Tシャツのプロたちが厳選した、
いますぐ買える至極のTシャツ16枚。

FEATURE

Tシャツの
最適解を伝授!

SELECTOR

日下 拓哉

ビームスT 原宿 ストアマネージャー

たかがTシャツ、されどTシャツ。夏は、その1枚の選択に自身のセンスが問われます。じゃあその最適解とは何か……。今回は、暑い日も寒い日も、1年中Tシャツと向き合っているプロ、「ビームスT 原宿」に勤める精鋭たちに聞きました。Tシャツ選びのこだわりと、いますぐ買える至極のTシャツ16枚を紹介します。


T

GUEST PROFILE

  • 大曾根 崚太

    ビームスT 原宿 スタッフ

    1993年生まれ、茨城県出身。2016年にビームスに入社。2018年より「ビームスT 原宿」で働く。阪え神ファンの妻の影響で野球観戦が趣味に。実際に球場へ行き観戦することも多数。2児のパパ。

    @zoneryo

  • 森末 瑞騎

    ビームスT 原宿 スタッフ

    2002年生まれ、千葉県出身。文化服装学院を卒業したのち、2022年にビームス入社。2024年から「ビームスT 原宿」にて勤務。スケーターであり、ニューヨークのシーン、カルチャー好き。

    @3treeend

  • 奥山 ゆらら

    ビームスT 原宿 スタッフ

    1999年生まれ、秋田県出身。2021年から「ビームスT 原宿」での勤務をスタート。スケーターではないが、兄の影響でスケート文化が大好き。普段はメンズライクな格好でも、休日はフェミニンな格好に。カフェ巡りも趣味。

こんにちは!「ビームス T 原宿」のストアマネージャー、日下です。東京はまだ梅雨明けしていませんが、すでに真夏のような毎日。本格的な夏の到来も秒読み段階といったところでしょうか。

そんな夏のファッションの主役といえば、やっぱりTシャツです。シンプルなアイテムだからこそ奥が深く、一歩間違えると、野暮ったく見えてしまうことも。他の季節であれば、レイヤードや小物でカバーできますが、夏は身につけるアイテムが少ない分、ひとつひとつのアイテムがより重要になってきます。要するに、最適なTシャツを選ぶことができれば、夏のオシャレは心配無用というわけです。

そこで今回は、我々「ビームス T 原宿」のスタッフが、Tシャツの最適解を伝授。Tシャツ愛、存分にお伝えします!

日下:ところで、みんなどれくらいTシャツ持ってる? ぼくは断捨離しまくってますが、それでもだいたい300枚くらいあって、20年以上前に買ったものもあったりします。

 

大曽根:ぼくは100枚くらい。新しいものを買って、どんどん入れ替えていくタイプです。

 

森末:先輩たちには全然及ばないですけど、枚数は50枚くらいですね。まだまだです……。

 

奥山:私も50枚くらいです。

 

日下:なるほどねー。Tシャツにハマったきっかけは?

森末:僕は中学校からスケートボードをやっているんですけど、スケートするときの服は、Tシャツとパンツがほとんど。なので、Tシャツはずっとそばにあって欠かすことのできない存在って感じです。手の届きやすい価格っていうのも魅力のひとつですよね。

 

日下:たしかに買いやすいのはあるよね。ぼくの場合、Tシャツは昔から買っていたけど、洋服屋歴が長いぶん、ファッションを何周もしたというか。あるときから、服を見せるよりも自分自身のキャラクターを見せたいってなって、洋服がどんどんシンプルになっていった感じ。で、気づいたらTシャツだけでいいやって(笑)。そこからどんどん突き詰めていったかな。

 

大曽根:僕は大学の時に、ファッションにオリジナリティを出したいって考えた時のアイテムがTシャツでした。どうしても大学生って着るモノが似通ってしまうので。そう考えて色んなTシャツを買い漁って、そこからもう、どっぷりと……。

奥山:私は正直に言うと、このお店に入ってから好きになりました。いろんなものに触れる度に、奥深さを知っていったし、大曽根さんが言うように、その人の個性が一番出るアイテムだなぁと思ってハマっていきました。

T

TシャツはTシャツでも、サイズも、素材も、デザインも千差万別。ここからは、4名のこだわりを聞いていきます。

森末:ぼくは無地も着ますが、基本的にプリントものが好きですね。

 

奥山:私は半々くらいです。

 

日下:前提として、2通りの考え方があって、「集めるTシャツ」と「着るTシャツ」。集めるTシャツはめちゃくちゃ思い出が詰まっているもので、自分が好きなカルチャーだったり旅先で買ったものとか。「着るTシャツ」は消耗品という捉え方で、基本的に無地Tかな。

奥山:無地Tを購入する際に気にすることって何ですか? 私はシルエットとサイズが一番気になるかも。普段お店にいるときは、パンツが太いので、バランスを考えて大きめのサイズで着たいんですけど、お休みの日は、タイトに着たいときもあって。

 

日下:ぼくは、ヨレた無地Tは着たくないから、白Tは少しでも変色していたら嫌だし、黒Tは色が褪せてない、バキっとした黒を着ていたい。新しいものとどんどん入れ替えるから、やっぱりプライスがなにより大事だね。

大曽根:「エアフォース1」と同じで、 白Tはパキッとしているものがかっこいいという、暗黙の共通認識がぼくらにあって。なので、ヨレていたり、清潔感に欠けるTシャツは基本的に着ないです。

 

日下:無地Tは、下手したら1シーズンで2軍行きですね。

 

大曽根:ぼくも同じです。やっぱりプライスありき!

 

森末:価格はもちろんなのですが、Tシャツは一番体に触れるものなので、ガシガシ洗濯したい。なので、ネックはヨレにくいバインダーネックが好きですね。

日下:あと、Tシャツだけで着るとしたらヘビーオンスが好きかな。いま着ているものが〈BEAMS T〉がオリジナルで作っている『newT』のもので、7.7オンス。もう仕事の日も休みの日もずっとこれ。みなさん、迷ったらこれを買っておけば、間違いないですよ(笑)。あと、今年40歳になったんだけど、好きなサイズも変わってきて。昔はXLサイズ一択だったけど、最近はそれだとやりすぎている感じがして、Lサイズが多くなってきたかな。

 

大曽根:みんな年々、サイズ感がアップデートされていきますよね。ぼくも好きなサイズ感が変わってきていて、『newT』だとSサイズが好き。最初はLサイズを着ていましたけど。

奥山:ケアの方法とかは、こだわりあります? 私は洗濯のとき、お気に入りのものは劣化しないように、必ずネットに入れています。

 

大曽根:僕が一番気を遣ってるのは、洗濯よりも干すときのハンガーかな。跡が肩につかないように、スーツハンガーくらいの太いものを使ってます。

 

森末:ぼくもネットに入れています。そして一軍だったら、ハンガーは使わず、Tシャツを裏返して物干し竿にそのままかけることもありますね。

 

日下:ぼくは、一時期洗剤にもこだわっていたんだけど、いろいろ試した結果、いまは一般的な洗剤を使ってます。ただ洗浄力がかなり強いから、基定量よりも少なくして、さらに水量をマックスにして洗っています。そうすると生地が傷みづらくて、より長く着られるんです。

1

誰にだって、思い出がたっぷり詰まった、とっておきの1枚があるはず。では、Tシャツのプロたちはどうなのか。みなさんの人生最高の1枚を教えてください!

教えて人生最高の1枚

  • 1

    奥山さんの1枚

    「〈VICTORIA〉という香港のスケートブランドのTシャツです。2019年に、祐天寺にあるヘアサロン『Guru’s Cut & Stand』で購入しました。黄色いボディに同色のロゴが入っていて、デザインがとても好み。このブランドって国内で扱っているところが少ないんですけど、当時、いろいろ調べていたら〈ビームスT〉で取り扱っていることを知って、それが入社するきっかけにもなりました。買ってから5年以上経ちますが、いまだに一軍で、大切に着ています」

  • 2

    森末さんの1枚

    「今年の3月にニューヨークへ行ったんですけど、そのときに現地のショップ〈HOMERUN〉で買ったものです。昔からファンだった、チトというメキシコ出身のアーティストの作品で、日本だとなかなか手に入らないものです。ダイナミックなプリントのサイズだったり、プリントの乗り具合もすごい。ニューヨークでの思い出を含め、人生最高の1枚ですね」

  • 3

    大曽根さんの1枚

    「〈ビームスT〉が20周年の時に、ぼくらと親交の深い11のブランドと別注してTシャツを作りました。これは、その11ブランドのロゴが入った特別なTシャツです。ノベルティーとして配っていたんですけど、着ずに綺麗に保管しています。ぼくは〈ビームスT〉で働きたくて入社したんですが、そのレーベルの20周年に立ち合えたことがスペシャルな出来事。思い出深い1枚ですね」

  • 4

    日下さんの1枚

    「2017年にニューヨークへ行った際、ちょうどコナー・マクレガーとメイ・ウェザーのボクシングの試合があったんです。友達と一緒に行っていたんですが、彼が『友達も呼んでいい?』と連れてきたのが〈GOLDWOOD ARTWORKS〉というアーティスト・山口歴くんだったんです。山口くんのことは昔から好きで、めちゃくちゃ驚いて。その繋がりで〈ビームスT〉でも彼のイベントを開催しました。これは、そのイベントの時にもらったTシャツです。『作業で着てたTシャツあげるよ!』って。これは一度も袖を通さず、大切に保管しています」

!?
16T

人生最高の1枚を紹介してもらったあとは、いま買える最高のTシャツを紹介。やっぱりTシャツ選びは人それぞれで、好みやこだわりも三者三様。それでも選ぶ目線は絶対参考になるはず!

▼奥山さんがおすすめするTシャツ4選▼

〈HELLRAZOR / BLOCK LOGO PIN STRIPED SHIRT〉¥13,200
「東京のスケートブランドのTシャツです。毎シーズン、定番でボーダーTシャツをリリースしてるんですけど、今回はピッチが短くて、色合いも夏っぽくてさわやか! タフでドライな質感も気に入ってます。ガシガシ着れる1枚です」

〈NOMARHYTHM TEXTILE × Ray BEAMS / T-SHIRT〉¥10,450
「〈Ray BEAMS〉との別注アイテムです。デザインに目がいきますが、シルエットがとにかく綺麗で、身幅もタイト。生地感も柔らかくて着心地がいいんです」

〈Shiomi Wada / My Heart T-shirt〉 ¥8,250
「シオミ ワダさんというイラストレーターが手がけたTシャツです。台湾で海外初のイベントを行った際に作られたスペシャルな1枚。ボディは、〈ビームスT〉のオリジナルで、XSからサイズ展開があるので、女性の方にもおすすめしたいですね」

〈AURALEE / LUSTER PLAITING TEE〉 ¥17,600
「超高級なコットンとして知られる、ピマコットンを使ったTシャツです。着心地が本当に滑らかで、肌触りも気持ちいい。シンプルかつ上品で、光沢感もあります。これは特別な日に着る用で、洗濯などは細心の注意を払ってます。決して消耗品ではない、無地Tです!」

▼森末さんがおすすめするTシャツ4選▼

〈Midtown New York / RADIO T〉¥8,250
「ニューヨーク出身のスケーターたちがやっているブランドのもの。彼らはスケートを中心に、音楽なんかも配信したりするんですけど、クリエイティブが全力で表現されているTシャツだと思います。シンプルで、インディペンデントっぽさもあって。いまぼくが、最もチェックしているブランドのひとつです」

〈SHA / Letter T-SHIRT〉¥8,800
「スタッフからの提案で、企画が検討されることがあるんですが、このTシャツは僕の提案もあり、実現した1枚です。〈SHA〉というブランドが、〈ビームスT〉のボディを使って作ってくれました。日本とニューヨークのスカイラインが表現されていて、よくみると自由の女神だったり、スカイツリーがあったりするんです」

〈BoTT / Holy Dog Tee〉¥8,800
「このグラフィックは、ぼくの親友が描いたもの。一方、〈BoTT〉を主宰するTEITOくんは、ぼくの学生時代の先生でした。その2人で作った1枚は、もう個人的に胸熱です! 毎度〈BoTT〉の、若い世代をフックアップする力はすごいなと実感しています」

〈C.E / 65K PL/1 T〉¥11,000
「近未来感とレトロ感が混ざった1枚です。65Kっていうのは、パソコンで表示できる色の限界数のこと。テクノロジーとレトロ感、まさに〈C.E〉って感じがして、めちゃくちゃ好きです。プリントの質感だったり、配置も秀逸です」

▼大曽根さんがおすすめするTシャツ4選▼

〈F-LAGSTUF-F × KOKI SATO / NIGHT SHIFT S/S TEE〉¥11,000
「フォトグラファーの佐藤康気さんは、4年前にビームスTで写真展をしてもらったことがあるんです。そのとき、写真のいろんなことを教えてくれて、そこからぼくの写真に対する見方が変わりました。そんなお世話になった方の作品がプリントされているTシャツ。やっぱりいつ見ても、彼の写真はかっこいい!」

〈bal / Logo Tie DYE TEE〉¥13,200
「プリントをのせるとか、アートをのせるとか、Tシャツの表現の仕方はいろいろあると思うんですけど、これは染めです。YUKI DYEさんというアーティストが手染めしていて、アソートなので、ふたつとして同じものはありません。毎年リリースされているんですけど、今年は特に、個人的に好きな色味ですね」

〈QUARTER SNACKS / Anniversary Tee〉¥8,030
「ニューヨークのウェブマガジン〈QUARTER SNACKS〉のアパレルラインなのですが、クオーターって1/4なので25。で、今年が2025年。事実ではないんですけど、100周年Tシャツとして作ったらしくそんなスケートブランドらしいジョークもセンスがあって好きなTシャツです!」

〈newT / T-shirt〉¥6,600
「最後は、やっぱりぼくらのオリジナル『newT』。休みの日も、仕事の日も、年がら年中着ています。毎シーズン新しい色が出るので、それも楽しみのひとつです。オンスもシルエットも、なにもかもが最適。ぜひ多くの人に、一度袖を通してもらいたいです!」

▼日下さんがおすすめするTシャツ4選▼

newT「T-shirt」¥6,600
「前まではロゴが大きく乗ったものとかをよく着ていたんですけど、最近は年齢もあり、そうしたモノを着ると違和感があるんです。なので最近は、ほぼ無地T。それも、ぼくらのスタンダードである『newT』です。オンスもほどよく、1枚で着るならこれ!」

〈SUNSPEL / ヘビーウェイト Tシャツ〉¥17,820
「Tシャツ1枚では出かけない機会も年齢とともにに増えてきました。食事会なんかに呼ばれたときも、Tシャツの上にブルゾンを着たり、シャツを羽織ったりします。その時のインナーとして、このTシャツがとても良くて。着丈や袖のバランスもいいですし、重ねたときにゴワつかない。程よい光沢感のある上質な一着を選べば、やはり品よく見えるものです。

〈AURALEE / HEAVY WEIGHT POCKET T〉¥24,200
「Tシャツ1枚のスタイルのときは、ヘビーなものを着たいんですけど、これはとっておきのヘビーさです。〈オーラリー〉のなかでも、最もヘビーなTシャツで、この肉厚さは、なかなかない。かといって、不思議と品もあるからさすがです。大人にこそおすすめしたい!」

〈Seventh / Raglan Box T-Shirt〉¥17,600
「〈Seventh〉はロンドンのブランドで、以前、僕らのお店でポップアップをやらせていただいたんです。彼らはまだ20代ですが、服に雰囲気がありつつ、シルエットもすごい斬新だったり、洋服作りの考え方も新鮮。このTシャツも、普通のTシャツとはちょっと違うけど、おじさんでも着たいなと思わせてくれるんです」

いかがでしょうか。今年は、梅雨が一瞬で過ぎ去り、いきなり真夏日がやってくるという噂も聞こえてきます。Tシャツ1枚で過ごす日々は間もなくです。

 

ビームスには、今回紹介した16枚以外にも、世界中から厳選されたTシャツが数多く揃っています。無地Tも、グラフィックTも、フォトTも、なんでもあります。きっとみなさんの夏を彩る1枚が見つかるはずです!

では、最後にもうひと言。10〜20代は、やっぱり好きなものだったり、自信がつくものを着ればいいと思います。そして30〜40代は、好きなものに加えて年相応のシルエットや素材選びにもこだわりが出てくるはず。シンプルなアイテムだからこそ、似合う、似合わないが顕著だったりもします。とはいえ、どんな年齢や体型にもフィットするのがTシャツです。どれだけ痩せていても、お腹がぽっこり出ていても、似合うTシャツが必ずあります。困ったら「ビームスT 原宿」までどうぞ!

ONLINE SHOP
オンラインショップ

SHARE

( PROFILE )

Tシャツ愛が
止まらない♡
日下 拓哉
(ビームスT 原宿 ストアマネージャー)

1984年生まれ、埼玉県出身。2007年にビームスに入社。立川や銀座、横浜、原宿など数々のショップでスタッフとして働いたのち、2020年から「ビームスT 原宿」に。2022年に店長へ就任。格オタであり、柔術は紫帯。

ONLINE SHOP
ONLINE SHOP