NEU!“2”

丹羽 望 2023.06.20

NEU!“2”



【限定ピクチャー・ヴァイナル仕様LP】Neu! / Neu! 2〈Groenland〉
価格:¥5,060(税込)
商品番号:29-67-0727-538



初期KRAFTWERKに在籍していた

KRAUS DINGER(クラウス ディンガー)と

MICHAEL ROTHER(ミヒャエル ローター)の

デュオ。通常のロックバンドと共通の楽器を

用いながらも、他に類を見ない不思議な位に

ミニマムで浮遊感のある美しさ。精巧に響く

ギターリフ&永遠に続きそうなドラムス。

恐ろしい位に展開しないシンプルな演奏は

いつの時代に聴いても新しいと思います。(=NEU)


今作は1973年発表の2作目。前作の

コンセプトを更に発展させています...

が、実はA面のレコーディング終了時点で

予算を使い果たしたそうです。で、B面は?

何とA面収録曲や既発売のシングル曲の

回転数を極度に早くor遅くしたものを

新曲として収録し、アルバムとしての

体裁を整えています。針跳びの箇所もあり

ますが、何とそのまま収録されています。

最初に聴いた時、本当に針跳びしたと

勘違いしてびっくりした記憶が...

それにしても、何という発想でしょうか。

当時はB面の“蛮行”に対しては全く理解を

得られなかったそうです。しかしながら

この発想は偶然にも、後世のサンプリングや

リミックスの概念を先取りしていたとして、

時代を経るにつれ、評価が変わりました。





ちなみに、この作品含むNEU!3部作は

CONNY PLANK(コニー プランク)による

エンジニア/ミキサーとしての貢献が

かなり大きいです。一度録音した音源を

ひとつの素材としてニュートラルに捉え

大胆にエフェクトを駆使する事によって

NEU!独自の世界を完成させています。

ある意味ではレゲエ〜ダブと地続きだと

私は思います。(かなりの持論ですが。)




そして何と言ってもKRAUS自身による

アートディレクション。手描きの“NEU”

文字は前作と同一で、その上からは“2”

スプレーにて乱暴に加えられています。


曲名はタイプライター表記です。

収録時間は味のある手描き数字にて

訂正されています。(何故?)



それにしても、50年後の2023年に

ピクチャーディスク化されるとは!

きっと宇宙のどこかにいるKRAUSは

びっくりして喜んでいるでしょう。


そう言えば、当時日本盤が発売された

際は邦題は“電子美学”...ちなみに1stは

“宇宙絵画”、3rdは“電子空間”...なるほど。

当時のレコード会社担当者の当惑ぶりが

伝わってきます。笑



最後に

個人的思い出を少し。

2000年代前半にKRAUSは自身の

プロジェクトLA?NEU!(ラ?ノイ!)を

率いて来日しました。顔をシルバー色で

塗りたくり、白いオーバーオールを着て

颯爽とギターを弾いていました。

そして2周り位若いドラマー×2人が

完全シンクロで例のミニマムなリズムを

叩き出していました。45分を超えた

演奏もあり、ノックアウトされました。

やはりKRAUSはいつの時代も稀代の

ミニマリストのままでした。



いつの時代も新しく(=NEU)

幅広いジャンルのアーティスト達に

刺激を与えていたNEU!の音楽。


皆様にも是非おすすめ致します。


以上、ビームス プラス 原宿の

クラウトロック愛好家 丹羽でした。






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