こんにちは。
今回のテーマは、R&Bからジャズ、ヒップホップ、ハウス、エレクトロニック、テクノ、ロック、ポストパンクなど、あらゆるジャンル、様々な領域で進化していくUKの音楽シーンについてです。ピックアップページにて『カッティングエッジなUK音楽シーン』と題してまとめているのですが、もっと詳しく今のUK音楽シーンの魅力を知っていただきたく、こちらでもご紹介します!
なぜ今UKの音楽シーンが注目を集めているのか、個人的な理由を述べると、アンダーグラウンドまたはローカルなシーンから、メインストリームまで毎週のように新たな名前が飛び込んできて、しかもその内容はまるで一つのジャンルに特定できないような刺激的で興味深いものばかり。
さらにはアーティスト、コレクティブなどが相互に関係し合い、混ざり合いながら音楽が作られていること。
そして、その関係性を紐解いていくことで、新たな音楽の発見に繋がっていく流れが非常に面白いからなのではないかと感じています。
まるで遊びの延長線上のように、これだけ頻繁に周囲の人々と音楽を生み出していく。このような関係性は日本のヒップホップシーンやロックシーンでもよく見かけますが、良い意味でジャンル隔てなく入り乱れたUKの空気感は少しまた格別に感じます。
また様々な業界でUKのアーティストが起用されていることからも、より世界的にUKの音楽シーンにスポットライトが当たっているのではないかと考えられます。
そんなUKから到着したアルバムの中でも個人的にオススメの作品をご紹介していきます!
Mount Kimbie / MK 3.5: Die Cuts | City Planning <Warp Records>

【2CD】Mount Kimbie / MK 3.5: Die Cuts | City Planning <Warp Records>
価格:¥2,970(税込)
商品番号:29-68-0237-813
【2LP】Mount Kimbie / MK 3.5: Die Cuts | City Planning <Warp Records>
価格:¥5,500(税込)
商品番号:29-67-0456-813
UKシーンを追いかけている方なら知らない人はいないであろう重要アクト、Mount Kimbie(マウント・キンビー)による最新アルバムです。
大学時代に知り合ったというKai Campos(カイ)とDom Maker(ドミニク)から成るデュオで、それぞれプロデューサーやDJとしても各所で活躍しています。元々ロンドンを拠点にしていましたが、ドミニクがL.A.に移住。それから、コロナ禍の影響でリモート制作をするも、「なんか気がのらないね」という流れになり、今作はお互いが別軸で制作して完成された楽曲を2枚組に分けてリリース。
ドミニクが手掛けた"Die Cuts" Sideは、James Blake、slowthai、Danny Brown、keiyaA、Liv.eなど多ジャンルにわたる個性派のアーティストが集い、”声"にフォーカスをあてエレクトロニカ、ヒップホップ、R&Bをレフトフィールドな空気感で展開。
対するカイによる"City Planning"は、がっつりフロアで湧きそうなストイックなハウス~テクノなど"ビート"にフォーカスをあて、これまで以上に成熟した、さらには充実とした内容で、それぞれのカラーによってMount Kimbieのあのスタイルが成り立っているのだな~と納得&感激です。
個人的には先行でリリースされていたものの、今回収録されていなかった「locked in (feat. Maxo Kream & Pa Salieu)」がとても好きです。Pa Salieuの荒ぶるラップがスリリングに響くクールなトラックで、聴いているとストレスが一気に吹き飛びます。UKダブステップ~グライム好きの方は是非聴いてみてください◎
The Comet Is Coming / Hyper-Dimensional Expansion Beam < Impulse! >
Gilles Peterson主宰の<Brownswood>と共に、UKのサウスロンドン地区の若手ジャズミュージシャンのコンピレーション『We Out Here』で総合プロデューサー/音楽監督を担当するなど、シーンの象徴的な存在であるサックス奏者 Shabaka Hatchingsが率いるコズミック・ジャズ・トリオ、The Comet Is Coming(ザ・コメット・イズ・カミング)による4th アルバム。
『超次元拡張ビーム』という今作のタイトルのように、全体としては緩急ありつつも、ビートやシンセを中心に展開される熱気のこもったハイエナジーなエレクトロニカ・ジャズを披露していきます。
シンセベースとドラムスによる重厚なビートの上でまるでヴォーカルのような、いい意味で叫びのようなテナーサックスが轟く一曲目「Code」から、スピリチュアルな謎の象徴として聳え立つピラミッドをテーマにしたバウンシーな「Pyramids」など、聞いていくうちに無自覚に意識の高揚をもたらす全11曲。
4日間の即興演奏主体のレコーディングによって誕生したとはにわかに信じがたいほど素晴らしい内容です。12月には来日公演も予定されていて期待が高まりますね。UKジャズ好きはもちろん、toeなどがお好きな方にも推薦!
Dry Cleaning / Stumpwork <Beat Records / 4AD>

【限定日本語帯付きLP】Dry Cleaning / Stumpwork <Beat Records / 4AD>
価格:¥4,290(税込)
商品番号:29-67-0286-813
デビューアルバムが、昨年のBEAMS RECORDSのベストディスクにも選出されていたUKのポストパンク・バンド Dry Cleaning(ドライ・クリーニング)による2nd アルバムです。
ダウナーながらもサウンドのバリエーションが前作以上に色鮮やかになりつつ、語りに近いアンニュイなヴォーカルが、更に過剰な装飾のなされていないスポークンワード路線にはるかに乗り出していて、この余白の感覚がかなり心地良い内容に。
より<4AD>由来の深いサイケデリックの要素と催眠的中毒性が滲み出ているような印象もありますね。現行のUKインディロックから、Sonic Youth、Patti Smith、The Smiths辺りがお好きな方に刺さること間違いないであろう1枚です。

先着特典としてシングル「Don't Press Me」とアルバム未収録曲をカップリングした特典7インチ(レッド・ヴァイナル)が付属されたスペシャル仕様なので、どうぞお早めに!
Mura Masa / Demon Time <Polydor>

Mura Masa / Demon Time <Polydor>
価格:¥2,310(税込)
商品番号:29-68-0117-494
【LP】Mura Masa / Demon Time <Polydor>
価格:¥5,500(税込)
商品番号:29-67-0390-494
今年のフジロック出演も記憶に新しい、日本でも沢山のファンがいる気鋭プロデューサー Mura Masaによる最新アルバムです。
個人的にMura Masaは高校生の時から聞いているアーティストで、自分のなかでの節目節目になにかとリリースが被っていることから、アルバムによって自分の当時の思い出や感情が沸き上がる現象が起こるアーティストの1人。
なので、今回の作品も自分にとって何か感じるものがあるのかなと、とてもワクワクしていました。蓋を開けてみると思いのほかポップで、この混沌としたコロナ禍から明るい未来へと前向きなメッセージが込められた内容に。
" 特定のジャンルやサウンドにこだわらないで、「have fun」ということを一貫して考えています。僕にとってもみんなにとっても楽しい時間を過ごすためのサウンドトラックとして、いろんなものが混ざっている方がいいだろうなと。
だからセカンドアルバム(『R.Y.C.』)のように全体的な一つの流れがあるというよりは、たくさんのアイディアが散らばっていて、心がどんどん移ろっていくような作品になっています。
そう、友達と一緒に聴いてもらうことを想定しています。楽しめる環境で聴いてほしいですね。" (引用:FNMNL interviewより)
と上述のインタビューのように、まさにR&B、ヒップホップ、エレクトロニカ、ダンスホール、ハイパーポップなど様々なジャンルが行き交う、アルバムのジャケのように色彩豊かな1枚に仕上がっています。
友達と一緒に聴きたくなる楽しさが本当に感じられるので、それを想定して実現させてしまうMura Masaに脱帽です。
余談ですが先日、下北沢のSPREAD(めちゃくちゃ音が良いんです。)で、Movement Radioというレーベルをやっている友人 AkiraがDJで「e-motions (feat. Erika de Casier)」を流していたのですが、この曲の爆発力は凄まじいものがありました。
良いスピーカーで聴くMura Masa最高ですよ~◎ Movement Radioも是非チェックしてみてください!
以上4タイトルをご紹介させて頂きました。
他にも、先日来日ツアーを行っていたLoraine Jamesや、アフロ~グライムとUKルーツのサウンドをジャズに融合させたサウンドがクールなジャズ・バンド Ezra Collectiveなどの最新作も入荷していますので、お見逃しなくです!