お久し振りです。
梅田店から六本木ヒルズ店に転勤になってからは初の執筆となります今回の記事は、2019 S/Sのラインナップで私が最も気になっていた商品のご紹介をさせて頂きたいと思います。

S/Sとは言ったものの、関東地区には”今季最強”とも称される寒波が到来する等まだまだ寒い日が続く今日、やはりアウターは欠かせません。
自身、冬のアウターにはそろそろ飽きを感じていた時分で、満を辞して入荷してきたこちらを即日購入致しました。
BEAMS PLUS / ミリタリー レザーブルゾン
価格:¥55,000+TAX
商品番号:11-18-4456-202
私は以前から、フライトジャケットの永遠の名作、”キング・オブ・オトコ服”と言っても過言では無い”A-2”を探していたのですが、サイズや状態、価格等でなかなか納得のできるものに出会えずにおりました。
そんな矢先に入荷してきたこちら、早速袖を通してみたのですが、驚くべきはその着心地です。
マテリアルには”A-2”を踏襲し、贅沢に”ホースレザー”を使用。
“ホースハイド”と言いますと、重く、そして硬く、幾度も着用を重ねて馴染むまでにかなり時間を要する”根気のいる素材”という認識の方も多いかと存じます。
しかしながら当品に採用されている其れは、オリジナルとは違い”クローム鞣し”の物を採用。
今までのイメージを払拭する軽さがあります。
各所ディテールにもアップデートが施されており、タウンユースには嬉しい”ハンドウォーマーポケット”が。
フロントは”ジッパー”から”クレーター型スナップボタン”へ変更となっております。
先のスナップボタンを廃した襟はオリジナルよりもややコンパクトなサイズに。
また、袖口のリブ、エポレット、アクションプリーツも取り除き、全体を通して非常にファッショナブルな印象に仕上がっております。
裏地には上品なセージグリーンの”キュプラ”を採用。
“コットン”の裏地とは違いスムーズな袖通しを実現し、着用感の向上に一役買っています。
また裾口のリブはポリエステルとコットンの混紡素材となっており、オリジナルに採用されているウールリブ特有のチクチク感は一切感じません。
さて、細部について散々ご紹介をさせて頂きましたが、誤解を恐れずに表現するのであれば、こちらはまるで”コーチジャケット”の様なディテールが随所に散りばめられており、謂わゆる”A-1”や”A-2”等のフライトジャケットとは全くの”別物”でございます。
しかしながら、リアルな着用を考えた素材使いやディテールは正しく”現代のオトコ服”の其れと呼ぶにふさわしいものに仕上がっており、是非ともお手にとって頂きたい逸品でございます。
尚、こちらのジャケットはあいにく六本木ヒルズ店では展開がございませんが、店頭もしくはBEAMS ONLINEよりお取り寄せ、ご試着の申し込みもお承りも可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
ちなみに、着用にあたり前もってクリームの塗布も行いました。
今回使用したケアアイテムはこちら。
BEAMS F / シューブラシ
価格:¥800+TAX
商品番号:21-65-0104-231
クリームは”M.MOWBRAY PRESTIGIO クリームナチュラーレ”。
天然由来の油脂成分が含まれているので、しっとりとした質感に仕上がり、自然な光沢を出すことができます。
ブラシは弊社ドレスレーベルでお取り扱いしている豚毛ブラシ。
シューズ用のブラシですが、コンパクトで汎用性が高く、自身もシューズは勿論、レザージャケットから鞄までありとあらゆる物に使用しております。
※ブラシはクリームを馴染ませたり磨きをかける際にその成分が残りますので、使用するアイテムやカラーによって使い分けをお勧め致します。
手順は至ってシンプルで、クリームを適量手に取り、優しく全体に塗り込んで行きます。
脇下やヒジの部分は負担がかかりやすいので、気持ち念入りに塗布しました。
※手がベタベタになるので、柔らかい布(タオルや着古したTシャツでも可)を使用しても大丈夫です。私はそのベタベタ感も楽しみの一つと捉えておりますが。
その後、全体的に満遍なくブラッシングを施し、クリームを馴染ませます。
最後に日の当たらない風通しの良い場所で一晩ほど吊るして完了です。
この時に注意すべきは、決してクリームを塗りすぎない事です。
塗りすぎてしまうと、革自体が重くなってしまったり表面がベタベタして着用感を損なってしまったり、カビが生え易くなり、かえって革を傷めてしまう原因となりますのでご注意下さい。
上記でご紹介したケアはあくまでも私自身の我流で、人それぞれに方法があり、”これが正解”というものは無いと考えております。
また“ホースレザー”は非常に丈夫で、日々のブラッシングや乾拭き以外は特に手入れを必要としないと言われたりもします。
とは言ったものの、やはりデリケートな天然素材、着用始めやシーズンオフにこういった手入れを行う事は、単純に洋服の持ちを良くするだけでなく、その洋服と長く付き合っていく上で非常に重要な事だと考えております。
ビール片手にゆっくりと時間をかけてケアを施し、着用と共に”育ってきた”ジャケットを眺める時間は正しく”至福の時”です。

皆様にも是非、この”オトコの服”を着用する歓びを実際に感じて頂けたらと存じます。
寒い雪の休日、暇を持て余した気まぐれの執筆でした。
それではまた。