みなさま、こんにちは。
Bギャラリー赤塚です。

2月23日(金・祝)より9組の現代アーティストによるグループ展『ATAMI ART GRANT×BEAMS CULTUART Showcase』がスタート致しました。
本展を企画した『BEAMS CULTUART』はBEAMSのカルチャー領域をグローバルに推進するプロジェクトとして2022年12月に発足し、2023年11月には、アーティストの制作活動支援を目的に熱海で開催されたアートフェスティバル『ATAMI ART GRANT 2023』に共感し、後援を行いました。本展では、過去3回の『ATAMI ART GRANT』の出展者たちから『BEAMS CULTUART』が紹介したい9組の現代アーティストたちの作品を展示・販売中です。
また、本展では今年起きた能登半島地震における甚大な被害に対し、『BEAMS CULTUART』と『ATAMI ART GRANT』はアートが社会にできる還元として、能登半島の復興支援のために作品販売の収益の一部を公益社団法人『CIVIC FORCE』に寄付いたします。
それでは下記、簡単な展示の紹介です。


河野さんらしいレンチキュラーを用いた宇宙的、近未来的な雰囲気の作品。
見る角度によって作品の見え方に変化のある作品で、細かな部分で拘りを感じます。
また、どこか掴みどころのない不思議な空気感も魅力的です。
アーティストプロフィール
河野未彩 / Midori Kawano
視覚ディレクター / グラフィックアーティスト。音楽や美術に漂う宇宙観に強く惹かれ、2000年代半ばから創作活動を始め、2006年に多摩美術大学プロダクトデザイン専攻を卒業。近年の主な個展は「NOTHING in SOMETHING」(LOVUS gallery、東京、2023)や<<脳内再生>> (HARUKAITO、東京2022)、「←左右→」(CALM & PUNK gallery、東京、2021)など。
http://md-k.net

上記写真のように1つの作品としても勿論良いのですが、漫画の背表紙のように作品のサイドの面を繋げると1つの絵になるという面白い仕掛けのある作品です。

ビーズを用いて作られたKeeenueさんの"のれん"。本作は渋谷PARCOのOIL by 美術手帖にて開催された個展「The Me in the mirror」にて発表した作品です。
作品でありながらもインテリアとしても馴染みやすいので、キャンバスや額装作品よりもカジュアルに取り入れられそうなのが良いですね。
アーティストプロフィール
キーニュ / Keeenue
1992年神奈川県出身、茅ヶ崎在住のアーティスト。ミューラル制作、ペインティングや立体作品の発表、アートワーク提供など多岐にわたる活動を展開する。Keeenueは本名KANAのカタカナ読み(ケーエーエヌエー)からできた造語。スタイルやジャンルに捉われずに変化し続ける独創的な世界観は国内外問わず多くの人々に支持される。また、Nike、Facebook、サッポロビールなど数多くのコラボレーションも注目を集める。主な個展やプロジェクトに「六本木アートナイト」(2023)、「やんばるアートフェスティバル」(2023、2024)、「The Me in the Mirror」(OIL by 美術手帖 / 2022)、「ODD ONE OUT」(HARUKAITO by island / 2021)、「Story in Story」(hpgrp GALLERY TOKYO / 2019)、「PROJECT ATAMI」(2022)など。
keeenue.com

本作品は2019年から継続的に制作していたシリーズ。
たまたま家にあった将棋の置物とスケボーの車輪を何も考えずにつけてみたところ、直感的な良さがあったことからこの作品が生まれた。
この組み合わせた置物に対し、さらに加えた意味や思いをのせると、現状の良さがなくなる可能性があるため、あえてストレートに表現されたままで完成された作品です。

実際に読むことが難しい独特な文字を表現された作品は文字というよりもドローイングに近く、力強いラインや線で構成された作品のように個人的には見えます。
アーティストプロフィール
光岡幸一 / Koichi Mitsuoka
名前は、字がすべて左右対称になる様にと祖父がつけてくれて、読みは母が考えてくれた。(ゆきかずになる可能性もあった。) 宇多田ヒカルのPVを作りたいという、ただその一心で美大を目指し、唯一受かった建築科に入学し、いろいろあって今は美術家を名乗っている。矢野顕子が歌うみたいに、ランジャタイが漫才をするみたいに、自分も何かをつくっていきたい。一番最初に縄文土器をつくった人はどんな人だったんだろうか?
2016年東京藝術大学大学院油画科修了、受賞歴は群馬青年ビエンナーレ奨励賞(2015)、豊田文化新人賞(2020)、写真新世紀優秀賞(2021)、広島市現代美術館企画どこ×デザ (2021)、近年の個展は「ぶっちぎりのゼッテー120%」(gurdian garden、東京、2023) など。
http://mitsuoka.info

ハンドスキャナーを持って街に繰り出し、様々な物を自由にスキャンして作品化しているSCAN THE WORLD。
こちらの作品では、地図のようなものがスキャンされプリント作品となっている。
プリントそれぞれに「SCAN THE WORLD」の文字が並び、S、C、A、Nの文字のどれかがくり抜かれています。
アーティストプロフィール
SCAN THE WORLD
石毛健太 (1994年、東京都生まれ)とBIEN(1993年、東京都生まれ)の2名のアーティストが中心となって行っている、街をスキャニングするプロジェクトの総称。SCAN THE WORLDは路上表現の現在形のうちの一つであり、同時に新しい遊びの実践でもある。主な個展に『SCAN THE WORLD [NEW GAME]』(2022、金沢21世紀美術館) など。

コンクリートやアスファルトの瓦礫、建築からこぼれ落ちた破片を拾い集め、ワックスで固めている。バターのように溶けていき、破片がこぼれ落ちる様は日々変化していく都市の移ろいのようなイメージと重なります。

切られた木に産みつけられたカミキリ虫の幼虫が木と皮の間を食い尽くして羽化した後に皮を剥いで虫喰いの跡をなぞるように着彩した作品"Trace"。森山さんの父である森山恒逸さんが生涯取り組んでいた作品を継承・継続しているシリーズです。

"Trace"シリーズのオリジナルである森山さんの父・森山恒逸さんの作品。
アーティストプロフィール
森山泰地 / Taichi Moriyama
1988年東京生まれ。自然環境下でのアースワーク的な作品や、自然物を用いたインスタレーションを主に制作している。取り扱う素材は石や木などの自然物の他に、海岸に落ちているプラスティックや、街中のコンクリート片なども多い。近年はこれらの素材を用いた平面、立体作品も制作している。また、アーティストユニット「鯰」のメンバーとしても活動している。主な展覧会に「木を見て森を見る」(Kana Kawakanishi gallery、東京、2021)、「木を見て森を見る」(DEN5、東京、2017)、「尊景地水」(BLOCK HOUSE、東京、2016)などがある。
https://www.instagram.com/moriyama_taichi/

写真左
2022年に来宮神社(熱海)で展示した作品の別バージョンのもの。
土砂災害後、土の汚染を確認する中間処理施設の写真。石を砕く音が熱海の山に反響した"こだま"を撮影した作品。
写真右
タイトルである「Arrows or else Shadows」として作品化する写真を撮影の主体者である、アーティスト自身とカメラで選定している姿を撮影した映像作品。
アーティストプロフィール
竹久直樹 / Naoki Takehisa
1995年生まれ。美術家。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒、2019年よりセミトランスペアレント・デザイン所属。「撮影」という概念を通じて、インターネット普及以降のイメージやそれらをめぐる人間の意識とコミュニケーションの体系を主題に制作と研究を行う。また様々な美術館やギャラリーにおいて展覧会の記録撮影を継続的に担うほか、他分野のアーティストとの共同制作も行なっている。近年の主な個展に「ホームスチール」(The 5th Floor、東京、2023)、「スーサイドシート」(デカメロン、東京、2022)、グループ展に「逆襲」(SNOW Contemporary、東京、2023)、「しじし」(con、東京、2022)、「惑星ザムザ」(小高製本工業跡地、東京、2022)、「ATAMI ART GRANT」(来宮神社 他、静岡、2022)「エクメネ」(BLOCK HOUSE、東京、2020)など。また展覧会企画に「power / point」(アキバタマビ21、東京、2022)、「ディスディスプレイ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、2021)などがある。

文化的遺伝子とも言える古い文庫本から植物が生えている作品。複製、伝播を担う本を苗床に同一遺伝子を大量に複製できる機能を持つ子宝草が成長する様は日々の中で捉えた作家の生命への視点を伝え、表現しています。

銅板に冷却器を取り付けた作品。
冷やされた銅板に起きる結露によってどれほどの時間冷却されたかが分かり、これにより時間経過の可視化が可能となっています。
また、銅板に刻まれた文章" JUST FOR THE TIME THAT PASSES, NOT FOR THE PRESERVATION COMFORT AND MINING"は"時間の経過を示す物、快適な温度を保つためやデータの検索のための物ではない"という意味です。
アーティストプロフィール
石毛健太 / Kenta Ishige
アーティスト、エキシビジョンメーカー、他副業多数。参加するプロジェクトにUrban Research Group、SCAN THE WORLD、インストールメンツがある。主な個展に『アイオーン』(2020,BIYONG POINT)、『Chrono Reticulate Sight-System』(2024,A倉庫)。主な企画に『WHITEHOTEL』(2022,WHITEHOUSE)、『ジャンクス・ポーツ』(2023,ANOMALY)などがある。

アニメーションの残像表現の技法「オバケ」に着目した作品。
イラストのプリントの燃えたところは虫眼鏡を使い太陽光を集めて燃やしています。
個人的にはどこか哀愁を感じるような絶妙な表情や雰囲気を感じさせられました。
アーティストプロフィール
米澤柊 / Shu Yonezawa
東京生まれ。アーティスト、アニメーター。現在のデジタルアニメーションにおけるキャラクターの身体性と、現実空間の生き物が持っている心の身体性と感情について、またそれらアニメーションが生きるための空間の空気を制作している。主な作品 / 個展に「ハッピーバース」(PARCO museum tokyo, 2023)、「うまれたての友達」(BLOCK HOUSE,2023)、「名無しの肢体」(Tokyo arts and space本郷 [OPEN SITE7] , 2022)、「絶滅のアニマ」(小高製本工業跡地[惑星ザムザ] ,2022)、「劇場版 : オバケのB’」(NTT ICC,2022)。
http://snowcontemporary.com/exhibition/cuttent.html
以上、ご紹介でした。
本展示は視覚的に楽しめる作品から、作品を通じて色々と考えさせられる作品等々、バリエーション豊かな作品群がご覧頂けるグループ展ですので気になる方はぜひ!
また、みょうじなまえさん(プロフィールは下記に記載しております)の作品・森山泰地さんの一部の作品は撮影不可のため本ブログではご紹介できませんでしたが、展示・販売中ですので会場でご覧ください。
会期は3月17日までです。
皆さまのご来店お待ちしております。
アーティストプロフィール
みょうじなまえ / Namae Myoji
2019年東京藝術大学絵画科油画専攻卒業。
自身のこれまでの体験を契機として、女性の身体、性、アイデンティティとその消費をめぐる問題をテーマに作品を制作している。
主な展覧会に「ATAMI ART GRANT2023」(熱海、2023)、「SICF Exhibition 部門グランプリ個展 バベルとユートピア」(スパイラル、2023)、「CAF 賞 2022」(代官山ヒルサイドフォーラム、2022)、六甲ミーツアート芸術散歩 2022」(六甲山、2022) など。
https://myojinamae.com
展示情報
『ATAMI ART GRANT×BEAMS CULTUART Showcase』
開催期間
2024年3月23日(金・祝)〜3月17日(日)
11:00〜20:00
※会期中無休
開催店舗
ビームス ジャパン(新宿) 5F
B GALLERY
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目32-6
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
赤塚
・Bギャラリーでは展示の様子をSNSにて投稿しております↓
Instagram→b_gallery_official
Twitter→@B_GALLERY
Facebook→@B gallery BEAMS
HPでは最新の展覧会情報などがご覧いただけます→B GALLERY
・BEAMS JAPANに関しての情報をご覧頂く場合は、インスタグラムと店舗フォローがオススメです!
BEAMS JAPAN Instagram→BEAMS JAPAN
BEAMS JAPAN→店舗フォロー