久留米絣に魅了されて

佐藤 幸子 2026.09.12

またこの季節がやってきた。




毎年一回9月に訪れる八女と筑後。

久留米絣の織元様がある場所。


2019年。

私にって衝撃的な久留米絣の出会い。

トレンドやシーズンに追われる日々に疲れ果てていた頃にみた大胆な久留米絣。


(厳密にはこの久留米絣に似た絣を見た)



ものが放つ力強さに目が覚めた。

あのときの久留米絣との出会いがCallingのすべての始まり。

そんな始まりが偶然ではなく必然だと感じさせてもらえるような数日間を過ごした。

久留米絣は今19軒の織元さまがいらっしゃるそうです。

毎年数回をかけてそのほとんどの織元様を訪れている。

今回はとても特別な時間でした。


CATHRI Vol.1の撮影のお手伝いをしてもらっていた若者。

その当時最年少織元様の森山くん。

今回2日間案内をお願いした。

出会った頃は私もまだCATHRIを始めるかどうかのタイミング。

その当時の彼は20代でやんちゃで。

私のお願いといえば、おじいさまの森山虎雄さんの織物を探して〜!


家掃除してみます〜。

ありました〜。

なんて、そんなやりとり。

虎雄さんの織物の魅力にとりつかれた私は小さな小さな織物まで森山くんに探してもらって。

CATHRIのお洋服のほんの一部に使わせてもらいました。

そこから数年がたち。

運転ができない私は、森山くんに相談。

車がないからど〜すりゃいい?

いいっすよ〜。運転しますよ〜。

当日。





いつもの通りのテンションで空港で待っていてくれた。


お腹ペコペコで到着し。

うどん?ラーメン?

なんてのんびり構えていたら..........。

アポつがつまってるんで急いで1軒目行きますよ!!

まさかのランチ抜き・・・・。

的確なアテンド力に驚く。

そのまま初めての織元様へ。

まずは手織りの織元様のところへ。




手括りで細やかな曲線の柄を表現する。

とても丁寧に説明していただいたのに私は多分全ては理解できていない。

正直人間業とは思えないような複雑で面倒な作業の連続のような気がする。

そしてデザインや括りの作業を見せてもらう。

気の遠くなるような丁寧な作業から生み出された織物にため息。

いつの日か手括り手織りの反物で1着を仕上げるCATHRIを実現したいと夢が広がる。




久留米絣は織元様の人間そのものが織物に現れる。

手括り。

手織り。

機械おり。

藍染。

それぞれがそれぞれに素晴らしい。



そして、ゆっくりするまもなく機械織の織元様を訪問。




世界中のアーティストとコラボレーションされている織元様。

地球は狭いと改めて。

そして文化が違う方の手にかかると本当に新しい久留米絣が生まれている。

そして新しい素材との組み合わせにチャレンジしている織元様。

次回のCATHRIのコレクションに使用するため織物をお借りする。




そして。

私には何年もどうしてもやりたい久留米絣の柄がある。

大正時代に作られていたという柄で、括りの白が多く布団柄だったので柄が大きい。

会う織元様みんなに聞くのだけどもう今の時代は作れないね〜。

という柄。

森山くんと相談して織元様をみんなつないで協業ならできるかも?

兎にも角にもその場でアポイントを取ってもらい。

博学の織元様の元へ。




むむむむ。

経糸と緯糸がたばになり括り・・・・・。

むずい。

やはりむずい。

そしてプロの判断は今は括りの部分が難しいと。

すごくじっくり説明していただき悩んでいただき一緒に考えていただき。

それでもやっぱりできない織物。

なんだかできないことでよりワクワクした。


いつかいろんな人をつないでできる日がきたら良いなぁと。





そしていつもお願いしている織元様のところに。

私が愛するNami Dressの段染めの絣の織元様。

丁度藍染をしているタイミング。

藍染の作業を見るのは本当に大好きだ。




次のCATHRIのデザインも同時に考える。

この出張は本当に分刻みで全ての工程をこなす。

CATHRIは長年それぞれ違うスキルを持つチームでやっている。

なのでとにかく全員がバラバラに違う作業をする。

私はいつも織物と向き合いながら、織物がなりたい洋服を妄想する。



そして藍森山へ。


今回の最大のテーマは、弟、森山典信(私的通称7代目)の手がける織物の確認。


髪もバッサリ切って朝から作業をしていたようでなんだか7代目も急に大人になっていた。




人として最高な彼の作る織物は彼らしくとても味わい深い。

質感。カジュアルさ。無骨さ。すべてが私の好みの織物。

次のCATHRIのコレクションに使用されるか乞うご期待。

楽しみでしかない。

それにしても、今回の驚きはここ数年での森山兄弟の変化。

もはやCATHRIのアドバイザーですね。

東京の私が久留米絣を触らせていただくことはとても貴重なこと。

5年でも状況は変わる。

5年で人は成長する。

5年でファッション業界も変化を続けている。

そして久留米絣においても。

織元様によっても目指すところが違う。

未来の久留米絣はきっと私が想像もしていないようなアウトプットになっていくんだろう。

100年後。200年後。1000年後。


久留米絣の魅力は本当に知れば知るほど深まっていく。

今の出会いが未来の久留米絣に何か少しでも良い影響が出ればと願う。





紹介アイテム