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デンマーク発のヘッドホンメーカーとして、世界中のプロフェッショナルたちから高い支持を得る〈AIAIAI(アイアイアイ)〉。音源の微細な音まで忠実に鳴らすサウンドクオリティはもちろん、ユーザー目線の優れた使い勝手や、北欧らしい洗練されたプロダクトデザイン、さらには環境に配慮したものづくりを行なうなど、その魅力は数知れず。〈BEAMS RECORDS(ビームス レコーズ)〉でもフルラインナップで展開しているそんなブランドに太鼓判を押すのが、ミュージックラバーたちから熱い視線を集めるmaya ongakuの3人です。音へのこだわりを持つ彼らが〈AIAIAI〉に惹かれる理由について、余すことなく語ってもらいました。
2021年、江ノ島の海辺の集落から生まれたヴォーカル / ギターの園田努(写真左)、ベースの高野諒大(写真中)、サックス / フルートの池田抄英(写真右)による3人組バンド。その名の由来は、古代文明からではなく、視野の外にある想像上の景色を意味する新造語。2023年5月、「Guruguru Brain」と「Bayon Production」から共同リリースされた1stアルバム『Approach to Anima』でデビュー。EUツアーや国内外の音楽フェスへの出演を経て、今年8月にEP『Electronic Phantoms』をリリースした。EP発売を皮切りに日本各地でTOUR 2024『Electronic Phantoms』を敢行。12月15日(日)渋谷・WWW Xにて行われる彼らのツアーファイナルは必見。
今日は普段レコーディング作業をされているプライベートスタジオにお邪魔させてもらいました。聞いたところによると、みなさんは〈AIAIAI〉のヘッドホンを愛用されているとか。
園田 2〜3年くらい前かな? スタジオでも使えるヘッドホンということで試してみようと思ったんです。音がいいっていう噂を聞いていたのと、デザインもかっこいいし、手頃な価格のモデルもあって。それでブランドのエントリーモデルみたいなやつを買ってみました。
レコーディングした音をヘッドホンで聴くということですか?
園田 基本的にはスピーカーで聴くんですけど、音の反響がどこで終わるかとか、細かな部分をチェックをするのにぼくたちはヘッドホンを使うんです。ただ、部屋の中だと外で走る車の音とかも聴こえちゃうので、防音室に入ってチェックをしていて。
池田 ちなみに、自作の防音室なんですよ。ホームセンターに行って、みんなでつくって。
レコーディング用の防音室ってことですよね。
池田 そうですね。サックスとか爆音を出すと、さすがに漏れちゃうんですけど(笑)。
園田 それで録音した音をヘッドホンで聴いて最終チェックするんです。ぼくらが持っている〈AIAIAI〉のヘッドホンは、エフェクトのかかり具合とかを確認するために使っていて。低音がすっきりとしていて、高音域や中音域の音が忠実に聴こえるんです。
高野 粒感がすごいというか、本当に微細な音も漏らさず鳴らしてくれますね。
池田 もちろんリスニング用としても優れているけど、ぼくらはそれをスタジオでの最終チェックに使っています。細かな音がちゃんと聴こえるから、本当にそのためにつくられたんじゃないかと思うほどです。
maya ongakuの音は、中低音が効いていて、どこかくぐもっているじゃないですか。それは意識的にそうしているんですか?
池田 Lo-Fiというか、そんな雰囲気はありますよね。
園田 もうちょっとパキっと輪郭をはっきりさせてもいいんだけどね。音楽を聴いていると、空気感で何年代の音かって分かったりするじゃないですか。自分たちの曲はカーステレオでかかると、最初気づかないんですよ。もっと古い年代の音に聴こえるというか。狙ってやっているわけじゃないけど、ぼくらがよく聴いているのはレコードの音源だから、図らずともそういう音になっちゃうのかもしれないです
好みとしては60~70年代の音楽が好きなんですか?
園田 そうですね。やっぱりその時代の音がいいねってなりますね。
レコーディングもそれに近いスタイルでやられているんですか?
園田 楽器は古いものだったりするけど、機材は新しいものを使ってます。Moogとかは最新だし、マイクも最新ですね。たまにちょっと古いものも取り入れたりするけど、機材に関してはあまり年代にこだわりはなくて。
高野 新しい機材でも、自分たちの好みに音を寄せていく感じだよね。
園田 ミックスをしながら合わせていくうちに、だんだんそっちに寄っていっちゃうというか。ただ、ヴィンテージ感のあるロックバンドみたいな感じではなくて、あくまで現在進行形の音楽をやりながらも、音は古い年代のニュアンスを感じるのが自分たちのオリジナルだと思ってます。
ハイブリッドな感じというか。
園田 そうですね。自分たちがいいと思う音は古いものに多いので。そういう音源を掘っていくうちに、耳が勝手に変換しちゃうんです。逆に最新のバキバキの音楽を聴くと、ちょっと疲れちゃうっていうのもありますし。嫌いではないけど、自分たちがそういう音を出すことにリアリティを感じないんです。
8月にリリースされたEP『Electronic Phantoms』は、1stアルバムよりも電子音が増えていますよね。
園田 前作ではレコーディングをしているときにドラマーが抜けて、メンバーがいまの3人になって。でも、録音だとメンバーが少なくても3人以上の音がつくれるじゃないですか。それで試行錯誤をしながらできあがったのが1stアルバムの音像なんです。
だけど、ライブになるとメンバーが3人しかいないから、どうやって音を出すかということになりますよね。
園田 シーケンサーを使って音をプログラムしたり、諒大がリズムマシンを鳴らしたり、抄英もサックスやフルートだけじゃなくてシンセも使ったりしてて。ぼくはルーパーっていう音をループさせる機材を使ってますね。その場で録音した音をループさせるんですけど、そうしたものを駆使しながら、3人で同期して音をどんどん重ねていっているんです。この方法だと曲ごとに新しい機材が必要だったりするから、だんだん機材も集まってきて。
「機械自体をメンバーの一人のように捉えている」って過去に話されていましたよね。
園田 そうですね。機械とのセッションみたいな。それで去年ヨーロッパツアーに行ったときに、日本のお客さんとは全然違った反応が見えて。日本だとみんな静かに聴いてくれるんですけど、ヨーロッパではお客さんがありえないくらい踊ってくれるんです。それがすごくおもしろくて、踊らせるための機材も揃っていたから、そっちの方向性を突き詰めてもいいんじゃないかと思って、今回のEPをつくりました。
〈AIAIAI〉に話は戻りますが、今回みなさんには1ヶ月ほど前から『TMA-2 Studio Wireless+』というヘッドホンと、『UNIT-4 Wireless+』というモニタースピーカーを使ってもらいました。はじめにヘッドホンの感想を聞きたいです。
園田 もともと使ってたモデルとは全然違いますね。こっちはもうミックスもできるレベル。ちゃんと全部の音域がきれいにバランス良く出ますね。
高野 本当にそんな感じだよね。家で楽器を弾くときに、リズムマシンの音をヘッドホンで聴きながら整えたんですよ。そのあとスピーカーで聴いてみたら、調整した通りの音が出たんです。
園田 すごいよね。普通はズレるんだけど。
原音に忠実ってことですかね。
園田 そうですね。
高野 それに音が気持ちいい。
園田 スタジオ用としてだけじゃなくて、普段使いにも最高だよね。一般的なスタジオ用のヘッドホンって、バランスはいいんだけどリスニングには向いていないものが多いんです。外で作業しながら聴いていたりすると、耳が疲れちゃうというか。
音がいいことと、気持ちのいい音っていうのは必ずしもイコールではないということですよね。
園田 そうなんです。だけど『TMA-2 Studio Wireless+』はどっちの良さも兼ね備えているから、音楽を聴いていて楽しいって思える。それを大事にしている感じが伝わってきます。もともと持ってたやつとのキャラクターの違いにビックリしました。
〈AIAIAI〉のヘッドホンの特徴のひとつとして、スピーカーユニットやイヤーパッド、ヘッドバンド、さらにはコードに至るまで、パーツを自分の好みに合わせて組み替えることができるんです。
園田 何個もヘッドホンを揃える必要はなくて、パーツさえあればいいってことですよね。レザー調のパーツとかがあるのもいい。ここまでくるとオーダーメイドに近いですよね。
一方でスピーカーの『UNIT-4 Wireless+』はいかがでしょうか?
園田 高音、中音域がしっかりと聴こえます。
高野 細かな部分の繊細なニュアンスが届くし、いい感じだね。
園田 制作でも普通に使える。上音がしっかりしているというか、エフェクトのかかり具合とかもちゃんとチェックできますね。たとえばヴォーカルの音の切れ目が、ヒュッて唐突に消えるんじゃなくて、ヒューって残響を残しながら消えていく感じがきちんと再現されてるんです。音の伸びがいいというか。
先ほど話していたように微細な音の粒を捉えやすい、と。
園田 そうですね。このスピーカーはユニットの口径が小さいので、低音域の出力は普段使っているサブウーファーと組み合わせたら、もっと良くなると思います。それこそ、〈AIAIAI〉のスピーカーに合わせて音づくりをしていったら、どんな音像になるんだろう。ちょっとおもしろそうですね。低音がすっきりしているぶん、ミックスでそこを補強して、もっとファットな音になるかもしれないし。それだけで出音が変わってくるので、やってみる価値はありますね。
『TMA-2 Studio Wireless+』と『UNIT-4 Wireless+』は、共にワイヤレスで使えるというのも特徴です。「W+Link」を搭載した専用トランスミッターを使って、超低遅延かつロスレスなオーディオを実現しています。
園田 防音室にヘッドホンじゃなくて、スピーカーを持ち込んで最終チェックができるっていうことですよね。それってすごく革命的ですよ。そもそもワイヤレスのモニタースピーカーっていままでなかったし。
高野 たしかに、なかったよね。
園田 それでレイテンシーもないって最高だよね。遅延がなくなると、音が悪くなるって聞いたことがあるんですけど、それもないってことですよね。
そうですね。音の遅延を最低限に抑えつつ、音質も極力落とさずに使うことができます。
池田 Bluetooth®で繋ぐよりも全然音がいいですよね。
園田 出音の出力も弱くなるからね。いつもアンプに繋いだヘッドホンを防音室に持っていって、それで音を聴きながら録音するんですけど、トランスミッターを使えば、それがワイヤレスでできるってことですよね。有線でも多少のレイテンシーはあるから、「W+Link」がそれと同じぐらいのズレだとしたら楽器も全然演奏できちゃう。
高野 それ試してみたいね。良さそう。
〈AIAIAI〉のクオリティ、総合的にいかがですか?
園田 めちゃくちゃいいですよ。デザインもすごくいいし、マジで導入したいです。
高野 そうそう! デザインも機材を選ぶ上で大事だから。
園田 どれだけ音が良くても、デザインが良くないとステージ上に置きたくなかったりするんです。抄英はめちゃくちゃいい音が出る赤い鍵盤を黒く塗り直したりするくらいなんで。それくらいデザインは重要。見た目がよくなると、音も良く感じちゃうし。なんだかんだ言って、結局見た目が大事なんです(笑)。それくらい耳って曖昧なんですよ。
体調によっても聴こえ方が変わってきますもんね。
園田 何十人かにヘッドホンをつけて20分くらいノイズを流すっていう実験を見たことがあって。対象者のひとたちには「途中で『ラスト・クリスマス』を流します」って伝えられていたんですけど、あえてなにも流さなかったんです。だけど、参加者の半分くらいは音楽が聞こえたって言ってて。
それって、頭の中で勝手に流しちゃったということですか?
園田 そうですね。それくらい耳で聴こえる音と、頭で処理する音って違っていて曖昧なんですよ。見た目がかっこいいとソリッドに感じるし、さらに音もよかったらめちゃくちゃいいですよね。
パッケージや製品素材は、環境へ配慮したものを使用しているのもポイントです。とくに『UNIT-4 Wireless+』は接着剤不使用で、再生プラスチックを100%使用しています。
園田 へぇ! そうなんだ。なおさら共感しちゃいますね。〈AIAIAI〉ってどこの国のブランドでしたっけ?
デンマークですね。
園田 行ったなぁ、デンマーク。
高野 ヨーロッパツアーで行ったね。
園田 アートギャラリーみたいなところでライブをして。
池田 オーフスだっけ? そういう場所が当たり前のようにたくさんあったよね。めちゃくちゃおしゃれな街だった。
園田 こういう環境への取り組みに関しても、さすがヨーロッパだよね。こういうのって本当にぼくらの世代は敏感で、みんな気にしているから。「買い物は投票だ」って思いながらみんな身の回りのものを選んでいるし。
自分たちの物販も、いかに環境に負荷のないようにするかっていうことを思いながらつくってて。地元の川が汚くなっているのを見て、どうやって綺麗になるかを考えたりもするし、それこそビーチクリーンにも参加するし。しょうもないグッズをいかにつくらないかとか、ゴミをどれだけ減らすかってめちゃくちゃ大事だと思うんです。いいデザイン、いいものをつくるっていうのは、もはやエコですよね。
バンドのインスタグラムを見ていると、グッズにこだわられているのが伝わってきますね。
園田 一度SNSにアップして、すごく反響が大きかったTシャツがあるんです。それを大量につくって売るのもアリなのかもしれないけど、ぼくらはライブに来て、よろこんでくれたひとたちの手に渡って欲しい。なんとなくノリで買ってくれるのもうれしいんですけど、それで儲かるのって意味あるの? と思うし。だったらずっと着てくれるようなものをつくりたいですよね。〈AIAIAI〉もきっと同じようなスタンスでつくっているように感じます。
今後、maya ongakuの活動はどうなっていくのでしょうか?
高野 いまは次のツアーに向けてがんばってますね。来年は海外の活動、アジアとアメリカ、それにヨーロッパのツアーも予定しているので、そこに向けてやっていけたらと。
園田 今年は国内のライブがめっちゃ多かったからね。来年は海外がいろいろ決まってて。あとはここでまた2ndアルバムも録りたいと思ってます。
実りのある年になりそうですね。
池田 国内の認知度も上がってきたから、この調子でガンガン行きたいところだけど、ずっとやってたら飽きられちゃうかもしれないし(笑)。世界中でライブしながら、日本も同じテンションでやりたいよね。
高野 海外へ行って帰ってきた時のテンションってあるからね。
園田 それが気持ちいいよね。
高野 国内をずっとツアーで回るのも楽しいけど、海外回ってきて最後に日本っていうテンションって、総決算みたいな空気感が出るからね。
園田 そうだね。日本でたくさん広まってくれたらありがたいし最高だけど、おなじくらい海外でもがんばらなきゃって思ってますね。来年はそういう年にしたいです。
〈AIAIAI〉のアイテムは「ビームス レコーズ」店頭、または公式オンラインショップからご覧ください。
また、『AIAIAI / TMA-2ヘッドホンセット』、『Tracksヘッドホン』および、『UNIT-4 Wireless+ スピーカー』をご購入の方に〈BEAMS RECORDS〉限定の特典をプレゼントするキャンペーンを11月28日(木)より開催。気鋭のグラフィックデザイナー・Ryugodaが手掛けた書き下ろしアートワークをプリントしたトートバッグをプレゼントします。
※数に限りがある為、無くなり次第終了とさせて頂きます。
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カルチャーは現象。誰かと何かが出合って、
気づいたらいつもそこにあった。
世界各地で生まれる新たな息吹を、
BEAMS的な視点で捉えて、育みたい。
きっと、そこにまた新たなカルチャーが
生まれるから。