
【CASSETTE】The Libertines / All Quiet On The Eastern Esplanade〈EMI〉
価格:¥3,520(税込)
商品番号:29-69-0231-500
Oasisの再結成ライブについて、まだまだ世界中で話題沸騰中。当店では、同じレーベルで後輩となるThe Libertines(リバティーンズ)による新作アルバムのカセットを販売中。90s、00sと共に時代を代表するバンドですが、この二組の中でもOasisのLiam GallagherとThe LibertinesのPete Dohertyの関係は良くも悪くも音楽メディアでよく取り上げられていたので、つい両バンドをリンクして思い出してしまいます。MTVに偶然インタビューされ、Oasisについて熱弁する、まだデビュー前のPeteを映した奇跡的な映像(機知に富んだコメントもさすが)から、ブレイク後のプライベートの関係等々…。
両バンドそれぞれの破天荒さはロックをまさに体現していましたが、敢えて比較するとOasisに対してThe Libertinesは内向的で、詩も文学的。フォークやシャンソン、ジャズなどを吸収した音楽性も違いであると思います。因みに自分の青春時代はThe Libertinesにのめり込んでいました。だらしない演奏でヘロヘロな歌声、だけれども洒脱で心に染みる彼らの楽曲を聴いて、「こんなに下手でも良いのか」と衝撃を受けたときの感覚は今でも忘れません。上手いから良い音楽とも限らないんですよね。その分浮かび上がってくるのはアーティスト達のセンス。まさにパンクの洗礼ですね。
当時の私は若者特有の持て余したエナジーで、無駄にWikipediaを何度も読み返し、授業中にノートの空いたスペースにThe Libertinesと謎にサインする。彼らに影響を与えたバンドは勿論、ボードレールやワイルドなど、上述の通り文学好きなPeteとCarlに影響を与えた作家の本も読んでみては耽溺を繰り返す。画像検索しては真似をする。ナポレオンジャケット。ネックレスの重ね掛け。ビリビリに破れたポロシャツ。タイトなシングルライダース等々…。当時Dior Hommeのデザイナーを務めていたHedi Slimaneが展開した、彼に影響を受けたコレクションも私にとって大御馳走でした。
ということで本作についてですが、2015年の再結成に伴ってリリースされたアルバムからおよそ9年を経てリリースされました。しっかりと安定した演奏を見せている点が特に大きな違いで、逆説的にその分彼らの楽曲単体の魅力が浮かび上がってくるところがまた興味深く感じます。他にも、歌詞も環境破壊やブレグジットなど社会問題を題材にしていたり、PeteとCarlそれぞれがソロで披露していたストリングスとの合奏も加わったりと、至る所に成熟した魅力を感じさせます。
互いに時間が流れていたのだなと、ファンならではの視点で聴くのもオススメですし、AORの一つとして捉えて聴いてみるのもオススメです。どちらにせよ、彼らのロマンティックな音楽に浸っていたくなることには変わりなさそうです。