して粗野な風合いを演出。広めに開いたTシャツの襟ぐりは、元ネタにした古着のディテールを残しました。そのまま着ても可愛いですが、私たちは首の詰まったTシャツを中に合わせます。パンツの形は古着のスウェットパンツを元にデザインしていて、この素材を使ったパンツは中々ないので新鮮です。“98”のナンバリングの意味が知りたい? 答えは〈ビームス ボーイ〉が生まれた1998年です!

    PAJAMA SHIRT & PAJAMA PANTS

    1980年代にあったNFLアメリカンフットボールチームの総柄ベッドシーツをイメージソースにしたパジャマのセットアップ。だけどストレートにチームエンブレムを使わないのが私たち。〈ビンドゥー〉のデザイナーが持っている70〜80年代のヴィンテージテキスタイルと掛け合わせてみよう! と生まれた総柄は、食いしん坊な私たちのスポーツ観戦に欠かせないソーダ、フィッシュアンドチップス、フライドチキン、ハンバーガー、ナチョス、フローズンヨーグルト、タコス……といった食べ物や飲み物たちが並んでいます。これでもかと単語で埋め尽くされた柄を、〈ビンドゥー〉の軽くて柔らかいオリジナル生地で仕上げたスペシャルピースです。
    これを着て寝たら、何か食べている夢を見てしまいそうですが、それはそれでハッピーな夢ですよね。アメリカのスタンダードなパジャマを元にしていますが、外でも着用できるように、パンツはゆったりしつつ太すぎない程よいシルエットにアレンジ。ざっくり編まれたローゲージニットを羽織ったら、なんだかアメリカのキッズみたいな着こなしに。インナーにはサーマルを忘れないでね。

    PUMA SUEDE & SOCKS

    1968年に誕生して以来、スニーカーカルチャーに多大な影響を与えた名作『プーマスエード』。この〈プーマ〉を代表するモデルを、BOYとして初めて別注しました。
    カラーリングは4大スポーツのチームカラーをモチーフにしたブラウン×オレンジ×ホワイト。素材はフルスエードのアッパーに、左右・内外の計4本あるフォームストリップ(流線型のライン)はスムース、ヌバック、グレイン、スエードとそれぞれ素材を変え、表情豊かな仕上がりに。BOYのロゴ入りのインソール、3種類付属するシューレースなど、細部までこだわりました。今シーズンのオススメの一足です。

    私たちのクローゼットには、ソックスが大量に詰まっています。何故か? 私たちにとってソックスはコーディネートの要。ときにはソックスからコーディネートを考えることだってあるのです。『がんばれ!ベアーズ』を観た翌日は、間違いなくこのベースボール柄のソックスを履くでしょう。キュートで味わい深い大きめの編み柄は、カウチンセーターから着想を得たもの。
    ベースボールの他に、アメリカンフットボールの柄のソックスも展開。アメリカのメジャースポーツと聞いたらやっぱり見逃せません。こうしてまたソックスは増え続けるのです。

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    Diane Keaton as Annie Hall
    Woody Allen as Alvy Singer

    二度結婚に失敗しているコメディアンのアルビー・シンガーは、
    友人に誘われたテニス場で歌手を夢見るアニー・ホールと出会う。
    まったく性格の違う二人だったが、すぐに惹かれ合い恋人関係に。
    いつしか喧嘩と仲直りを繰り返すようになった二人の関係は次第に……。
    ウッディ・アレン監督作品の中でも特に人気高いロマンスコメディ。
    ファッション業界に与えた影響も計り知れない。

    アニーがアルビーと出会った日に彼から褒められたスタイル。その気持ち、すごくわかる。BOY好きなら一度は絶対真似したくなりますよね? でもたまには変化球を。ドレスシャツはB.D.シャツ、ベストは短丈のニットカーディガンに。チノパンの裾は折りません。

    実は本作を観てグッとくるスタイルは、ウッディ・アレンが演じるアルビーの方が多い。何故なら、私たちが理想とするアメリカのおじさんスタイルの究極が彼だから。B.D.シャツの第一ボタンを開けてTシャツを覗かせ、黒縁メガネをかければ出来上がり!

    ANNIE HALL

    BOYの基本となるスタイルの一つがプレッピー。その教科書として私たちがこよなく愛するのが『アニー・ホール』。困ったらこの映画。と言えるくらい沢山のヒントがそこには詰まっています。特にシャツにチノパンという定番のトラッドスタイルを着こなすダイアン・キートン扮するアニー・ホール。彼女はメンズサイズのアイテムをさらりと着こなし、自分のスタイルにしています。元々自分たちに合うサイズがなかったメンズ服を、私たちのサイズバランスに落とし込んで楽しむBOYにとって先生と呼べる存在。
    そしてアニー・ホールだけでなく、ウッディ・アレン演じるアルビーのスタイルにも注目するのがBOY。どのシーンでも、必ずシャツを着ているのですが、その特徴は第一ボタンを開けて、インナーのTシャツを覗かせていること。どこを切り取ってもブレることのないその着こなしは、“このスタイルといえばこの人!”という本人の名刺代わりの様なもの。ファッションにルールを持ち合わせているのはまさにBOYが共感するポイントといえます。

    CHINOS

    『アニー・ホール』が公開された1977年。当時、アメリカ東部のアイビーリーガーたちがこぞってチノパンを取り入れ、一気にファッションアイテムとしての地位を確立していました。特筆すべきところは、それをダイアン・キートン演じるアニーが取り入れていたこと。映画衣装として認めたウッディ・アレンはさすがです。きっとアニーのような格好をする女性は少数派だったと思いますが、映画公開後に『アニー・ホールスタイル』が生まれたというから、よほど影響力があったのでしょう。かくいう私たちも、その着こなしに感銘を受けた仲間です。チノパンを特別なものにしてくれた映画に対する恩返しではないけれど、BOYではこだわりのチノパンを作り続けています。
    もう、みなさん持っていますよね? 45年にアメリカ軍で採用されていたミリタリーチノ、M-45カーキトラウザーズ(通称45カーキ)をベースにした〈バズリクソンズ〉別注のチノパンです。アメリカ陸軍士官学校でも採用されていた生地の特徴は、単糸ではなく双糸の綾織り。つまり、一般的なチノクロスよりも丈夫で光沢のある、上質な素材を使用したエリート・チノパンなのです。
    細かいディテールについてはすでにご存知だと思いますので割愛しますが、大事なことは改めて。チノパンの裾は折らずにジャストサイズで穿きましょう。それが『BOY’S RULE』です。

    B.D. SHIRT

    B.D.シャツの第一ボタンは留める。私たちが掲げた『BOY’S RULE』です。そのルールは今も変わりませんが、首の詰まったTシャツをインナーに着る場合は、例外として第一ボタンを開けて着てもOKです。これはウッディ・アレンのシャツの着方に由来します。
    『アニー・ホール』でもその着こなしが存分に発揮されています。本作ではほとんどB.D.シャツは登場しませんが、作品のハイライトであるアニーとアルビーがテニス場で出会った日に、アルビーがB.D.シャツを着ているのです。第一ボタンを開けて、首の詰まった薄グレーのTシャツをちらりと見せながら。よく考えたらアルビーのB.D.シャツ、アニーのチノパンが一緒に収まるシーンってすごくBOY的ですよね。
    色褪せることない映画の魅力と同様に、私たちのB.D.シャツは流行りに関係なく作り続けている定番中の定番。普遍的なスタイルを守り続けています。アイビーリーガーに愛され、アメリカントラッドを象徴するB.D.シャツに、最大級のリスペクトを込めて。

    ASCOT TIE SHIRT

    アニーが祖母グラミー・ホールからプレゼントされたドット柄のネクタイ。結び目が美しく、エレガントに使いこなしています。多くの女性は、ネクタイを結ぶことに慣れていないと思いますし、いざ実践してみてもちょっとコスプレチックになる場合があります。そこで私たちは別のアプローチを考えました。アニーのようなクラシックさ、エレガントさを持ち合わせたBOYらしいシャツ。その答えがアスコットシャツです。
    今シーズンはメンズの礼装専用の胸当てであるイカ胸ディテールを取り入れ、アスコットタイは取り外し可能に。本来ならばツヤ感のあるシャツ地が使われますが、起毛のネルを採用。カラーリングはあえて白ではなく、ペールカラーのピンクとグリーンを。結構攻めた色ですね、と躊躇したあなた、『BOY’S COLOR』を思い出してください。派手な色にはベーシックアイテムを合わせれば大丈夫。それでももし迷ったら『アニー・ホール』を観直して。アニーの着こなしを参考に、シャツを置き換えるだけでとってもお洒落!

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    Jennifer Beals as Alex Owens

    プロのダンサーを夢見る主人公アレックスは、
    昼は製鉄所で溶接工として働き、夜はナイトクラブで踊る生活を続けていた。
    アレックスの踊りを見た製鉄所の社長ニックは、次第に彼女に惹かれていく。
    ダンスオーディションを受けることを決意したアレックスは、願書を取りに行くが……。
    1983年のアメリカ国内第3位の興行収入を記録した青春ロマンス映画で、
    サウンドトラックも大ヒット。

    『フラッシュダンス』を観るとワークやミリタリーアイテムが着たくなる。だって、主人公アレックスの着こなしが最高に魅力的で、お手本になるから。作中の彼女は躊躇なく肌を見せますが、私たちは首の詰まったインナーを。そこは譲れません。

    溶接工として働くアレックスにインスパイアされて、缶バッジでカスタマイズしたオーバーサイズのワークジャケットを。マフラーの二重巻きは彼女の友人のスタイルから拝借し、スカート丈はミニからロングに。インナーを着込んで着膨れるのがBOY流の嗜み。

    FLASHDANCE

    プロのダンサーになることを夢見て、昼は工場で働き、夜はナイトクラブで踊る主人公のアレックスが挫折にもめげず突き進んでいくサクセスストーリーである『フラッシュダンス』。傑作サウンドトラックとともに、低予算ながら全世界で大ヒットとなったこの映画は、日本にもダンスブームを巻き起こしました。そして音楽と一緒に注目を集めたのがアレックスたちの着こなし。ミリタリーアイテムやオーバーオールを取り入れた無骨な雰囲気と、首に巻いたスカーフやたまに登場するヒールの高いシューズとの合わせなど、女性らしさも垣間見えるファッションが本当に魅力的です。
    BOY的に特に気に入っているのが、どんな場所でも自分のスタイルを崩さないところ。男性ばかりの職場でも、周りに媚びることなく自身のスタイルでミリタリーやワークウェアを堂々と着る様は私たちBOYのルーツともいえるもの。そこにコートやミニスカートを組み合わせたり、足下に〈ナイキ〉をもってくるところも1980年代らしくて、今見ても新鮮です。ベースとなる無骨なスタイルにマフラーを二重付けしたり、グローブやピンズなど小物で遊ぶ着こなしは、私たちがすぐにでも取り入れることのできる、素敵なアイデアだと思います。

    ALL-IN-ONE

    『フラッシュダンス』のファッション的な見所は、間違いなく彼女が着ているワークやミリタリーアイテムでしょう。その着こなしぶりときたら、男勝りで本当にかっこいい。女の子が着こなすワーク・ミリタリーウェアの理想系と言っても過言ではありません。
    ちなみにアレックスを演じたジェニファー・ビールスは、なんとイェール大学の卒業生。しかも、映画撮影時は在学中だったとか。私たちが魅了されるのも納得です。

    〈ディッキーズ〉に別注したオールインワンは、1980年代のアーカイブをベースに、サイジングをルーズにアップデート。通年着用していただけるよう、ライトな生地を採用しました。

    逆さまに付けたネームタグは、袖を腰に巻いて着た時にタグが上を向いて見えるようにするため。ちょっとした遊び心をプラスしました。

    ヴィンテージ感のあるジップやポケットのディテールは、元ネタを忠実に再現した本格仕様。

    袖を腰に巻いて着やすくするため、ウエストに紐を通しました。ルーズなシルエットですが、これさえあれば安心です。

    腕の動きを楽にするアクションプリーツ。ワーカーに優しいディテールは健在。

    WORK JACKET

    『フラッシュダンス』を観て、初めてワークウェアを着てみたくなったけれど、まず何を着たらいいかわからない。いきなりオーバーオールやオールインワンは、ちょっとハードルが高い……。と、お困りのワークウェア初心者の方にオススメしたいのが、〈ディッキーズ〉に別注したジップアップパーカです。
    まずはいつも着ているフーディをワークらしいダック生地に置き換えましょう。シルエットはオーバーサイズなので、女の子がざっくり羽織ると華奢に見えて可愛らしさを演出してくれます。肩や袖丈はきちんと調整していますので、だらしなく見えないのもポイントです。そしてデニム、チノパン、スカートなど、どんなボトムスにも合わせやすく、ワークスタイルが簡単に手に入る、まさにエントリーにぴったりな一着! もちろん、ワークを愛するコアな同志たちにもオススメ。

    アーカイブのワークジャケットをベースにしたジップアップパーカ。かなり大きなシルエットが特徴ですが、広い身幅に対してバランスがよく見えるように袖丈をBOY流にアレンジ。生地も程よく肉感のあるダック生地に変更し、裏地をなくした一枚仕立てで軽く羽織れるようにしました。

    コラボレーションアイテムらしく、それぞれのネームタグが並びます。

    ダブルジップはアーカイブにはなかった仕様です。私たちはスタイリングの幅が広がるダブルジップが大好きです。

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    SPECIAL NOVELTY

    9月17日(土)に『BOY’S FILM BOOK』の配布を開始します。

    BEAMS各店舗※1にて、
    〈BEAMS BOY〉の商品をご購入いただいたお客さまに、
    本コンテンツを1冊の本に収めた『BOY'S FILM BOOK』をプレゼントします。
    数に限りがございますので、予めご了承ください。

    ※1 BEAMS各店舗:〈BEAMS BOY〉の商品を税込10,000円以上ご購入のお客さま。

    BEAMS公式オンラインショップでの配布は終了しました。
    お近くのBEAMS各店舗までお問い合わせください。

    BOY’S FILM