こんにちは。
最近ふと、懐かしむこと。
その思い出があるのはとても幸せなことだと東京に来て暮らしていてじわじわと思っています。
さてさて。
今回ご紹介するのは川元陽子さんの風景画シリーズ。

絵の前でゆっくりと呼吸すると、懐かしい思い出がゆっくりと蘇る、そんな作品です。
今年地元に帰れず、バタバタと忙しい生活をしていらっしゃる皆様、一息つきに是非ご来店ください。
川元さんの地元は大分県。
昔旅行や出張で九州に行った時に、なんでも美味しいご飯と穏やかな町並み。
そして温かい人にじんわりあったかくなったことを思い出します。
そんな町並みの日常の風景の写真は誰もが思わず過去の良い思い出を五感から感じる作品では無いでしょうか。
こちら風景画の作品のシリーズの制作年は2011年のものから2020年の作品です。
川元さんの作品は写真を撮って、それを絵にする。というやり方で制作されています。
作品の制作は2011年から2020年のものでも、その写真はいつに撮られたものかわかりません。
そのため古い車やなんだか懐かしいトタンの小屋なども描かれています。
私が川元さんの作品をみて知ったことは、写真以上に五感の感覚を鮮明に思い出せるということ。
たとえばこちらの作品。

この作品を見て、私は小学生の頃のラジオ体操の帰り道を思い出しました。
朝方のセミの声を聴きながら、太陽を眩しく目を掠めた瞬間や、葉っぱの匂い、足に絡まる雑草や、電信柱を数えながら姉と帰った朝方の帰り道。
日常で思い返そうと思っても思い返せない日常すぎる一場面。
その匂いや当時の自分の考え、頭の片隅にあった小さな思い出を一瞬で思い返しました。
もう一つ知ったことは、作品は動いている、生きているということ。
この作品をぼんやり見ていると雲が動いているように思いました。
昔から空をよく見ていたので(今思うと滋賀県は虹が出る日が多いように思います)そのぼんやり空を見ていた時の雲の動きの速さにびっくりしつつも心が落ち着く、そんな中学生の時の部活の走り終わった後の休憩時の思い出を振り返ってしまいました。
川元さんの絵には、穏やかながらも優しいエネルギーを感じます。
それは自分の良い思い出を振り返らせてくれ、心の拠り所を脳みそが探している、そんな感覚。
この一年、心が忙しい日々を過ごした方も多いと思います。
この時期に川元陽子さんの展覧会を開催できたことにとても感謝致します。
展覧会は12月30日まで。
みなさまのお越しをお待ちしております。
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