怠け者とは言わせない!ローファーのフィッティング

杉山 直哉 2023.11.04

こんにちは。



今回はリクエストをいただいておりました内容です。

コロナ禍の3年を経て、ビジネススタイルにも変化を感じましたが、その中で完全に市民権を得たファッションアイテムでしょう。

各ブランドからの提案も増え、更にアイテムとしての幅が広がった印象です。

そんなローファーのフィッティングについて、お伝えしていきます。


こいつ、靴のブログしか揚げないと思われた方、少々お待ちください。お弁当のおかずは、好きな具材から食べていくタイプです。得意な分野からいきます…。



まずローファーについて簡単にご説明すると、

1900年代前半、英国王室でルームシューズとして誕生しました。徐々に利便性が認められ、中頃にはG.H.BASSがWeejunsを発売。日本国内でのアイビーファッションの流行と共に、一気にその知名度が上がっていきました。
王道のコインローファー



タッセル



ビット



ヴァンプ



ストラップ



様々な種類のローファーが登場し、機能面だけでなく、装飾面でも注目が集まっています。


そんな中でご相談のケースが増えたのがフィッティングです。以前のブログでも触れましたが、紐靴と違い、紐を縛ればある程度のサイズのカバーはできる靴ではなく、とてもシビアなフィッティングが求められます。

こう聞くと、怠け者じゃないですよね?



本題に移りましょう。


単刀直入に申し上げると、

1番注意していただきたい箇所は、サドル部分のフィッティングです。その次に踵。個人的には、この2点で履いている感覚です。

横ズレは疲れに直結するので、横幅も勿論大切なのですが、この2箇所が足と合っていないと、ソールを引きずることになり、踵の減りが早かったり、そもそも無理に地面から上げようとするので、足首の屈曲が働き、脛が痛くなります。



では、実際のフィッティングです。

レースアップシューズと横から見比べてみても、甲の高さはそこまで変わりません。


ですが、履き口に関してはローファーの方が着脱の関係で広く設計されております。


それでいて、ヒールの高さがあるということは、足が靴の中で前にずれる(易い)ということ。同じCrockett&Jonesで比べても、KENTは横幅が10cmですが、


CAVENDISHは10.5cmあります。


両方とも6 1/2のサイズで、ワイズはEです。これは足幅で1番広い部分の横アーチが前にずれるのを想定しているからでしょう。ローファーは履き口が広い分、地面に踏み込む際に、足首に近い高さのある部分が前にずれますので、ワイズが細いと窮屈さを感じさせます。各ブランドも、この辺りは計算し尽くされているはずですので、同じサイズ表記でも、特にローファーとレースアップではフィッティングの違いが生じ、合わせてサイズが違うなんてことも。

現に私自身も、所謂マイサイズでは、ハーフサイズの差がでます。

少々長くなりましたが、おおよそのサドル周りの作りについて触れました。

サドル部分のフィッティングに関しては、スタッフが実際に触って確認するよりも、お客様自身の感覚が大切です。

オススメにサイズ感は、足の甲が革に触れてる?触れてない?くらいです。

ここも文字に起こすのは大変です…。可能であれば、是非店頭にて。


とにかく、同ブランドのシューズを新たに購入する際でも、必ず足入れを行い、フィッティングをみてもらってください。



次に踵のフィッティングですが、これは簡潔です。抜けないこと。

ブログ内にも登場しましたが、Crockett&JonesのCAVENDISHでは有名ですね。日本人に向け、改良された踵周りのシリーズが発売されています。

アジア圏と、ヨーロッパ圏では、骨格が異なるように、足の形も大きく異なります。

この辺は、詳しくどこかのタイミングでブログ出そうと思いますので、是非お楽しみに。


話を戻しますが、改めて大切なのは、

抜けないこと。

こればっかりは、靴と足との相性です。どれだけ他のフィッティングが合っていようと、ここが合わずにオススメをやめさせていただくケースも多々ございます。

その場合は、

率直にやめた方がいいとお伝えするケースが多いですが、中には絶対に履きたいんだ!と固い意志をお持ちのお客様も多いので…。


「○○のブランドで履くならこのサイズですね。」


憧れを手にする満足感には、とても強く共感します。

が、個人的に、こんな表現をしてやんわりとお伝えしますので悪しからず…。


なんだか、まとまらないブログとなってしまいました。長文のお付き合いありがとうございます。




紐靴を1足しか持っていないローファー信者のブログでした。




ではでは。