




2023.07.16
【ぼくなつ】 うだるような夏の昼下がり、蝉しぐれを聞いて余計に汗が噴き出すような気がする。 Tシャツは背中に貼り付き、縁側の板にはお尻の形に汗が滲んだ。 庭に群れるひまわりの向こうから、畑仕事に疲れた祖父が歩いてきた。 「じいちゃーん、麦茶淹れてるよー!」 そう声をかけると祖父は片腕を挙げて返事をした。 2人で縁側に並んで腰掛け、風鈴の音と、昔のキャラクターが描かれた透明なコップの中で氷がぶつかる音をしばらく聞いていた。 「今年はナスが美味えんだよ、あとオクラなぁ」 「じゃあ、今日おれ煮浸し作るよ。明日何本か持って帰っていい?」 そんな夏が懐かしい。このカンカン帽は、祖父が昔被っていた物らしい。 祖父のタンスにあった昔のアルバムには、こんな服を着た祖父の写真があったっけな。 いつの時代も夏はシンプルに、白Tとデニムだ。 遠くの景色には、大きな入道雲を被った山がいつまでも居座っていた。 皆さまのご来店、心よりお待ちしております。