2022春夏スタイリング Vol.18

皆様、おはようございます。

まだまだ「か行」が苦手な5歳の息子。私に折り紙を教えてくれた時、「こことここをこう。そう、こう。こうじゃない！こう！」が、「とととととをとう。そう、とう。とうじゃない！とう！」。笑いが止まらなかったドレス担当、川口でございます。

今回は、“1st”です。

〈AUBERGE（オーベルジュ）〉のデニムジャケットです。

通称“1st”タイプの名作デニムジャケットを、〈AUBERGE〉の解釈により生まれた定番デニムジャケットは、当時のモッタリとしたシルエットを再現、昇華させた現代の気分にマッチするリアルなデニムジャケットを追求しています。

大きな特徴は3つ。サイズを豊富に揃えられなかった作業着故に、仮止めレベルのボックスステッチで止められていたフロントプリーツは、様々な体型に対応していた当時のリアルなアイデア。ステッチがイエローなのも拘りの1つです。

左胸のみに施されたパッチ＆フラップのポケットは、左右非対称のデザインが魅力的です。初期型はフラップなし、改良されてフラップが付き、第二次大戦中の物資統制からまたフラップが省かれ、そして、“2nd”の両胸パッチ＆フラップへと改良されていきます。

後ろの裾辺りに施されたシンチバック。無論、サイズ調整用のバックルです。当時は2本針を生地に直接刺していましたが、現代では法律上無理なので、生地に小さな穴を施し、バックルのピンを引っ掛ける仕様になっています。

法律で無理でも諦めないこの再現度。ちゃんと2本針風の仕様とギザギザの滑り止めにも拘っています。以上が、“1st”最大の特徴ですが、まだまだ拘りがあります。

随所に施されたリベットは、デニムウェアのマストパーツ。特にヴィンテージのものに見られる打ち抜きタイプのリベットの場合、生地がチョロっとはみ出てきます。不良品ではありませんのでご安心を。

リアルすぎないところも魅力の1つです。鉄製、銅性、ドーナツボタン、社名の刻印、月桂樹などなど…、ボタンの仕様は年代によって様々な“1st”。デザイナーの小林氏が、海外で買い付けてきたヴィンテージのボタンがアソートで取り付けられ、ワークジャケットの様相は、センス溢れるデザイナーズブランドとして様変わりしています。

再入荷分の今回のデニムジャケットは、4番目のみアソートのボタン。他の黒いボタンもところどころにラッカーが剥げたヴィンテージの雰囲気を醸し出しています。

ワンウォッシュの濃いインディゴと対比する美しいオレンジのステッチワーク。この状態の“1st”が現存していたら、ウン千万は下らない事でしょう。作業着からファッションアイテムとなって約100年。男のロマンを掻き立て、永遠の定番となった“1st”。これからまた100年、ひまご、やしゃご…と受け継いでみるのはいかがでしょうか。

AUBERGE / PREMIER デニムジャケット
カラー：インディゴ
サイズ：38〜42
価格：￥52,800（税込）
商品番号：24-18-0337-608