OUTDOOR
アウトドアが生活の一部として、またファッションとしてアメリカで広く浸透したのは、1960年代半ばからです。特に当時起きたベトナム戦争を前後して、公民権運動や反戦運動の中で、それまでの伝統的な価値観を鵜呑みすることなく、東洋思想や自然回帰の流れが生まれ、ヒッピームーブメントも誕生。大量に生産された軍用のプロダクトを流用したものから派生したヘビーデューティーなアウトドアプロダクトが続々と登場していきました。また先住民やヨーロッパからの移民がアメリカに持ち込んだ、彼らの伝統的なハンティングやフィッシングのプロダクトも取り入れられ、アメリカ独自のアウトドアスタイルが広まっていったのです。
BOYが考えるアウトドアとはヘビーデューティーと同意語です。機能的であり、丈夫であるということ。付加価値を求めて余計なことを足さない。ミリタリーウェアやワークウェアでも同じことがいえますが、BOYが惹かれるのはその質実剛健さ、そしてその服たちが生まれた背景に、確固たるストーリーがあるからです。トレンドなどに関係なく、自分自身の価値観とスタイルを持つことを大切にしたいと考える私たちにとって、アウトドアウェアに宿るヘビーデューティーの精神はとても近いものであり、ブランドの核に相応しいカテゴリだと考えています。
ROOTS
ノーフォークジャケットとは、イギリスのノーフォーク州が発祥のカントリージャケット。1860年代にイギリスのスコットランド、ノーフォーク地方のノーフォーク公爵が狩猟用に着ていたものが発祥とされています。イギリスにルーツを持つアイテムではありますが、アメリカの著名アウトドアブランドでも作られていたりと、アメリカンアウトドアシーンをも代表するクラシックな一着です。そこで、BOY流の解釈で春夏に着られる薄い素材の、他にはないノーフォークジャケットを作りたいという思いから企画しました。
このようにヘビーデューティーなアイテムといわれるものにはヨーロッパ起源が多いです。その理由の一つは18世紀後半にヨーロッパアルプスの登山が盛んになったためだといわれています。1760年、ある自然科学者が、モンブラン初登頂を成し遂げた者に賞金を出すと宣言すると多くの人たちが山に登るようになり、それが後のヨーロッパ発祥のアウトドアブランドをたくさん生むきっかけとなりました。アメリカでアウトドアが盛んになったのは、ヒッピームーブメントにおける自然回帰思想の真っ只中であった1960年代です。その頃にはすでにヨーロッパ生まれのアウトドアアイテムが数多く存在しており、多くのアメリカンアウトドアアイテムもここから発展していきました。
ヨーロッパ発祥の登山用や狩猟用アイテムなど、風土の中で育ったヘビーデューティーなアイテムは、アメリカでも目的に応じて取り入れられてきました。アメリカにルーツを持つ私たちが、このヨーロッパ生まれのジャケットに惹かれる理由はここにもあります。
狩猟用ウェアとしてイギリスで生まれたノーフォークジャケットは、アメリカのアウトドアシーンにおいてもヘビーデューティーなアイテムとして愛されています。一般的にヘリンボーンツイードやコーデュロイといった秋冬シーズンらしい厚手の生地を用いることが多く、BOYでは春夏も楽しめる薄手のリネンで作ってみました。軽やかな仕立てですが、肩からライン状に当てた生地やウエストのベルト、フラップ付きポケットなど、狩猟用に考案されたディテールは健在です。よりデイリーに着られるように着丈は少し短めに改良。同生地のスラックスとセットアップで着用できます。
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ROOTS
スポーツウェアの起源を辿ると、ウール素材に行きつきます。今では馴染みのスウェットシャツも最初はウールが使用されていました。ラガーシャツも同じように100%ウールで作られていましたが、より扱いやすいコットン製に取って変わっていったのは1950年頃といわれています。ボタンが割れないようにゴム製が採用されていたり、襟の縫い付けなどの補強や、肘当て、さらには丈夫なコットンを使用したりするなど、激しい競技であるラグビーを考慮した作りが特徴となっています。
そんなラガーシャツに着目をしたのが、〈パタゴニア〉の創設者イヴォン・シュイナード。サーファーであり、著名なロッククライマーであったイヴォンは、旅先で出会ったそのシャツの丈夫さに惹かれ、ヨセミテの岩壁を登るロッククライミングにおいて着用するようになったことが、その普及のきっかけだといわれています。たしかにそれ以降、ラガーシャツはアウトドアにおいても、よく着られるアイテムの一つとなっていきました。そしてラグビーはアメリカ大学の代表的なスポーツでもあります。そのためBOYではラガーシャツを、スポーツウェアとしてだけではなく、むしろアウトドアやトラッドスタイルに合わせるものとして捉えています。そこには、そんな背景があるからです。
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ROOTS
アメリカのアウトドアウェアの中で一番の定番といえば、〈シエラデザインズ〉のマウンテンパーカー。アウトドア用に作られたジャケットすべての雛形ともいえるもので、その名の通り山登りに適した防風性・防水性を兼ね備えた丈夫で機能的なジャケットです。1968年に〈シエラデザインズ〉から発売されると山の定番として、そして日常でも愛用される逸品としてワードローブの定番となっていきました。
その特徴は小さなデイパックと同じくらいの収納力です。基本的なディテールはフラップ付きのポケットが両胸にあり、さらに大きなマチ付きの脇ポケットが2つ。そこには二重に設計されたハンドウォーマーポケットも付きます。それぞれのポケットのフラップには、雨の侵入を防ぐ役割があり、また背面にはジッパー付きの大きなポケットまで付いています。アウトドアシーンに必要な地図などを収納できると同時に紙一枚分の保温効果を得るという、機能面への貪欲さを感じるディテールです。
そしてマウンテンパーカーといえば60/40クロス。60%コットン、40%ナイロンの比率で織った生地のことで、〈シエラデザインズ〉が1960年代に開発した機能素材。コットンとナイロンのそれぞれの特性を活かした生地であり、水分を含むと膨張するコットンが悪天候下では生地密度を高くして水の侵入を防ぎ、ナイロンが風も防いでくれます。
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25年前の1998年、原宿に〈ビームス ボーイ〉のお店が誕生しました。
コンセプトはその名の通り、『男の子のような女の子』。定番として愛され続けるメンズ服に惹かれる女性。
そんな人たちのために生まれたお店です。
どうして私たちは定番のメンズ服に惹かれるのか?
それは、そこに確固たるルーツがあるからです。
ルーツが明確な洋服は、揺るがないディテールにストーリーを宿し、独特の強さとその服たちが
愛され続けてきた温かみを感じることができます。特に、ある目的のために生まれた服たちは、
丁寧な物づくりとともに語り継がれてきました。そしてそんな服たちと私たちは共に歩んでいきたい、
そう思うのです。
私たちはワークやミリタリー、スポーツといった生まれた当初から今に至るまで愛され続けてきた
ヘビーデューティーなアイテムや、アイビー、プレッピーといったアメリカントラッドスタイルなど、
5つのカテゴリを軸に独自の価値を築いてきました。
ルール・ルーツを知って、ストーリーのあるファッションを楽しむ。
さらにそれを知った上で自分流のアレンジを生み出していく。そのために背景とモノに軸を置いた、
自分のスタイルを作り上げるためのバイブルのような辞書を作りたいと思うようになりました。
気になるアイテムを見つけたら、そこから開いて読む。
ストーリーのある服というのは、知れば知るほど好きになりますし、
そこからのコーディネートが楽しいものになります。
BOYの服をより深く理解するためのスタイルブック、それが『THE INDEX: BOY』です。
3月18日(土)より
『THE INDEX: BOY』ブック配布開始!
BEAMS各店舗※1 およびBEAMS公式オンラインショップ※2 にて、
〈ビームス ボーイ〉の商品をご購入いただいたお客さまに、本コンテンツを1冊に収めた『THE INDEX: BOY』ブックを先着でプレゼントします。
数に限りがございますので、予めご了承ください。
※1 BEAMS各店舗:〈ビームス ボーイ〉の商品を税込13,000円以上ご購入のお客さま。
※2 BEAMS公式オンラインショップ:〈ビームス ボーイ〉の商品を1点口(商品単品)で税込13,000円以上ご購入のお客さま。セール商品、アウトレット商品、予約商品は対象外です。