こんにちは!
本重です!
今日は25SS〈BEAMS F〉LINE UP
〜スーツ、ジャケット編 ③〜
それではさっそく!
(ご紹介するアイテムは25年春夏シーズンに展開予定のアイテムです。生産中止や納期遅延などの可能性もございます。予めご了承ください。また、各アイテムについてのお問い合わせにつきましては恐れ入りますが、店舗のメンズドレス担当スタッフまでお願いいたします。)

「〈FUMIYA HIRANO LONDON〉」
「こんにちは。〈FUMIYA HIRANO BESPOKE〉の平野と申します。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。先シーズンに引き続き、ブランドの説明をさせていただきたいと思います」
「これまで展開していた〈Fumiya Hirano THE TROUSERS〉に加えて昨シーズンより〈FUMIYA HIRANO LONDON〉のジャケットも展開させていただけることとなりました。こちらはシングル1つボタンのジャケットです」
「私が英国で修行していたこともあり、形は英国ズバリなものをベースとしています。高い位置で設計したウエストライン、深いベント、袖山のビルドアップ、そしてイングリッシュドレープ。構築的な肩まわりから、高い位置で絞られたウエストラインによる男性的なシルエットが特徴的です。ただ、それでも厳格な印象はなく、日本人の私が英国の仕立てを経験し解釈したブリティッシュスタイルというところを目指し、モダンな空気感も含めた仕上がりとなっています」

「こちらのグリーンのヘリンボーンジャケットは〈FUMIYA HIRANO LONDON〉オリジナルで製作した国産の生地を使用しており、英国らしい堅さがありながらもしなやかな風合いを残した質感に仕上げました。リネン×ウールのコンビネーションで、さらっとドライなタッチがポイント。柔らかいグレイッシュなグリーンの色出しも優しげで上品な印象です。ボタンに関しても特徴的で、通常レディメイドでは4つ穴が多いですが、こちらは2つ穴のものを使用しています」
「6つボタンダブルのブレザー。こちらのダブルブレストに関しても同様にブリティッシュに仕上げています。高い位置でのウエストラインの絞りと深いベント。後ろ姿をグッと力強く、マスキュリンに見せてくれます」
「生地はオリジナルの国産ウール生地を使用し、ボタンに関しても真鍮削り出しのオリジナルゴールドメタルボタンを採用しています」

「そもそもの仕立てについてですが、私が修行していた〈HENRY POOLE〉というテーラーはどちらかというと英国ど真ん中と言いますか、オーセンティックな仕立てが特徴的なテーラーでした。その英国感は残しつつ、日本でも修行した経験のある私なりの日本人らしさという面の解釈を織り交ぜたものが〈FUMIYA HIRANO LONDON〉の仕立てです。鳩胸の多い英国人に対して巻き肩傾向にある日本人には衿を低く平に寝せたかま襟ではなく、ほんのりとのぼりをつけた衿まわりがよく似合う。より日本人の男性らしさを引き出せる仕立てにしています。また、アームホールの形状も変更し、袖の振りが前に出るようにパターンを引くことで、しなやかなフィッティングを感じていただけるように設定しました。ただ、ベースは英国にありますので、日本人にフィットしつつ品格あるイングリッシュドレープを感じていただける〈FUMIYA HIRANO LONDON〉ならではの仕上がりとなっていると思います」

「次にパンツ、〈Fumiya Hirano THE TROUSERS〉。こちらは前回もご説明していますので、展開させていただくアイテムをご紹介していきます。モデルは”REGENT”。所謂サヴィル・ロウのベーシックスタイルを踏襲した一本です。リネン×ウールの英国らしい打ち込みの生地は、生成りのヘリンボーンのクラシックな表情が魅力。シルエットも中庸なので、どんなスタイルにも取り入れていただけます」
「こちらも”REGENT”のモデル。オリジナルで製作したフレスコ生地を載せており、ビームス様のエクスクルーシブとなります」

「王道のフレスコといった雰囲気で、堅さ柔らかさのバランスが心地良く、美しいドレープも見せてくれる一本です。ミディアムグレー、チャコールグレーとご用意していますので、ドレッシーなスタイルにはもちろん、カジュアルな装いに合わせていただいても素敵だと思います」

「こちらは2プライのウール×レーヨンの生地を使用したパンツです。織り交ぜたレーヨンは意図的で、英国ヴィンテージの生地感をイメージしてリプロダクトしました。着込んだようなクタッとしたドレープが、こなれた雰囲気を演出してくれます」
「以上が25年春夏シーズンビームス様で展開させていただく〈FUMIYA HIRANO LONDON〉、〈Fumiya Hirano THE TROUSERS〉です。私の洋服を通して、皆様が装うことを少しでも愉しんでいただければ幸いです。本日は貴重なお時間をありがとうございました」
と、ここからは質問タイム。スタッフから出た質問に対して平野さんにお答えいただきました。
・ボタンに関して、4つ穴と2つ穴の違いはありますか?

「サヴィル・ロウにおいての話ですが、4つ穴ボタンが通常仕様で、2つ穴ボタンは限られたテーラーのみ使用しているというイメージです。どちらが良いかなどは正直ありません。その中でなぜ2つボタンなのかと言いますと、私がただ好きなだけという理由です(笑)。男性のための、スーツという削ぎ落とされた洋服においては、自己表現できる部分はほんの僅か限られたディテールのみです。こういったボタンなどの細かな部分こそ、こだわって自分らしさを出していきたいですよね」
・カジュアル化の流れが進む中で、英国の顔をした〈FUMIYA HIRANO LONDON〉のジャケットをリラックスした装いで愉しむにはどういったコーディネートがおすすめですか?

「私は基本的には自由で良いと考えています。昨今英国においても、ノータイで過ごされている方は多く見かけますから、無理にタイドアップしないといけないということはないと思います。例えば、このブレザーにニットやシャツを着て〈Levi's〉のデニムに〈ALDEN〉のシューズ。そんなスタイルもすごく格好良いと思います。もちろん、私の洋服は英国ルーツですので、あまりにもテイストがミスマッチのものを合わせたり、崩しすぎたりすることはおすすめしません。もしも可能なら〈FUMIYA HIRANO LONDON〉の空気感を活かしながら、コーディネートを愉しんでいただけると嬉しいです」
・袖ボタンの仕様、袖ボタンのスタート位置は?

「これもお好みですので、正解はないと思っています。ただ、英国のベーシックと言われると、並びの袖口から3.5cmスタートが基本です。これは、古くからの伝統のようなもので、昔は上二つネムリ(開かない仕様)にし下二つを開くことで、代々受け継いでいけるようにしていたことから来ています。昨今ではこのような慣わしも減ってきているので、サヴィル・ロウでも決まりはないと思います。個人的には3.5cmスタートが好きですが、お客様のスタイルに合わせてお付けいただいて構いません。袖ボタンの数に関しましては、4つが最もドレッシー、数が減っていくにつれてスポーティになるといった考え方で基本的には当てはまります。段返りのブレザーなど稀に3つ付けることもありますが、6つボタンダブルや1つボタンのスポーツコートに関しては4つがマストです。ただ、これもテーラーの好みが反映される部分ですので、ご自身のスタイルで合わせて頂ければと思います。ちなみに、英国ではジャケットとは言わず、スポーツコートと言うことが多いです。ベストをウエストコート、ジャケットをコート、上に羽織るものをオーバーコートと言っています。どちらでも良いのですが(笑)、こういったところも洋服は面白いですよね」
・・・・・積もる話がありすぎますが、このあたりで。。笑
平野さん、貴重なお時間をありがとうございました!!
さて次回、

25SS〈BEAMS F〉LINE UP〜スーツ、ジャケット編 ④〜です。
本重