知るColumn
奥深きスパイスの魅力。
The deep charm of spices.
SELECTOR
MAYUKO OKUNO
(BEAMS BOY E-commerce)
SELECTOR
TAIZO TAKEDA
(SPACE SPICE CEO)
お店で食べるのは大好きだけど、家で作るとなるとハードルが高く感じちゃうスパイスカレー。ましてや、そのためだけに大量のスパイスを買うのも気後れするわけで……。そんなときは〈スペーススパイス〉のスパイスキットを。これさえあれば、初心者でもプロ顔負けくらいになれちゃいます。
本日講師としてお招きしたのはスペーススパイスの代表である竹田太造さん。竹田さんはその昔、インドを旅していたときにスパイスと出会い、そこからインドの食品会社に勤めたり、みんなが大好きなレトルトカレーの監修なども担っていた経歴の持ち主。スパイス界の大先生です。
教わるのは、山登りが大好きな〈BEAMS BOY〉のEC担当、奥野真由子さん。スパイスカレーは大好きでお店には頻繁に行くのだけど、自宅で作った経験はゼロ。
奥野:私、普段は野菜を炒めたりするくらいで、凝った料理は全然やらないんです。ましてやスパイスカレーなんて、レベルが高すぎて……。
竹田:スパイスカレーって難しそうなイメージがありますけど、分量を間違えず、要点さえおさえれば誰でも作れます。しかも〈スペーススパイス〉のスパイスキットがあれば、よりハードルは下がると思いますよ。
〈スペーススパイス〉のスパイスキットって、どんなものなんですか?
カレーのためにいくつもスパイスを揃えるのって、大変じゃないですか。でもスパイスキットには、3〜4人分のスパイスカレーを作れるスパイスがひとまとめに入っているんです。これさえあれば、あとは野菜や肉を揃えるだけでOK。作り方もしっかり書いているし、YouTubeで動画も公開しています。
奥野:なるほど。それであれば誰でも失敗せずに作れそうですね!
竹田:今日はスパイスキットを使って「基本のインドカレー・チキン」と「チキン・ダム・ビリヤニ」、そして簡単な副菜を作っていきます。
奥野:ビリヤニも作るんですね! 失敗したらどうしよう……。
竹田:カレーを作る上においての失敗は、ひとつはスパイスの入れすぎ。スパイスっていっぱい入れた方が美味しくなるんじゃないかと思っている人もいますが、実はそうじゃないんです。あとは水を入れすぎて、味がボヤけてしまうことですね。
奥野:なるほど。スパイスキットであれば、量が決まってるので大丈夫ですね。
竹田:そういうことです。味がボヤけないコツも教えていきます。では早速、基本のインドカレーから作っていきましょう。
奥野:はい、先生。よろしくお願いします!
インドカレー・チキン
(3〜4人分)
植物油 100ml
玉ねぎ 1個(250g)
青唐辛子 1本
パクチー 2本
にんにく 1片
塩 小さじ1と1/2
トマトピューレ 大さじ3(45g)
骨付き鶏もも肉 600g
水 250~300ml
しょうが 大1片(15g)
ここがポイント!
✔︎玉ねぎのみじん切りは均一サイズに
✔︎玉ねぎは根気強く、深いきつね色になるまで炒める
✔︎水は調理道具。上手に使って玉ねぎの焦げを防ごう
✔︎鶏肉の皮や余分な油は取っておく(できればでOK)
HOW TO COOK
作り方
鍋に油とスパイスキットに入っているホールスパイスを入れて中火で炒める。ちょっとヘルシーにしたいなら、油は少なくてもOK。油にスパイスの香りを移していくイメージで、ゆっくりと。カルダモンがふくらむまで、ジワジワ炒める。
みじん切りした玉ねぎとパクチーの茎と根、斜め切りした青唐辛子を加えて、玉ねぎが深いきつね色になるまで炒める。温度をみながら、弱火にしてもいいし、火から離してもいい。どうにもならなくなって焦げそうになったら、水を入れてもOK。大切なのは、玉ねぎを深いきつね色にすること。
すりおろしたにんにくを100mlほどの水で溶き、鍋に入れる。青臭い香りがなくなり、水分が蒸発するまでしっかり火をいれる。※このあたりはアタフタしがちなので、事前に水でにんにくを溶いておくように。
スパイスキットに入っているパウダースパイスと塩を加えて1分ほど炒める。トマトピューレを入れて、ペースト状になるまで炒める。
鶏肉をIN。白っぽくなるまで炒める。ちなみにインド料理では鶏肉の皮は使わないため、本場の味にこだわりたい場合は皮や余分な油も取り除いておくこと。そうすることで雑味がなくなる。今回は骨付きの手羽元なので皮付きのままで。
水を入れて、しょうがとパクチーの葉を加え、蓋をして弱火で30分ほど煮る。しょうがとパクチーのフレッシュな香りを楽しみたければ、煮込みの終わりに混ぜ合わせてもOK。この時点で水分が少なそうなら足してもいいし、多すぎたならより長く煮込むこと。味見をして、塩を足してもよし。
竹田:簡単だったでしょ?
奥野:予想していたよりは(笑)。当たり前ですけど、ルウカレーとは作り方が全然違うんですね。
竹田:ルウカレーは、具材を炒めて、水を入れて、最後にルウを入れますよね。スパイスカレーは逆と言っていい。まずはルウとなる、ペーストを作るところからはじまりますからね。
玉ねぎを炒める工程が難しかったです。どのくらい炒めていいかわからないし、焦げそうで心配だし。
そうなんです。そこが一番難しい。でも逆にそこさえクリアすれば、おいしいカレーになります。均一に火が通るように、玉ねぎをみじん切りにする際は大きさをできるだけ揃えておくことも大事です。
奥野:焦げそうなら水を入れてもいいっていうのは驚きました!
竹田:水は調理道具と思ってもらって大丈夫です。煮詰めれば蒸発しますし、食材が焦げるくらいならがんがん使いましょう。ただし、水を入れた分はしっかり蒸発させることが大事です。そうしないと味がボヤける原因になりますから。
チキン・ダム・ビリヤニ
(3〜4人分)
バスマティライス 2合
塩 小さじ3.5
サラダ油 大さじ3
玉ねぎ 1個(200g)
にんにく 1片
しょうが にんにくと同量
青唐辛子 2本
トマト 1/2個(80g)
プレーンヨーグルト 1カップ
鶏モモ肉 400g
水 1/2カップ
バター 大さじ2
ミント(お好みで) 5g
パクチー(お好みで) 10g
ここがポイント!
✔︎玉ねぎは揚げるイメージで炒める
✔︎青唐辛子は縦に切り込みを入れる
✔︎バスマティライスは炊くのではなく“茹でる”
✔︎仕上げの蒸らしで絶対に蓋を開けないこと
HOW TO COOK
作り方
カレーを作る前にバスマティライスの準備を。まずは20分ほど浸して、全体が白くなったら水を切っておくこと。
次にカレー。鍋にサラダ油を入れ、スライスした玉ねぎを入れて炒める。チキンカレーと同じく、ここが重要! 揚げるイメージで、約10分ほどじっくりと。濃いきつね色になるまで我慢する。
弱火にして、にんにくとしょうがのすりおろしをIN。香りが立ってきたら、縦に切り込みを入れた青唐辛子と荒くざく切りにしたトマトを加える。青唐辛子は切り込みを入れることでほどよい辛さと香りを出してくれる。
ヨーグルトは開ける前にシェイクしてトロトロにしてから、鍋に加える。馴染ませたら、パウダースパイス、サフラン、塩を加える。
1/2カップの水を加え沸騰させて1分ほど煮込む。その後に鶏肉を投入し、白くなるまで炒める。蓋をして、焦げないよう10分ほど煮たらチキンカレーの完成。
1リットルの水を鍋に用意し、スパイスキットに入っている残りのホールスパイスを入れ、水を沸かしていく。沸騰したらバスマティライスをIN。お米を茹でていく。炊くのではなく“茹でる”イメージで。再沸騰後に2分ほど茹でたら、スパイスごとザルに取り出す。
ここから仕上げの工程。大きな鍋に、まずチキンカレーを敷き詰める。このとき全量を使わず、1/2カップ(100ml)程度のカレーソースを別に取っておく。ミントやパクチーの半量をカレーの上に散らし、分量外の青唐辛子をお好みで加え、その上からバスマティライスを満遍なく敷き詰める。ポイントは平たく敷き詰めること。バスマティライスにカレーの水分を吸わせるイメージで。その上に、溶かしたバターをかけ、残りのミントとパクチー、取り出しておいたカレーソースをかける。
蓋をしたら、弱火で約15分加熱。焦げないように極弱火で、蒸していくイメージ。このとき途中で蓋を開けないように!火を止めさらに5分蒸したら完成。
奥野:わぁ!! お米が立ってる!!
竹田:お米がオールスタンディングしているのは成功した証です。よくできました!
奥野:ビリヤニが自分で作れるなんて、ちょっと感動です。
竹田:やることは多いですけど、事前の準備さえしっかりすれば誰でも作れます。
お米をオールスタンディングさせるコツはあるんですか?
最後にカレーを敷いてバスマティライスを蒸しましたけど、ポイントは火を止めてから蒸らすこと。そうすることで空気が対流するのでしっかり蒸らしましょう!
余ったヨーグルトで、
味変用のライタが作れる!
ビリヤニに添えられている白いソース「ライタ」。ほどよい酸味があって、ビリヤニの味変として使われるものだけど、作り方はとても簡単で、余った材料で作れちゃう。
トマト、たまねぎをみじん切りにして、ヨーグルト、塩(少々)と混ぜ合わせる。そこに乾煎りして、すりこぎで潰したクミンシードを加えて混ぜ合わせるだけ。ね、簡単でしょ?
左上から時計回りに、チリパウダー、クミンシード、ターメリック、コリアンダーパウダー。最低限、このスパイスさえ揃えておけば、カレーはもちろん、あらゆるスパイス料理に応用できる(ガラムマサラがあればなおよし)。それに、いつもの料理にファサっと振りかければ、あら不思議。アジアの風を感じるスパイス料理に激変したりする。
4種類のスパイスを使って、
サブジを作ろう!
サブジとはスパイス炒めのこと。4種類のスパイスがあれば、パパッと作れるから、カレーだけでは物足りないときに、ぜひ作ってみてほしい。今回はジャガイモとオクラをチョイス。
カレーと同様、まずは油でクミンシードを炒めて香りを抽出したら、茹でたジャガイモ(ターメリックを入れて茹でると黄色くなるのでより本場感が出る)やオクラなどの食材を投入。充分に火が通ったら、チリパウダーやターメリックなどのスパイスと塩を入れ、炒め合わせたら完成。食材はキャベツでもいいし、カリフラワー、ナス、インゲンなんかもおすすめ。ちょっとした副菜があると、より本格的なカレーの見た目になっていく!
準備も含め90分ほどで、副菜もあわせて計4品が完成です。まずはビリヤニから実食!
奥野:うわぁ……おいしすぎる!
竹田:でしょ〜?
奥野:お店レベルです。むしろ、お店超えてるかも。
竹田:こうして盛ったときに、お米とカレーの層が見てとれるのも、おいしいビリヤニの証ですね。ぜひライタも混ぜて食べてみて。
奥野:おぉ、味の印象がガラッと変わりますね! よりさっぱりして、無限に食べられそう。ライタはビリヤニの余った食材で作れるから、絶対に作ったほうがいいですね。
竹田:チキンカレーのお味はどうですか?
奥野:しっかり煮込んでいるから、チキンがしっとりしていて柔らかいです。スパイスの風味がとても際立っていて、コクもあって、自分で作ったとは思えないくらい(笑)。ザブジも作り方はあんなに簡単なのに、ちゃんとしたスパイス料理って感じで、食べ応えもありますね。
竹田:はじめてのスパイスカレー作りはどうでした?
奥野:いつも作る料理とは全然感覚が違いました。油に香りを移すなんてやったことがなかったですし。なにより玉ねぎを炒める工程が、一番大事だなんて勉強になりました。
竹田:そうなんです。チキンカレーもビリヤニも、玉ねぎにしっかり火を通して、焦がすことなく、濃いきつね色にすることが大事です。それと、食材を入れるごとにちゃんと炒めてあげてから、次の工程に移ること。そうすることで味がボヤけることを防げます。
奥野:次の食材をどんどん入れていきたくなりますけど、ちゃんと時間をかけて炒めなきゃいけないんですよね。焦らず、時間をかける余裕も必要だなと思いました。
竹田:その通り! 完成系を想像しながら、それに近づけるように。
奥野:自分で作れるんだっていうことが分かったのもうれしかったです。〈スペーススパイス〉のキットがあれば、スパイスの分量を間違えることはないですし、スパイスを無駄に余らせることもない。このキットはスパイス料理の入り口に最適だと思いました。竹田さん、本日はありがとうございました!
PROFILE
TAIZO TAKEDA
(SPACE SPICE CEO)
竹田太造
(スペーススパイス代表)
1974年生まれ、千葉県出身。バックパッカーをしていた20代にインドを旅し、スパイスに魅了される。日本に帰国後、インドの食品会社やレトルト食品の会社を経て、2019年に「スペーススパイス」を起業。現在はスパイスキットやカレーのレトルトを製造するほか、プロデュース業やイベント企画なども行っている。
PROFILE
奥野真由子
(BEAMS BOY EC担当)
1998年生まれ、兵庫県出身。2019年に新卒で入社。関西での勤務を経て、2023年より「ピルグリム サーフ+サプライ 東京」へ異動し、2025年より現職に。登山や自転車が大好きな、アクティブガール。
Event information
“スパイスを日常に。”をコンセプトに、カレースパイス商品の企画・販売を手がけるスパイスレーベル〈スペーススパイス〉のPOP UP SHOPを「ビームス ライフ 横浜」1Fフードコーナーにて期間限定で開催します!
「スパイスカレーは難しそう…」という方にも安心。
簡単に作れる調理動画付きスパイスセットや、名店の味を再現したレトルトカレーなど、初心者からスパイス好きまでお楽しみいただけるアイテムが揃います。
更に、スパイスを漬け込んだ焼酎をソーダで割った、特製ドリンクも登場!
スパイスカレーのお供にぴったりな、今回のためにご用意した一杯をお楽しみください。
開催日:9/17(水)〜09/30(火)
時間:10:00〜21:00(L.O. 20:30)
場所:「ビームス ライフ 横浜」1F B印MARKET -FOOD-
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