現在劇場で公開されている「サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス」という映画をご覧になられたでしょうか。
この映画はもともと1974年に公開されたもので、当時は日本では公開されていませんでした。
しかし、半世紀の時を越え、日本のスクリーンにやってきました。
そしてこの映画のなかで脚本・主演・音楽を担当しているのが、Sun Raというジャズミュージシャンです。

Sun Raはアフロ・フューチャニズムの先駆者として非常に有名です。
彼の宇宙思想と様々な音楽のジャンルという垣根を越えてゆくサウンドは以降の多くのアーティストに影響を与えています。
サウンドだけでなく、彼のパフォーマンス全体が革新的だったと容易に想像できます。
アフロ・フューチャニズムについては彼の映画を見ていただければより感覚的な理解に繋がると思うのですが、基本的には故郷を強制的に追われた歴史を持つ、アフリカン・アメリカンたちが宇宙に故郷を求めたというものです。
そのため、宇宙を感じさせる視覚的表現がアフロ・フューチャニズムのアーティストたちの特徴となっています。

アフロ・フューチャニズムで有名なミュージシャンとしては、ファンク界の帝王 Earth, Wind & Fireやヒップホップの開祖の一人 Afrika Bambaataaなどが挙げられるでしょう。世界的に成功した大御所アーティストたちの世界観や演出に多大なる影響を与えたSun Raのすごさがこれだけでわかりますね。
(Earth, Wind & Fireの「Let's Groove」のPVやAfrika Bambaataa & the Soul Sonic Forceの「Planet Rock」のPVを見ていただければ彼らの世界観やユニークな視覚的表現に触れることができると思います。)
彼は多作なことでも有名で、膨大な数の作曲をし、レコーディングを行っています。
そのため、音楽的な側面から彼について語るのは容易ではありません。
ピアノの美しく理性的な音源もあれば、力強いボーカルと野生的なパーカッションが目立つ曲もあります。
ある時はオーセンティックなジャズマンで、またある時は意欲的な実験音楽をパフォーマンスするアーティストであります。
私は「Sleeping Beauty」というアルバムが一番好きです。
Sun Raのジャズアーティストとしての才能を一番ダイレクトに感じることのできる一枚に仕上がっています。
今回はレコードラックからSun Raという異色のジャズアーティストのご紹介でした。
ではまた次回!