「BEAMS CULTUART」のコンセプトムービー『new Communications』が登場

2022.12.26

ビームスのアート&カルチャー関連レーベルを束ねてグローバルに推進し、新領域の開拓や新規事業を開発するプロジェクト「BEAMS CULTUART(ビームス カルチャート)」が、そのスタートに合わせて、監督集団「5月」(佐藤雅彦/関友太郎/平瀬謙太朗)と写真家・ホンマタカシによる新作映像作品『new Communications』をコンセプトムービーとして採用しました。

新しいものを受容し、その価値を認めようとする「BEAMS CULTUART」の前向きな姿勢を表現しています。

また、本作品は発表後、約60年の歴史を持ち、世界で最も権威のある広告賞のひとつとされる英国発の国際的クリエイティブアワード「D&AD Awards 2023」のアート ディレクション部門において、ブロンズに相当するWood Pencilを受賞しました。

「D&AD Awards 2023」について

英国の非営利団体D&ADが運営するD&ADアワードは、優れたデザインと広告を称える賞として1962年に創設されました。世界を牽引する330名以上のクリエイターによる審査が行われ、世界で最も権威のある広告賞のひとつとされています。
URL:https://www.dandad.org/

監督集団「5月」について

佐藤雅彦、関友太郎、平瀬謙太朗 による映画・映像の監督集団。「手法がテーマを担う」という言葉を標榜し、様々な作品を企画・制作。2014年、初の短編映画『八芳園』がカンヌ国際映画祭 短編コンペティション部門から正式招待。2018年にも短編映画『どちらを』で同部門から正式招待を受ける。2022年には短編映画『散髪』が世界最大の短編映画祭であるクレルモン=フェラン国際短編映画祭から正式招待。同年、初の長編映画『宮松と山下』がサンセバスチャン国際映画祭 New Directors部門 から正式招待を受ける。
URL:https://gogatsu.jp/

監督集団「5月」による『new Communications』作品解説


監督集団「5月」による
『new Communications』作品解説


「よく分からないけど、よく分かる」                            
      ―― その状態を new Communications と呼びました

「よく分からないけど、よく分かる」
―― その状態を new Communications と呼びました

私たちは時として、「よく分からないけど、よく分かる」という物事と相対することがあります。
例えば、外国でまったく知らない文化や風習に出会うことがあります。
そんな時、私たちは分からないなりに、その背景にある “ある体系や規範” を感じます。

この世界には、分かる ― 分からない  といった二分法では分けることが出来ない状態が存在し、
それを『new Communications』と呼びました。

私たち人類には、この『new Communications』を受け入れ、さらには楽しむ能力があります。
それが他者や異文化への理解・許容に繫がり、
ひいては人類全体の平和や文化や科学を発展させてきましたし、これからもそうあるべきです。

この映像群『new Communications』を観ると、どの映像にも、一見、よく分からない人々の行動が見られます。
しかし、分からない一方で、その人たちがその行動をとるのは、きっとちゃんとした体系や規範があることも確信的に感じます。
しかも同時に、その不明な行動をとる彼らに対して、“なんらかの親近感” とか “なんらかの愛着” まで感じてしまいます。
この映像群『new Communications』は、私たち人類が、
これからより必要とされる他者や異文化への理解・許容ということに対しての練習問題にもなっているのです。

私たちは時として、「よく分からないけど、よく分かる」という物事と相対することがあります。例えば、外国でまったく知らない文化や風習に出会うことがあります。そんな時、私たちは分からないなりに、その背景にある “ある体系や規範” を感じます。

この世界には、分かる ― 分からない  といった二分法では分けることが出来ない状態が存在し、それを『new Communications』と呼びました。

私たち人類には、この『new Communications』を受け入れ、さらには楽しむ能力があります。それが他者や異文化への理解・許容に繫がり、ひいては人類全体の平和や文化や科学を発展させてきましたし、これからもそうあるべきです。

この映像群『new Communications』を観ると、どの映像にも、一見、よく分からない人々の行動が見られます。しかし、分からない一方で、その人たちがその行動をとるのは、きっとちゃんとした体系や規範があることも確信的に感じます。しかも同時に、その不明な行動をとる彼らに対して、“なんらかの親近感” とか “なんらかの愛着” まで感じてしまいます。
この映像群『new Communications』は、私たち人類が、これからより必要とされる他者や異文化への理解・許容ということに対しての練習問題にもなっているのです。

作品 #5 連鎖反応:

何を伝えているのかは分からないが、この人たちの伝え方はとてもよく分かる。

作品 #5 連鎖反応:

何を伝えているのかは分からないが、この人たちの伝え方はとてもよく分かる。

作品 #2 何らかの分岐:

分岐点でどんなことを尋ねているのかは分からないが、この人たちの分類の仕方はとてもよく分かる。

作品 #2 何らかの分岐:

分岐点でどんなことを尋ねているのかは分からないが、この人たちの分類の仕方はとてもよく分かる。

作品 #7 隠れ蓑:

白い大きな布の下に入れば、何かの危害から守られるということは何となく分かる。

作品 #7 隠れ蓑:

白い大きな布の下に入れば、何かの危害から守られるということは何となく分かる。

作品 #4 円弧の邂逅:

この恋人たちがきれいな円弧を描きながら接近することはよく分かるが、どうして円弧を描かなくてはならないのかは全く分からない。

作品 #4 円弧の邂逅:

この恋人たちがきれいな円弧を描きながら接近することはよく分かるが、どうして円弧を描かなくてはならないのかは全く分からない。

作品 #6 歓迎の方法:

この人たちの少人数での歓迎の方法はとてもよく分かるが、どうして少人数で歓迎をするのかは分からない。

作品 #6 歓迎の方法:

この人たちの少人数での歓迎の方法はとてもよく分かるが、どうして少人数で歓迎をするのかは分からない。

作品 #13 夜の連鎖反応:

暗闇ですべてのものが捨象されている分、人々が身につけた灯りによる連鎖反応の様子が際立っている。

作品 #13 夜の連鎖反応:

暗闇ですべてのものが捨象されている分、人々が身につけた灯りによる連鎖反応の様子が際立っている。

作品 #10 群化:

同じ方向を向いて動きだした瞬間、その人たちが何らかの同じ意志を持っていることは分かるが、その意志がどのようなものであるかは分からない。

作品 #10 群化:

同じ方向を向いて動きだした瞬間、その人たちが何らかの同じ意志を持っていることは分かるが、その意志がどのようなものであるかは分からない。

作品 #8 夜の隠れ蓑:

夜も、この人たちは白い布の下に隠れ、何かから身を守っている。
その様はまるで深海を漂う海月のようである。

作品 #8 夜の隠れ蓑:

夜も、この人たちは白い布の下に隠れ、何かから身を守っている。
その様はまるで深海を漂う海月のようである。

作品 #9 自分のことは他人がやろう:

自分の靴紐を結ぶ役は他人だということは分かるが、なぜそんな面倒臭いことをいちいちするのかは全く分からない。

作品 #9 自分のことは他人がやろう:

自分の靴紐を結ぶ役は他人だということは分かるが、なぜそんな面倒臭いことをいちいちするのかは全く分からない。

作品 #3 集団を移動させる方法:

集団が核となっている一人の男に従って移動するのは分かるが、一体なんのために、そのような移動をするのか全く分からない。

作品 #3 集団を移動させる方法:

集団が核となっている一人の男に従って移動するのは分かるが、一体なんのために、そのような移動をするのか全く分からない。

作品 #11 夜の群化:

複数の点が、なぜか同じ方向を向いて動きだした瞬間、得体の知れない意思めいたものが伝わってくる。

作品 #11 夜の群化:

複数の点が、なぜか同じ方向を向いて動きだした瞬間、得体の知れない意思めいたものが伝わってくる。

作品 #12 夜、集団を移動させる方法:

風景や身体が捨象され、伝わってくるのは、妖しく揺らめく細胞膜、それを突き抜けてまでも皆を引率する核の存在。

作品 #12 夜、集団を移動させる方法:

風景や身体が捨象され、伝わってくるのは、妖しく揺らめく細胞膜、それを突き抜けてまでも皆を引率する核の存在。

映像『new Communications』制作スタッフ


原案:佐藤雅彦
監督:佐藤雅彦、関友太郎、平瀬謙太朗
撮影:ホンマタカシ
音楽:堀江由朗

ドローンオペレーター:古舘佳史、西永耕介
DM:大澤博英
カラリスト:石原泰隆
編集協力:レイ、トレス
衣装:下山さつき
衣装助手:泉桃子、櫻井由衣
音響効果:浅梨なおこ

プロデューサー:千原秀介
制作:川勝みほ、近江和希、田添裕也
制作応援:塩谷実来、樋口万友名

企画:監督集団「5月」
制作:AOI Pro.

ロケーション協力:高崎フィルム・コミッション、NPO法人たかさきコミュニティシネマ
衣装協力:BEAMS

翻訳:大倉美子

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