今日も好きな写真家さんと写真集のご紹介です。
というよりも好きな造本家さんからご紹介。

私、このシリーズが大好きです。
M/Light
▶︎マッチアンドカンパニー(出版社)のデザイナー・町口景さんが2009年に立ち上げたレーベル。デザイン事務所マッチアンドカンパニーの創設者である 父・町口忠と同時代を共有する写真家の作品の中から未だ出版物になっていない名作に光を当てるラインナップとなっている。
今では大御所と言われている写真家の作品を選びに選んだ名作たちを味わえます。
この出版社から出ている写真集は本当に美しくて、写真集を広げる度、いつも緊張してしまいます。
今回ご紹介したいのは、沢渡朔さんの写真集!
「昭和三十五年、日本」
冒頭で始まる「写真は全て昭和35年(1年間)に当時20歳の沢渡朔が日本で撮った写真である」という1ページ目からドキドキ。
どんな人でも子供の頃があって、初心があったと思います。

昭和三十五年(1960年)の時代、日本で言えば、安保闘争、学生運動やヒッピー族、海外で言うと、ケネディ大統領の暗殺が1963年、ベトナム戦争の本格化等。
日本も世界も激動の時代。
政治にみんなが興味があり、反対意見も命懸けだけど意思を持って動いていたのだと思う
そんな時代に沢渡朔さんは20歳。
カメラをぶら下げ、どこに目を向け、何を撮っていたかの目線を見ることが出来ます。

作品集を見てると60年というのは熱い時代だったのだろうと。
競馬場の大群衆の写真や、当時の街並み、旗を持っている学生の集団、
アメリカ軍の軍用地が東京のど真ん中にあったり。
芸術では演劇や音楽など新しい娯楽を楽しみを感じたり。

こちらの沢渡朔さんの作品には当時ハタチの沢渡朔さんの心の声が聞こえてきそう。
競馬場の人の多さにワクワクしていたり、
ジャズの音楽やその空間にドキドキしていたり、
今では日本を代表する写真家で女性ヌードやポートレートで、少女を撮ることが多い写真家ですが、この時の子供達の撮る目線の距離感が少し遠かったり。

沢渡朔さんのこの「昭和三十五年、日本」を通して、当時の熱い国への想いを持った人々、その激動の時代を知ることができる一種のドキュメンタリーであり、そしてハタチの沢渡朔さんのカメラ・アイは今に通ずるものと若い時にしか撮れない目線を味わいながら見ると、写真集の楽しさを味わえるのではないでしょうか!

どんな人でも子供の頃があって、写真を撮り始めた初期の写真たちは、
なにかをやり始めたいと思ったすべての人たちにとって、
残しておくことの大切さと面白さをも味わえるのではないでしょうか。
沢渡朔さんのこちらの写真集、ご覧になりたい方は、BEAMS JAPAN4階ににて販売しておりますので、どうぞ手にとってご覧ください!
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