スタッフ「Shinnosuke Okada」の記事

Talking Heads

今回はTalking Headsというバンドをご紹介します。

いつもはジャズについての記事ですが、Talking Headsはだいたい"ポストパンク"というジャンルに分類されます。


ポストパンクとはいったいなんぞやという方も多いのではないでしょうか。

その名の通り、パンクブームの後半から登場し始め、その後の音楽業界を引っ張っていったジャンルになります。

ロックやパンクを更に拡張させるという点においてポストパンクのアーティストは一致団結していると私は思います。


Talking Headsも彼ら以前のロック・パンクを更なるステージへと押し上げた、非常に評価の高いバンドです。

彼らの音楽は実験的で、新しい試みをためらわない姿勢が当時のバンドカルチャーの中では特異な点だったのではないでしょうか。

この実験的で革新的なバンドのスタンスはメンバーの異色の経歴によるものだと思います。

メンバーはロードアイランド・スクール・オブ・デザイン出身です。この学校はアメリカ最高峰の美術大学と言われるほどです。




彼らのリリースしたアルバムは画期的かつ、意欲的な制作によって生まれた作品と言えるでしょう。

一枚のアルバムの中に民族的な雰囲気を感じさせるパーカッション、ロック直球のハードなギターなどをまとめ上げ、ジャンルの壁を感じさせない制作は彼らにしか出来ない音楽で、圧巻の一言に尽きます。


お店には鬼才ブライアン・イーノによるプロデュースの4thアルバム「Remain in Light」があります。

このアルバムはアフリカンミュージックとアメリカのロックミュージックが見事に融合された名盤です。

都市的な音作りでありながら、アフリカンミュージックの持つ自然を感じさせるリズムを刻んでいる。

アフリカンファンクにはない洗練されたモダンさと、ロックやパンクにはない野生のグルーヴがないまぜになった独特な一枚です。

バンドミュージックにブレイクスルーをもたらしたと言えるでしょう。


その証拠に彼らのスタンスは以降のニューウェイブ・グランジのバンドたちに受け継がれています。


彼らの音楽は実験的な側面が強いので好みが大きく分かれるところだと思います。

是非聴いてみてください。

実は身近なジャズ

Roland Kirkというジャズアーティストの名前をご存知でしょうか。



彼をご存知でなくても、多くの人は彼の演奏を聞いた事があるでしょう。

Roland Kirkの演奏で最も有名なものは映画「オースティン・パワーズ」の主題歌として使用されたクインシー・ジョーンズ作曲の『Soul Bossa Nova』という曲です。

この曲はテレビ番組や「オースティン・パワーズ」以外の映画でも度々使われているので、曲名やアーティストに耳馴染みがなくても曲さえ聞けば「あーこれ知っている」となる方はたくさんいると思います。


Roland Kirkだけでなく、様々なジャズアーティストの残した名曲を私たちは知らないうちに耳にしているのです。

この他にも実は知っているジャズの名曲はたくさんあります。



Duke Ellingtonの『Take the A Train』、Miles DavesやBill Evansの演奏で有名な『My Funny Valentine』、数多くのジャズアーティストに愛された名曲『Agua de Beber』あたりは非常に聴き馴染みのある曲たちだと思います。その他にも、Pee Wee Huntの『Somebody Stole My Gal』は、大阪の超有名なコメディ舞台のテーマソングとして日本でもっとも有名なジャズナンバーではないでしょうか。



(私の大好きなシンガーAl Jarreauもカヴァーしています。)


ジャズはなかなかとっつきにくいというイメージをお持ちの方も多いジャンルだとは思います。

しかし、実はいろいろなところでジャズの名曲は使われており、知らないうちに慣れ親しんでいるのです。

ジャズは意外と身近にある音楽です。


私はテレビのCMや映画で聞いたあの曲何て名前なんだろうと調べていたらNat King ColeやFrank Sinatoraの曲を聴くようになっていて、そのままジャズにハマっていました。

そういう角度からジャズを楽しむというのも一つではないしょうか。

Gabor Szabo

お店のレコードからGabor Szabo(ガボール・ザボ)というジャズギタリストをご紹介します。


Gabor Szaboはハンガリー出身なのですが、彼が20歳の頃にハンガリー動乱という大きな蜂起が国内で起こったため、渡米する事となります。

そしてボストンのバークリー音楽院で音楽を学び、チコ・ハミルトンという名ジャズドラマー率いるバンドで腕を磨きます。


バンドを脱退してからはImpulse! Recordsと契約し、ユニークなリーダー・アルバムをリリースしていきます。

60年代から80年代前半頃にジャズミュージシャンとして活躍しました。


彼の音楽は強く自身のバックボーンを反映させていると感じます。

彼の哀愁と浮遊感の漂うギターフレーズ、中東や東欧を思わせる独特なサウンドは彼の出自を映し出しているように思えます。

アメリカにおけるジャズはかなり土着の物としての要素が強く、Gabor Szaboのようなオリエンタルな要素をミックスさせた音楽は当時非常に珍しかったのではないでしょうか。

Gabor Szaboのギター以外のバンドメンバーたちの演奏は従来のジャズらしいフレーズ、サウンドなのですが彼のギターだけ強烈な個性を放っています。


そのため、彼はフュージョンの第一人者として現代でも高い評価をうけています。

私のイチオシはアルバム『Gypsy '66』のタイトル曲である「Gypsy '66」です。

この曲は彼の一番の特徴でもあるフュージョン感にあふれたギター演奏を盛り込んだものとなっています。




彼はいままでにブログでご紹介したアーティストたちとも関係がありました。

CTI Recordsの回で軽くご紹介したGeorge BensonはGabor Szaboの書き下ろした曲である「Breezin'」をカヴァーしてリリースしています。



以前ご紹介したJoe Bataanもですが、アメリカという国には様々なバックボーンを持つ人々が人種や国境を越えてやってきています。

それ故、他の地域や国では起こりえなかった化学反応が起き、新たな音楽の潮流を生み出したのでしょう。


アーティストの生い立ちについて知ることは、音楽を聴く際に新たな視点を与えてくれます。

生い立ちも気にしてみるとより楽しく音楽を聴けるかもしれません。

Anni Albers

今回はAnni Albersというアーティストをご紹介します。

Anni Albersは21SSのPilgrim Surf+Supplyのクリエイションのテーマアーティストのひとりです。(もう一人のテーマアーティストであるLouise Brogueについては以前のブログでご紹介しております。




先ずはAnni Albersのプロフィールから。

Anni Albersはドイツ出身のアメリカ人テキスタイルアーティストです。

以前ご紹介したバウハウスというアート・クラフトスクールに1922年に入りました。

1933年のバウハウス閉鎖に伴い、ブラックマウンテンカレッジに招聘され、渡米します。

そしてアメリカで彼女はアーティストとして・職人として・教育者として後進に大きな影響を与えていきます。



彼女は作品の制作を通して、アートとクラフトを近づけていく事に成功しました。

美しい色彩やモチーフを縦糸と横糸の単純な組み合わせで表現したものを見ると彼女の作品の持つ2面性に気付かされます。

Anni Albersの作品には、ヴィジュアルを通して何かを表現するというアート的側面と、素材を活かして一枚の布に仕立てるというクラフト的側面が兼ね備えられています。

テキスタイルは洋服や絨毯、寝具など私たちの生活のあらゆる場面に登場します。

生活と密接な関係にあるからこそ、クラフトとして実用的なものでありアートとして生活を華やかにするものである必要があるのではないかと思います。

アートの感性とクラフトの技術を合わせもったAnni Albersにとってテキスタイルは相性抜群のジャンルであったのではないでしょうか。




21SSはそんな彼女のアートワークからインスパイアを受けたアイテムがたくさんあります。

店頭・オンラインサイトでご覧いただけるのでぜひご覧ください。

Joe Bataan

今回はNYのラテンソウルミュージックを牽引した存在、Joe Bataan(ジョー・バターン)をご紹介します。




先ずは簡単なプロフィールから。

Joe Bataanは1942年にイーストハーレムでフィリピン系の母とアフリカンアメリカンの父の間に生まれました。

そしてイーストハーレムでプエルトリコ系のストリートギャングを率いていたのですが、車の盗難で刑務所に収監されます。


刑務所から出所してバターンは音楽に興味を持ちはじめ、Joe Bataan and the Latin Swingersというバンドを結成します。

そして60年代にNYのストリートで大流行するラテンソウル(ブーガルー)の立役者となるのです。

ラテンソウルとはその名の通りラテンミュージックとソウルミュージックが融合した音楽ジャンルの事を指します。




彼の独特な音楽はNYという人種のるつぼが生み出した特異なものだと思います。

アメリカは人種のるつぼと言われるほど多種多様なバックグラウンドを持った人々が暮らしています。

この特殊な環境のもとで様々な文化と人種は混ざり合っていったのです。

ラテンミュージック独特の陽気な音と、ブラックミュージックの独特なリズムが混ぜ合わさったブーガルーはまさにNYでしか生まれない音楽でしょう。

母はフィリピーナ、父はアフリカンアメリカンで自身をアフロ・フィリピーノと呼ぶJoe BataanにはラテンとR&Bがミックスしたブーガルーという音楽ジャンルはピッタリはまったのでしょう。


耳にすればJoe Bataanだとわかる特徴的な歌声をR&Bのようなジャズのようなラテンのようなユニークなリズムに乗せて歌い上げる彼の音楽は唯一無二のものでしょう。



(お気に入りの1枚です。)


この血や文化が混ざり合った国のもっとも栄えたNYを象徴するようなJoe Bataanの音楽は今でも新鮮に感じられます。

お店ではよく流しているので是非遊びにいらして下さい。


Creed Taylorというジャズ界のカリスマ(CTI Records)

前回のブログではImpulse! Recordsというレーベルをご紹介しました。

今回はそのImpulse! Recordsとも関係の深いCTI Recordsというレーベルをご紹介します。



この二つのレーベルはどちらもCreed Taylorというアメリカのモダンジャズ史に名を遺す大物によって立ち上げられました。

Creed Taylorは1960年にImpluse! Recordsを立ち上げます。その翌年に他のレーベルへ移籍します。

そして1967年にCTI Recordsという名門レーベルを作り上げるのです。




70年代のジャズはMiles Davisを筆頭として、ジャズが大きな変革を迎えた時代と言えるでしょう。

Miles Davisが72年に発表した「On the Corner」というアルバムがわかりやすい例と言えるでしょう。

「On the Corner」にはジャズ以外の音楽(R&B、ファンクミュージックなど)から着想を得たと思われる意欲的な曲が収録されています。


この内向的な態度から外向的な態度へと転換していく流れを加速させたのがCreed Taylorでしょう。

新たに立ち上げたレーベルでCreed Taylorが目指したのはジャズの大衆化でした。

ジャズの大衆化を進めるために彼が行ったのは、R&Bやワールドミュージックなどの曲をジャズプレイヤーとしての解釈を加えてカヴァーさせるという事でした。

70年代の大転換にいち早く注目し、レーベルを立ち上げたクリードタイラーはジャズの歴史を変えたといっても過言ではないほどの影響を与えたと思います。



70年代以降には彼の築いたムーブメントに影響を大きく受けたアーティストたち(以前ご紹介したHerbie Hancockなど)が作品をリリースしていくことになります。


私がCTIレコード所属のアーティストでもっとも好きなのは、George Benson(ジョージ・ベンソン)です。

私のお気に入りである「Bad Benson」というアルバムはジャズ的なリズムの上にファンクやR&Bらしいサウンドを乗せており、ブラックミュージックのいいとこ取りといった一枚に仕上がっています。




(ギターのフレーズが非常にかっこいいのでロックやブルースも好きな私としてはたまらない一枚です。)



CTI Recordsは今日のジャズの礎となったといえる非常に強い影響を様々なアーティストに与えたレーベルなので聞いた事がないという方はぜひ聞いてみてはいかがでしょうか。

Bill Evansというヒーロー

今回はBill Evans(ビル・エヴァンス)という50年代から80年代に活躍したジャズピアニストについてご紹介します。


Bill Evansを知っているというかたは非常に多いのではないでしょうか。

最も有名なジャズアーティストの1人ということに異論は無いかと思います。


Bill Evansがここまで有名な一つの理由として彼の作った曲は”スタンダード”となったものが多くあるからでしょう。

例えば「Waltz for Debby」、「My Romance」などが挙げられるでしょう。

ジャズのスタンダードというのは、多くのジャズアーティストにカヴァーされジャズの基本とされる曲の事を指します。

これは明確な規定が存在するわけではなく、どれほど親しまれているかという点においてスタンダードと呼ばれるかが決まります。


また彼の活躍した時代に主流だったのはモダンジャズと呼ばれ、ジャズと聞いて多くの人がイメージするであろうジャンルの音楽です。

そのため、イメージ通りで且つ、上品で優雅な彼の演奏は多くの人を引き付ける魅力にあふれています。


Bill Evansの演奏の特徴はそのミニマルさにあるといえるでしょう。

彼は裕福な家に1929年に生まれ、幼いころからクラシック音楽に触れながら育ちました。

このバックグラウンドが彼の演奏のオリジナリティを確立させたのではないでしょうか。

全体的にまとまりがあり、落ち着いた印象を与える彼の演奏にはどこかクラシック的な雰囲気が漂っています。


私のイチオシの一枚は「Explorations」です。

この録音を聞いてBill Evans Trioのメンバーたちの自由さに驚かされました。

ソロパートで即興で披露される彼らの息のあったセッションと引き出しの多さには驚かされます。




現代のジャズのイメージそのままのBill Evansの演奏はジャズの雰囲気をつかむという面においてもぴったりだと思います。

ジャズをあまり知らないという方はぜひビル・エヴァンスの魅力的な演奏を聞いてみて下さい。

Impulse! Records

皆さんは音楽を聴く際に”どこのレコードレーベルから発表されているものか”を気にしたことはありますか。

現在ではサブスクリプションが主流になり、レコードレーベルに関心を向ける人は少なくなってしまったのではないでしょうか。

しかし、レーベルを知って音楽を聴くと面白いということを今回はお伝えさせて頂きます。


レーベルというのは、レコード会社が抱えるアーティストたちを、音楽性ごとに分類したもののことを指します。

つまり、レーベルを見るということはアーティストたちの関係性や影響を知るための1つの有用な手がかりになるのです。


今回はImpulse! Records(インパルス!レコード)という名門ジャズレーベルをご紹介します。

1960年にCreed Tayler(クリード・テイラー)とうジャズプロデューサーであった人物によって立ち上げられたレーベルです。

フリージャズに分類される作品を多く発表したことで有名です。

フリージャズというのはそれ以前のジャズ理論から解放され、即興的な演奏などを重視したジャズの潮流のことを指します。

このそれまでの伝統を打ち破り、自由な創作を盛り上げたという点において現代音楽の土台となったとも言えると思います。


そんな破天荒なレーベルには錚々たる顔ぶれがそろっていました。

現在はユニバーサルミュージックの傘下にあり、再版のみを行うレーベルになっています。


主なアーティストだと、John Coltrane、Duke Ellington、Art Blakey、Oliver Nelson、Gabor Szaboなどが所属してました。


(お店に置いてあるインパルス!レコードのものです)

同じレーベルに所属しているので、もちろんそれぞれアーティスト同士の交流(例えばJohn ColtraneとArt Blakeyがビックバンドの録音で共演していたり)もありました。



このレーベルからリリースされたレコードのジャケットには特徴があります。

オレンジと黒に分割されているジャケットの背表紙を見たらすぐにインパルスレコードの物だとわかるようになっています。



レーベルに注目することでジャズの時代の流れを知り、多くのアーティストの音源と触れ合うきっかけになります。

音楽を楽しむときには是非レーベルにも注目してみて下さい。

Louise Bourgeois

今回は21SSのテーマアーティストの一人でもあるLouise Bourgeois(ルイーズ・ブルジョワ)というアーティストをご紹介します。


彼女は1911年にパリでタペストリー修理の工場を営む家に生まれました。

幼いころはタペストリーの欠けた部分を補う修理の為に必要なスケッチを行い、家業を手伝っていました。


大学では数学を学んでいましたが、次第にアートへ関心がうつり、美術学校へ入学しました

その後、アメリカ人美術歴史家Robert Goldwaterと結婚し、そのまま渡米します。


渡米後は作品の制作に注力しますが、1982年、70歳にして初めてMoMAで個展を開きます。

初の個展を開いた後も様々な制作を行い、テキスタイル作品や彫刻、版画などを世に送り出しました。



彼女の作品の多くが幼少期の父権的な家庭で生まれたトラウマを治癒するためのものとしてうみだされています。

彫刻やインスタレーションアートで有名ですが、版画や絵画にも取り組んでいました。

(渋谷のお店に置いてあるルイーズ・ブルジョワの作品集です。)

彼女の作品のなかでもっとも有名なものが巨大な蜘蛛のオブジェ「ママン」ではないでしょうか。

六本木ヒルズの入り口付近に設置されている金属製の蜘蛛のオブジェが「ママン」です。

この「ママン」は全部で9体作られており、NYのグッゲンハイム、ロンドンのテートモダンなどにも所蔵されています。


私が彼女の作品で気になったものは「布」を使った作品群です。

彼女はその生まれ育ちから布を作品の素材として使用したものが数多くあります。


例えば「Ode à la Bièvre」という作品集です。この作品集の中には美しい色や柄に染色された布や、つぎはぎされ新鮮な印象を与える布、人間の肉体を思い起こさせる優しい刺繍が施された布が集まっています。ただの布が昔ながらの技術を使って表情を変える姿は興味深く、刺激を与えてくれます。

この作品集はMoMAのウェブサイトでも閲覧することができます。


この作品から着想を得てSS21のPilgrim Surf+Supplyのコレクションに登場するアイテムは制作されています。

現在ご予約を承っていますので、ぜひご覧になってみてください。


patagonia

先日patagonia日本支社主催のクライメート・アクティビズム・スクールに参加させて頂きました。

このスクールでは気候変動の実態、どのようにこの問題に対してアプローチするのかを専門家や活動家の方々に講義して頂き、その講義をベースに参加者全員で対話を行いました。


(パタゴニアが出版している気候変動対策活動をまとめた本です。)


義務教育で気候変動についての授業はありましたし、大学でも環境研究の分野の講義を受けたこともあります。

そのため、スクールに参加する前からデータとして気温上昇している、異常気象が起きているということは多少知識がありました。

しかし、その知識が生活や実感と結びついていなかったのです。つまり、当事者意識がありませんでした。


実際に活動して気候変動を止めようとしている人の話からは共通して「自分が気候変動問題を解決するんだ」という当事者としての自覚が感じられました。


つい最近、菅首相が2050年までに「脱炭素社会」を目指す為の実行計画を発表しました。

脱炭素社会というのは地球温暖化の大きな原因とされる二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする社会のことを指しています。

このニュースを聞いたときに「じゃあ実際自分の生活のなにが二酸化炭素の排出につながっているんだろう」と思いました。

どのように社会が変化すれば二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることができるのかピンときませんでした。



二酸化炭素排出の要因として、様々なものが挙げられますが、大きな割合を占めているのがエネルギーの生産と消費です。

具体的には石炭や石油を使った発電や、自動車の運転などです。

日本は火力発電に大きく依存して電力を生産しています。


確かにこまめに電気を消す、なるべく冷暖房を使わないという行動も必要です。

しかしそれ以上に、なぜ省エネが必要なのか、どういう社会になることで地球環境の悪化を阻止できるのかという問題について考えることが必要なのではないでしょうか。

知識だけを持っていても、メソッドだけを持っていても目標が達成されることはないでしょう。

問題解決へ至るには両輪で知識とメソッドの両輪で前進する必要があります。


Pilgrim Surf+Supplyでは環境に配慮したアイテムを多数取り扱っています

これらのアイテムを着てファッションを楽しむことも気候変動を阻止するための貢献となるのではないでしょうか。


透明な力たち

先日、清澄白河にある東京都現代美術館で開催されている「透明な力たち」展に行ってきました。



この展示会は様々な作家がテーマに沿ってそれぞれ作品を展示するいわゆるグループ展です。

「透明な力」がテーマで、重力などの物理的な目に見えない力や、社会規範などの関係性から生まれる力をテーマに5組のアーティストが作品を展示していました。



確かに人間は社会生活を送る上で様々な可視化されない力にさらされているとこの展示を通して痛感しました。

例えば日本社会の中で非常に強い力を持っているとされる同調圧力もその一つでしょう。


現代社会を表す言葉の1つとしてVUCAというものがあります。

これはVolatility(不安定さ)・Uncertainty(不確かさ)・Complexity(複雑さ)・Ambiguity(曖昧さ)の4つの単語の頭文字を組み合わせたものです。

インターネットの目覚ましい発達と共に訪れたVUCAの時代で生きる上では煩雑とした不可視の力を完全に認識することは不可能に近いのかもしれません。

しかし、美しい芸術や素晴らしいアイデアが生まれるには、自分に降りかかる大きな力を感じることが必要ではないでしょうか。

重力や磁力などの自然界の力を感じることで美しい絵画や現代社会を支える科学の礎は生み出されました。

また、社会のシステムや信仰などを知覚することで他者への深い理解を得ながら人間の文明は発展してきた歴史があります。

複雑で不安定だからこそ、より強く・深く「力」に対して思考し咀嚼を行う必要があるのではないでしょうか。



個人の思考に疑問や、揺らぎをもたらし、考えるきっかけになるということこそ、現代アートの大きな意義の1つだと思います。

そういう意味で非常に”良い”展示だったなと思います。


東京都現代美術館ではアーティストたちによる面白い試みのほかに、常設展では以前ご紹介したDonald JuddやDavid Hockneyらの作品が展示されています。

是非足を運ばれてはいかがでしょう。

Freddie Hubbard

今回もお店にあるレコードからFreddie Hubbardというジャズマンをご紹介します。


彼は1960-70年代のニューヨークで活躍したトランぺッターです。

インディアナポリス生まれで1958年にニューヨークへ進出します。その後、NYで様々な大物たち(ソニー・ロリンズ、クインシー・ジョーンズ、オリヴァー・ネルソンなど)と共演しました。


様々なアーティストと共演している彼ですが、天才ジャズドラマーのアート・ブレイキー率いるバンドのメンバーとして演奏したことでNYのジャズ界でも注目されるアーティストになります。


そして70年代に入るとハバートはHerbie Hancock率いるV.S.O.Pクインテットのメンバーとして共演します。

Freddie HubbardとHerbie Hancockは共演して多くの作品を世に送っています。



(見えづらいですが、ジャケットにはHerbie Hancockの名前が参加アーティストとして連なっています。) 


お店にある彼のレコードで私の一番のお気に入りが「Red Clay」というアルバムです。このアルバムの一曲目であり、タイトル曲でもある「Red Clay」という曲の頭の強烈なトランペットに魅了されました。



ジャズの世界では、バンドで共演したり、同じジャズクラブで演奏したり、レコード会社の繋がりなど様々な形でアーティストたちが繋がっています。

この繋がりを見ていくのもジャズを楽しむ上での醍醐味だと私は思います。

好きなアーティストを一人見つけて、その人の周りのアーティストを聞いていくとジャズの世界が広がっていくと思います。

SDGsってなに?

今年の7月1日に全国でレジ袋の有料化がスタートしたのは記憶に新しいと思います。

なぜ急にレジ袋を有料にしたのでしょう?

それはサスティナブルという言葉とSDGsという目標が深く関わっています。

SDGsの達成に貢献するという目的で経済産業省主導の下、7月1日よりレジ袋の有料化がスタートしました。



サスティナブルという言葉については山吉さんが以前ブログで説明してくれたので、まだご覧になってない方はそちらをご覧ください。


今回はSDGsとはいったいなんなんだというお話をしようと思います。


まずSDGsの正式名称はSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)です。

これは2015年の国連サミットにおいて可決された、全世界的な目標です。

SDGsは細かく分けると17のジャンルに分かれています。


幾つかご紹介すると

1.貧困をなくそう

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう


これらが17のジャンルの一例です。

17のジャンル全てが気になるという方は国連のHPで詳細な目標とターゲットについてご覧になれます。


ではなぜこのような目標が世界規模で設定されたのでしょうか。

実はSDGs以前、2000年の国連サミットでMDGs(ミレニアム開発目標)というものが採決されました。

MDGsは2015年を目標年と定め、飢餓や貧困の撲滅・環境開発の持続可能性の確保などを含む8つの目標を設定しました。

しかし、2012年に行われた国際会議で、MDGsは成功したとされている一方で、カバーされていなかった社会問題や解決・改善まで至らなかった問題があったことを受け、SDGsが後継として設定されることとなりました。


MDGsの反省として広く認知されていなかった点が挙げられると思います。

そのため、後継のSDGsは広く認知され、より多くの人が環境や社会の問題に目を向けるきっかけになることが国際目標として成功するかどうかの鍵だと思います。



Pilgrim Surf+SupplyではSDGsの達成や環境問題解決に貢献するため、様々な取り組みを行っています。

例えば、RE-NEWOOLという再生ウール素材の使用や、ショッパー(お買い物袋)の有料化・環境保護団体への寄付を行っています。

(RE-NEWOOLの製造工程など詳しい情報はPilgrim Surf+SupplyのJournalで紹介されています。)



ショッパーの有料化に合わせて、Pilgrim Surf+Supplyではオリジナルのエコバッグを販売しています。

このエコバッグが優れモノで、容量が大きく、パッカブル仕様になっているので使わないときは小さくまとめておけます。



お店に遊びにいらっしゃる際は是非エコバックを持って遊びにいらしてください。


Donald Judd

今回もお店の洋書からDonald Judd(ドナルド・ジャッド)というアーティストをご紹介します。



彼は美術批評家であり、建築家であり、デザイナー、彫刻家でもあります。

Juddは美術批評家としてキャリアをスタートしました。そして「Specific Object(明確な物体)」という著書を発表し、従来の彫刻や絵画とは違う、制約されていないアートの形を提唱しました。


彼は一般的にはミニマル・アートの生みの親として認知されています。

しかし、作家自身はミニマル・アートという区分を否定し、自分もミニマルアートの作家ではないと公言していました。



Juddは目で知覚することに非常に重点を置いて多くの作品を製作しています。

感覚と思考の統合を目指した芸術であると言われています。

例えば、絵画などを見るときに私たちは目で知覚し、その見たものを材料にして、作品の中にある明言されぬテーマやモチーフはなんだろうかと考えます。しかしJuddの作品は、あまりに明確であるため、作品を目で感知することと作品を理解するということが同質化するとJuddは主張しています。




上の写真は彼自身や彼の作品をモチーフにしてアイテムや店内のレイアウトを作成したときのものです。

(以前のブログで20FWのピックアップアーティストについてご紹介しているのでそちらも是非ご覧ください)



かなりアートに対してかなり革新的なアプローチを行ったDonald Juddの作品は東京の立川駅のすぐ近くに設置されています

また静岡県立美術館、東京都現代美術館にも所蔵されているみたいです!


David Hockney

Pilgrim Surf+Supplyのお店には様々なアーティストの作品集が置いてあります。

今回はその数ある中からDavid Hockneyをご紹介します。




David Hockney(1937-)はイギリス出身の現代画家です。

(イギリスの国立美術館ネットワークであるTATEのウェブサイトで彼の作品を幾つか閲覧できます。)

カリフォルニアの邸宅と水しぶきの上がったプールを描いた作品(A Bigger Splash)をご存知のかたは多いのではないでしょうか。

非常にポップな配色で彼の作品は見ていて楽しくなるような色使いのものばかりです。


イギリスの王立美術院で学び、学生のころから芸術界のニューウェーブとして注目されていました。

卒業後はイギリスを拠点に活動するのですが、1964年にロサンゼルスに移住し、そこで先程のプールをテーマにした作品群の着想を得ます。

これによって彼の名は世界的に知られることとなります。


Hockneyはイギリスにおけるポップアートを牽引し、20世紀の英芸術に大きな影響を与えたとして広く評価されています。

世界的にも非常に人気なアーティストです。

(彼の「Portrait of an Artist」という作品はオークションで売れた存命のアーティストの絵画の中で最も高額な価格で取引されました。)



実はHockneyは日本に何度も来日し、日本美術から影響を受けています。

彼の自伝では工場のひしめく日本の風景には落胆したけれど、伝統的な日本画の技法・作品には魅了されたと語っています。

特に日本画の雨の描写が気に入ったようで自分の作品にも取り入れています。




(写真は全てお店にあるHockneyの作品を纏めた洋書です。)



お店に作品集が置いてあるだけではなく、Pilgrim Surf+Supplyでは以前、MOSCOTのイベントを開催した際にHockneyの作品からインスピレーションを受けたレイアウトをしていました。

お店のレイアウトはさまざまなアーティストやカルチャーからインスピレーションを受けながら作成しています。



彼の作品は東京都現代美術館に数多くコレクションされているので、気になった方は足を運ばれてはいかがでしょうか。

Motown Records

今回はアメリカの音楽の歴史の中で欠かせないレーベル、Motownをご紹介します。

クリスの選んだお店に置いてあるレコードにはモータウンに縁のあるアーティストのものもあります。


Motown(モータウン)はアメリカのデトロイト発祥のレーベルです。

創業者であるBerry Gordy, Jr(ベリー・ゴーディ・ジュニア)はアフリカ系アメリカ人を象徴するR&Bやソウルミュージックをより多くの人、人種に届けたいという思いから1959年にMotownを立ち上げます。

そして、主にソウルやR&Bを軸に数々の伝説的アーティスト、マスターピースと呼ばれるレコードを輩出していきます。



Jackson5, Marvin Gaye, Stevie Wonder, Diana Ross, The Temptations...

彼らは全員Motownに所属していたアーティストたちです。

R&Bやアメリカの音楽に興味のない方でも一度は聞いた事のある名前ではないでしょうか。

現代でも世界中で多くの人が憧れ、その音楽を聴くアーティストたちが一堂に会していたのです。



1960年代のアメリカは人種間の壁が非常に高くそびえ、分断されていました。

そんな時代にあらわれた人種間の架け橋となった存在がモータウンであり、彼らがリリースした音楽だったのです。

彼らの発信した音楽の多くが大ヒットし、R&Bやソウルサウンドを広く流行させることになりました。


彼らの音楽は非常に独特で後に「モータウンサウンド」と呼ばれるようになります。

R&Bやソウルミュージックにポップスのエッセンスを取り入れたサウンドが特徴です。



モータウンを題材にした映画は多くあります。ちょうどいま「メイキングオブモータウン(Hitsville: The Making of Motown)」という映画が劇場で公開されています。

私はまだ観ていないですが、いずれ足を運ぼうと思っています。

皆さんもご興味があればぜひ!