美しい「まち」と「みなと」のため
店舗を展開する土地とのつながりを大切にしているビームス。それが形となった取り組みのひとつが、神戸市や、神戸市内の他業種の店舗と共同で行う『メリケンパーク Cleanup Project』です。市主催のこのイベントは「過ごしやすい美しい『まち』・美しい『みなと』づくり」、「さまざまな環境問題について考えるきっかけづくり」がテーマ。ビームスはこの考えに賛同し、2023年度の初回から企画運営に携わってきました。

神戸市や他業種店舗とのつながりあってのプロジェクト神戸市や他業種店舗との
つながりあっての
プロジェクト
INFORMATION

- WHAT’S 『メリケンパーク Cleanup Project』?
- 神戸港にある、港の緑地公園「メリケンパーク」は、神戸の顔として、地元の人々はもちろん、観光客からも人気の美しい公園。年1回実施されている『メリケンパーク Cleanup Project』は、三宮・元町エリアからこのメリケンパークまでを、参加者が自由なルートで散策しながらごみを拾うイベントとなっている。
きっかけは、『BEAMS EYE on KOBE』。ビームスでは、日本各地の魅力を伝えるために地元企業とコラボした商品開発や、商品セレクトを行うイベント『BEAMS EYE on』シリーズを展開してきました。「ビームス 神戸」でも、神戸市と協業して2016年に『BEAMS EYE on KOBE』を開催。そのときのコラボレーション実績もあったことから、『メリケンパーク Cleanup Project』のスタートにあたり賛同企業を探していた神戸市から、参加の声がけがありました。
2023年の初年度開催から、神戸市のスターバックスとビームスの2社が賛同企業として参加。企画立案・運営の一端をビームスが担い、「散策ついでに気軽に参加できるように」と、ごみ回収の順路は設定せず「それぞれが自由なルートでごみを拾いながら、最終回収場所であるメリケンパークをめざす」というルールのもとイベントを開催。25年度には大丸神戸店も賛同企業に加わり、徐々に広がりを見せています。

2025年3月20日に開催の第3回イベントのスタッフ。ごみの回収場所となった「スターバックス コーヒー 神戸メリケンパーク店」前で集合!
参加者にはビームスのオリジナルノベルティとして、23年度、24年度はさまざまな理由で販売できなくなったTシャツに、その場でシルクスクリーン印刷を施してアップサイクルしたものを、25年度はバンダナを配布。25年度は約240名が参加、集められたごみの総量は約110kgにのぼりました。
実際にイベントの企画運営に携わり、そして市の職員や他企業のスタッフ、何より神戸に暮らす一般の方々と清掃活動をすることで感じた思いや、見えてきた景色とはどんなものなのか。立ち上げから関わり、運営責任者として先導する事業開発一部の井上博喜さんと、いち店舗スタッフとしてイベントに参加したデソーザナタリア空さんに話を伺いました。

1人目は運営責任者の井上さん!1人目は
運営責任者の井上さん!
兵庫県出身で生粋の神戸っ子である井上さんは、18歳で「ビームス 神戸」にアルバイト入社して以来、長く神戸の店舗に勤めていました。本社異動後、神戸市からビームスにプロジェクト参画の打診があった際、地元出身者ということもあり担当者に抜擢。主催である神戸市だけでなく、神戸に店舗を持つ異業種企業とコラボレーション開催であるという点に意義を見出し、参加を決断した一人です。初年度からビームス側の運営責任者を務めてきた井上さんに、イベントを協働する意義や、参加を重ねて感じた思いを伺いました。
PROFILE
- 井上博喜
- ビームス内の『メリケンパーク Cleanup Project』運営責任者。これまでは、ビームスクリエイティブのビジネスプロデュース部所属で、 BtoBのクライアントワークを担当。そのころから神戸市との協働プロジェクトに携わる。2025年4月より事業開発一部所属。ビームスの店舗に特化した新規事業開発を担当する。

- Q.行政やほかの企業と協働する意義とは?
A.異業種の組織・企業と協力することでビームスを訴求できる裾野がぐんと広がるのではないかという期待はあります。神戸は特に地元愛が強い人が多いと個人的に思っているのですが、そうした「自分たちが住む街をよくしたい」という思いを持つ人々が集まることで生み出せるエネルギーの大きさにも注目しています。また、ビームスクリエイティブの事業は、そもそも社外との協業で成り立っているビジネスモデルが多いため、社会全体として取り組むサステナビリティ活動と営利目的で行う事業を俯瞰し、相互に良いシナジーが生み出せればと考えています。
- Q.イベント運営ではどんな工夫を?
A.趣旨を理解し、意思をもって取り組んでもらえる参加者を増やしたかったので、2回目のイベントからは指定のゴミ袋を配布する形をとりました。ごみ拾いスタート前にJR駅周辺の参加企業各店舗で受け取ってもらえれば、そこからメリケンパークまでのルートは自由。また、参加したお子さんを対象にノベルティのバンダナの“シルクスクリーンライブプリント体験”を実施したのですが、体験目当ての方が増えて本末転倒にならないよう、あえて「事前告知をしない」という選択をとることにしました。
- Q.これまでで一番うれしかったことは?
A.去年のノベルティTシャツを着て、今年も参加してくださっている参加者を見たときはうれしかったですね。なかには3年連続参加の方もいました。回を重ねるごとに感じるのは、「みんなで街をきれいにしよう」というコンセプトをきちんと理解したうえで、参加してくださっている方が増えていること。イベントに限らず、我々が普段から定期清掃などを続けてきたことを通して、考え方に共感してくださる人が増えているのであればうれしいですね。
- Q.今後やってみたいと思っていることは?
A.小学校など、地元の学校の生徒さんを招待したいと考えています。やはり、街の未来をつくっていくのは子どもたちですし、一般参加者のお子さんだけでなく、学校単位で声をかけていったら、将来的に見て大きな成果を上げるのではないかと思います。自分自身も、この活動に関わるようになってから、より一層ごみに対する道徳観がアップしました。そうした体験を小さいころから重ねていくことは、非常に意味があると感じています。

本年度ノベルティのバンダナ。シルクスクリーンでプロジェクトのロゴをプリントしている。

子どもたちに大好評だった、ノベルティバンダナのライブプリント体験会。
2人目は神戸スタッフの空さん!2人目は
神戸スタッフの空さん!
昨年度から『メリケンパーク Cleanup Project』に参加している、デソーザナタリア空さん。今年はノベルティ担当として、参加者にバンダナを渡したり、シルクスクリーンライブプリントのサポートを行なったといいます。
実家がある広島の街では、ごみの分別をあまり意識する必要がなかったとか。そんな場所から、異動を機に2年前に神戸に引っ越した彼女。引っ越し半年後からは、月1回実施の『LKCP(Love Kobe Clean Project)』活動にも、運営スタッフとして参加しています。今回のイベントや、普段の清掃活動について、詳しくお話を伺いました。
PROFILE
- デソーザナタリア空
- 「ビームス ゴルフ 神戸」スタッフ、広島県出身。2020年入社後、「レイ ビームス 広島」で勤務ののち、23年から現職。SNSの企画運営や、顧客向け店舗内覧会やゴルフコンペの運営などに携わる。異動を機に、1年半前からゴルフを始め、月1ペースで取り組んでいる。

- Q.イベント以外でも月1で清掃しているってほんと?
A.『メリケンパーク Cleanup Project』に参加する組織・企業が、年1回のイベントとは別に、月に1回集まって行う定期清掃があります。23年から活動しているのですが、最近、『LKCP(Love Kobe Clean Project)』という正式名称が決まりました。毎回計10名ほどが参加し、都度異なるエリアのゴミ拾いをしています。活動後にはスターバックスのスタッフさんが淹れてくれたコーヒーを飲んで、皆で交流。会社を越えて新しい知り合いもできました。
- Q.街の清掃中、どんな場所にごみが多いと感じますか?
A.表通りから1本細い道に入ると、ごみが結構目立ちます。特に飲食店街や、駐車場などに落ちていることが多いですね。定期的に清掃活動をしているので、もう大体どこの場所にどんなゴミが落ちているのか、自分の頭の中でマップができちゃったほど(笑)。でも、活動を続けるごとに街のごみが減っていることも実感しています。私たちの活動で少しでも良い影響が出ているのであれば、これ以上うれしいことはありません。
- Q.ビームスが清掃活動に関わる意味って?
A.「エコ活動」、「サステナブル運動」って聞くと、ちょっと小難しく聞こえるかもしれませんが、そこにビームスが参加することによって、「なんか楽しそう」って思ってもらえる“ワクワク感”を伝えられるんじゃないかな、って思っています。最終的には、地元の方はもちろん、観光で神戸を訪れた人たちにも気軽に参加してほしい。私はサッカーが好きなんですが、「神戸に観戦に来たついでに、参加してみる?」みたいな人が増えたらうれしいです。
- Q.清掃活動を始めて、自分が変わったところは?
A.チームで協力して活動することで、仲間もでき、やりがいを感じています。この街の一員として神戸をより住みよい場所にしていきたいという気持ちが高まりました。また、活動時じゃなくても、常にごみを探して拾うクセがつきましたね。最初は素手で拾うことに抵抗がありましたが、いまではまったく気にならなくなりました(笑)。日常生活でも、1週間分の献立を考えてから買い物に行くなどして、極力生ごみを減らすように心がけています。

スタッフのお子さんと一緒に、神戸の街なかにあるゴミを一緒に拾って回った空さん。

ごみ回収後には、スターバックスが提供するコーヒーのテイスティングもありました。
“共感の輪”を広げていくために“共感の輪”を
広げていくために
ただ単に参加者人数を増やせばいい、というのではない点が、社会活動の難しいところ。コンセプトをきちんと伝えることで共感を広げ、本当の意味での仲間を増やしていくことが求められていると、運営責任者の井上さんは強調します。一方で、「イベント開始から3年間、試行錯誤を続けてきた甲斐もあり、『私たちの神戸をきれいに』というサステナビリティ活動の輪が、いま着実に広がっていっていることを実感しています」とも語ります。
また、年1回の『メリケンパーク Cleanup Project』に加えて、参加組織・企業スタッフによる月1清掃活動『LKCP』を継続的に行うことによっても、徐々に地域の方々の理解が深まっている、とうれしそうです。
「地元のために何かしたくても、きっかけがない。そんな人々の最初の一歩のサポートになることを願って、これからも私たちは挑戦を続けていきます」

