Mercedes-Benz

PROJECT
Mercedes-Benz × BEAMS
PARTNER
メルセデス・ベンツ日本
YEAR
2018-2019

Mercedes-Benz × BEAMSのプロダクト開発、新型Aクラス、新型Bクラスの発表イベントのサポート、映像番組など複合的なプロモーションを共同実施。ワンランク上のドライビング体験をユーザーに提供してきたメルセデス・ベンツがセレクトショップ、ビームスと手を組んだコラボプロジェクト「Hi, Mercedes」。ヒップなWEBマガジンのフイナムも参画して、今までにないカルチャーサイトを制作。 さらに、新型Aクラスより新たに搭載される対話型インフォテインメントシステム「MBUX: Mercedes-Benz User Experience」のキーワード、“Hi,Mercedes”をフックに今までにないポップでインテレクチュアルなコンテンツを発信するスペシャルサイトを展開。加えてMercedes-Benzのロゴを大胆にあしらったストリートアパレルも同時リリースされ話題を呼んだが完成。 新型Bクラスでは、ビームスプロデュースによる映像番組『B Happy!』。日本最大の音楽専門チャンネルスペースシャワーTV期間限定で放映。番組コンセプトは、“気の合う人と、ちょっとどこかに出かけませんか? B Happy!”。毎回、ミュージシャンや俳優などの著名人を迎え、メルセデス・ベンツのB-Classに乗って、小さなトリップを仕掛ける映像番組。表現者同士の会話を通じて、そのライフスタイルやクリエイティブの源泉にも迫った内容。

Order

Aクラスのリニューアルに合わせたアパレルプロダクト開発からスタートし、Bクラスのリニューアルに伴う第二弾のプロジェクトは、若い層を中心とした新たなカテゴリーに向け、「もっとアクティブにメルセデスを楽しむ」イメージを訴求するためのコミュニケーション全体をデザイン。

Issue

クリエイティブのアウトプットを含め、ブランドコミュニケーションにおけるあらゆる手段をやり尽くしてきたメルセデス・ベンツ ジャパンが求めていたのは、インナークリエイティブでは生み出せない「まったく新しいメルセデス・ベンツ ブランドの解釈」であること。そこで、プロダクトそのものの価値ではなく「ビームスだったらメルセデスをどう乗るか」にフォーカスした動的なコミュニケーションをデザインしました。

Ideas

テーマを「点」ではなく「面」で伝えるために、どのプロジェクトにおいても共通して、プロダクトだけではなく、イベント展開のほか、ウェブメディアや動画メディアを巻き込んだフルパッケージのトータル・コミュニケーションを提案。ビームス的なライフスタイルやカルチャーを体現するアップカミングなオピニオンやクリエイターを多数アサインし、さまざまな角度から「ビームスだったらメルセデス・ベンツをどう乗るか」を伝えるようにしました。

VOICE

  • 日高正幸
  • プロデューサー

当初僕たちは、メルセデス・ベンツの「車としての質感」をファッション的な解釈のポートレートで表現するという提案をさせていただきました。車の歴史メルセデス・ベンツといえば車の歴史そのものであると捉え、そのプロダクト自体の価値を僕たちの解釈で表現しようと考えたからです。ところが求められていたのは、車そのものの価値ではなく「その車をどう使うのか」という、もう一歩ライフスタイルに踏み込んだ部分でした。つまり「ビームスならメルセデス・ベンツをどう乗って、何をして楽しむのか?」ということです。そもそもメルセデスという会社はとても面白くて、なんでも自分たちの社内で企画されるんです。当然広告のクリエイティブも社内で考えてらっしゃるし、なんと忘年会では社長ご自身がビールサーバー担いで回っていたりする。そういう土壌もあって、最初に打ち合わせをした時から、僕たちと「どんなことを面白いと感じるか」という波長がとても合っているなと感じていました。ただ、あらゆるコミュニケーションの手法をやり尽くされている上にクリエイティブに対する知見も許容範囲も相当広いので、当然ながらビームスのクリエイティブに対する期待はかなり高かったと思います。ビームスがこれまで表現してきた自由で楽しい発想力を最大限に発揮して、それまで見たことのないようなクリエイティブを求められていたんですね。そこで僕たちは「ビームスがメルセデス・ベンツをどう遊びこなすのか」を伝えるために、最初からフルパッケージのコンテンツを提案させていただきました。単なるプロダクト開発ではなくて、プロダクト以降のコミュニケーション設計となると、プロダクトがあり、メディアがあり、イベントもあれば、お店での展開もある。お客さまがあらゆるタッチポイントで同じイメージを受け取れる「点」ではなく「面」としてのコミュニケーションをデザインするべきだと。最終的にイベント設計、タブロイドの発行、プロダクト開発、ウェブコンテンツ展開…とそのアウトプットは本当に多岐に渡りましたが、それらすべてに同じテーマを伝えるための一貫性と奥行きがないといけない。実際のところこれはかなりハードルが高かったですが、チーム全員の協力で実現することができました。
そうしてプロジェクトが進行する中で、僕が最も大切にしていたのは関わる人全員の「目線」がブレないようにすることでした。そのために重要なのができる限り無駄な情報を削ぎ落とし、ごくシンプルでわかりやすいコンセプトを設計することです。「なんでやるの?」と聞かれたら、すぐに「こういう目的があるから」と言えるようにしたかった。コンテンツや関わる人、いろんな要素が積み重ねれば積み重なるほど、どんどん目的が見えづらくなっていくことがあります。それではお客さまに「結局これって、何だったんだっけ?」と思われかねない。クリエイターへのオファーも同じです。その伝えたいコンセプトに合っているかどうかが最も大切なんです。だから単なるネームバリューや仲の良さでオファーすることは絶対にしない。それが相手に対する礼儀だし、それはビームスで働く全員が叩き込まれいるマインドですね。
僕はどんなプロジェクトにおいても、一回で終わりではなく「次はこうしたらもっと面白く広がるんじゃないか」と考えるようにしています。その時々で僕らが感じる「面白い」はどんどん変わっているわけだし、いつでもそれをまっすぐに伝えていければ、例えば同じリクエストだったとしても今まで見えていなかった新たな価値を発見し、発信し続けていけると信じています。メルセデス・ベンツのプロジェクトが回を追うごとにどんどん変化していったように。

  • 千木良学
  • プレスマネージャー

僕たちはプロデュースの仕事において「自分自身がその企画を面白いと思えるか」が最も大事なポイントのひとつだと考えています。一般的な解釈ではなく、そのソリューションに「ビームスらしさ」が求められているのであれば、僕たち自身が本気でワクワクできなければ企画は前進していかない。当然、真摯に課題に向き合うことはとても大切なことですが、どのプロセスにおいても「ビームスらしさ」を失わないように常に気をつけています。メルセデスの方々もそういう僕たちのスタイルに大きな理解を示してくださったことで、クライアントも僕たちも含め、関わるメンバー全員が同じ目線に立って、同じ熱量でプロジェクトに向き合えたという実感がありましたね。そういうチームが生まれると、打ち合わせを重ねている時も、自分たちでアイデアを膨らませていく時も、「こうやった方がいい、これは面白いね」という感じで次から次へとアイデアが湧いてくるものなんです。メルセデス・ベンツ としての「自分たちの価値を新しいターゲットに本気で伝えていく」という強い覚悟も感じたし、アイデアも、企画の建てつけ自体も、今まで考えもしなかったような「グレーゾーン」に光を当てるようなものにしていこうという方向にシフトしていきました。ただしその企画には、メルセデス・ベンツ の本質的な価値を伝えるための、筋道の通ったロジックがなければいけません。その「本質」と「ロジック」を共有するための対話は、何度も繰り返しさせていただきました。新車発表の会場でテクノを流してみるというようなかなりエッジな提案も含めクリエイティブな企画を数多く実現していけたのは、そうした対話を繰り返しながら、お互いの想いの強さを共有し、信頼できる関係性を構築できたからこそだと思っています。
AクラスもBクラスのプロジェクトも最終的な日程が決まっているなかで、次々と新たなアイデアが生まれてくるので、実際の制作スケジュールはかなりタイトなスケジュールでした。だから「どのスケジュールをどこまで詰めれば実現できるか」を常に考えながらあらゆる過程を超特急で進めていったのですが、最初に全員でゴールを共有していたのでほとんど不安はなかったですね。なによりどんな時でも「100%以上の力を出そう!」となるようなポジティブなチームだったから、最初から最後まで楽しく仕事をさせていただけましたし、終わった後の達成感もすごかったですね。メルセデス・ベンツ とビームスのメンバーが「仲間」のように共感し合いながらプロジェクトを楽しむマインドが、どんどん広がっていく感覚がありました。そんな風にいろいろな人を巻き込みながら、共感できる仲間の輪を増殖させていくのがビームスの得意技なのかもしれません。さらに言えば、プロジェクトに関わるクリエイターとの関係性も同じですね。今回アサインさせていただいたしたアーティストやクリエイターはみんな、どちらかといえば「仲間」みたいな意識の人々ばかりなんです。プロジェクトごとにリサーチして最適なクリエイターをアサインすることもありますが、僕たちは普段からそうしたカルチャーシーンの中にいるので、アップカミングなアーティストと当たり前のように友達だったりするんです。そうしたビームスらしいカルチャーを通じた人と人の繋がりもまた、僕たちの大切な財産のひとつです。
このメルセデスの事例も含め、ビームスは様々なプロジェクトに関わらせていただいたことで、プロデュースやブランディングのソリューションの引き出しも当然増えてきました。さまざまな企業との関わりが増えていくことで、ビームスのイメージもさまざまに形を変えています。でも、そうやって常に変化を続けながらも「見えないものに光を当てる」というビームスらしい物の見方は、絶対に変わることはありません。物事の魅力を視点を変えて磨き上げ、新しい価値を生み出す。結局のところ、ビームスのメンバーは誰もがそういうプロセスが好きでたまらないんです。

OUTPUT