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考察 Vol.4

皆様、こんばんは。

ドレス担当、川口でございます。


闇夜の独り言、「考察」のお時間です。最近は、1日中このネタを考えるばかりで、もう止めたいのに止められない、でも止めたい、そんなネガティブな私ですが、よく妻には「腰が重いよね…」なんて言われます。わかっているのです。腰が重い理由が。割とのめり込んでしまうタイプなので、そうなると自分でも面倒臭いな、と思いながら、なかなか腰を上げない事が多々あります。例えば、友人にカラオケに誘われると、「えー↓カラオケー↓」と腰が重いくせに、行ったら行ったで、1番盛り上がってしまうタイプです。面倒臭いでしょ。


今回は、「光」について検証してみました。もはや、考察ではなく、検証ばかりしていますが、今回は「ビームス」に因んで「光」です。本来、対象物の明るさを計る照度の単位lx(ルクス)を使って、生地の通気性を考える、という検証です。生地を太陽光に透かしてその照度を計れば、その生地の通気性を示す事になるのではないか、という結論に辿り着きました。例えば、生地が薄手だけど暖かい、または厚手だけど涼しい、というご経験はありませんか。更に言えば、ウールだから暑いまたは暖かい、コットンだから寒いまたは涼しい、という訳ではないのです。

今回は、〈BEAMS F(ビームス F)〉と〈Brilla per il gusto(ブリッラ ペル イル グスト)〉、それぞれのオリジナルのスーツ地で検証してみましたので、ちょっとしたエンターテインメントと思ってご覧下さいませ。


〜ネイビー編〜

其の一

検証結果:1250lx〜1500lx(ウール100%)

一発目なので基準がわからないかもしれませんが、比較的高い数値が出ました。ご覧の通り、生地の向こう側のブラインドやビルが透けて見えます。数値化しなくてもかなり涼しそうです。

BEAMS F / CANONICO ミニチェックスーツ
カラー:ネイビー
サイズ:42〜52 / 44〜52 6R
価格:¥88,000+税
商品番号:21-17-1513-264


其の二

検証結果:800lx〜1000lx(ウール100%)

其の一に比べ数値が低くなりました。ご覧の通り、向こう側がやや透けていますが、其の一程ではありません。しかしながら、これでも大変通気性が良さそうです。

BEAMS F / MARLANE ピンストライプスーツ
カラー:ネイビー
サイズ:42〜52 / 44〜52 6R
価格:¥86,000+税
商品番号:21-17-1525-731


其の三

検証結果:60lx〜100lx(ウール84%モヘヤ16%)

さすがのソラーロです。太陽光を遮断という意味では、合格点と言って良い程、暗くなりました。モヘヤが入っているからと言って、涼しいという訳ではない証拠です。

Brilla per il gusto / CANONICO ウールモヘヤ ソラーロスーツ
カラー:ダークブルー
サイズ:42〜52
価格:¥90,000+税
商品番号:24-17-0699-015


〜グレイ編〜

其の一

検証結果:2250lx〜2400lx(ウール100%)

最初に申し上げておきたいのは、グレイは全般明るかった、という事です。それはそのはずで、ネイビーの方が暗い訳ですから、照度は必然的に下がります。よって、色で検証を分けています。それにしても大変高い数値です。これから出てくるグレイの中には画像だけ見ると、もっと明るいものがあるのですが、何度やってもこの数値が出ました。

BEAMS F / CANONICO グレンチェックスーツ
カラー:グレンチェック
サイズ:42〜52
価格:¥88,000+税
商品番号:21-17-1511-731


其の二

検証結果:1250lx〜1500lx(ウール73%モヘヤ27%)

其の一より明るい気がしますが、数値は下がりました。しかし、十分に涼しいです。検証方法に不安が出てきました…。

BEAMS F / CANONICO ウールモヘヤ ピンチェックスーツ
カラー:グレイ
サイズ:42〜52 / 44〜52 6R
価格:¥86,000+税
商品番号:21-17-1506-264


其の三

検証結果:800lx〜1000lx(ウール100%)

ベースがチャコールグレイという事もあって、上記2つより数値が下がりました。英国製の生地が関係しているのか…。それでも画像を見る限りでは、透け感は十分で涼しそうです。

BEAMS F / FOX BROTHERS ストライプスーツ
カラー:チャコールグレイ
サイズ:42〜52
価格:¥110,000+税
商品番号:21-17-1532-731


〜ブラウン編〜

其の一

検証結果:2600lx〜2800lx(ウール100%)

出ました。今企画の最高値です。本当なのでしょうか。先程の英国製の生地だから暗くなるのか、という仮説が即否定されてしまいました。しかし、実物はブラウンと言っても大変明るいブラウンで、透かして見てもその通気性はうかがえます。

BEAMS F / FOX BROTHERS ハウンドトゥース チェンジポケットスーツ
カラー:ブラウン
サイズ:42〜52
価格:¥115,000+税
商品番号:21-17-1520-264


其の二

検証結果:1250lx〜1500lx(ウール100%)

今企画では平均的な数値でした。やはり暖色だけに秋冬のイメージをしてしまうブラウンですが、実際は色そのものが冬のブラウンとは全く違いますし、何よりこの通気性の良さそうな生地感は、春夏でも着たくなる薄さです。

Brilla per il gusto / DRAGO グレンチェック+ペーンスーツ
カラー:ブラウン
サイズ:42〜52
価格:¥100,000+税
商品番号:24-17-0702-015


〜ブラック編〜

検証結果:10lx〜20lx(ウール100%)

出ました。今企画の最低値です。でもこれで良いのです。こちらのブラックスーツは4シーズンを想定したものですので、背抜き仕様ですが冬にも対応しています。透けなくて良かった、と安心しました。

BEAMS F / CARLO BARBERA ブラックスーツ
カラー:ブラック
サイズ:42〜52 / 44〜52 6R
価格:¥80,000+税
商品番号:21-17-1557-264


以上が、照度ルクスを活用したスーツ地の通気性の検証、考察でした。今企画の為に取得したアプリの信頼性や私の検証方法などなど、疑問点は多々ありましたが、簡単に言いますと、春夏のスーツは少しでも涼しくなるようにできている、という事です。2月中旬には、春夏品を着用しなければならない私達にとって、その時にイヤでも実感します。寒い…と。

在宅勤務を余儀なくされている皆様、このままスーツをお召しにならずクールビズを迎える前に、是非是非、どこかでスーツをお召しになる機会があります事を心より願っております。

それでは、またいつかきっとどこかの深夜にお会いしましょう。


川口


注:今企画について、プロの方には全く違うご意見があると思いますが、どうぞ温かく見守っていただければ幸いに存じます。




考察 Vol.3

皆様、こんばんは。

ドレス担当、川口でございます。


闇夜の独り言、「考察」のお時間です。毎朝7時にご紹介している「2020春夏スタイリング」がVol.40を迎え、これはこれで毎回大変なのですが、この「考察」シリーズ、もうやめようかな…と既に心が切れかかっています。


今回は、レジメンタルストライプネクタイについて調べてみました。近年、急増中のレジメンタルストライプですが、アイビーを彷彿とさせるクラブタイ、大柄のパネルタイ、定番の段落ちなどなど、その呼び名は多岐にわたれど、何が元ネタなのか…。向かって右上がりがレジメンタルで英国式とか、逆はレップまたはリバースで米国式とか、そういう話ではなく、実際は「連隊」を意味するレジメントの連隊旗が、現在のネクタイの配色やパターンへどのように昇華したのかを個人的な見解でお送りしていきます。※重ねて申し上げますが、本物の連隊縞は厳格な決まりがありますので、ご紹介する商品は、私が似ていると思ったものをご紹介するだけです。また、中には右下がりのネクタイもございますが、ご容赦下さいませ。


〜Royal Navy〜(1707-)ロイヤルネイビーは、皆様も私達もよく使うネイビーという言葉ですが、英国海軍が正に発祥です。年代は正直難しいのですが、既に9世紀からイングランドでは海軍が存在し、時代と共に繁栄していきました。多くの国が陸軍を上位とする中、島国である英国ではその歴史から形式上とは言え、陸軍、空軍より上位とされています。柄は遠からずとも近からず。イエローを外して、レッドとホワイトがもう少し細いものです。


〜Royal Air Force〜(1918-)ロイヤルエアフォースは、英国空軍の事で、世界最古の空軍と言われています。個人的には、以前働いていた英国ブランドのターゲットマークのラウンデルに馴染みがあります。ホワイトを外して、サックスブルーをもう少し細くするとイメージに近いです。安易ですが、空って感じですね。春夏らしい配色です。


〜Argyll and Sutherland Highlanders〜(1881-2006)アーガイル&サザーランドハイランダーズは、スコットランドの6つの歩兵連隊の1つでした。ほぼ配色はこちらの通りです。想像する一般的なタータンチェックがストライプになったような日本でも馴染み深い配色ですね。


〜Highland Light Infantry〜(1881-1959)ハイランドライトインファントリーは、同じくスコットランドの軽歩兵連隊でした。グリーンをワインレッドとホワイトで挟むとイメージは近いです。しかし、パープルは英国でも日本でも大変高貴な色の1つですし、他の連隊でも多用されている大変ロイヤリティーのある色です。1つ前のストライプより落ち着いた印象ですので、汎用性は高いかもしれません。


〜Brigade of Guards〜(1856-1968)ブリゲイドオブガーズは、英国陸軍の警備旅団でした。イエローを外して、シンプルなワインレッドとネイビーのストライプで、その2トーンのネクタイは多くのブランドから出ていると思います。アイビーに限らず、国内の大学でもどこかにありそうな程、最もポピュラーなレジメンタルです。


〜Royal Army Educational Corps〜(1845-1992)ロイヤルアーミーエデュケイショナルコープスは、英国陸軍の教育隊でした。イエローを外して、グリーンでパープルを挟むとイメージは近いです。更にはブラックが濃いネイビーなら文句なしです。教育隊由来ならば、先生へのプレゼントにいかがでしょうか。


〜Royal Canadian Mounted Police〜(1920-)ロイヤルカナディアンマウンテッドポリスは、王立カナダ騎馬警察です。車が発明される前から存在していた為、その名を残す国家警察です。かつては英国領という事もあり、レジメンタルが存在していると考えられます。ネイビーに細いイエローのみの柄が本家ですが、近年のネクタイにも多く見られます。


以上が、レジメントに由来する現在のネクタイの個人的考察でした。もっと個人的に言いますと、NBAが大好きなので、いつもレジメンタルストライプを見ると、どこかのチームカラーに当て込みたくなるのは私だけでしょうか。まだまだたくさんありますが、もうこれ以上はご容赦下さい。イエローを外す…という言葉を多く使いましたが、現在のトレンドを考慮した上で、各ブランドが挿し色に使用しているのかもしれませんね。これらがその後、英国、米国の大学や高校のユニフォームへと独自の進化をしていきます。ジャケットも遡れば軍服に行き着くわけですから、特にネイビージャケットとの相性は言うまでもありません。あえて、ミリタリーアイテムにレジメンタルストライプネクタイの組み合わせを挑戦してみてはいかがでしょうか。

それでは、またいつかきっとどこかの深夜にお会いしましょう。


川口


注:今考察について、違う見解をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、温かく見守っていただければ幸いに存じます。



考察 Vol.2

皆様、こんばんは。

ドレス担当、川口でございます。


闇夜の独り言、「考察」のお時間です。早速、Vol.2をお送りする事ができました事を嬉しく思うと同時に、「これは、なかなか大変やな」と、先行きを案じております。

今回は、ドレスシャツにおける襟の角度について調べてみました。

それでは、参ります。


①ワイドカラー

〈BEAMS F(ビームスF)〉 100度


〈Brilla per il gusto(ブリッラ ペル イル グスト)〉 105度


〈Maria Santangelo(マリアサンタンジェロ)〉 85度


②セミワイドカラー

〈BEAMS F〉 90度


〈Borriello(ボリエッロ)〉 100度


③レギュラーカラー

〈BEAMS F〉 70度


〈ERRICO FORMICOLA(エリコ フォルミコラ)〉 80度


〈BAGUTTA(バグッタ)〉 90度


④ボタンダウンカラー

〈BEAMS F〉 55度(※釦を外した場合は80度)


以上がドレスシャツにおける襟の角度の検証結果です。〈BEAMS F〉をあくまで基準とすると、割とインポートブランドは振り幅が大きいのが現実です。例え表記がワイドカラーでも、見るからにセミワイドカラーであったり、逆もまた然り。表記は各ブランドそれぞれ、と思う程度にしていただきながら、実際には皆様の確かな目で、画像または実物をご覧いただければ幸いです。

それでは、またいつかきっとどこかの深夜にお会いしましょう。


川口


注:シャツの個体差、私の分度器の置き方、襟の調整具合い、写真の角度などなどにより、若干の誤差が生じています。あくまでご参考までにご覧下さいませ。



考察 Vol.1

皆様、こんばんは。

ドレス担当、川口でございます。


新シリーズ「考察」です。堅いタイトルですが、堅く参ります。長続きしそうな気が全くしませんが、私なりに気になる事を調べて、闇夜の独り言のようにお伝えしていきますので、どうぞ宜しくお願い致します。


今回は、こちら。

ORIAN(オリアン)フラワープリント オープンカラーシャツ
カラー:ライトブラウン、ネイビー
サイズ:S〜XL
価格:¥24,000+税
商品番号:21-11-2588-495

素朴にプリントの植物名が気になりました。お客様にはフラワープリント、ボタニカルプリント、花柄などなど、簡単な言葉でお伝えしますが、一体なんの植物なのか…。紐解いていきます。


〈ハイビスカス〉大きく3タイプに分かれるようで、恐らくオールドタイプかと。ハワイでは州花、マレーシアでは国花、国内ではやはり沖縄のイメージですね。夏の花のイメージが強いですが、実は春から秋まで花を咲かせるそうです。しかも毎朝開いては、毎晩閉じるという1日花。これは知りませんでした。

花言葉:繊細な美、新しい恋


〈ヘリコニア〉見た事あるような気がしますが、無知すぎて初めて聞いた名前です。オウムのくちばしのようなのでオウムバナ科、ロブスターの爪などとも言われているようです。色が綺麗な部分は花ではなく苞(ほう)と言って、この苞の中で花が咲くそうです。

花言葉:注目、風変わりな人


〈ヤシ〉一言にヤシと言っても3000種以上あるようで、それ以上の考察はしませんでした。私達の業界ではハットや釦に使われるイメージですが、花、葉、幹、実、全てを利用できる数少ない植物だった事で、古代人にとって命を繋ぐ植物として重宝されていたようです。アサイーもヤシからですね。

花言葉:勝利、平和、忠誠、その他多数


〈モンステラ〉やはり見た事あるけど、名前は知らなかったモンステラ。耐陰性があり、水切れや多湿にも強く、観葉植物として定番です。私も自宅にありましたが、何故か枯れました。ラテン語で「怪物」の意味があるそうです。かっこいいですね。

花言葉:うれしい便り、壮大な計画、深い関係


以上が、〈ORIAN〉のフラワープリントシャツに隠された植物達の名前でした。もしかしたら、お詳しい方やプロにダメ出しされるかもしれませんが、どうか穏便に独り言と思って流してやって下さい。個人的にはモンステラ、何故枯れたのだろう…という疑問を残す考察でした。それは、また調べます。

それでは、またいつかきっとどこかの深夜にお会いしましょう。

川口