シティポップが国内外を問わず大流行しています。
まずシティポップってなんなのかという点からお話します。
国産の歌謡曲ではないポップスのことを指すんだと私は思っています。
どこからシティポップの流れが始まったかというと、「はっぴいえんど」と「シュガー・ベイブ」が良く挙げられます。
個人的にはシュガーベイブからだと思うのですが、いずれにせよ「山下達郎」「大貫妙子」「細野晴臣」あたりのアーティストたちが起点となり、1970年代ごろに産声をあげた音楽ジャンルだと言えるでしょう。

シティポップの流行は日本の高度経済成長が密接に関係しています。
日本が経済的に豊かになり、物質的にも精神的にも余裕が生まれたことで大きなブームとなったのがシティポップです。
余裕が生まれたことで、新しいライフスタイルを模索する精神性が日本の都市のなかで発展し、西洋文化を日本の土壌を通して再解釈したものが新たなライフスタイルとして定着しました。
その流れの中で、音楽もアメリカやイギリスのサウンドを日本なりに解釈して取り込み、新しいものとしてアウトプットした。その結果がシティポップの誕生ではないでしょうか。
非常に不明瞭なジャンル分けである、”シティポップ”という名のもとで様々な音楽を海外から輸入・吸収・再解釈して音楽が生み出されました。
立ち返って聞いてみるとロック・フォーク・R&B etc...から影響を受けたであろう音楽をシティポップのひとことにごちゃ混ぜにしているなと感じます。
そして多様なアーティストが国内で次々と生まれる過程のなかでジャンルが整理され、住み分けがはっきりさせられたことでシティポップ帝国は終焉を迎えたのだと思います。
しかし現代、失われた帝国が復活しています。
これは日本でガラパゴス的な進化をとげた音楽ジャンルがアメリカやイギリスの音楽好きたちに"発見"されたことに端を発するのではないでしょうか。
シティポップを聞いたことのない海外の音楽マニアたちからすると、貪欲にジャンルレスで新たな音楽を生み出そうとする姿勢・サウンドは新鮮に映ったことでしょう。
ヒップホップの流行もシティポップの復活に一役買っていると思います。
サンプリングし、様々な音楽を元ネタに新しいビートとして再構築するヒップホップ。ジャンルレスに海外の音楽を取り込み再解釈するシティポップ。この二つの相性は抜群で、ヒップホップカルチャーの流行とともに、シティポップも理解とファンを獲得することに成功したのではないでしょうか。

お店にはシティポップと呼ばれるアーティストのレコードが結構あります。
ぜひ日本が世界に誇るガラパゴスミュージックと素敵な洋服を満喫するためにお立ち寄りください。