今回はNYのラテンソウルミュージックを牽引した存在、Joe Bataan(ジョー・バターン)をご紹介します。

先ずは簡単なプロフィールから。
Joe Bataanは1942年にイーストハーレムでフィリピン系の母とアフリカンアメリカンの父の間に生まれました。
そしてイーストハーレムでプエルトリコ系のストリートギャングを率いていたのですが、車の盗難で刑務所に収監されます。
刑務所から出所してバターンは音楽に興味を持ちはじめ、Joe Bataan and the Latin Swingersというバンドを結成します。
そして60年代にNYのストリートで大流行するラテンソウル(ブーガルー)の立役者となるのです。
ラテンソウルとはその名の通りラテンミュージックとソウルミュージックが融合した音楽ジャンルの事を指します。
彼の独特な音楽はNYという人種のるつぼが生み出した特異なものだと思います。
アメリカは人種のるつぼと言われるほど多種多様なバックグラウンドを持った人々が暮らしています。
この特殊な環境のもとで様々な文化と人種は混ざり合っていったのです。
ラテンミュージック独特の陽気な音と、ブラックミュージックの独特なリズムが混ぜ合わさったブーガルーはまさにNYでしか生まれない音楽でしょう。
母はフィリピーナ、父はアフリカンアメリカンで自身をアフロ・フィリピーノと呼ぶJoe BataanにはラテンとR&Bがミックスしたブーガルーという音楽ジャンルはピッタリはまったのでしょう。
耳にすればJoe Bataanだとわかる特徴的な歌声をR&Bのようなジャズのようなラテンのようなユニークなリズムに乗せて歌い上げる彼の音楽は唯一無二のものでしょう。

(お気に入りの1枚です。)
この血や文化が混ざり合った国のもっとも栄えたNYを象徴するようなJoe Bataanの音楽は今でも新鮮に感じられます。
お店ではよく流しているので是非遊びにいらして下さい。