スタッフ「無藤 和彦」の記事

クラブレジメンタルの秘密

こんにちは 無藤です。

展示会シーズンのバタバタもようやく落ち着き、デスクにいる時間が増えてきました。今回は、洋服好きの皆様にはとても興味深い「薀蓄ネタ」をご紹介しますね。このところ、「クラブレジメンタルタイ」が、全国のビームスで、スタッフを始め顧客様たち、またヤングビジネスマンたちにとっては、とても新鮮に見えるようで、どの世代からも絶賛していただき大人気。追加生産が間に合っていなかったのですが、ようやく入荷してまいりました。


この「クラブレジメンタルタイ」の素材には特別な技術が使われており、それによって、他のレジメンタルタイのようにペタッとした風合いでなく、しっかりとレップ素材の畝(うね)が立ち、柔らかい手持ち感に仕上がっています。
私が、ビームスに入社して間もないころ、「HILL&DRAKE社 (現在のDRAKESとCHARLES=HILLの前身)」のレジメンタルタイが、他のタイブランドの商品と比べて、ものすごくきれいに畝が立っていて明らかに高級感があるなと感じていました。それを、ネクタイメーカーの方に話したところ、特別な技法があって、今でも日本にそれが出来る職人さんがいらっしゃるとの情報を得ることが出来ました。もちろん、即決での発注となりました。
この生地の風合いを出すための肝は、「整理をしない」という点にあります。一般的にネクタイ生地は織りあがった後に、表面に残る細かなしわを消すために、樹脂やのりなどを使い表面をきれいに加工します。それを「整理」といいます。しかし、ビームスのクラブレジメンタルタイはこの「整理」をあえてしていないのです。そのかわり、職人さんの手作業で、裏からスチームアイロンを当てながら、畝を立たせ柔らかなコシを出しているのです。さらには、きれいな畝を作るために、織り込んだ糸と糸の間に、微妙な隙間を作るために「空気を一緒に織り込む」そうです。ここまでいくと職人さんの感性で、私も何のことやらわかりません。ただ、すごい技術を駆使した最高の見た目と風合いを持ち合わせた生地だという事には間違いはありません。

今年の1月のPITTI UOMO展示会でも、ファッション好きのイタリア人業界人たちがこのクラブレジメンタルタイをしており、私にもとても新鮮に写り、絶対に発注しようと考えていたものの、なかなか思っていたものにめぐり合えすにいましたが、ネクタイメーカー様に相談してよかったです。
いかがですが、ビームスのクラブタイは、他のタイとは一味違いますよ。


オリジナル商品企画への情熱 コート編その1

無藤です。

季節も移り変わり、肌寒く感じる日が続くようになってきました。もう、秋冬の服を着るのに十分な季節が到来し、今年のトレンドアイテムのコートに早く袖を通したいのは、私だけではないと思います。そのようなタイミングで、是非とも、服好きを自負する私たちが、オリジナル商品を企画作成する時にかける情熱と思い、そして、それがどのように商品に反映されているのかという事を、お知り頂きたいと思います。
ということで、今回はブリッラオリジナルコートについての熱い思い(その1)です。


ブリッラオリジナルモンゴメリーコートです。

ダッフルコートではないんですか?という声が聞こえてきそうなので、少しご説明させていただきます。モンゴメリー社は以前は「チベット」というブランドで、英国海軍向けにダッフルコートを提供していました。そして、セカンドウォーの際に、英国海軍の軍服として正式に採用されたのもチベット社のダッフルコートでした。つまり、正式な英国海軍のダッフルコートはモンゴメリー社製になります。そのモンゴメリー社をリスペクトし、1860年代当時の直線的なボックスシルエットをモチーフに、その直線構造の魅力を失うことなく、現代的なボディバランスとスペックで企画したのがこのコートです。そのため、あえて「モンゴメリーコート」と、呼ばせていただきたいと思います。


英国海軍のダッフルコートは、1メートルあたり1000グラム(冬物のフランネルのスーツで350グラム程度)はありそうな、スーパーヘビーウエイトのメルトン生地を使用していましたが、現代においては、そんなヘビーなコートは肩が凝って誰も着たくないと思うのではないでしょうか。ただ、このメルトンが持つ独特の堅い手持ち感と風合いは、モンゴメリーコートというからにはどうしても残したかった部分です。そこで、比較的ウエイトの軽いメルトンを圧縮し手持ち感風合いはそのままに、軽い仕上がりに仕立てました。ご参考までに、このベージュは、当時の英国海軍のスタンダードカラーで採用されていた色を再現しました。
その他、トグルボタンは、一度ペンキで染めたものにウォッシュ加工を施し、海岸に流れついた「流木」のようなヴィンテージ感を出しています。麻ひもは、船の備品のロープなどに使われている「サイザル麻」を使っています。

このように、細部にまで情熱を加えて企画したモンゴメリーコートの風合いを店頭で触って頂き、軽さを感じていただくために、是非ともご試着いただきたいと思います。
コーディネートも、このように、タイドアップしたスーティングスタイルに、ヴィンテージミリタリー感満載のこのコートをコーディネートする事で、ものすごくモダンな雰囲気に見えます。また、カジュアルコーディネートでは、ミドルゲージのタートルネックとの相性などもとても良いと思います。ベージュのモンゴメリーコートにブラックのミドルゲージタートルが、とてもかっこよく感じられる今シーズンです。

ノープリーツが好きなんです

無藤です。


ビームス各店も、16AW商品に入れ替わり、すっかり秋らしい店頭へと立ち上がりました。「早く秋物が見たい!」というお客様方は、すでに何度もご来店いただき、ご予約されていた商品のお引き取りや、秋冬商品の先物買いをしていただいていると思います。本当にありがとうございます。
そのような洋服が大好きなお客様方が、今シーズン注目している商品の中に、プリーツパンツがあります。実際に、店舗でもプリーツパンツが売れに売れて、現在、追加発注中です。本当に、ビームスのお客様の洋服に対する感度は非常に高いと、いつもながらに感じております。私も、職業柄、常に「新しいものを着てみる」という事を意識しているので、当然のことながら、プリーツパンツは何本も持っており、実際ローテーションに入っております。
でも、やっぱり、腰回りのすっきり見えて、シルエットがシュッとして見えるノープリーツパンツが好きなんです。そして、ビームスでは、今年もプリーツパンツ同様、ノープリーツにもまだまだ力を入れて展開しております。



今シーズンのコットンパンツは、フィニッシングに様々なタイプがあります。PT01では、こぎれいなコーディネートに相性の良い、ワンウォッシュを中心に展開していますが、画像(左から二番目)のハードウォッシュのブラウンが非常にカッコいいと思っています。ポケットの端の部分を見ていただくと、ワンウォッシュとハードウォッシュのフィニッシングの違いが一目でお分かり頂けると思います。


そして、こちらはあえて、フィニッシングにウォッシュをしていないROTAの上品なノープリーツパンツ。このブランドは、イタリアでも、最高級に入るパンツサプライヤーで、ベーシックなスタイルのパンツを最高の技術とパターンで、作り続けています。そのような事もあって、このブランドのノープリーツは、程よいスリムフィッティングが、成熟した色気を感じさせてくれる、「おとな顔」の一本です。


ROTAのノープリーツパンツは、ウエスマンのディテールに特徴があって、最近のトレンドに見られる「サルトリア・テイスト」といえる、長いウエスマンが採用されています。このディテールを、敢えて見せるといった場合、ノーベルトスタイルやサスペンダーを使った着こなしも面白いと思います。


ウール素材は、二強パンツサプライヤーのINCOTEX&PT01が、ここではお見せしきれませんが、充実の品揃えです。今年あたりから、ウールパンツをカジュアルにコーディネートするスタイルが、PITTI UOMOをはじめとし、メンズファッション誌各社様も特集をしています。タートルネックなどのニットウエアにテーラードコートだったり、ダウンウエアに、ウールパンツをコーディネートして、大人っぽい雰囲気のあるカジュアルスタイルなんかも、新しく見えるのではないでしょうか。そのようなコーディネートをするときも、腰回りがすっきり見えて、ボトムスがスリムラインに見えるシルエットが、自分にとってはまだまだ気分です。


店舗スタッフも様々です。やはり、自分の好みで楽しくコーディネートを楽しむのが一番ですね。私は、まだまだ、ノープリーツがローテーションの中心です。そして、自分の愛着のある洋服に、今シーズンは何を加えたら「今年らしさのある新鮮な雰囲気になるだろうか?」などを考えながら、商品を見ていると、とても面白く楽しいですよ。

今シーズンの注目

無藤です。

今シーズン、ピッティ ウオモなどの、イタリアの展示会でも良く見かけるようになったアイテムの代表がスーツです。近年は、ジャケットスタイルが大きく注目されていたので、サプライヤー各社も、ジャケットの新しい打ち出しには力を入れていましたが、スーツについては、あまり変化のないシーズンが続きました。それが、16年1月のピッティ ウオモの展示会で、「サルトリア テイスト」といった、プライベートオーダーで用いられるディテール使いのスーツを着こなすというスタイルが、ファッションが好きな業界関係者を中心に、自然発生的に広がっていきました。そこから、「スーツを着る」スタイルが、広がっていき、同時にスーツのディテール、色・柄にも新しさが感じられるものが多く提案されるようになってきました。







ディテールでは、サルトリアテイストの雰囲気が感じられる、チェンジポケットやベルトループなしサイドアジャスタ―などが挙げられますが、柄のお勧めというと、なんといってもチェックスーツです。スーツスタイルが広まってきたのは、スーツをカジュアルに着こなすという新しい提案が出てきたため、スタイリングに幅が出たからなのです。たとえば、タートルネックにスーツを着こなすときに、無地スーツでコーディネートするより、柄物の方が、スポーティーな雰囲気やカントリーテイストといったコーディネートをわかりやすく作る事が出来ます。そんな柄物の中でも、チェックが一番新鮮味があり、生地サプライヤー・スーツサプライヤー各社も、力を入れて新しい提案を積極的に出してきています。







写真を見ていただけれは、ビームスF・ブリッラ両レーベルでも、たくさんのチェックスーツを取り揃えてるのがお分かり頂けると思います。スーツ用のチェック生地をチョイスする際に、最も気を付けているのが、上品でさりげないチェック柄を選ぶ事です。スーツをカジュアルに着るスタイリングが出てきたとはいっても、やはり、ほとんどは、ビジネスシーンでの着用になると思います。そんなビジネスシーンでは「さりげないおしゃれ感」が出るような柄物が、一番適していると考えています。









ブラウン系、ネイビー系、グレー系、それぞれに、色々な柄物をご用意しています。無地のスーツやストライプのスーツはクローゼットの中に溢れるくらいお持ちだというお客様には、是非、今シーズンは、チェックをお試しいただきたいと思います。ネクタイとのコーディネートのコツは、スーツのチェックの大きさとネクタイの柄の大きさが近付かない事です。チェック柄が大きければ、ネクタイの柄は小さ目をお選びに、チェックが小さければ、ネクタイは大きめの柄といった感じで、色のコーディネートは、無地スーツと変わりありません。ウインドペンが入ったチェックならば、ウインドペンの色をネクタイの色に使うというのが、相性が良くなるポイントです。

いかがでしょうか。是非、店頭でご覧になってみてください。きっと、気に入って頂ける一着が見つかると思います。

オリジナルシャツのこだわり

無藤です。


ブリッラレーベルでは、毎シーズン、ドレスアイテムからカジュアルアイテムまで、様々なオリジナル商品を企画しています。スーツやジャケットについては、縫製の良さ、生地チョイスの良さ、モダンなモデリング等々を、多くの顧客様から、ご評価いただき、大変うれしく、また光栄に感じております。そして、ビームスではインポートシャツの豊富な品ぞろえに、存在が薄くなってしまっているオリジナルドレスシャツに対しても、細かなこだわりを持って作っています。

今回は、そのオリジナルドレスシャツのこだわりの部分についてお話しさせていただきます。





まずは、襟型。まだまだイタリアでは、カッタウェイワイドが主流ですが、ブリッラレーベルでは、「ENGLISH SPREAD (イングリッシュ・スプレッド)」と呼ぶにふさわしい、ほんの少しだけ襟の長さが短く、襟の開きもセミワイド気味に少しだけ閉じた襟を作りました。この襟を採用したのは、このところのトレンドであるブリティッシュスタイルやアメリカの東海岸のいわゆるアメリカントラッドスタイルを意識したためです。
このようにお話しすると、何となくロンドンの「JERMYN STREET (ジャーミンストリート)」にある、老舗シャツメーカーの襟型をデザインソースにしたという事が、洋服好きの方々でしたらお分かり頂けると思います。





カフスについても、カットオフ・シングルカフスにボタンを2つ付けています。なんともジャーミンストリートの名だたるシャツメーカーの雰囲気を思わせるディテール使いで、英国的な香りを感じていただけると思います。この袖ボタンがカフスに3個付くと、言わずとも知れた1885年創業で、「007」も御用達のシャツメーカーのオリジナルディテールになってしまうので、ブリッラレーベルのオリジナルでは、ジャーミンストリートの香り付けという意味合いから、写真のようなカフスを採用しています。





ジャーミンストリートの老舗シャツメーカーの特徴の一つに、前立てのステッチの入れ方があります。写真のようにボタンを挟むように、前立てが3分割するように、ステッチが縫われており、前立ての両端が浮いているというものです。これは、英国紳士たちが一番輝いていたといわれる19世紀に流行した「フリル シャツ(ベルサイユのばらで、オスカルが着ているようなシャツ)」のフリルの名残だという事です。これも、ジャーミンストリートの香り付けには無くてはならないディテールだと言えます。当然このディテールも採用しています。






ボタンは、薄手の貝ボタン。二重たらい型を使っています。これも、英国のシャツに使われているボタンをいろいろ検証したところ、このような形状が非常に多かったため、この形を採用しました。あらためてみると、薄い貝ボタンは、このシャツのエレガントな雰囲気づくりに一役買っているように思えます。







タブカラーも作りました。襟型は、ビームスFで、一世を風靡した「STEPHENS BROTHERS(スティーブン ブラザーズ)」のドットボタンタブをデザインソースにし、現在のトレンドを加味した襟の長さと、タイをしたときのロール感がきれいに出るように、タブの位置を修正し、うまく、当時のドットボタンタブのディテールをモダンにアップデートしています。




ラインナップはこんな感じです。どれも雰囲気よい仕上がりで出来ました。シャツの素材はすべて、英国の一流シャツ生地サプライヤー「THOMAS MASON(トーマス メイソン)」の高級感あふれる素材を使用しています。こんなにカッコいいディテールのシャツですから、素材も良いものを使わないと生きてこないと考えました。ブリティッシュスタイルにもアメリカントラディショナルにもどちらにもマッチする色柄だと思います。
イタリア製の艶っぽいスーツに、このような端正な表情のシャツを着てサルトリアルックといったコーディネートも、ピッティ・ウオモ展示会で目に付くようになってきました。
是非、ビームス各店で、インポートシャツとなんら遜色のない、素材の良さとディテールの雰囲気を実際にご覧いただきたいと思います。

ブリティッシュビンテージテイスト

無藤です。


この2016AWシーズンにおける、スーツのトレンドと素材をご紹介します。タイトルにもありますように、ブリティッシュビンテージテイストです。


英国の生地とイタリアの生地は、それぞれが持つ特徴が全く違います。


英国生地の特徴は、何と言っても、目の詰まった生地のため強いハリ感があり、構築的でビシッとした仕立てになります。

反対にイタリア生地は、繊維の細い糸を使うため、しなやかで艶っぽい光沢感があり、ドレープがきれいな柔らかい仕立て上がりになります。



2016年1月のピッティウオモでも、「サルトリア ルック」「ビスポークスタイル」といったような、プライベートでオーダーしたようなディテールが、スーツのディテールとしてたくさん取り上げられてきました。

ジャケットの「チェンジポケット付き」やパンツの「ベルトループなしサイドアジャスタ―」などが、まさに、それらの雰囲気を表現している代表的なディテールだと思います。


そのような中で、今シーズンのトレンド満載のスーツをご紹介します。その違いを考えた上で、今シーズンは、サヴィル・ローのテーラーなどで仕立てたような、ビスポークスーツのような雰囲気が気になります。



チェンジポケット付きの、ワンプリーツパンツのスーツですが、素材のトレンドといえる「チェック系」ビンテージ風のハリと腰が強い、がっしりした英国素材に非常にマッチしています。

ジャケットの端に施されている、AMFステッチ、イタリアの高級サルトリアで使われている、穴の小さいボタン (ボタンホールの穴が小さく中心に密集しており、工場のボタン付けミシンが使えず、全てハンドでボタン付けが行われています)が高級な仕立てであるという事を感じさせると思います。



ボタンホールのかがり縫いも、先メス(先にボタンホールの穴をあけて、それをハンドでかがり縫いする方法)で、細部まで、まさに、サビル ローのテーラーで仕立てたような、本格的なビスポークスーツに仕上がっています。

ウールの表面の毛羽をガス焼きした素材と、さりげないグリーンのウインドーペンが昔の生地バンチに見られるような、ヘリテージテイストが感じられます。



生地は、英国の最高級サプライヤーREID&TAYLERのウーステッドを使用しています。生地タグでもお分かりのように、創業1939年の英国王室御用達で、英国の御三家サプライヤーです。(TAYLER&LODGE BOUER ROEBUCK REID&TAYLER)

この商品以外にも、今シーズンは、英国素材を数多く取り揃えています。店舗で、実際に触って頂き、その良さを味わってみてください。
いかがでしょうか。

お問い合わせ品番  21-17-067-1110  79カラー