あさごはんのにおいがする。

大久保 マキ 2020.01.15

あさごはんのにおいがする。

まだ頭が働いていないのに、それでも動き出さなければいけない朝。

「もう起きなさい」

と、自分の背中を押してくれるのが、あさごはんのにおい。

ああ、いちにちがまた始まるんだな。

ぼーっとした脳みその中に、そんな司令が鼻を通ってやってくる。






トースターの扉を明けて、小さなカップに水を少し。

扉を閉めてダイヤルを回すと、手にころころと伝わる振動。

うちのネコが喉を鳴らしているようでかわいらしいな。

仕上がりまで点滅している光が、自分のエンジンがかかるまでのカウントダウンみたい。




トースターから家族に広がってゆくにおい。

まわりがカリカリしてきて少し焦げ目がつきはじめている。

もうすぐ焼けそう。




眠っていた脳みそが、おなかがへったと動き出す。

いちばんおいしい時に、いちばんおいしく食べるために、コーヒーにミルクも用意しよう。

人間は、おいしいの前ではとても素直だ。

あさごはんはトーストとミルクだけ。

慌ただしい平日の朝は、そんな日がよくある。

そこにフタを開けるだけのヨーグルトがあってもいいな。

今日はどのジャムを塗ろうか?




子どもを産んでから、時間がなくなった。

丁寧にだし汁をとって、ごはんを炊きたいのだけれど、その時間がない。

だけど、本当は時間がなくなったのではなくて、時間を持っていきたい方向が変わっただけだった。

いちにちを無事に過ごす身体でいるために、できるだけたくさん眠りたい。

朝のなんでもない娘の話をたくさん聞かせてほしい。

大切にしたいことは、日々の暮らしのなかで移ろうものなんだと思う。




パンにバターを塗って、トースターが焼けたよとお知らせしてくれるまで10分。

耳に届く心地よい音。

急いで扉を開けて、そっとお皿へと乗せる。

いちばんにこの焼き上がりのにおいを味わえるのは、あさごはんを用意している私の特権。




いただきます。

口の中では芳ばしさとふわふわした食感、バターのたまらない風味。

それを強く感じられるように、うちはいつも分厚めの食パン。

おいしさは、単純に人を幸せにしてくれる。

トースターを買った日から、私の暮らしにはしあわせな気持ちと、朝の大切な時間が生まれた。

このトースターが私の丁寧に暮らしたいという気持ちを助けてくれている。




無理をしない。

大切にしたいことを考えてみると、時間の使い方がわかりはじめる。

自分に合った時間の使い方をしていこう。

おなかがいっぱいになると、時計が気になり始めた。

ごちそうさまでした。

今日も、いちにちをはじめよう。




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