SUSTAINABILITY

“HAPPY”がつなぐ、サステナビリティの輪

2026.02.03

Sustainable Action

リペア・メンテナンス体験ワークショップへ!

11月に「ビームス ライフ 横浜」にて開催されたリメイクイベントへ。環境省による「使用済衣類回収のシステム構築に関するモデル実証事業」への取り組みがついに、形になりました。最終回となる今回は、イベントの様子や、実際に参加した方の声をレポートするとともに、このプロジェクトを通して見据えるビームスらしい循環型ファッションの未来について、考えを巡らせます。

サステナビリティ推進部を中心におこなってきた、ビームスらしい循環型ファッションへの構想と実践。国の実証事業をきっかけにはじまったリメイクプロジェクトが、ついに店舗イベントの日を迎えました。まずは「ビームス ライフ 横浜」にて、衣料品回収にご協力いただいたお客様が参加できる『リペア・メンテナンス体験ワークショップ』の様子をお届けします。

はじめてのリメイク体験はじめてのリメイク体験

11月10日(月)から11月24日(月・祝)までのリメイクイベントの期間中、8日間にわたり開催された『リペア・メンテナンス体験ワークショップ』では、総勢約50名のお客様に参加いただきました。今回取材に応じてくださったのは、同じ会社の同期で仲良しという日高さん(写真左)と赤荻さん(写真右)。

2年くらい前に買ったというグレーのコーデュロイパンツを持参した日高さん。「たまにしか穿いていないので、リメイクで遊びごころを加えてみたいです!」

数年前に古着屋で買ったスウェットを持参した赤荻さん。「シミができてしまって、着る機会を失っていたのですが、リメイクで復活させたいと思います!」

“リメイクははじめて”という2人に、「ビームス工房」の職人、新井と弦切がアドバイスしながらアイデアを膨らませます。そして、2人ともやってみたかったという、布専用のアクリル絵具を使った“ペイントリメイク”にチャレンジします。筆に絵具を付けて服に弾き飛ばす手法は、手軽にできるリメイクアイデアのひとつ。2人ともアイテムに合わせて好きな色の絵具を選び、思い思いのペイントを加えていきます。最初は恐る恐る筆を振っていましたがすぐに慣れて、だんだん大胆に。その姿がとにかく楽しそう! 日高さんはパンツの裾に、スターとレインボーの絵、更にはアルファベットの型紙を使ったステンシルも加え、あっという間にアイテムが生まれ変わりました。

Q.ワークショップに参加した感想は?

A.日高さん「愛着が薄れかけていたものが、大好きなものに変わりました。さっそく明日着ようと思います!」

赤荻さん「楽しかったし、簡単なところもいいですね。これでまた着続けることができそうです!」

Q.リメイクは続けてみたい?

A.日高さん「子どもの頃の図工のクラスみたいで楽しかったですし、これから自分の趣味にしていきたいとさえ思いました。着なくなった服を再び活用することがあまりなかったので、次は穴や破れに別の素材の布をあてるパッチ加工をしてみたいです」

赤荻さん「普段着なくなった服は、リサイクルショップに持っていったり、古布として使ったりと捨てることはあまりないのですが、リメイクというあたらしいアイデアをもらえました。ペイントのアイテムってお店でも売っていますが、これなら自分でもできそうです」

リメイクアイテムを使ったスタイリングが完成!リメイクアイテムを使ったスタイリングが完成!

衣料品回収サービス・PASSTOで集まった古着と「ビームス工房」の技術とスタッフの目利きをかけあわせてリメイクしたアイテムを使いって、全6体のスタイリングが完成。メンズアイテムに加工や補正を加え、どれもトレンドや女性らしさが感じられるアイテムへと昇華しました。

左:ジャケットは元のデザインを活かしながらボタンをクレイジー仕様に。サイズと長さを補正したメンズパンツは裾口をドローコードリボンにして、女性らしさを演出。

中央:メンズテーラードジャケットはラベルとスリーブにクラッシュ加工を施し、サイズ調整したメンズショーツは裾ボロ加工とペイントで古着感を大胆に表現。

左:ジャケットにはラベルレスやオーバースリーブ加工、ステンシルペイント、パンツの共布を当てたポケットという大胆なデザイン変更を。メンズパンツはサイズ補正し、ショートパンツ丈にしてトレンドアイテムに。

中央:メンズニットにはほつれ加工を全体に施し、デザイン性を強化。ダウントレンドのスキニーパンツはカットオフし、大胆な生地パッチ加工でトレンド感をプラス。

右:メンズジャケットのウエストにシェイプシャーリングを加え、女性らしく。着丈を詰めてトレンドのショート丈に。パンツにボロ加工とペイント加工を施し、使い古し感をカバー。

Q.ワークショップを終えていかがでしたか?

A.新井(右)「きっかけがなかっただけで、意外とリメイクを求めている方が多いことに気づきました。街のお直し屋さんだとセンスが合うかわからず心配だったけれど、ビームスだと安心して頼めるという声をいただけたのは嬉しかったですね」

弦切(左)「修理体験を終え、“タンスに眠っていたお気に入りが蘇って嬉しい!” “自分で直すことで、さらに愛着が湧いた”と喜んでくださる姿が印象的で、情緒的な価値を感じました」

Q.リメイクの取り組みはどうでしたか?

A.新井(右)「今回のリメイクアイテムでは、ビームスのどのジャンルにもない、既存のファッションとすこし差別化したものを作ることを意識したんです。他にはない強さと品のある女性像を、合田さんが言葉にせずともわかってくれたのが、すごくやりやすかったです。リメイクを通して新しさをアピールできたのではないでしょうか」

合田(左)「〈Ray BEAMS〉でも〈BEAMS BOY〉でもないファッションを、リメイクで表現できたと思います。今回のイベントをきっかけに私も、10年ぶりにソーイングをしました。工程を自分で体験すると、お客様への次のアクションにもつながりますし、一人では思いつかないアイデアを、新井さんのおかげで楽しむことができました」

これからも、“Happyな循環”を!これからも、“Happyな循環”を!

さまざまな気づきや嬉しい反応が溢れた今回のイベント。実施した11月の衣料品回収量は、〈PASSTO〉導入以降で最大で、過去最高の実績を記録しました。 改めてサステナビリティ推進部の金城が、プロジェクトを振り返ります。

金城「 今回は、衣料品回収、リペア体験、リメイク展示という3つのコンテンツを用意しましたが、どれも単なる環境活動という枠を超えて、ファッションを楽しむイベントとして受け入れていただけたことが何より嬉しく、想像以上の熱量に感動しました。今回の施策では、お客様への感謝を込めて“『行動マイル”』というインセンティブをご用意しましたが、これが予想以上にポジティブな反響を呼びました。既存の顧客様だけでなく、これをきっかけに新しく会員になってくださる方も多く、循環の輪が確実に広がっていることを肌で感じました。 捨てる罪悪感が、次に繋ぐワクワクに変わる瞬間を、現場で何度も目の当たりにし、サステナビリティが義務ではなく、ファッションを楽しむためのポジティブな選択として受け入れられた手応えを、強く感じています」

そして最大の気づきには、“HAPPY”というキーワードがありました。

金城「サステナビリティへの入り口は、もっと“HAPPY”でいい」ということが、今回のプロジェクトにおける最大の気づきだったと感じています。 これまでのファッション産業は、作って、売って、最後に捨てられるという一方通行の構造になりがちでした。しかし、今回のイベントでお客様が見せてくださったのは、愛着を持って使い続けたり、次の誰かに手渡したりする循環そのものを楽しむ姿でした。実際に参加することで、“良いことをした”という満足感や、リペアを通じて深まる服への愛着。そうした体験の中にこそ、数字だけでは測れない深い価値があることが分かりました。我慢ではなく、楽しさが駆動させるサステナビリティ。お客様にとってのメリットと環境貢献がセットになることで、無理なく自然な行動変容が生まれます。この“楽しさ”と“HAPPY”のバランスこそが、一方通行の流れを断ち切り、心地よい循環の輪を作る鍵になると確信しました。 ビームスらしい“HAPPYな循環”の作り方こそが、結果として環境負荷を減らす最短ルートなのかもしれません」

今回のプロジェクトを通して得た衣料品回収の知見を、今後のものづくりに活かす構想も具体的に見えてきたようです。

金城「私たちが目指すのは、廃棄物を減らすだけでなく、資源をぐるりと回す完全な循環構造(サーキュラーエコノミー)の構築です。具体的には、お客様から回収させていただいた衣類がどのような状態で、なぜ手放されたのか。そのデータを分析し、最初から循環しやすい服や長く愛される服を作るための商品設計へと落とし込んでいくこと。作って終わりではなく、“愛用して、回収して、また新しい価値として生まれ変わる”という、ビームスならではの“HAPPYな循環”を構築し、業界全体の廃棄物削減にも貢献することが、これからの私たちの挑戦であり責任だと考えています」

店舗スタッフ、「ビームス工房」の職人、そして参加してくださったお客様、全員の「服が好き」という想いが重なって成功した今回のイベント。サスティナビリティだけでなく、すべての取り組みに通じるのは、共に楽しむという姿勢が根幹にあるからこその成果なのではないでしょうか。
金城「『Happy Life Solution Communities』をビジョンに掲げる企業として、ファッションを通じて社会課題を解決し、関わるすべての人をHAPPYにする挑戦を、これからも現場のスタッフと共に楽しみながら続けていきます!」

プロジェクトの実施結果 | 数字で見るサーキュラーアクションプロジェクトの実施結果 | 数字で見るサーキュラーアクション

2025年11月の1か月間、全国31拠点で実施された衣類回収サービスの取り組み。期間中に回収された衣類は合計428.2kg。そのうち実に99.5%が、リユースやリサイクルなどの形で再び資源として活用されています。

回収された衣類は、国内外でのリユースを中心に、再資源化・アップサイクルへと循環。単純焼却と比較した場合、CO₂排出量は約297kg削減され、約84%の環境負荷低減につながりました。

「捨てる」のではなく、「次につなぐ」。このアクションが、確かな数字としてその意義を示しています。