乳がんに関する理解とブレスト・アウェアネスを呼びかけるピンクリボンキャンペーンを実施
2022.10.01
あなたとあなたの大切な人へ
ピンクリボンは、乳がんで亡くなられた患者の家族が「このような悲しいことが繰り返されないように」と願いを込めて作ったリボンに由来すると言われ、乳がんに関する理解とブレスト・アウェアネスを促す活動のシンボルとして世界中で知られています。
自分自身はもちろん、パートナーや家族、親友などの立場からも、乳がんについて知り、大切な人をサポートできるようなきっかけを作りたいと考えました。

乳がんのことを知ろう
乳がんは30代後半から増えて40代以降の女性が特になりやすく、稀に男性にも症例があります。日本の女性の約9人に1人が乳がんにかかると言われていますが、早く発見できれば治癒率も高いので、日頃のセルフチェックや検診が大切!
(参考元:国立がん研究センター「がん情報サービス」最新がん統計 )。
(参考元:国立がん研究センター「がん情報サービス」最新がん統計 )。

自分のサインに気付こう
自分の胸の形や感触を日頃からチェック。小さな変化があるかもしれません。気になることは医療機関を受診してドクターに聞いてみよう。

セルフチェックをルーティーンに
鏡の前で着替えるときやバスタイムは、セルフチェックに最適!せっけんのついた手で胸をさわるとしこりがわかりやすくなります。脇の下も忘れずにチェックして。

誰かに伝えてみよう
あなたの大切な人に、ずっと元気でいてほしいから。親友、家族、パートナーに、そっと話してみませんか。乳がんのことや健康のこと。

サポートの輪を広げよう
乳がんと共に生きるのは、本人と、その人を大切に思うみんな。不安や悩みに寄り添って、療養中も前を向いていられるように、サポートの輪を広げよう。

ファッションを味方につけて
抗がん剤治療などによる容姿にまつわる悩みには、スカーフや帽子などの小物使いやゆったりシルエットの服もおすすめです。どうか自分らしいファッションを諦めないで。
胸に手をあてて
MYポジティブアクション
乳がんは、ひとりひとりのアクションで多くの人が助かる病です。
早期発見がとても大切で、早期のうちに治療すれば90%以上の方が治癒すると言われています。(*1)
簡単なセルフチェックをご存知ですか?
検診には行ってますか?
身近なあの人にも、話してみませんか。
あなたの優しいアクションで、あなたと、あなたの大切な人が、
いつまでもハッピーでいられますように。
BEAMSでは、今年も国内122店舗(*2)の試着室に、セルフチェックガイドを掲示します。試着のついでに鏡の前で数分、簡単なセルフチェックの方法を確認しながら、トライしてみてください。
また、同店舗にて、セルフチェックガイドを掲載した入浴剤を、ご希望のお客様へお渡しします。(*3) バスタイムなど、自分を労わるボディケアの数分を、セルフチェックタイムにしてみませんか。
ひとりひとり、あなたに合ったポジティブアクションを、是非。
*1:早期のうちの発見と治療で90%以上の人が助かることがわかっています(ここでいう「助かる」とは診断時からの10年相対生存率)
参考元:東京都福祉保健局ウェブサイト「TOKYO#女子けんこう部」
*2:ウィメンズ商品の展開がない店舗などは対象外
*3:入浴剤は数量限定、なくなり次第配布終了
誰にも聞けなかった
乳がんになったその先のこと
6年目を迎えたBEAMSのピンクリボンのキャンペーン。
国内134店舗の試着室に乳がんのセルフチェックガイドを掲出し、同ガイドを記した入浴剤を配布するなど、胸の状態を日常的に意識する習慣“ブレスト・アウェアネス”の啓発に努めてきました。
今年は乳がん手術後の乳房再建を専門とする形成外科医、くさのたろうclinic院長の草野太郎先生をゲストにお招きし、乳がんが身近な年齢のスタッフ二人を交えたクロストークを企画。もしも乳がんになったら、そして乳がん治療後のことまで伺ってみました。
もしも、自分やパートナーが
乳がんになったら?
もしも、自分やパートナーが
乳がんになったら?

Yu Hozumi(以下、Y.H):全社の活動が紹介される社内配信があるのですが、僕はそこで初めてピンクリボン運動を知りました。それ以来、妻と乳がんについて話すようになりましたが、女性の生理と同じで、男性にとっては乳がん検診を受けているかも聞きづらい。歩み寄り方が難しい話題だと感じています。
Etsuko Meguro(以下、E.M)):会社の健康診断で毎年乳がん検診を受けていますが、我が家でも話題にしたことはほとんどありません。
Taro Kusano(以下、T.K):今は日本人女性の9人に1人(※1)が乳がんになると言われています。特に多いのは40〜60歳の方ですね。
E.M:まもなく40歳の私も該当しますね。
T.K:また、34歳以下の場合は若年性乳がんと呼ばれています。
Y.H:妻は32歳で、まさにその世代です。
T.K:乳がんへの理解を深めるために、まずはそうした数字から話題にしてみてはいかがでしょうか。
E.M:パートナーが関心をもつことは、女性にとって大きな支えになりますね。

Y.H:もしも、乳がんがわかったら、具体的にどうしたらいいですか?
T.K:まずは病院へ行きましょう。
Y.H:その場合、付き添ったほうがいいですか?
T.K:可能であれば付き添ってあげてください。私のクリニックでは、カップルで来院される方は30組に1組ほど。パートナーのほうが熱心に質問されることも多いです。パニックになっていたら、代わりにパートナーが病院を調べるなどすれば、ご本人も心強いと思います。
Y.H:確かにそれは、パートナーだからこそできることですね。
T.K:そして、乳がんの標準治療を受けることも大切です。
E.M:標準治療とはどんな治療ですか?
T.K:進行具合に応じた治療法のことで、科学的根拠に基づいてガイドラインが決められています。まずは医師の診断を受けて、乳がんのステージや位置、大きさ、広がりを知った上で、部分切除なのか全摘出なのか、またどの治療法を選択するのかなどを相談します。
胸を取り戻す方法はあります
まずは治療に専念を
胸を取り戻す方法はあります
まずは治療に専念を

E.M:もし乳がんになったら、髪や爪、もちろん胸も容姿がどう変化するのか不安です。
T.K:アピアランスと呼ばれる見ための問題には対策があります。例えば抗がん剤治療で脱毛したらウィッグやベリーショートを楽しんだり、爪が変色したらカラフルなネイルを塗ってみたり。胸をもとの形に近付ける乳房再建も可能です。大切なのは命ですから、変化を怖がるばかりではなく、まずは治療を最優先に考えましょう。
E.M:乳房再建にはどんな方法がありますか?
T.K:人工物のシリコンによる再建、お腹や背中などの自家組織を使った再建、脂肪注入による再建の3つがあります。まずシリコンによる再建は、乳がん患者の場合、シリコンに接する皮膚に負担がかかるため、入れ替えるなどのメンテナンスを続ける必要があります。また自家組織による再建は、時間がかかって負担も大きいのですが、体に馴染みやすく、やがてメンテナンスフリーになります。
この二つは保険適用内です。そして脂肪注入による再建は保険適用外ですが、日帰り手術が可能で体の負担が少なく、メンテナンスもほぼ必要ありません。私はこちらの再建法を専門としています。
Y.H:そもそも乳房再建率は、どれぐらいですか?
T.K:コロナ禍に入る前は、全摘出した方の場合、東京で30〜35%ぐらいでした。
E.M:思ったよりも低いですね。
T.K:都心ほど多く、地方では少ない傾向があります。そもそも、地方では再建できる病院が少ない現状もあります。
E.M:再建された方の感想も伺えますか?
T.K:私のクリニックでは満足されている方が多いですね。胸が左右均等に戻って体のバランスを取りやすくなった、あるいはジムや温泉、夏の薄着など見ために自信を持てるようになったという声を聞きます。胸を失うと自信も失いがちですから。

E.M:もしそうなったら、私も再建したくなる気がするので、気持ちはわかります。
T.K:ただ、再建手術は魔法ではなく、痛みを伴い、時間やお金もかかることは理解していただきたいですね。
Y.H:夫としては妻の体が心配です。乳がん治療で大変な思いをして、さらに乳房を再建するのは、精神的にも体力的にもダメージが大きい気がします。乳房再建率が意外に低いのも、家族が止めているのではと思いました。
T.K:私自身も妻に勧めないと思います。
E.M:女性の立場としては、パートナーにはやらなくてもいいと言ってほしい。私がどうしても再建したいならサポートしてくれる、そんなスタンスでいてくれたらありがたいですね。
T.K:乳がんは急いで治療しなければいけませんが、乳房再建はいつでもできます。見つかってすぐは泣いて落ち込んで、様々な病院に行ったり、治療法を考えたりしますが、たいてい1年ほどで罹患を受容できて精神的に元気になれる。
考えが変わって、あえて再建をしない選択をする方もいます。ヘアサロンやネイルサロンが必ずしもマストではないように、乳房再建もやらなくていい治療なんです。
E.M:いざ再建となったら選択肢があることや、再建しない道もあることを知っていれば、治療にも安心して臨めますね。BEAMSとしては、乳がんで悩んでいるお客様にも寄り添いたいと考えています。ボディラインの目立たない服を楽しむなど、ファッションで気持ちを上向きにするお手伝いができたら。
T.K:私のクリニックには形成外科のほかに美容外科もあって、その患者さんにも乳がんに関する自作のリーフレットを配布しています。啓発することで、正しい知識を知るきっかけになればと考えていますよ。
E.M:美容外科にかかる延長線上で、乳がんに関心をもったり、早期発見につながったりしたらいいですね。
乳がんは長生きできる病気
年1回は検診を受けましょう
乳がんは長生きできる病気
年1回は検診を受けましょう
Y.H:今日お話を伺って、乳がんについて改めて妻と話してみる気になりました。パートナーにポジティブな気持ちで検診を受けてもらうために、先生からアドバイスをいただけますか?
T.K:乳がんは早期発見、早期治療すれば、長生きできる病気です。当然、早ければ早いほど、心や体、治療費などの負担も軽くなります。検診で乳がんが見つかったら怖いという方もいらっしゃいますが、大切な人のためにも年に1回は受けていただきたいですね。
E.M:たとえ乳がんになっても1年後には精神的に楽になり、後から胸を再建できることもわかって希望が持てました。そのためにも乳がん検診はきちんと受け続けようと思います。
Y.H:僕も妻の気持ちになって、もっと寄り添っていけたらと思います。


(※1)出典:国立がん研究センター「がん情報サービス」最新がん統計
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
Taro Kusano M.D., Ph.D. TARO KUSANO CLINIC
草野太郎/くさのたろうclinic院長、医学博士、形成外科専門医、昭和大学兼任講師。2001年、昭和大学形成外科に入局。各地で研鑽を積みながら、同大学ブレストセンターで5年間、乳房再建班のチーフを務め、2019年に自身のクリニックを開設。文化服装学院夜間部でも学ぶなどファッションにも造詣が深く、白衣や乳がんの術後用下着なども手掛けている。
Yu Hozumi(Uniform Circus BEAMS staff)
穂積 優/1986年生まれ。ユニフォーム サーカス ビームス担当。社員研修を通してピンクリボン運動に興味をもち、今年は乳がんの正しい理解を広める社内プロジェクトチームのメンバーに参加。自身は35歳で、若年性乳がんになりうる世代に当たる32歳の妻と暮らす。
Etsuko Meguro(BEAMS Promotion Div.)
目黒越子/1983年生まれ。ビームス ウィメンのプレス担当。まもなく乳がん罹患率の高い40代。これまで乳がん検診は超音波検査のエコーを受けてきたが、今回草野先生のアドバイスを受けて、年齢に合ったX線検査のマンモグラフィーも試してみようと検討中。Instagram@meguro_etsuko
- CROSS TALK -
Text::Mikiko Manaka / Photography:80percent_photos
- CROSS TALK -
Text::Mikiko Manaka
Photography:80percent_photos

マンガで読んでみる!乳がんのこと。
東京都福祉保健局が運営する、女性の健康を支援するポータルサイト「TOKYO#女子けんこう部」にて、
『マンガで読んでみる!乳がんのこと。』を公開中。マンガを通して、乳がんへの知識を深めることができます。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/joshi-kenkobu/nyugan/