偏愛服録vol.8〜藍なんだ〜

天池 隆佑 2020.05.01

こんにちは、アマイケです。



前回の更新から一週間以上経ってしまいました。



私は変わらず元気にやっております。

皆様はお変わりないでしょうか?



先日お店のスタッフとオンラインミーティングでデニムの勉強会を開催しました。



私自身デニムは服を好きになるきっかけであったので、改めてデニムのことを考えるのがとても楽しく、



どこか原点回帰のような気分でした。




ということで、今の気分が完全にデニムなんです。




そこで本日はデニムのお話を。



デニムの話と言ってもゼロから100まで話したらキリがありませんので、



かいつまんで、知っていると面白い!



にフォーカスしてみたいと思います。




そこで取り上げるお題は此方、




「リジットデニム(生機)」「生デニム」についてです。




リジットデニムや生デニム、少しでもデニムに興味のある方は耳にしたことがあるのではないでしょうか?



なんとなくは知ってるけど・・・



同じ意味じゃないの??



というあなた、



まずこの二つは違うものです。



生デニムの「生」とは未洗いの意味で、糊付けされた、いわゆるノンウォッシュデニムになります。



対してリジットデニム(生機)とは何も手を加えていない、未加工の生地のことになります。





デニム生地というのは、簡単に言うと、


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白い糸→インディゴ染料で染める→その糸を縦の糸に。



染めてない糸は横の糸に。



縦と横の糸を、交互(厳密には3:1)に編んで生地を作る。

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といったように作られます。



この工程をちょうど終えた生地のことを「生機」と言います。



その生地を使用したジーンズ、リジットデニムがあまり多くはないですがあります。



ではそんなリジットデニム、取り沙汰するくらいなので何か良い点があるのはもちろんなのですが、



その点を語る上で、逆の、リジットデニムではなく、加工されたデニムの話を交えてご説明します。




デニムを加工するということはどういうことなのでしょうか。



何か都合良くするために加工というのは普通行われると思うのですが、



デニムの加工に関してもその通りで、




まず第一に「毛焼き加工」という加工があります。



これは、生機デニムの生地の表面に出現する、産毛のような毛羽立ちを除去する加工です。



バーナーを用いて生地の表面の産毛を焼き切ります。



程度にもよりますが、この毛羽立ちがない方が、ツルッとした表情でスタイリッシュに見えます。(もちろん捉え方には個人差があります)①




続いて「スキュー加工」という加工があります。



これは、デニム生地の<綾織>という特殊な織り方からくる、生地のねじれを正す加工です。

※綾織は縦の糸と横の糸を織り上げる際に、3:1の比率で交互に編んでいくため必然的に捻れる。



蒸気や薬品を用いて、人為的によじってねじれを解消します。



無論ねじれのない生地のほうが一般的には綺麗ですよね。(後述しますが私の感覚は逆です)②




最後に、「サンフォライズド加工」という加工があります。



これは別名、(防縮加工)で、その名の通り生地が縮むのを防ぐ加工です。



熱処理などをもって行われます。



一般的に防縮加工無しのデニムを洗うと10%程度、防縮加工有りのデニムを洗うと3%程度と、



防縮率が変化します。



生地の特性上、全く縮まないようにすることは難しいですが、



それでも防縮加工でサイズに失敗する確率が下がります。この加工により生地の見栄えが若干変わります。③

※防縮加工は生地の目を予め詰まらせることなので、色合いが濃くなります。




という風に以上三つの加工を通常デニムには施します。



これらの加工は現代的な着方にはマッチするもので、現在生産される多くのデニムがこの加工を経ています。



ただ、それに対して、リジットデニム(生機)を使用したデニムがあるのも事実です。



どういったデニムに使われているのかというと、ヴィンテージデニムによくあります。



まだ加工技術がなかった時代のデニムは一般的にリジットデニムです。



上記①の毛羽立ちの雰囲気に魅せられたり、


②のヴィンテージ特有のねじれに魅せられたり、


③の未防縮の生地感に魅せられてしまったら、



リジットデニムに虜になってしまう、ゆえにヴィンテージデニムは多くの愛好家がいるんです。(もちろんそれだけが理由ではないですが)



そんなヴィンテージデニムに魅せられた人には未加工のリジッドデニムがいいわけです。



とりわけ現代にもリジットデニムを使用した、



より買いやすく、ヴィンテージデニムと同じ雰囲気を再現して作っているブランドがあります。



それが皆さんもよくご存知の<orSlow>というブランドです。





多くの商品がリジットデニムを使用しており、雰囲気抜群です。



ただ、リジットデニムを使用した商品は雰囲気は抜群でもやはり買うときにサイズの予測(縮率の計算)が非常に難しい。



その点<orSlow>の商品は、すでにウォッシュはされた状態になるので、購入時に縮みを極端に心配する必要がないです。



そんなところも、実は優秀ポイントなんです。



もちろんリジットデニム特有の前述した毛羽立ち、ねじれ、独特な雰囲気も見て取れます。




左足の、いわゆる耳と呼ばれる縫い目が捻れて前に来ています。逆に右足は捻れて後ろに来ています。



少々分かりづらいですが、

白く毛羽立ちがあります。


デニムパンツは今や世の中にありふれてしまっているので、



あまり何も感じずに見ていらっしゃる方が多いかもしれません。



これから買う予定の方はもちろん、



もうすでに買ったけどそこまで知らなかった、



そんな方々が以上読んで、新しい発見をしてくだされば、



販売員冥利に尽きます。



ぜひご検討いただき、より詳しい話は、



いつの日か、店頭で。



また、すぐ、お会いしましょう。





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