WORK
その名前の通り、働く人のために生まれた洋服。仕事着ということで、大きく分けてヨーロッパから生まれたユーロワークとアメリカンワークウェアがありますが、BOYが魅力を感じてしまうのは、より頑丈で無骨な表情を持つアメリカのもの。
その起源は多くの伝説が生まれたゴールドラッシュ時代に遡ります。1848年頃にカリフォルニアで発見された金に群がったゴールドマイナーたちの要望に応じて、オーバーオールが作業着として誕生しました。テントなどに使われる丈夫なキャンバス生地で作られた胸当て付き作業パンツが、オーバーオールの原型です。やがてより丈夫なデニムがその生地として採用されると、作業着として人気を得ることとなり、〈リーバイス®︎〉の創設者リーバイ・ストラウスが開発・販売した頑丈なジーンズは、南西部の労働者たちから支持を集めるようになりました。また、〈リーバイス®︎〉が鉱山で働く人への作業着として丈夫な服を作ったことがワークシャツのルーツにもなっています。そして今もなお愛され続けている多くのワークブランドがアメリカで誕生したのもこの頃です。
働くために生まれた生地やディテールは、無骨さと相まってBOYにとっては魅力。そしてその生まれた背景を理解しながら「自分らしく着こなしたい」と思わせてくれます。
ROOTS
作業着として着られてきたワークウェア。余計な装飾を一切省いた作りがその特徴ですが、中には変わり種も存在します。今季製作したこのシャツは全面にグラフィックを施しています。ヴィンテージのオリジナルを手がけたのはハワイの老舗ブランド〈カハラ〉。ハワイにさとうきび畑と精製工場を所有していた「Califor-nia And Hawaii Sugar Company」が1960年代前半に同社のプロモーション用として、シャツの製作を〈カハラ〉に依頼したものです。戦前よりアメリカ本土とハワイを行き来しながらハワイのプロモーションをしていたハワイの英雄、デューク・カハナモクがデザイナーとしてもこの活動に参加。アメリカ本土での彼の知名度も高かったことから、デューク自身のブランドネームが大きく使われているのが特徴です。島にとっても大きな財源であった砂糖産業の継続的な発展に貢献したという歴史的背景を持ちます。当時の生産枚数が極端に少ないことから非常に希少価値が高く、コットン素材のヴィンテージ・アロハシャツのカテゴリの中において高額で取引され、コレクターからの人気も高い一枚となっていたものの復刻となります。
ブランドのプロモーション用のグラフィックが施されたワークウェアは沢山存在します。ワークウェアをプリントのボディとして採用する。そこには通常のワークウェアとは違う独特の表情があり、一つは持っていたいアイテムです。
毎年、夏になるとアロハシャツを展開していますが、今年は特別な変わり種をご用意しました。砂糖袋のパッケージデザインをプリントしたアロハシャツです。元ネタは1960年代に農園や砂糖の精製工場などのイベントで、関係者のユニフォームとして作られたシャツです。1980年代には、米の輸送用に使われていた袋をバラして製作されたシャツやパンツが流行った時代がありましたが、それらの原点は今回のシャツのモデルのような、ノベルティシャツと考えられています。そんなヴィンテージを復刻してくれたのは、なんと元ネタも手がけていた本家〈デュークカハナモク〉。このシャツを復刻するのはBOYが初めてとのこと。ストーリーのあるシャツ、これも私たちらしい!
ROOTS
シャンブレーとはタテ糸に色糸、ヨコ糸に白糸を使って平織で織り上げられた生地のことをいいます。色糸と白糸が均一に組み合わさることで、霜降りのように見えるのと、色落ちが目立ちにくく、薄い生地でも丈夫なことが特徴です。ルーツは諸説ありますが、1500年代にフランスのカンブレーという街で作られた『カンブリック』という織物が起源とされています。シャンブレーシャツは、20世紀初頭には、アメリカ海軍のミリタリーウェアとして採用されるようになりました。船上での激しい動きを要する海軍が着用することでその丈夫さへの評判が広まり、一般の人々にもワークウェアとして定着。アメリカでは多くの労働者のユニフォームとして代表的なシャツとなりました。
BOYではワークウェアとして愛されてきた1950年代のヴィンテージシャツを元に、メンズの小さいサイズを着用しているフィット感で私たちらしいシャンブレーシャツを企画。ヴィンテージ市場で貴重とされているブラックシャンブレーを採用しました。当時のアメリカでは『黒』という色にあまりいいイメージを持たれておらず、洋服にそこまで使われていなかったといわれています。ヴィンテージでは中々お目にかかれないアイテムに脚光を当てた、BOYらしい一着となっています。
B.D.シャツはトラッドを象徴するシャツですが、ワークウェアの中ではシャンブレーシャツが同じポジションにいると私たちは思います。〈オアスロウ〉に別注したシャンブレーシャツは、ワークウェアらしさをとことん突き詰め、ディテールにこだわりました。トリプルステッチで強度を備え、左胸のフラップポケットの右端にはペンポケット、ボタンはやはり猫目ボタンです。シャツの裾は作業の邪魔にならないようにタックインすることを想定し、長めに設定。そして何より、今回の目玉は色です。ヴィンテージ市場でも人気のブラックシャンブレーに仕上げました。
公式オンラインショップで関連アイテムをチェック
25年前の1998年、原宿に〈ビームス ボーイ〉のお店が誕生しました。
コンセプトはその名の通り、『男の子のような女の子』。定番として愛され続けるメンズ服に惹かれる女性。
そんな人たちのために生まれたお店です。
どうして私たちは定番のメンズ服に惹かれるのか?
それは、そこに確固たるルーツがあるからです。
ルーツが明確な洋服は、揺るがないディテールにストーリーを宿し、独特の強さとその服たちが
愛され続けてきた温かみを感じることができます。特に、ある目的のために生まれた服たちは、
丁寧な物づくりとともに語り継がれてきました。そしてそんな服たちと私たちは共に歩んでいきたい、
そう思うのです。
私たちはワークやミリタリー、スポーツといった生まれた当初から今に至るまで愛され続けてきた
ヘビーデューティーなアイテムや、アイビー、プレッピーといったアメリカントラッドスタイルなど、
5つのカテゴリを軸に独自の価値を築いてきました。
ルール・ルーツを知って、ストーリーのあるファッションを楽しむ。
さらにそれを知った上で自分流のアレンジを生み出していく。そのために背景とモノに軸を置いた、
自分のスタイルを作り上げるためのバイブルのような辞書を作りたいと思うようになりました。
気になるアイテムを見つけたら、そこから開いて読む。
ストーリーのある服というのは、知れば知るほど好きになりますし、
そこからのコーディネートが楽しいものになります。
BOYの服をより深く理解するためのスタイルブック、それが『THE INDEX: BOY』です。
3月18日(土)より
『THE INDEX: BOY』ブック配布開始!
BEAMS各店舗※1 およびBEAMS公式オンラインショップ※2 にて、
〈ビームス ボーイ〉の商品をご購入いただいたお客さまに、本コンテンツを1冊に収めた『THE INDEX: BOY』ブックを先着でプレゼントします。
数に限りがございますので、予めご了承ください。
※1 BEAMS各店舗:〈ビームス ボーイ〉の商品を税込13,000円以上ご購入のお客さま。
※2 BEAMS公式オンラインショップ:〈ビームス ボーイ〉の商品を1点口(商品単品)で税込13,000円以上ご購入のお客さま。セール商品、アウトレット商品、予約商品は対象外です。