2022春夏スタイリング Vol.12

皆様、おはようございます。

とある絵本のお話。みんなの力で敵を倒した後、主人公の「エイエイオー！」というセリフに、「おそっ！」とか「なんでさいごに？」とか必ずツッコむ5歳の息子。同感のドレス担当、川口で……と書こうと思ったのですが、よくよく調べてみると、戦国時代の合戦直前、自陣を鼓舞する為の“鬨の声（ときのこえ）”としての役割と、合戦勝利後の“勝鬨（かちどき）”として発する意味があるらしく、今度、息子がツッコミを入れた時は教えてあげようと思うドレス担当、川口でございます。

今回は、ハンティングジャケットをモードに、です。

〈AUBERGE（オーベルジュ）〉のコットンリネンブルゾンです。

フランスのヴィンテージハンティングジャケットを現代的シルエットにアップデートしたモデルBOULOGNE（ブローニュ）。

ゆったりとした身幅から大胆に波打つシルエットは、古着を選ぶ時の「このくらいしょうがないか…」という、サイズの妥協を完全に払拭する狙い通りの完全体。

ハンティングジャケットらしいモタッとした袖のラインは、旬なオーバーサイズに通ずる機能美の最たるところ。腕の可動範囲が大きいピボットスリーブ採用の細部の拘りに抜かりはありません。

ポケットは全5箇所。左胸のパッチ＆フラップ。同じ仕様で右胸の裏側にも。

ハンティングジャケットの場合、所持品の落下防止の為、フラップにボタンを付けるのが一般的ですが、ポケットが全面に出るのでイカつくなるのが正直なところ。腰ポケットの入口は、補強を兼ねたダミーフラップのスラント仕様。

もしかしたらこういう仕様のヴィンテージ品があるのかもしれませんが、イカつさが軽減された街着としてのバランスの良さがあります。

最後のポケットは、背面に設けられたゲームポケット。使わないにしても、これがあるだけで拘っているか否かが一目瞭然です。背面のみ裏地が設けられ、表地と裏地の間がポケットとして機能します。

フランスのハンティングジャケットを語る上で、決して外せないアニマルボタン。上質のヴィンテージボタンを相当数かき集めるのは困難です。でも、ヴィンテージに見える…。そう、〈AUBERGE〉はつくるのです。市販のものではなく、一からつくったのです。脱帽です。※色違いのガーデンベージュには違うボタンが付きますので、ご注意下さいませ。