
小さい頃から音楽が好きだった。
兄の部屋のブラウン管から聴こえてきた音は、全身に雷が走ったかのように僕に衝撃を与えた。
それから僕の側には音楽が常にあった。写真を見てもらえれば一目瞭然ですよね(笑)。ミュージシャンでもないただの一般人なんですけど。音楽は自分では表現できない感情を表現してくれたようだった。
そして、20歳の時に入社した<BEAMS>。洋服のことも右も左も、上も下もわからない自分にある先輩が言った。
「音楽好きなら VAPORIZE着なよ」
入社当初は自分の好きなスタイルやある程度の系統も定まらず変に背伸びをしていたけど、バチっとやり過ぎない、無理をしてないリアルで等身大の自分をVAPORIZEは映してくれたような気がした。
そして気が付けばすっかりVAPORIZEを好んで着ていた。(と同時にだんだんトレードマークのマレットヘアにもなっていった。)
以前勤めていたビームス 立川では、VAPORIZEといえば水野と言ってくれるスタッフまでいたし、他店舗でもそう言ってくれる人が居た。素直にとても嬉しかったが、ディレクターとの出会により商品企画に参加させて頂いた事が何より嬉しかった。それまでただVAPORIZEのファンだった自分にとってこの経験は人生のターニングポイントと言っても過言では無い。いまの自分が在るのはそんなVAPORIZEに携わっていた全ての方々のおかげでした。
2月を持って<VAPORIZE>は23年の活動に幕を閉じることになった。
「keep it real,just as you are,Your true style lives on」
〜ありのまま、個々の根底にある等身大のスタイルはずっと続いていく〜
これはVAPORIZEのテーマである。トレンドという概念が無くなりつつある近年。ブランドは無くなってしまうが、この"個々の根底にある等身大"という言葉がこれからのファッションの可能性を引き出すキーワード、または答えだと僕は感じます。
上のスタイリングに着ているアイテムはもう販売していませんが、ラストコレクションはオンラインで販売しております。
