B-jirushi MAP ー OKINAWA

Feature 3

Okinawa Folk art Guide

いろんな国の影響が混ざりあう沖縄の民藝。
琉球王朝時代からさまざまな文化を受け入れ
暮らしと溶け合って、独自の発展を遂げてきた。
そんな場所を何度も訪ねた目利きたちが紹介する、
日常に寄り添う沖縄の手仕事たち。

この土地だからこそ生まれる生活道具。

Folk art 1

紅型工房べにきち

沖縄の生き物を
鮮やかに染める。

瀬底島の小さな工房で、作家の吉田誠子さんは沖縄の生き物を染め続けている。琉球王朝時代から続く技法で、ダイナミックに、繊細に、そして可愛らしく。

案内人

YURI KIKUCHI

(fennica Director)

1987年生まれ、千葉県出身。2010年入社。「インターナショナルギャラリー ビームス」にて〈fennica〉のスタッフとして働いたのち、2020年より〈fennica〉のディレクターに就任。現在は全国津々浦々を訪ね、日本の手仕事を掘り起こす日々。

FUJITA YOSHIHIRO

(fennica Buyer)

1992年生まれ、宮崎県出身。2016年入社。ドレスのショップスタッフなどを経て、〈fennica〉にジョイン。2023年バイヤーに就任。沖縄に来た際に必ず食べるものは、グルクンの天ぷら。

YURINA MORI

(BEAMS JAPAN Staff)

1986年生まれ、埼玉県出身。2009年入社。長年〈fennica〉スタッフとして従事し、現在は「ビームス ジャパン(新宿)」で日本の手仕事の魅力を発信中。

Bingata

沖縄の多様な生態系を
色鮮やかに。

そのはじまりは13世紀。琉球王朝時代に生まれたとされる紅型(びんがた)という染めの手法。通常の染め物は染料を使って布に染み込ませるけれど、紅型は顔料を使う。顔料は粒が大きいため、染み込むのではなく、色を刷り込む。

「紅型工房べにきち」は、紅型の魅力をいまに伝える沖縄の工房で、作家の吉田さんは、沖縄の大学で染色を学んだのち、2010年から沖縄北部にある瀬底島で布を染め続けている。

「吉田さんの作品の魅力は、デザインがダイナミックであることと、かつリアルで、かわいらしいんです。モチーフとなる沖縄の動植物も、とってもイキイキしているんですよね」とは〈fennica〉のディレクターである菊地さん。

バイヤーの藤田さんも、吉田さんのファンのひとり。「最近はプリントものも作られていて、ぼくも家の中に飾っています。その場がパッと明るくなるし、柔らかい雰囲気になる。個人的には手ぬぐいもおすすめですね」

工房横にある直営店は、金曜日のみオープンしている。

「県内にも取扱店はあるんですけど、時間がある方はぜひ、直営店を訪れてほしいです。制作する現場を間近に感じて、吉田さんの話を直接聞けば、作品がいっそう愛おしくなると思いますので」(菊地)

Information

紅型工房べにきち

Folk art 2

室生窯

伝統の上で、自由に遊ぶ。

沖縄といえばの民藝品である、やちむん。「室生窯」を営む谷口室生さんもその魅力にとりつかれ、名工の元で技術を学び独立。沖縄の土と釉薬で、日々、器を作り続ける。

海外で培った感性と
沖縄の伝統を、
器にこめて。

まわり一帯にはサトウキビ畑が広がる、本部町の山の奥。「室生窯」はそんな場所にある。

作家の谷口室生さんは福岡で生まれ、アメリカで絵画を学び、帰国後に沖縄へ。そこから名工・山田真萬氏のもとでやちむんを学び「室生窯」を設立。沖縄の土と釉薬を使い、クラシックな技法で生まれるやちむんは、1年のうち2,000〜3,000個作られている。これが、沖縄の強い日差しによく映えること。

「やちむん作家さんはたくさんいますが、谷口さんは絵付けに柔らかさと力強さが共存していると思うんです。大好きな作家さんのひとりですし、年に1回、こうして会えるタイミングがなによりも楽しみなんです」(藤田)

「谷口さんは、過去にアメリカでセラミックアートを学んでいたりする背景があったり、最近も北欧デザインからインスピレーションを受けた作品を作られていたりと、沖縄の伝統を大切にしながら、独自の感性もうまく混ぜ込んでいるんです。だから、現代の生活にもよく馴染んでくれるんですよね」(森)

料理好きでもある谷口さんは、使いやすさにもこだわる。大皿は汁気のある炒め物も盛りやすい深さに、マグカップは自分が毎朝コーヒーを飲む量を想定した容量に。

「それと、やちむんって強度があるから、多少ぶつけてもビクともしない」と藤田さん。沖縄の土とぽってりしたフォルムが生む堅牢性も、多くの人から愛される要因だ。

この日も、〈fennica〉で販売する1年分の器の買い付けが完了。現地で買いたい人はこちらのカフェまでどうぞ!

Information

ハコニワ(室生窯直営店)

Folk art 1

A Gallery

海ぶどうとゴーヤのガラス。

パリ、ニューヨーク、ハワイ、ドイツ。世界各地でガラスを学んだ津田亮さんは、2011年から沖縄でガラス作品を作り続ける。モチーフは沖縄の食材からウィットに富んだオブジェまで幅広い。

世界を旅し、ローカル市場でガラスを操る。

観光の醍醐味は、その土地の生活の一端に触れること。その点、本部町営市場は、沖縄の生活が凝縮されている。観光客はほとんどおらず、地元の人たちが毎朝食材を探しにやってくる。沖縄らしい、ゆっくりした時間が流れる場所だ。

その一角にあるガラス工房「A Gallery」。作家の津田亮さんは、富山でガラスの技法を学んだ後、ニューヨーク、ハワイ、ドイツで各地のガラス作家のアシスタントを経験。世界中でガラスを学び、自身のブランド〈Araruna〉をスタートした。

「沖縄といえば、琉球ガラスです。再生ガラスを使い、吹いて作るので気泡があるのが特徴。ただ、津田さんの作品はまったく別物なんです」と菊地さん。

Unicorn

津田さんが使うのは、耐熱ガラス。ボロシリケイトグラスとも呼ばれ、透明度が高く、耐熱性・耐久性に優れている。それを2,000度ほどの炎に当て、伸ばしたり膨らませたりカットしたり、飴細工のように作品を作っていく。

「〈fennica〉は民藝屋ではなく、あくまでアパレル会社のいちクラフト部門。なので、私たちがいいと思った手仕事品は、自分たちに明確な軸があれば取り扱うんです。津田さんの作品は民藝ではない。けれど、考えに芯があって、真摯にものづくりに向き合っているんです。変わったものが多いですけど、グっとくるんですよね」(菊地)

「津田さんが作る海ぶどうとゴーヤは、妙にリアルなんです。とくに海ぶどうは、その透明度までもがそっくり。ぜひ多くの人に見ていただきたいですね」(森)

日本には、まだまだ知られていない作り手が多くいて、それを掘り起こすため菊地さんたちは、年中日本を歩きまわり、ネットにもほとんど情報がないような人たちと接点を持ち続けている。津田さんも、そうして出会ったひとりなのでした。

Information

A Gallery

  • 沖縄県国頭郡本部町渡久地4(本部町営市場内) MAP
  • 営業時間:12:00〜17:00
  • 定休日:水・木・日曜日

( Staff Voice )

カラフルに描かれた
沖縄の動植物が、
とにかく素敵。

( Staff Voice )

訪れるたびに心ときめく、
大好きな作家さんです!

( Staff Voice )

繊細な技術から生まれる
ユニークなモチーフは
唯一無二◎

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