木工作家・アキヒロジンの個展『WE ARE FAMILY』を「ビームス ジャパン(新宿) 5階」で開催

2025.04.11

4月18日(金)より、「ビームス ジャパン(新宿) 5階」〈B GALLERY(Bギャラリー)〉にて、木工作家・アキヒロジンの個展『WE ARE FAMILY』を開催いたします。
今回の展示では、彼の代表作であるjincup(ジンカップ)の歴史がつまった書籍『JIN BOOK - We are family』を発売するほか、初お披露目となるプラスチック製のjincupをBEAMSカラーのオレンジで別注し、販売致します。
さらに、原始的な穴窯で製作された『jincupANAGAMA』を発表。全て一点物の陶器を60点ほどご用意しております。また、過去に製作された木製のjincup『KIKISA』のシリーズから、『NEW KIKISA』『KIKISA COUCOU』を復刻して抽選販売します。
今回の個展を“恩返し”と表現するアキヒロジンの思いが詰まったこの機会に、どうぞご期待ください。

アキヒロジンによるコメント

鹿児島の田舎で木工作家として活動していた20代半ば、石川アキラ※さんに作品を見てもらえる機会を得ました。それをきっかけに、石川さんとKIKISAシリーズのjincupをBEAMSさんからリリースさせていただきました。
そこから世界が広がり、鹿児島から他の町とリモートで仕事をすることを覚えました。このおかげで僕らは、鹿児島という町で自分たちの活動としてものづくりを続けることができています。
感謝を込めて、原始的な穴窯で作った陶器の一点もの「jincupANAGAMA」を発表させていただきます。また、石川アキラさんと共に過去に作った木製のjncup、KIKISAシリーズから「NEW KIKISA」「KIKISA COUCOU」を復刻して抽選販売させていただきます。ついに完成したjincup専用バッグ「コンビニタイベック袋」「スケスケ巾着」と共にどうぞ。
また、隠れてこっそり進めていた車のハンドルもご用意します。
今回個展の開催という、皆さんへの恩返しの機会をいただいてとても興奮しています!製作意欲が爆発だ!

※石川アキラ・・・僕らの大恩人、スタイリスト石川顕さん。

書籍『JIN BOOK - We are family』
Price:¥19,800-(tax in)

今回、僕ら自身が出版社となりjincupの歴史本 “WE ARE FAMILY”(アートブック)を刊行することになりました。子供の頃から漫画や美術が好きで、さまざまな作品集を見て学び育ち、歴史小説に夢中になった青年時代を経て、たくさんの情報や物語が過去に作られたメディアの中にあることを知りました。
大人になり、木工作家の父と一緒に仕事をするようになりました。
僕らが作る家具を、圧倒的な親近感を持って生活の一部として使い続けているお客様と関わる中で、「使う」ということは五感全てで体験する情報であり、お客様を幸せにしていることに気づきました。
一見全く関係のないものに見える「情報や物語」と「体験」の二つどちらも作品に込めることはできないだろうか。そうすればユーザーを幸せにできるのではないか。
「カタログ」というメディアを発行して作品を作り続けているのは、このことへの挑戦でもあります。
また刊行を記念して、2007年に母のプレゼントとして作った「jincup1st」を、17年経った今の形としてリデザインして「jincupMOTHER」を作りました。書籍とセットでのみ販売させていただきます。
同時に、アートピースとして木のブックカバー「BOOKSUIT」もご提案します。
本棚というそれぞれ個人のアイデンティティが詰まった場所をマイギャラリーに見立て、そこからjincupのハンドルがピョーンと飛び出します。
インプットした情報が形を変え、現実世界でアウトプットされる様子を表現しました。
今回の出版は「jincup」という物語を共有するjincupユーザーを幸せにするために行います。あなたのjincup体験が、人生の物語の1ページになることを願います。
“WE ARE FAMILY”(2025・アキヒロジン)

jincup anew
Price:¥16,500-(tax in)
Color:Orange(BEAMS exclusive)

未来のジンカップというテーマをもらったときに、まず考えたのは、このままいくと 100年後には今より木が減っているという現実です。環境問題がどんどんリアルに なっていくとき、僕が関わるなら、プラスチックを否定するのではなく、プラスチックの 恩恵にあずかりたいからこそ持続可能なバイオマスプラを発展させるという考え方 が自然。「プラスチック反対!」という人と「新しいプラスチック面白いよね!」という人が100人集まったら、力の方向性がまったく違っていて、後者の方が僕は好きなんです。ものを作らない人と作る人なら、僕は作る側の発想で、肯定することで何が できるかを考えてみたいと思っています。
なのでまず、プラスチックで実際にカップを作ることから始めました。
2024年頭に、プラスチックの塊を削り出して1stサンプルを 2024年末に、3Dプリンターで出力を そして今回、2025年金型を作りました。
昔からの仲間であるBEAMSさんモデルとして、BEAMSオレンジの「jincup anew-Orange」を今回の個展で発表させていただきます。
さあ次はどうなっていくか
この先の未来について、今回手にとってくれた「あなた」と考えて行けたら幸いです。
(2025・アキヒロジン)

jincup ANAGAMA
Price:¥33,000〜  

南薩摩、山中の秘密の場所に巨大な陶芸の穴窯がある。昨年、アキヒロジン と城戸雄介はここに誘っていただき作品を焼かせてもらえることになった。 穴窯とは原始的な陶芸の窯で、焚き口から焼成室、煙突までが一つの部屋にあるので、薪を燃やした煙や灰が器にかかり、1300度を超える高音で溶かされ、その場で釉薬になり器に定着する。 木が燃えて灰になる 灰が1300度の温度で溶かされてほとんどが煙になって煙突から出ていくが、ほんの少しのガラス質だけがその場に定着し、釉薬として器に残る。 窯の中は火による上昇気流で煙突に向かってさまざまな気道が生まれ、人間ではとても予想のつかない動きをするので、窯の中、それぞれの場所で温度も違えば灰の被り方も違う。 その違いは色や質感にさまざまな表情を作り出す。 この窯を3日3晩、じつにに古民家5軒分の薪を焚べ続け焼き上げるのだ。(紅葉樹限定) 鶴田さんはここを30年管理してるスーパーギバーおじさんだ。 彼はいう 「みんなが楽しく集まってワイワイやるのが自分の幸せ」 こんな鶴田さんの人柄と、本業で持っている重機やダンプがあるからこそ古民家5軒分の薪と人が集まるのだ。 かくいう僕らも鶴田さんの人柄と、窯の持つエネルギーに吸い寄せられるように集まったうちの一人なのだ。 交代で薪を焚べ、温度計ではなく感を頼りに火の色を見て温度を調整する 集まってきたみんなと一緒にダンプからでかい薪を下ろす ある人はみんなのご飯をせっせと用意してくれて、時間になるとみんなで食卓を囲む。 一晩中窯の管理をしていた陶芸家の上野さんがぶっ倒れている。 老若男女、わはわは笑い合って、すぐに友達になった。 火というのは人間の歴史の中で言葉以前から使っていたものだ。 穴窯を中心に巨大な炎に集まってくる人々が友達になってゆくのである。 まるで原始的なお祭りのようだ。 その火を使い、縄文土器、弥生土器、近年になると陶芸家達は再現性を求めて登り窯で部屋を分け、灰が器にかからないよう工夫した。 だがしかし、南薩のおじさん達にそんなことは関係ない。再現性の無いものを求めて数ヶ月の時間を捧げるのである。 「これも木を加工する一つの方法だ」 neo木工作家のアキヒロジンは巨大な薪を穴窯に焚べながらそう思った。 今回の個展では、この穴窯で焼いたjincupの中から気に入ったもの達を販売します。 一期一会の出会いをお楽しみください。
(2025・アキヒロジン / ONE KILN 城戸雄介)

【抽選販売アイテム】

NEW KIKISA Price:¥25,300-(tax in)
COUCOU Price:¥15,400-(tax in)

※会期中〈B gallery〉に掲示するQRコードにて応募を承ります。
2007年鹿児島の田舎で木工作家として活動していた20代の僕は、スタイリスト石川顕さんに出会った。
「カップいいねえ!」
これをきっかけに、「何か一緒に作ろうよ」と声をかけてもらい、やりとりが始まる。
「アパレル」「悪魔っぽさ」「扱いやすい」
こんなテーマをもらい、鹿児島で試作したものを東京へ送り、それを見てもらってメールでやりとりをする。
石川さんは「これを作って」とは言わず、イメージだけを伝えてくれるので、こっちで勝手に膨らませてプロトタイプを作り、写真を共有する。
すぐに現物も送って見てもらい、あーだこーだメールでやりとりをしながら進めた
「モデルのkikiちゃんを仲間にしよう!」
石川さんがどんどん周りを引き込んでくれて、「kikisa」という名前で行くことになった。
どこで発売するか、候補はいくつかある中、原宿のBEAMSにある「トーキョーカルチャートbyビームス」というところから発売することになった。
「袋をつけようよ」
パピエラボの江藤さんがデザインしてくれたグラフィックをハンコにして、タイベックの袋に押して作った。
「1年で50個売ろう」
ゆっくり構えてリリースしたのだが、発売日から3日で売り切れてくれた。
取り上げてくれた雑誌をみた人が問い合わせてくれて、直接買いに来てくれる人もいたが、多くは通販を希望してくださり、トーキョーカルチャートbyビームスのスタッフの皆さんがせっせと支払い確認や発送を行って下さった。
1年ほどかけて50個発売を3回ほど繰り返した後、新しいkikisaを作ることになった。
その名も「kikisa coucou」すごく小さいそのカップにも袋をつけた。フレドリックパッカーズさんが作ってくれた袋に、kikiさんの作った芋盤を押して販売した。次は漆kikisaを作った。そんな調子でSF(スプーン&フォーク)なんかも作り、木工作家アキヒロジンを世に向かって「スタイリング」してくださった。
その後、僕は自分達でカタログを作り、卸販売を始める際、kikisaシリーズで色々なものを扱うため、それらを区別するために石川さんが呼び始めた「jincup」という呼び名を使わせてもらった。
トーキョーカルチャートbyビームスで個展の際は展覧会のタイトルもつけていただいた。
そんなこんなで時は経ち2016年、新宿にBEAMS JAPANがオープンして、そこの4FにトーキョーカルチャートbyBEAMSが引っ越すという話になった。
「BEAMS JAPANのオープンに向けて、ジンくんが作りたいjincupを色々作ろう」
こんなふうに声をかけていただき、5タイプほどの新しいjincupのプロトタイプを提案した。
「全部やろう!」こうして、「NEW KIKISA」「jincup ゴブレット「jincup アシュラ」「ceramic kikisa」「leather&jincup」というjincupをそれぞれ製作可能な数ずつ作らせてもらった。ありがとう。
今回、BEAMS JAPAN 5F「B GALLERY」で展覧会を開催するにあたって、最も一緒にやりたい仲間は石川さんだ。
2008年の「kikisa coucou」
2016年の「NEW KIKISA」
これらを数量限定で抽選販売させていただきます。
また、1年半前から一緒に作っていた新作のバッグも少量ですが完成しました。フレドリックパッカーズさんが作ってくれたボディにパピエラボ江藤さんのグラフィックが入ります。
これは早い者勝ちです。
僕はずっと石川さんにスタイリングされ続けている。(2025・アキヒロジン)













アキヒロジン個展『WE ARE FAMILY』

アキヒロジン個展
『WE ARE FAMILY』

開催期間
2025年4月18日(金)〜5月11日(日)
開催店舗
ビームス ジャパン(新宿)5階『B GALLERY』

アキヒロジン

鹿児島を拠点に活動する木工集団、AkihiroWoodworks代表。 身近な山から採れた木を使いこなしてカタチを創り、価値を生み出すことで社会に貢献する。「jincup」等オリジナルのプロダクト製品の展開、家具制作、店舗、住宅内装から、彫刻作品、インスタレーション作品の発表など、活動の幅を広げ続けている。良い物を作れば、良い物を使う人が増える。それを続けてゆくこと。それこそが、より良い未来へ向けて、僕等にできる唯一のことだと信じています。良い物の基準を探す旅へ、自分のため、あなたのために。

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