<BEAMS F>2025年秋冬ラインナップ紹介<番外編><三甲テキスタイル>

伊藤 大貴 2025.06.14

こんばんは!伊藤です。


さて、本日は番外編。

ゲストとして三甲テキスタイルの山口さんにご主席いただきました。




簡単にですが<三甲テキスタイル>のご説明を。


岐阜・大垣に拠点を構える創業100年超の老舗生地メーカーで、水の都・大垣の伏流水を活かした紡績から染色、織布、仕上げまでを自社工場で一貫して行う、国内でも稀有な体制を誇ります。

特にションヘル織機を用いた丁寧な織りと、素材の風合いを活かす加工技術に定評があります。制服やスーツ地はもちろん、高級ウール素材の開発でも高い評価を受けています。


大垣の水は美味しく飲める水をつかっているんですということでスタッフに大垣の飲料水も配っていただきました。軟水で飲みやすい美味しい水でした。


そんな<三甲テキスタイル>、なぜご紹介させていただくかというと、今回<BEAMS F>のオリジナルのスーツ、アウター、パンツ、そして<IGARASHI TROUSERS>のパンツにこちらの<三甲テキスタイル>の生地が採用されているんです。

一つずつ見ていきましょう。



BEAMS F ハンドメイドライン グレーフランネルダブルスーツ
カラー:GREY
サイズ:42,44,46,48,50,52
価格:¥154,000(税込)
商品番号:21-17-0573-015

<RING JACKET>製のハンドメイドラインのダブルスーツ。

程よく明るいトーンのグレーでしっかりとウェイトのある生地。

すでにご予約を多数いただいている人気商品です。

目付500gのフランネルは通常はコートなどに使用される超重量級の生地。

西口も<BEAMS F>史上最も重いスーツができたと言っていました。


こちらの生地が<三甲テキスタイル>の通称カレッジフラノ。

三甲テキスタイルの中でも特に歴史あるフランネル生地のひとつ。1980年代の新聞記事ではすでに「誕生30周年」と紹介されており、現在まで70年以上変わらぬ製法で生産され続けている、まさに“原点にして頂点”とも言える素材です。

カレッジフラノというのはその名の通り、当時、織り耳に大学のスクールカラーを織り込む耳ネーム付きのフラノ素材は、スーツ地として学生やテーラーの間で高い人気を誇っていたそうです。


70年以上品質が変わらないのは国内でも極めて稀な、糸づくりから仕上げまでを自社で完結できる一貫生産の体制を持ち、各工程を丁寧に積み重ねることで、独特の風合いを安定的に維持しているから。

同じ設計・工程であっても、別の地域では同様の風合いが再現できなかったという実績から、地場の水質がこの素材の風合いに大きな影響を与えていることもわかっています。


原料には経糸・緯糸ともにスーパー180として使える超高品質ウールをあえてシャトル式ションヘル織機でゆっくりと織り上げられることで、密度が高く、しなやかながらもしっかりとした打ち込みを実現。さらに繰り返し縮絨を施すことで、目の詰まった暖かみのある生地に仕上がっています。

<FOX BROTHERS>などの英国ミルと比べると、起毛感がありながらも上品な光沢感があり、そして柔らかなドレープ感が感じられます。



時系列的には最後ですが、ディレクター中村がこの生地に関して補足。

カレッジフラノは、単なる良質なフラノではなく、日本の生地づくりにおける技術と伝統の結晶であり、中村より上の年代の業界人のうちでは“伝説”のファブリックとして語られているとか。


当時カネボウが手がけていたこのフラノは英国生地が“最高峰”とされる中で英国製に匹敵するどころか凌駕するとまで言われた品質を誇りました。

当時の製法を引き継ぐかたちで現在に受け継がれているのが、この「カレッジフラノ」です。

中村も母親からカネボウのフラノの話を聞かされており、実家のタンスのなかにこのカレッジフラノの耳がついている端切れがあったとか。


それぐらい長く語り継がれながらも、70年以上品質が変わらない「カレッジフラノ」。日本が誇る世界の遺産、とまで言ってました。

重たい生地なので西口、間瀬はピックしないだろうなと思っていたけど、ピックアップしてくれて良かったですと笑

すごい生地なのでぜひ、自信をもってお客様にご提案くださいと最後に話していたのも印象的です。




IGARASHI TROUSERS フランネルスラックス
カラー:GREY CHARCOAL.G
サイズ:42,44,46,48,50,52
価格:¥51,700(税込)
商品番号:21-23-1628-298

そして今回<IGARASHI TROUSERS>されているのは「カレッジフラノ」をベースに、現代的なアプローチでアレンジを加えたミディアムウェイト仕様のファブリックです。



具体的には、縮絨や起毛といった基本工程はそのままに、使用するウール糸をより細番手に切り替えることで、軽やかで扱いやすい仕上がりに。従来のカレッジフラノに比べてわずかにウェイトを落とし、穿き心地と可動性を重視したパンツ専用設計としています。目付はおよそ380g/m前後。しなやかでいながら、コシのあるクラシックな風合いは健在です。


もともと<IGARASHI TROUSERS>では、英国製は<William Halstead>を使ってきましたが、今回の別注ではあえて国産のクラフトマンシップに注目。素材のクオリティを確保しながら、価格帯とのバランスに強い手応えを感じています。


BEAMS F ウールギャバジンハリントンジャケット
カラー:KHAKI
価格:¥69,300(税込)
商品番号:21-18-0840-287

他には<BEAMS F>オリジナルのハリントンジャケットに使用されているウールギャバジン生地や、





BEAMS F 1アウトプリーツサキソニースラックス
カラー:GREY CHARCOAL.G
サイズ:42,44,46,48,50,52
価格:¥30,800(税込)
商品番号:21-23-1929-015


同じく<BEAMS F>のサキソニースラックスにも<三甲テキスタイル>の生地が採用されております。

こちらは目付295gほどです。



と言った感じで<BEAMS F>2025年秋冬ラインナップ紹介<番外編><三甲テキスタイル>の紹介でした。

今回は納期の関係でバイオーダーのみでしたが、今後は<BEAMS F>別注で生地をお願いできるかもとのこと。

今後が楽しみですね。


これにて<BEAMS F>のラインナップ紹介は終了です。

明日からはいよいよ<Brilla per il gusto>の紹介、、、、




の前に、説明会でも登場していた商品ですでに入荷、そして伊藤もリアルバイしている商品がいくつかで明日はそちらを先に紹介しますね。




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伊藤 大貴