Creed Taylorというジャズ界のカリスマ(CTI Records)

Shinnosuke Okada 2021.02.08

前回のブログではImpulse! Recordsというレーベルをご紹介しました。

今回はそのImpulse! Recordsとも関係の深いCTI Recordsというレーベルをご紹介します。



この二つのレーベルはどちらもCreed Taylorというアメリカのモダンジャズ史に名を遺す大物によって立ち上げられました。

Creed Taylorは1960年にImpluse! Recordsを立ち上げます。その翌年に他のレーベルへ移籍します。

そして1967年にCTI Recordsという名門レーベルを作り上げるのです。




70年代のジャズはMiles Davisを筆頭として、ジャズが大きな変革を迎えた時代と言えるでしょう。

Miles Davisが72年に発表した「On the Corner」というアルバムがわかりやすい例と言えるでしょう。

「On the Corner」にはジャズ以外の音楽(R&B、ファンクミュージックなど)から着想を得たと思われる意欲的な曲が収録されています。


この内向的な態度から外向的な態度へと転換していく流れを加速させたのがCreed Taylorでしょう。

新たに立ち上げたレーベルでCreed Taylorが目指したのはジャズの大衆化でした。

ジャズの大衆化を進めるために彼が行ったのは、R&Bやワールドミュージックなどの曲をジャズプレイヤーとしての解釈を加えてカヴァーさせるという事でした。

70年代の大転換にいち早く注目し、レーベルを立ち上げたクリードタイラーはジャズの歴史を変えたといっても過言ではないほどの影響を与えたと思います。



70年代以降には彼の築いたムーブメントに影響を大きく受けたアーティストたち(以前ご紹介したHerbie Hancockなど)が作品をリリースしていくことになります。


私がCTIレコード所属のアーティストでもっとも好きなのは、George Benson(ジョージ・ベンソン)です。

私のお気に入りである「Bad Benson」というアルバムはジャズ的なリズムの上にファンクやR&Bらしいサウンドを乗せており、ブラックミュージックのいいとこ取りといった一枚に仕上がっています。




(ギターのフレーズが非常にかっこいいのでロックやブルースも好きな私としてはたまらない一枚です。)



CTI Recordsは今日のジャズの礎となったといえる非常に強い影響を様々なアーティストに与えたレーベルなので聞いた事がないという方はぜひ聞いてみてはいかがでしょうか。