こんにちは。藤本です。
本日は、恒例のシーズナブル・レコメンデーションです。これからの梅雨の季節や夏の手前の時期に聴きたくなるような音楽をご紹介します。
早速ですが、まず最初にご紹介する一枚は、UKロンドン拠点のシンガーソングライター Arlo Parks(アーロ・パークス)の最新作です。

【LP】Arlo Parks / My Soft Machine 〈Transgressive〉
価格:¥5,500(税込)
商品番号:29-67-0672-512
【限定カラー・ヴァイナル仕様】Arlo Parks / My Soft Machine 〈Transgressive〉
価格:¥5,500(税込)
商品番号:29-67-0673-512

Arlo Parks / My Soft Machine 〈Transgressive〉
価格:¥2,750(税込)
商品番号:29-68-0286-512
【CASSETTE】Arlo Parks / My Soft Machine 〈Transgressive〉
価格:¥1,870(税込)
商品番号:29-69-0117-512

昨年夏にお店に立ち寄ってくれたArlo Parks。お店の壁にはサインもありますよ~
これまで同様セルフ・プロデュースの楽曲もいくつか収録されていますが、今作の注目すべき点はその強力な制作陣。
Adeleの『21』を手掛けたことでも有名な世界で最もホットなプロデューサーの一人、Paul Epworthや、Brockhamptonのプロデューサー/ツアーDJ、Romil Hemnaniをはじめ、Frank Oceanの『Endless』『Blonde』に名を連ねるBuddy Rossに、Mount Kimbieの片割れ、Dom Makerといった様々な音楽界隈のプロフェッショナルが集結しています。
そんな強力サポートのもと生み出されたネオ・ソウル・ロック・エレクトロの狭間を行き交う浮遊感のあるサウンドは文句なしのクオリティ。これまで以上にArloの音作りに対するこだわりが感じられ、内省的なトーンで綴られるパーソナルなリリックも相まって胸を打つものがあります。
音楽コラムサイト"Mikiki"でのインタビューでは、今作について、
「アルバムの最後を何かモヤモヤが残る感じの終わりにしたかったんだよね。こうして自分の内で経験している葛藤も混乱もまだまだ解決なんてしていないし、みんな癒しのプロセスには始まりと終わりがあると思ってるけど、私は生きていく限りずっと続いていくものだと考えてて、アルバムを通して成長や変化していく様子が描かれている。私はまだこの世界に存在していて、いまだにもがいている最中なんだよって」
と述べています。
"まだもがいている"というArloの心情や、青色の背景が印象的なアルバムアートワークから、"マンスプレイニング"という言葉を世界的に広めたアメリカの作家・エッセイスト、Rebecca Solnitの著書『迷うことについて』を彷彿とさせられました。
この本の原題は"A field guide to getting lost"。LOSTという語には失うことだけでなく、自分を見失う、道に迷うなどの意味が含まれていてその部分に着目しています。
祖先がロシア系のユダヤ人のRebecca自身の失くした記録、アメリカというヨーロッパ人が見出したロストワールド、若くして死去した友人への喪失感。人生は振り返ってみると予測されないことばかりで、いつの間にか以前の自分は失われていることに気付くこと。さ迷いながら生きていく私達に必要なのは、コンパスでも地図でもなく、今への気づきと精神の回復力である。とアメリカの歴史や土地、様々な民族の特性、哲学者、音楽家、映画監督などの言葉たちを交えながら綴っている本です。
各章の間には「隔たりの青」The blue of distanceが挿入されているのも魅力的。
「世界はその際や深みで青みを帯びる。この青は迷子になった光の色だ。水にはもともと色がなく、浅い水はそのまま透き通らせる。しかし深みは散乱した光線に満たされ、濃い青色となる。隔たりの青。わたしたちまで届くことなく、その旅路をまっとうできなかった迷ってしまった光。この世に美を添えるのはその光だ。世界は青の色に包まれている」
このRebeccaの美しい言葉は、まさにArloが目論んでいた本作でのテーマと近いのではないでしょうか。そんなことを想起させながら、ひたすら繰り返し聴いてしまう中毒性も備えた今回の新作。BEAMS RECORDSでは、通常盤LP、グリーン・ヴァイナル仕様LP、CD、カセットをご用意しています。
続いてご紹介するのは、Four Tet率いるUKポスト・ロックバンド、 Fridge(フリッジ)が2001年に発表した作品『Happiness』の20周年記念盤。

【日本語帯付き国内盤2LP】FRIDGE / Happiness - Anniversary Edition〈Temporary Residence〉
価格:¥4,950(税込)
商品番号:29-67-0728-488
ダウンテンポ、チルアウト、エレクトロ、ダブといったジャンルをポストロック的な解釈で最低限のエディットと生楽器によるミニマルな演奏を施してオーガニックに昇華させた本作。
1990年後半のIDMやポスト・ロック、エレクトロニカの発展と共に境界線が曖昧になったこと。そして、機材が進化し、フォークとエレクトロニカが融合したことで"フォークトロニカ"と呼ばれるようになったジャンルの筆頭ともいえる作品の1つです。
Four Tet名義では、ユニークでポップな音作りの印象ですが、Fridgeではシリアスで緊張感のあるムードの中でいかにメロディアスな音を紡ぎだすかという挑戦をしているように感じられます。
ただただボケーッと流し聞きながら、物思いに耽りたい時のBGMとして優れモノです。
こちらは、日本語帯付き国内盤仕様LPと店頭のみでCDを取り扱い中です。シカゴ音響派~テクノ~ジャーマン・プログレ周辺がお好みの方で、まだ聴かれていない方は是非!
最後にご紹介するのは、前述のFridgeと同時期にジャパニーズ・エレクトロニカ・シーンを牽引してきたausによる2作品。

【イエロー・ヴァイナル仕様LP】aus / Everis〈FLAU〉
価格:¥4,180(税込)
商品番号:29-67-0663-488
ausが15年ぶりに発表した最新アルバムです。「Ever」と「is」を掛け合わせ自ら造ったアルバム名『Everis』は、本人曰く「過去も現在も未来も、タイムラインのどこの場所でもどこかで存在している」といったイメージを描いているそう。
レーベル〈FLAU〉の主宰でもあるausですが、2017年に事務所が空き巣の被害に遭い、それまで制作していたデータまでも失われてしまうという無惨な結果となり、しばらく落ち込まれていたとのこと。ですが、なんとか立ち直り、頭の中にまだ残っているメロディの断片を再構築していった希望のサウンドが今作には収められています。
今回ゲストで参加しているアーティストも、昔の知り合い、いわゆる今はコネクションが無くなってしまった人ともう一度繋がったことで共演が実現したそうです。そういった意味でも、一貫性の感じられますね。
架空のパレットの上で混ぜ合わさったその一時期は失われていた日常の音の破片(例えば駅の改札、商店街、空港の滑走路、校舎から聴こえる吹奏楽、旅先で出会った民謡など)。それらがパーソナルな記憶を辿るようにアナログ機材を通して有機的にコラージュされた楽曲群は素晴らしく、全体通してアトモスフェリックな魅力を放っています。

【完全生産限定盤LP】aus / Lang〈p*dis〉
価格:¥4,730(税込)
商品番号:29-67-0695-491
そしてこちらは、ausが2006年に発表したアルバム『Lang』。当時はヴァイナル化されていなかった一枚ですが、今回の新作リリースに伴ってLP化が叶いました。
パーカッシヴなビートとドリーミーなうわものがマッチしたスムースな流れが心地良く、前述のFridgeの『Happiness』とも通じるシリアスで緊張感のあるエレクトロニカ展開も堪能できます。
まだ聞かれていなかった方は、この機会に是非聞いてみていただけると嬉しいです。
①は以上となります。
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