2021秋冬スタイリング Vol.65

皆様、おはようございます。

4歳の息子とお風呂に入っていると、曇った鏡に何かを書いている様子。「パパ、みて！しょうがつ！」と言うので、ふと鏡を見上げると「正月」の文字が。えっ！？と驚き感動して思わずハナマルを書いてあげると、「正月」の文字を消してしまって怒られたドレス担当、川口でございます。

今回は、イタリアブランドなしのラギッド君、です。

〈Barbour（バブアー）〉のオイルドコットンブルゾンTRANSPORT（トランスポート）です。

1990年代から2000年代までの短期間の展開だった為、古着市場では入手困難のTRANSPORT WAX（トランスポートワックス）が、2020年の復刻を機に注目を集めています。

そもそもの用途は多岐にわたり、その使い勝手の良さと削ぎ落とされたデザイン性、オーバーサイズのトレンド性などなど、あらゆるジャンルのカルチャーで取り入れらている経緯があります。

ブランドの代表モデルBEDALE（ビデイル）と二分する人気を予感させるTRANSPORTは、比べてとにかくシンプルの言葉に尽きます。ハンドウォームポケットのみの潔いデザインですが、二重構造により雨水の侵入を防ぐポケット入口はさすがの拘り。

前立てのフラップを開くと、ファスナー付ポケットも装備されている為、大切な小物の収納も心配ありません。

ゆったりとした全体のシルエットにラグランスリーブを採用。厚手のニットはもちろん、ジャケットの上から羽織っても十分な可動域が確保されています。

ショートレングスに属するも、近年人気のSPEY（スペイ）よりやや長く、BEDALEよりやや短めの着丈が良い塩梅です。

裾まで絞りのないストンと落ちるシルエットは、アクティビティにストレスなく活用できる反面、防寒対策に不安が残るところ。裾回りに取り付けられたパウダースカートが、主に風の侵入の防ぐ大きな役割を果たします。

最高級エジプト綿にオイルを染み込ませた鈍い光を放つオイルドコットン。ヘビー、ミディアム、ライト、とあるウエイトの中でも6オンスのミディアムウエイトを採用しています。全天候型対応の防水性と通気性を兼ね備え、通常使用においての強度は全く問題ありません。

全閉すると、コーチジャケットに例えられる理由も納得です。

ここまでする方をあまりお見かけしませんが、〈Barbour〉と言えばチンストラップ。袖口にもゴムが仕込まれている為、これで、首、袖口、裾からの風の侵入を防ぐ事ができます。

Barbour / TRANSPORT オイルドコットンブルゾン
カラー：セージ
サイズ：34〜42
価格：￥50,600（税込）
商品番号：21-18-0438-197

インナーの〈GUERNSEY WOOLLENS（ガンジーウーレンズ）〉、別注Vネックカーディガンです。

〈GUERNSEY WOOLLENS〉については、Vol.58を是非ご覧下さいませ。そちらでも〈Barbour〉と合わせています。

インラインのクルーネックカーディガンをVネックカーディガンに変更し、サイズスペックも見直した別注仕様です。

私、ネイビーを購入させていただきました。率直なレビューは、とにかく暖かいです。イタリアニットの洗練されたシルエットと溶けるような質感も良いのですが、私のオフスタイルの場合、ヘビーウエイトのロンTにパッと羽織ってジーンズ…みたいな休日着なので、とても重宝しています。

一目で〈GUERNSEY WOOLLENS〉とわかる特徴的な肩のつくり。平置きすると真横に袖が付いている為、腕を下ろすと脇の下に大きなシワが入ります。ブランドの経緯を理解すれば愛おしいシワとなり、いずれ体に馴染んで気にならなくなります。

決してオーバーサイズではなく、理に適ったドロップショルダーなのでご注意を。

英国北東部のサウスシールズを創業とする〈Barbour〉。そこから本土を離れ、ほぼフランス寄りの英国領チャネル諸島のひとつであるガーンジー島で生まれた〈GUERNSEY WOOLLENS〉。悪天候の下で働く水夫や港湾労働者の為に生まれたオイルドコットンの〈Barbour〉と、同じく厳しい環境下で働く漁師の為に生まれたフィッシャーマンニットの〈GUERNSEY WOOLLENS〉。職種は違えど、海で働く男達の為につくられたルーツの組み合わせが合わない訳ありません。