アウター偉人伝。

大久保 マキ 2019.11.02

まず、今回のブログにはぜひBGMをつけて聴いていただきたい。

できればエルガーの「威風堂々」が良い。

youtubeを立ち上げて聴いてくれても良いし、脳内再生してくれても良し。

今日はあの厳かで、重厚なメロディに乗せて。




冬のアウター、コートにブルゾン、ジャケット。

お店に取り揃えられるアウターを見ていると、私はなんだか音楽室の壁に飾られていた偉人たちを思い出す。


バッハ、ベートーベン、モーツアルト。

とくにバッハは強そうだった。あの髪型がそう感じさせるのか。

無言の問いかけ。なんか逆らえない感じ。肖像画から伝わってくる説得力。

圧倒される。

音楽室の壁を見上げた感覚と、冬のアウターが揃った店内を見つめる感覚は、まさにそれなのだ。

遥か昔からアウターの歴史を作ってきた偉人たちが

「どうだ、今年も最高傑作を塗り替えただろう?」

とでも言わんばかりにずらーっと並び、

「さあ、どれにする?君の意見を聞かせてみたまえ。」

なんて、アウター側から試されているような気持ちにすらなる。


そういえば、小学校の音楽の授業でひとりで歌を歌う試験があった。

すごく恥ずかしくて顔は真っ赤、試験の日はふさぎ込んだものだ。



DANTON / クルーネック インナーダウン ベスト
価格:¥15,180(税込)
商品番号:66-06-0392-024


話を戻そう。

冬のアウターは、なんだかセンター試験のようなもので、

いや、私センター試験受けていないけれど。

冬だから。

冬の試験と言えばセンター試験とか受験かな。

そう、受験のようなものなのだ。

「一年間、どんな服を着てきた?君はどれだけ成長した?今の君にふさわしいものを選んでみなさい。」

とアウターを着た偉人たちが話しかけてくる。



DANTON × Ray BEAMS / 別注 モッサ ダウン ベスト
価格:¥23,980(税込)
商品番号:61-06-0101-024


この一年で変化した自分の好み、年齢を重ねた自分とずっと変わらない自分の好きなもの。

それを総合して出す、今の自分至上最高のアウターを選ぶのだ。

それこそまさに、一年の総仕上げ。

天王山。

伝統の一戦、エル・クラシコ。

的な大一番。


アウター対私。

いや、偉人対私。

もうこの時点でアウターは私の中では完全に偉人として擬人化された感じで仕上がっている。

偉人は手強いのだ。



CANADA GOOSE / Labrador
価格:¥107,800(税込)
商品番号:61-18-0150-418



小学校の音楽の歌唱テストでは、声が裏返ってうまく歌えなかった。

音楽室の壁に住む偉人たちに迫力負けした。

今思い出しても、私は音楽は得意ではなかった。

偉人たちは、私の歌声にさぞがっかりしたことだろう。


あれから数十年の月日を経て、音楽室からビームスの店内へと場所は移り変わった。

アウターを着た偉人たちから出された問題に、私なりの答えを出さなければ。

負けるわけにいかないのだ。

正解かどうかは、この冬袖を通していれば答えは出るはず。


偉人たちに今度は負けない一着を。

それが、私の冬のアウター偉人伝。



と、

ビームス店内でアウターを選んでいる時の脳内ではこんな光景が繰り広げられています。

頭の中でエンドレス威風堂々リピートしながら、私は戦っているというわけです。


さて、戦いはまだ終わっていません。

ココアでも飲みながら、WEBでアウターをチェックして来る日に備えようと思います。

(ちなみに試験は、一次、二次、三次・・・と、気になるアウターが出現するたびに追加になります。)


こんなブログに目をとおしていただきまして、本当にありがとうございました。

皆さんに素敵なアウターとの出会いがありますように。

それでは、また。