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お笑いトリオ「グランジ」の五明拓弥さんと、音楽ユニット「group_inou」のimaiさんが、39歳にして免許合宿へ行ったのが2021年。その模様を漫画家・ごめたん名義で描いた処女作『39歳の免許合宿 〜ストーリーは自分(てめぇ)で創れ〜』のポップアップショップを、7月8日(金)から18日(月・祝)まで「TOKYO CULTUART by BEAMS(以下、カルチャート)」で開催します。初の実店舗発売を記念して、オリジナルのグッズも展開。期間中にはイベントも控えるお二人に、その道のりと裏話を伺ってきました。
1981年生まれ、千葉県出身。著書に、自身の体験を描いた自費出版漫画『39歳の免許合宿 ~ストーリーは自分(てめぇ)で創れ〜』(教習社)がある。本名の五明拓弥名義では、2005年に結成したお笑いトリオ「グランジ」のボケを担当し、ラジオパーソナリティとしても活動中。日本一小さな出版社「教習社」の社長も務めている。
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1982年生まれ、神奈川出身。2003年に結成したエレクトロ・ヒップホップユニット「group_inou」のトラック担当。2017年より本格的にソロ活動を開始し、活動の幅を広げている。直近ではクラウドファンディングを採用し、七尾旅人など多数の客演が参加したアルバム『MONSTERS』を各種フォーマットでリリースした。
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ー マンガのストーリーは、お二人と漫画家の山本さほさんが梅ヶ丘の居酒屋で話しているところから始まります。そこで、免許合宿の打診をされたと。 ごめたん:飲みの場のノリでしたね。なんなら、さほさんの悪ノリというか。
ごめたん 飲みの場のノリでしたね。なんなら、さほさんの悪ノリというか。
imai 「LINEグループつくるんで」みたいに言ってたんですが、行くのか半信半疑で。本当に送られてきた時にもう逃げられないぞと。
ごめたん ぼくら3人でいるとよく言うのは、(さほさんが)気づいたら先頭を走ってるっていう。
imai 性格的にそうですよね。火が着いたら走り出すタイプなんですよ。あと、大男をいじめるのが好きというのもあると思うんですけど。
一同 (笑)。
ごめたん 年上の大男をね。
imai さほさんは本当にマンガのままで、お調子ノリっていうかね。「あ、いい! やっちゃいましょう!」みたいな感じで、ぐっと引っ張ってくれる人なんです。
ごめたん 逆に助かってることもたくさんあるんですよ。「コミティア」に出たのも、なんならiPadでマンガを描くのも、さほさんに御輿に担がされて始めたっていう。コロナ禍で仕事がなくなり、やることもなかったですし。そうでなければ、免許合宿へも確実に行ってないですね。
imai そんなに時間が空くことも、二人のスケジュールが2週間合うこともないですからね。当時、ぼくは音楽もつくれないくらい参っちゃってたんですよ。ここ数年はライブ中心に活動して、そこで会った人と新しいものを生み出すというフェーズに入っていたので。でも、誰もがツラいから相談もしにくくて。気分転換にと言ってくれたというのもあったと思います。
ごめたん 意外とコロナ禍でもスケジュールが合わなかったんですよね。
imai それは五明さんのせいでしたよね?
ごめたん まだ始まったばかりですけど、もう喧嘩ですか?
imai 五明さんはラジオ収録があるから、一度は帰らなきゃいけなかったんですよ。最初は宮崎のビーチサイドにある、現地の友達が行って怖そうな教官がいないと聞いていた教習所に行くつもりだったんですけど、一度帰るのが無理で。日本中で数箇所しかない一時帰宅可能なところに決めた結果、あの地獄の免許合宿になったんです。
ごめたん imaiさん、よく覚えてますね。ぼくも電話して調べて、「静岡とかの近場に行くよりも、実は飛行機の方が安いですよ」ってアドバイスしましたよね。よく言えば、いろんな奇跡が重なってあの教習所に行ったんです。
ー 合宿中に一番印象深かったできごとはなんでしたか?
imai マンガでは描かれていないんですけど、最初の集合場所に集まった時ですね。ぼくらが一番に着いてマイクロバスの出迎えを待っていたら、若い女の子たちが徐々に集まってきて、女の子三人とぼくら二人、初めて同期と接触しました。2週間一緒だし挨拶しようと思って、すれ違いざまに「お願いします」みたいな感じでおじぎしたんですよ。そうしたら、全員に無視されて。
一同 (笑)。
ごめたん ぼくはそれ、覚えてないですよ。でも、そのなかのひとりが駅前で待ってたんですよね。ぼくらが集合場所に向かって歩いてる時、運んでるゴロゴロの音に気づいたらしくて。大きいおじさんがぴったり並んで歩いてくるって、きれいな二度見をされたのは覚えてます。
imai 久々にこんな風に女子に無視されて、始まったなってその時に思いましたね。
ごめたん ぼくは赤髪と呼んでいた、とっぽいお姉ちゃんとエレベーターが一緒になった時。彼女がラップグループ「舐達麻」のTシャツを着てたので、埼玉県熊谷市出身なのかなと思って「埼玉からですか?」「どこから来てますか?」みたいに話しかけても、ずっと無視されて。
imai それはホテルだったんですけど、知らずにエレベーターを待っていたら、ちょうど二人が出てきたんです。五明さんは190cmあるはずなのに、すごいちっちゃく見えた。
ごめたん 合宿に行くと、 39年間の経験がゼロになるんですよね。全員、ただの同じ人間。仕事を長いことやってると、 人となりを知ってオファーをくれますし、ゼロになることってもうそうそうないじゃないですか。
imai 少しは距離が縮まると思ってたんですけど、最後まで女子とは話さずで。ヤンキーの男は人懐っこく近づいてきてくれて、仲よくなったんですけどね。山賊って呼んでた、常にサンダルの男とぼくは卒業のタイミングが一緒だったんですけど、「卒業おめでとうございます」って言ってくれましたよ。卒業式直後にその場で教科書をゴミ箱に捨てて帰っていて、あの感覚があるやつには一生敵わないなと思いましたけど(笑)。
ー そんな風にマンガにされていないところも多いかと思うんですが、どういうポイントで取り上げるかの決まりはあったんですか?
ごめたん 描くポイントはありのままです。最初はimaiさんとぼくの交互の話にしようかなと思って、imaiさんにも話を聞いてましたよね。
imai そうですね、ぼくの話の時はたまに電話くれて。
ごめたん でも結局、ぼくだけの目線の方が見やすいかなと思って。あと、ボケないっていうのは、ルールで決めてました。長いこと芸人をやっていると、なにかあるとすぐにおもしろい方へ走っちゃう癖がつくんです。でも、それはやらないってルールでやりました。脚色なしで、リアルな話とおもしろい話があったら前者を取ると。
imai 周りの友達とかに、 「よく毎日なにかしらあったね」って言われるんですが、マジであったんですよ。
ー いろいろとありましたけど、楽しめちゃう二人だったからこそやっていけましたよね。
ごめたん 楽しまなきゃやってられなかったっていうのもありますね。でも、忘れちゃうだけで、毎日ひとつぐらいは誰にでもなにか起きてると思うんですよ。ぼくはそれを防ぐためにメモをしてた。なんてことないことでも、絶対にあるような気がしますけどね。すみませんね、説教みたいになって!
imai いまちょっと教官みたいでしたよ?
ごめたん (教官風に)そういうこと言うな、静かにしとけ!
ー imaiさんは初日から鬼教官に当たって、スタートで出遅れちゃいましたね。
imai 有名な鬼教官が二人いて、その片方に当たって。ぼくは親もクルマ持ってなくて、本当にゼロからのスタート。どうしたらいいかも分からない時に、「何も分かんないんだろ」「だったら先に喋んな。オレが言うから」みたいな。この歳になってそんな怒られないんで、萎縮しちゃいました。しかも、五明さんが順調だから、余計に焦る気持ちにもなって…。
ごめたん ぼくは原付の免許を持ってたから、ある程度分かったんですよ。imaiさん、一発目の教官は漢の中の漢でしたね。
imai (呼び名)オレ流になったんでしたっけ?
ごめたん そうそう、名前変えようかなって話しましたけど結局、変えませんでした。
ー 教官陣がいい味出してますよね。マンガ的には重要な登場人物といいますか。
imai でも、自分たちの人生で避けてきた人ばっかなんですよ。こういうのが苦手だから、がんばってミュージシャンになったのに(笑)。
ごめたん よかったのは天使ぐらいですよね。
imai 天使はみんなから好かれてた。独特な人がやっぱり多かったからね。帰ってから自分の周りにいる友達、マジでいいやつばかりだなって思いました。
ー 楽しみだったのは、やはり食事ですかね?
ごめたん 日々の晩飯ですね。天使は待合室に街の飯屋マップみたいなのを貼ってくれてるんですよ。しかも、どこもちゃんとおいしい。
imai マンガではカットしてるんですけど、ミールスを食べたお店にすごい美人の女性がいて、五明さんは当時、その人をすごく好きになって。いつも一緒にご飯に行ってたのに、一度抜けがけしてひとりで行った時もあったくらい。
ごめたん 体調悪そうだったからさ。傘も返しに行かなきゃいけなかったし。まあ、そのマップのおかげで2週間耐えられたっていうのもあるかもしれないですね。若くてお金がなかったら、 教習後にコンビニの飯食って、ホテルにこもって寝る毎日だっただろうから、ツラかったと思います。
imai ぼくらもいい年になってるから、つまらない時に楽しもうとするスキルはありますよね。それは人間スキルが上がってから行ってよかったなって。
ごめたん そこは39歳で行ってよかったですよね。
ー まとめると、免許合宿はそこまでおすすめじゃないってことですよね?
ごめたん いえ、めちゃくちゃおすすめです。
imai 何歳からでも、おすすめですよ。世の中にはいろんな人がいるというのを体感するいい機会でしたから。ネットとかだと、実感が伴わないじゃないですか。ぼくはなんでも感じられた方が楽しい。普通に暮らしてると、自分の好きな人とか、得意な人たちばかりで安全地帯になっちゃうんですよ。それだと世の中の全体を見渡せない。視野が広がるきっかけをくれてよかったです。
ー ごめたん先生は免許合宿後に自費出版して、imaiさんと山本さほさんと「梅ヶ丘ドライビングスクール」として「コミティア」へ出展し、持って行った300部が完売したんですよね。
ごめたん ありがたいことに。前日まで100部でいこうと考えてたんですよね。でも、imaiさんが沢山持って行った方がいいと。
imai 2、3日前にまとめサイトがバズってるのにさほさんが気づいたんですよ。「もう30万ビューされてますよ」みたいに。それで全部持って行った方がいいかもしれないみたいになって。
小川(「カルチャート」ディレクター) 100部だったら、多分ぼくも買えてないですからね。買えるまでドキドキしてて、目の前で終わるんじゃないかみたいな。
ごめたん すごくいい思い出です。「コミティア」の存在を教えてくれたのもさほさんですし。もう全部、みなさんのおかげですよ。
「コミティア」への道のりは、YouTubeでも配信された。
ー 実際に製本された本を見た時、imaiさんはいかがでしたか?
imai 感動しましたよ。1コマ描くのも大変なのに、最終話前日にネットから消さなきゃいけなくなって、300ページ描き直ししてるのを見てますから。しかも、描き直し初期は、再度発表できるかも未定だったんです。でも、五明さんは体育会系のガッツがあるし、どんな時も頑張れる人。ぼくと真逆で滅多なことで折れないんですよ。ちょっと嫌なことがあっても、「こうしたらいけるでしょう、頑張りましょうよ」みたいに言う。でも、消してる時はさすがにツラそうでした。
ごめたん マンガもだけど、貰ったコメントが全部消えちゃうのもツラかった。でも、前半と後半で明らかに絵が変わっていたんですよね。なので、逆に気持ちをプラスに変えて「描き直せてよかった。嬉しい、幸せ」って、何度も何度も繰り返してた。
imai しかも、その時に一番嫌だったのは、最終話前日に消しちゃったから、「バズって書籍化されるから消したんでしょ」みたいな声があったこと。最終話は買って読んでください、みたいに戦略だと勘違いされたのが悔しかった。描き直している姿を見て、五明さんのいいところ、素晴らしいところがはっきりしましたね。
ごめたん ここ、赤字の太文字ですよ。
ー そして、遂に「カルチャート」での取り扱いもスタートします。
ごめたん オンライン販売も始めて、もうある程度行き渡ったなって感じもあったんで、次の目標としてお店に積まれてる絵を見てみたかったんです。そんな話をimaiさんにしたら、小川さんを教えてくれて、夜中の2時にDM送って。ぼくは本当に全部、友達に助けられてます。表紙周りもimaiさんのお知り合いの方にやってもらったりして、友達パワーの結晶です。ここは太文字とアンダーラインをお願いします。
ー 今回はキーホルダーやステッカー、Tシャツといったアイテムを発売する他に、教習所に必須の教本などを入れる「梅ヶ丘ドライビングスクール」のクリアファイルも製作中です。
imai 五明さんが初日に失くしたやつですね。初日にすべて忘れるなんて、やばいなこの人って思いましたよ。
ごめたん 打ち合わせの時に軽いノリで言わせてもらって、まさかつくるわけないと思ってたんですが…。こんなすごいことになるなんてある種、インディーズ版のゴールというか。
imai うん、そうですね、マジで。
ごめたん もう来るとこまで来ましたよね。だって、キーホルダーも出るんですよ。
imai ぼくたちの唯一の楽しみだった食べ物のね。
ごめたん ぶつぶつ文句言いながら食べたメニューがね。読まないと分からない、かなりファンに寄ったものです。imaiさんはobakさんが描いたTシャツをよく着ているから、imaiさんのためのTシャツみ
たいですね。教官たちもインナーとして、これを毎日着て頑張ってます。
ー 7月9日(土)にはごめたん先生が来店され、購入者特典として似顔絵イベントも開催します。
ごめたん 軽い気持ちで言っちゃったんですが、免許書の顔写真の箇所に似顔絵を描こうかなと。人前で描くのでプレッシャーもあるんですけど、まずは知らない方に手に取っていただきたいですね。奇跡的に「カルチャート」さんには、クルマが置いてあるじゃないですか。そのフォトスポットで、好きな教官と一緒に写真を撮ることもできます。
imai 好きな教官がいる人、いるんですか?
ごめたん 強いて言うなら天使。免許証型の顔はめパネルもつくってもらいます。
ー 「教習社」からは今後、新刊の予定はありますか?
ごめたん まったくの未定ですね。
imai そういえば、ギャルに「免許合宿のやつ読んでました。写真撮ってください」って話しかけられて写真撮ったら、「また免許合宿行ってください」って言われましたよ。絶対嫌だよって返しましたけど。
ごめたん 大型二輪とかいいですね。「教習社」からの第2弾の声もあるので、免許ブラザーズとして赤と緑のキャップ被って行きましょうか。
imai ネタを得ようとしていたら、なにも起こらないと思います。
– 期間
2022年7月8日(金)〜2022年7月18日(月・祝)
– 場所
TOKYO CULTUART by BEAMS
– 住所
東京都新宿区新宿3-32-6 4F
ごめたんことお笑い芸人「グランジ」五明さんによる似顔絵のサービスを行います。本イベントの為に用意した免許証型フォーマットに、5分程のお時間で似顔絵を描いていただけます。
– 日時
2022年7月9日(土)14:00〜16:30
– 場所
TOKYO CULTUART by BEAMS
– 参加条件
7月9日(土)に店頭で『39歳の免許合宿~ストーリーは自分で創れ~』対象アイテムを6,000円(税込)以上ご購入いただいた先着15名様に、整理券をお配りします。
『39歳の免許合宿』の著者であるごめたん、合宿でごめたんと苦楽をともにした「group_inou」のimaiさん、この物語のキーマンとも言えるマンガ家・山本さほさんの3名によるトークショーを開催します。
– 日時
2022年7月17日(日)17:00〜18:00
– 場所
TOKYO CULTUART by BEAMS
– 参加条件
7月17日(日)に店頭で『39歳の免許合宿~ストーリーは自分で創れ~』関連アイテムを6,000円(税込)以上ご購入いただいた先着15名様に、観覧席をご用意しています。
カルチャーは現象。誰かと何かが出合って、
気づいたらいつもそこにあった。
世界各地で生まれる新たな息吹を、
BEAMS的な視点で捉えて、育みたい。
きっと、そこにまた新たなカルチャーが
生まれるから。