「感情をそのままさらけ出すのは自分には合わない。だから今、ただこの瞬間に沈み込んでいるんだ。ただ静かに、感じ取っている。」-Eli Kezler

ニューヨーク出身のドラマーであり、作曲家、ヴィジュアル・アーティストでもあるEli Keszler(イーライ・ケズラー)による新作アルバムが入荷しました。個人的には好きなドラマーの中で上位3位に入る人物です(並ぶのはChris DaveとMakaya Mccraven)。確かなスキルに裏打ちされた上で、自由な発想で叩くそのセンスと、錘のような金属をスネアにいくつも置いて、カチカチっと響かせる独特の音色が特に堪りません。
活動初期の作品は現代アートといった印象で、現にインスタレーション作品をいくつも発表しています。
後にOneohtrix Point Never(OPN)やLaurel Halo、Skrillex等のサポートを務めたことで、さらに知名度を上げた印象です。実験的なエレクトロニック・ミュージックを生演奏で見事に再解釈させています。
さて今作についてですが、前作同様古いノワール映画のような世界観を踏襲しています。LAジャズを代表するサクソフォ二ストSam Gendel。また、人気レーベル<Stones Throw>からのリリースでも知られるボーカリストSofie Royerという意外な客演の支えもあり、前作以上にどろっと蕩けるような耽美な雰囲気が全体に漂っていますね。そして、ダウンテンポからドラムンベースまで、緩急の利いたドラムがアルバム全体に輪郭を与えています。冒頭に載せた彼の言葉通り、沈み込んだ心の深い部分から世界を静観しているようなクールさがかっこ良いのです…。RadioheadからThe Velvet Underground、The Doors、Nine Inch Nails、Nicolas Jaar等々。退廃的な美しさと実験性が掛け合わさったこれらのアーティストがお好きな方は是非!
【LP】Eli Keszler / Eli Keszler〈LuckyMe〉
価格:¥4,620(税込)
商品番号:29-67-1425-813