RAINBOW MONSTERS / LED ライト（自転車用）２
カラー：KUMAMUSHI
サイズ：FREE
価格：￥1,800（税込）
商品番号：33-03-0084-344
RAINBOW MONSTERS / LED ライト（自転車用）
サイズ：FREE
価格：￥1,800（税込）
商品番号：33-03-0588-344
茜色の空に、巨大な鉄塔が不気味な影を落としていた。まるで、この街を守る古(いにしえ)の怪物のようだ。
「おい、ミツオ！早く行こうぜ！」
いつも一番元気なハヤトが、少し先の坂道で足を止めて叫んだ。その後ろには、いつも冷静なケンタが、少し息を切らしてついてきている。そして三人の中で一番の慎重派、いや、臆病者のミツオが、鉄塔の真下で足を止めていた。
「いや、ちょっと待ってくれよ。この鉄塔、なんだか今日は、ずいぶん不気味な感じがするんだ」
ミツオの声が震えている。鉄塔の影が、まるで生き物のようにうごめいているように見えた。
「何言ってんだよミツオ。いつもの鉄塔だろ？」
ハヤトが笑いながらミツオに駆け寄る。その手には、先日買ったばかりの、新しい自転車用LEDライトが握られていた。それは「レインボーモンスターズ」という名前の通り、虹色に光るユニークなモンスターの形をしていた。
「見てくれよ、これ。すげぇだろ？これで夜道も怖くないぜ！」
ハヤトはそう言って、ライトの頭を1回押した。するとモンスターの目がキラッと光った。
「なんだそれ？変な形だな」
ケンタが不思議そうな顔でライトを見つめる。
「変じゃないよ！これモンスターの形なんだ！ケンタも買えばいいのに」
ハヤトは誇らしげに胸を張った。
その日の夜、三人組は夜の探検に出かけることにした。ハヤトのモンスターライトを頼りに、いつもの鉄塔の下を通り過ぎようとしたその時、突然ライトの光が弱くなった。
「あれ？どうしたんだ？」
ハヤトがライトを振ってみるが、光は不安定に点滅するだけだ。
「もしかして、電池切れか？」
ケンタが言う。その瞬間、あたりは完全な暗闇に包まれた。そして静寂の中、かすかに金属がこすれるような音が聞こえてきた。
「ギギ…ギギギギィィィィィ……ゴゴゴゴォォォォ……」
「な、なんだ、今の音？」
ミツオが怯えた声で尋ねた。鉄塔の影が、さっきよりもずっと大きく、そして不気味に見えた。まるで鉄塔が本当に動き出したかのように。
「もしかして、あの鉄塔、本当に生きているのか？」
ミツオの声が震える。ハヤトとケンタも、ミツオの言葉に恐怖を感じたのか、無言で固まっていた。その時、ハヤトはポケットの中にもう一つライトがあることを思い出した。
「これだ！」
そう言ってハヤトは、もう一つの「レインボーモンスターズ」ライトを取り出した。それはケンタにプレゼントしようと、もう一つ買っておいたものだった。
「よし、これでどうだ！」
ハヤトはライトの頭を2回押した。するとモンスターの目が激しく点滅し始めた。その光は暗闇の中でまるで生きているかのように踊り、鉄塔の影を明るく照らし出した。
「うわああああ！」
三人の悲鳴が夜空に響き渡った。ライトの光が照らし出したのは、鉄塔の根元に絡みついた奇妙な形をした蔓（つる）のようなものだった。それはまるで鉄塔を縛りつけるかのように、ぐにゃぐにゃと動いていた。
「な、なんだ、あれは……？」
ケンタが声を絞り出す。ハヤトもミツオも、その異様な光景にただただ立ち尽くしていた。その時、ケンタが、ふと、その蔓のようなものに、どこかで見たことがあるような形が混じっていることに気づいた。
「あれ、もしかして自転車のタイヤじゃないか？」
ケンタの言葉に、ハヤトとミツオが目を凝らす。確かに蔓の中には、自転車のタイヤやペダル、ハンドルなどバラバラになった自転車の部品が絡みついていた。
「もしかしてあの鉄塔は、自転車を食べるモンスターだったのか？」
ミツオが怯えながら尋ねる。ハヤトは自分の自転車を、そしてモンスターライトを握りしめながら決意を固めた。
「よし、みんな！このモンスターライトで、この鉄塔モンスターを倒すぞ！」
ハヤトはそう言って、自転車のハンドルにモンスターライトをしっかりと装着した。そして光を点滅させながら鉄塔に向かって自転車を走らせた。ケンタとミツオも、ハヤトに続いて自転車を漕ぎ出した。
三人のモンスターライトが、暗闇の中でキラキラと輝き、鉄塔の影を明るく照らした。その光は鉄塔に絡みついた蔓を少しずつ遠ざけていく。
「ギシャァァァァァ……ドゥゥゥゥゥン……ゴギギギギギ……」
三人は力を合わせてペダルを漕ぎ続けた。そして、ついに鉄塔の影から抜け出した時、振り返ると、そこにはいつものように静かに佇む鉄塔があるだけだった。
「やっぱり、俺たちの気のせいだったのかな？」
ミツオが安堵の息をついて言った。しかし三人の心の中には、確かにこん夜、鉄塔が動いていたという確信が残っていた。そして三人は、それぞれの自転車に「レインボーモンスターズ」のライトを付けることを誓った。
だって、この世界にはまだ僕たちが知らない、たくさんのモンスターが隠れているかもしれないから。そしてそのモンスターたちを倒すには、この小さな光が必要なんだ。
そんな風に、彼ら「ズッコケる三人組」は、少しだけ勇気を出して大人の階段を登ったのだった。
to be continued
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