2023.06.08

【湘南物語】 あの日も、まだ青かった俺はいつもと同じように軽い出会いを求めて浜辺にいた。 あまりにも日焼けしすぎている店主が営む海の家で缶ビールを2本買い、焼けるような砂の上をとぼとぼ歩きながら、1本は喉の奥に一気に流し込んだ。のどごしが最高に気持ちいい日差しと灼熱だ。 もう1本はじっくり楽しもう。 そんな時、海から上がってきた1人の女性と目が合った。 ウェットスーツの端からのぞく肌は綺麗な小麦色で、束ねた長い髪と少女のような笑顔が俺の心をひと掴みに奪い去った。「女神だ。夢でも見ているのか、俺は」 あの日、俺は人生で一番大事な、胸の奥に炎を沸かせるものに出会い、また火遊びなんてものを忘れた。 あの日も、今日と同じ服を着ていたことを思い出した。麦わらの夏に湘南で、女神と恋に落ちるリゾートスタイル。 皆さまのご来店、心よりお待ちしております。

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